【お薦め本】『見てびっくり野菜の植物学 ゲッチョ先生の野菜コレクション』(盛口 満 文・絵 少年写真新聞社)
▼少し事情があって、しばらく東の畑を放置することになってしまった。
気づいたら、キャベツにきれいな花が咲き始めていた。
そうだ!!
キャベツもりっぱに「植物」だからアタリマエ!!
となりのハクサイには、なんと実(タネ)までできていた。
それらを見ていて思い出す本があった!!
▼久しぶりに読んで(見て)みて、とても面白かった。
やっぱり、ぜひとも【お薦め本】にあげておきたくなってきた。
◆【お薦め本】『見てびっくり野菜の植物学 ゲッチョ先生の野菜コレクション』(盛口 満 文・絵 少年写真新聞社 2012.2.1)
例によって、お薦めポイントは3つ
(1)みんなが楽しめる「家庭菜園(畑)のとも」!!
(2)ゲッチョ先生の大きな絵が楽しめる!!
(3)野菜たちのルーツがひと目でわかる!!
▼ではお薦めポイントひとつずつ少しだけ詳しく述べてみる。
(1)みんなが楽しめる「家庭菜園(畑)のとも」!!
野菜たちも、「植物」である。このアタリマエついつい忘れてしまうんですよね。
ゲッチョ先生のコトバを借りよう。
植物を口に入れない日はないといってもいいでしょう。そうです。食卓の上の野菜も、植物の仲間なのです。そうしてみると、わたしたちは、ずいぶんと植物の名前を知っていることになりますね。トマト、ニンジン、ダイコン……。でも本当に野菜のことを知っているといえるでしょうか?野菜も植物です。そのことを、ふだんとは少しちがった目から見てみることにしたいと思います。そこから、どんなことに気づくでしょう?
(同書「はじめに」P2より)
より具体的なところを見ていきましょう。
先のキャベツのことについて、次のようなページがありました。
「キャベツの七変化 その1 その2」
野菜の品種とは何でしょう?野菜はみんな、もともとは野生の植物でした。
最初、人々は野生のままの植物を、いろいろ利用していました。
そのうち身近なところに植えて世話をするようになったのです。
身近で世話をするうちに、同じ植物にも個性があることがわかります。
そうして、よりすぐれた個性のものが選ばれ、受けつがれていくうちに、だんだんともとの野生の姿とは変わった形や性質へと、姿を変えていきました。
(同書P34より)
キャベツのご先祖様はケールにはじまり、やがて葉が丸まった、おなじみのキャベツへと姿を変えました。ブロッコリーやカリフラワーも、キャベツと同じご先祖様から生みだされた野菜たちです。
(同書P37より)
「植物」である「野菜」が、どんどん「品種改良」をしていくうえで、忘れてはならないのが、花と実(タネ)です。
あまり普段意識的に観察することのない花についてのページもあります
「花くらべ」(同書P4より)
これを見ていると、同じ仲間の野菜たちは、よく似た花をつけることがわかる。
花の次は実(タネ)です。
とてもお気に入りのページがあった。
「わたしは誰?」(おわりに)
畑に行ってみましょう。今日も野菜たちが生きています。
そして、食卓や店先とはちがった姿の野菜たちにも出会えるはずです。
来年のために花を咲かせ、種子をつくり……と、そんな姿を。
野菜たちは食べものであるけど、そのまえに植物という生きものなのです。
(同書P60より)
いいですね!!
ぜひぜひ家庭菜園(畑)のすぐそばに置いておき、いつでも開いてみたいですね。
一家に一冊 家庭菜園(畑)のともに!!
(2)ゲッチョ先生の大きな絵が楽しめる!!
ゲッチョ先生の文も大好きだが、特にあの絵が最高に大好きだ。
これまでもずいぶん楽しませてもらってきたが、今回もそうだ!!
どこが「見どころ」かを理解しての絵はみごとである。
「現物」と照らし合わせながら、見せてもらうと、きっとその「観察眼」に驚く。
大判のゲッチョ先生の「植物絵本」として大人から子どもまで楽しめる。
きっと「そうだったのか!!」と驚くことがいっぱいあるはず。
▼最後のポイントに行こう。
(3)野菜たちのルーツがひと目でわかる!!
・あの野菜はいったいどこからやってきたのだろう?
・その野菜はいつの時代に日本にやってきたのだろう?
こんな疑問に答えるためには、今の時代だからネットで検索すればわかるかもかも知れない。しかし、この本にはこれらの疑問に答えて、すばやくひと目でわかる貴重なページがあった。
●「野菜のふるさと」(表紙 見開きページ)
世界地図に、野菜のイラストとともに表示されている!!
あの野菜の「ふるさと」がひと目でわかる。
●「野菜伝来年表」(裏表紙 見開きページ)
あの野菜はいつごろ日本にやって来たか、ひと目でわかる。
時代のおもなてきごと・文化・野菜の欄がもうけられており、伝来の時代背景がよくわかる。
他の野菜との比較して見るのも面白い!!
ひと目でわかる興味深い資料がついているのもこの本のうれしい特長である。
これは「おまけ」というには面白すぎる!!
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