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「植物の世界」を科学する(7) #植物の世界 #花と実 #大賀ハス #大賀ハスの実 #あこがれの4日間

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▼大賀ハスの蓮根を植え替えをして、1ヶ月がたっていた。
 いくつかの葉芽がでてきている。
 葉芽はさらにのびて「浮葉」、さらには「立葉」となるだろう。
 その元気な「立葉」とセットで、あの「花芽」(花茎)がててくるだろう。

 今年はいくつの「あこがれの4日間」(花)に出会うことができるだろう。

▼そう言えば、「実(種子)→花」の物語の典型が16年に及ぶ【大賀ハス観察日記】だった。

◆【大賀ハス観察日記】

 その物語は
●「大賀ハス」種子入刀!!(2008/05/17 )
から始まっていた。
▼みごとに咲いた花は、4日間だけのいのちだった。
 その4日間は、私にとっては「あこがれの4日間」だった。
 
●2022年大賀ハス2号「あこがれの4日間」がはじまった!!(2022/07/07) #大賀ハス #あこがれの4日間 #開花音
●2022年大賀ハス2号「あこがれの4日間」第二日目!!(2022/07/08) #大賀ハス #あこがれの4日間 #二日目
●2022年大賀ハス2号「あこがれの4日間」第三日目、第四日目!!(2022/07/09~/10) #大賀ハス #あこがれの4日間

▼このタイミングで、とても興味深い特集をしている雑誌があるというので入手してみた

◆生物の科学 遺伝 2023年5月号 特集「 花ハス: 歴史と最新研究-人との関わりを紐解く」

なかでも、「大賀一郎博士とハスの研究」はとても面白かった!!
 
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「植物の世界」を科学する(6) #植物の世界 #種族維持 #花と実 #種子 #チューリップの種子 #ヒガンバナ実生実験

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▼「植物の世界」では、個体維持=光合成=「食べる」とならんで必須の重要なテーマがあった。
 「種族維持」=「仲間をふやす」!!
 である。
 
▼とりわけ、種子植物では
 花から種子へのプロセス、またその種子を使って次世代への「栽培」!!
 これらの継続的な観察、道楽の科学として楽しんでいる。

・ヒガンバナ
・大賀ハス
・子規庵の糸瓜
・最上の紅花
等など

▼少し話は変わるが、今、ほぼ40年ほど前の生徒たちの「授業感想文」を楽しんでいる。
 なかにとても興味深いものがあった。

「チューリップの種子を求めて」
・「花屋(種屋)さんに行ってタネを手にいれてこよう」という課題が出された。
・クラスの多くの生徒が、次から次と花屋さんを訪ねたこと。
・親切な花屋さんはタネの問屋さんに問い合わせてくださった。
・長野のタネの問屋→新潟県のタネ屋→姫路の問屋 等々と問い合わせてくださった話
・「元祖チューリップのタネは日本にはない!?」
・では来年は自分で育てて…!!
・夢は将来オランダに出かけて、タネを手に入れること!!
等などの「チューリップの種子を求めて」の顛末記がとても面白かった!!

 今もチューリップを見ると、このときのことを思い出すのだった。

▼「花は種子をつくる」器官 このアタリマエ!!
 このアタリマエが、今日のヒガンバナ実生実験にツナガッテイルのかも!!

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2022年版 2022.10.15試案)

(つづく)

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【理科の部屋】30周年記念オフ は11/23(祝・木)!!(2023/04/28版) #理科の部屋 #30thrika #記念オフ

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▼若葉あざやかな季節となってきた。
 連休を前にして、2023年度の年間計画も落ち着きはじめているころだろう。
 
▼もうすでに提案している「記念オフ」の案内であるが、前回より1ヶ月経ったということであらためてあげさせてもらう。
 
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■【理科の部屋】30周年記念オフ

【日時】2023年11月23日(祝・木)午後~

【会場】 ナリカ(旧中村理科)
        (東京都千代田区外神田・最寄駅:JR御徒町など)
     
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▼具体的な<なかみ>の企画についての提案は検討中である。
 参加予定のみなさんの予定が立てやすくなってきた今からこそ大いに検討していきたいものである。
 【理科の部屋】ならではのオフになることを期待している。
 いろんな【企画】を提案してもらうとうれしい。
 たとえば、
 ・【理科の部屋】30年の歩みからうまれた理科教材
 ・【理科の部屋】30年の歴史のなかで展開された【企画】モノ!!
 ・「これから」の【理科の部屋】
 ・30周年記念ミニレクチャー
 等など

▼いろんなオプションの計画もでてくればより楽しいものとなるだろう。
 【理科の部屋】のコンセプトは一貫している。

  情報は発信するところに集まる!!
  情報は交叉するところに生まれる!!

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第33回オンライン句会「寅の日」5月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼季節は螺旋的に進む!!
 その都度、寅日子先生もやはり多くを詠んでいたようだ。

 赤土や坂新らしきむらつゝじ (明治31~2年)
 搦手の岩山つゝじ盛りなり (明治32年)

▼オンライン句会もここまできて、今さらなが「俳句は、詠み手と読み手の共同作業の文芸である」を実感している。
 自分では何気なく詠んだ句も、読み手たちによって大きくふくらむこともある。
 それがたまらく楽しい!!面白い!!
 毎回、どんな句に出会えるのか!? 
 それが楽しみである。

▼ここまできたオンライン句会「寅の日」、第33回5月例会の案内をあらためてあげておく。

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第33回オンライン句会「寅の日」5月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2023年5月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2023年5月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2023年5月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼オンラインであることを余儀なくされたときに出発した「句会」であるが、オンラインだからこそ可能だったことも多々ある。
 これからも、その利点を生かしながら楽しみたい!!
 いつの日かのリアル「句会」夢みながら…

 「ひとり吟行」ほんの少しだけ範囲をひろげてみた。
 まったくちがった景が見えてくることに自分自身で驚いてしまった。
 さあ、5月はどんな句が詠めるかな。
 どんな句が読めるかな!?

