「植物の世界」を科学する(12) #植物の世界 #花と実 #ジャガイモの花と実 #仮説実験授業 #授業書 #花とたね #板倉聖宣
▼ジャガイモの花の季節となった。
花に栄養がいってしまわないかと迷うところであるが、あまりにも美しいのでこのまま様子をみることにする。
ひょっとしたら今年もあの実たちに出会うかも知れないという期待ある!!
さあ、どうだろう!?
▼まだまだつづける。
◆「「花と実」の仮説実験授業-その授業書の構想-」(板倉聖宣 『理科教室』1966年号P53~65)
ところで、花から生ずるたねは植物の繁殖、種族維持のもっとも基本的な方法ですが、私たち人間は植物のたねをまかないでも植物ほ増殖する方法があることをみつけてきたという事実も注目すべきことです。栽培植物の中にはイモや球根をうえたり、挿木や取木の方法で増やしてタネをまいてふやすのでないものもあります。ジャガイモ、サツマイモなどその例です。これらの植物にもたまには花がさきますが、実(たね)はならないのが普通です。これは何故かということも花と実について学んだこどもたちにとって、格好の話題です。 (同書P60より)
▼さらに「植物の品種改良」へと話が進みます。
この話題は植物の品種改良と品種維持の話につながります。というのは農事試験場などではジャガイモやサツマイモなどの品種改良をするために、ジャガイモやサツマイモの花を大切にして花粉をかけあわせて実(たね)をならせ、そのたねをまいて新しいジャガイモやサツマイモの品種を開発しているからです。まずしかったバーバンク青年が、このような点に目をつけてジャガイモの品種改良に成功し、植物の魔術師ともよばれるようになったという話は子どもたちにとっても大へん興味深い話となるでしょう。
(同書P61より)
と板倉氏が書いたのが、1966年12月です。
その翌々年の1968年7月!! あの名著が生まれたのです。
◆【お薦め本】『ジャガイモの花と実』(板倉聖宣著 楠原義一画 福音館 1968.7.1)
今も「科学読み物」の金字塔です!!
▼まだ話はつづきます。
このほか、最近、花やさんなどでうっているりっぱな花の中にはメシベなどが退化していて実をむすばないものもあり、タネナシブドウや最近のミカンのように実を結んでもタネができないものもあるということなども、人間はどのように植物を支配しているかということを示す話題として子どもたちに提供されてよいでしょう。「花とたね」はこのように子どもたちを広い植物の世界へと導くことになるのです。
(同書P61より)
(つづく)
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