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本日(2023/04/26)、第346回オンライン「寅の日」!! #科学者とあたま #traday #寺田寅彦

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ほんとうにここから子グモたちが出てくるだろうか!?

 私はほんとうのことを知らなかった!!
 これがナガコガネグモの「卵のう」であることは確かであると思っていた。
 はじめてこれを観察したのは、昨年のお盆すぎのことだった。近くには3個はたしかあったはず。
 先日からついに、このひとつだけになってしまった。
 以前のジョロウグモの場合の観察などから、もうそろそろかと思っているがわからない!!
 私がシロウト「クモ学」をはじめたのは、2013年の夏からである。
 私はクモ学者でも科学者でもない。
 私には、どこまでも「観察」を続けるしか方法はなかった!!


▼本日(2023/04/26)は、第346回オンライン「寅の日」である。
 4月のテーマは、

◆4月テーマ 「これから科学者になる君へ」

 4月3回目の本日は「科学者とあたま」を読む。

◆本日(2023/04/26)、第346回オンライン「寅の日」!!

●「科あたまあたま」(青空文庫より)


▼4月のテーマにそった最高傑作の名随筆だと思っている。
 名作中の名作である!!
 寅彦からのメッセージは、時空を超えて今も響いてくるのである。
 読む度にあたらしい「発見」があるはず!!

 しかしまた、普通にいわゆる常識的にわかりきったと思われることで、そうして、普通の意味でいわゆるあたまの悪い人にでも容易にわかったと思われるような尋常茶飯事(さはんじ)の中に、何かしら不可解な疑点を認めそうしてその闡明(せんめい)に苦吟するということが、単なる科学教育者にはとにかく、科学的研究に従事する者にはさらにいっそう重要必須(ひっす)なことである。この点で科学者は、普通の頭の悪い人よりも、もっともっと物わかりの悪いのみ込みの悪い田舎者(いなかもの)であり朴念仁(ぼくねんじん)でなければならない。

 それで、研学の徒はあまり頭のいい先生にうっかり助言を請うてはいけない。きっと前途に重畳する難関を一つ一つしらみつぶしに枚挙されてそうして自分のせっかく楽しみにしている企図の絶望を宣告されるからである。委細かまわず着手してみると存外指摘された難関は楽に始末がついて、指摘されなかった意外な難点に出会うこともある。

自然は書卓の前で手をつかねて空中に絵を描いている人からは逃げ出して、自然のまん中へ赤裸で飛び込んで来る人にのみその神秘の扉(とびら)を開いて見せるからである。
 頭のいい人には恋ができない。恋は盲目である。科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。

 科学の歴史はある意味では錯覚と失策の歴史である。偉大なる迂愚者(うぐしゃ)の頭の悪い能率の悪い仕事の歴史である。

頭の悪い人には他人の仕事がたいていみんな立派に見えると同時にまたえらい人の仕事でも自分にもできそうな気がするのでおのずから自分の向上心を刺激されるということもあるのである。

▼さらに寅彦からのエールが続く!!

科学的研究の結果の価値はそれが現われるまではたいていだれにもわからない。また、結果が出た時にはだれも認めなかった価値が十年百年の後に初めて認められることも珍しくはない。
 頭がよくて、そうして、自分を頭がいいと思い利口だと思う人は先生にはなれても科学者にはなれない。人間の頭の力の限界を自覚して大自然の前に愚かな赤裸の自分を投げ出し、そうしてただ大自然の直接の教えにのみ傾聴する覚悟があって、初めて科学者にはなれるのである。しかしそれだけでは科学者にはなれない事ももちろんである。やはり観察と分析と推理の正確周到を必要とするのは言うまでもないことである。

 そして、こう続ける。
 つまり、頭が悪いと同時に頭がよくなくてはならないのである。

 注意するべきことも、しっかり語ってくれていた。
 最後にもう一つ、頭のいい、ことに年少気鋭の科学者が科学者としては立派な科学者でも、時として陥る一つの錯覚がある。それは、科学が人間の知恵のすべてであるもののように考えることである。

 最後のととどめがこれである。
 この老科学者の世迷い言を読んで不快に感ずる人はきっとうらやむべきすぐれた頭のいい学者であろう。またこれを読んで会心の笑(え)みをもらす人は、またきっとうらやむべく頭の悪い立派な科学者であろう。これを読んで何事をも考えない人はおそらく科学の世界に縁のない科学教育者か科学商人の類であろうと思われる。
 
もちろんアイロニーを込めたコトバであろう。
 しかし、私はあえて寅彦に反駁したい!!

 科学教育者こそ、読むべき必須の随筆である!! 

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「植物の世界」を科学する(5) #植物の世界 #光合成 #光とり競争 #つる植物 #カラスウリ

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▼あるコトバが、大のお気に入りであり、アタリマエに使って来た。

●「光とり競争」!!

である。このコトバに少しこだわってみたい。
 いつごろから使われているのだろう!?
 今も使われているのだろうか!?

▼前回に紹介させてもらった

◆「“食べる”ことの生物的意味と生物教育-光合成のあつかいをめぐっての問題点-」黒田 弘行(『理科教室』1970年4月号 P14 より)

にもどって再度引用させてもらおう。

 動物は“捕食している”生物であるにのにたいし、植物は“日光を食べて食物を自分でつくっている”生物です。
 エルトン氏のいうように、「動物の食性にはなはだしいちがいが存在しても、植物はすべて日光という同じ種類のものをえようとして争っている」という見方を子どもたちのものにしてやることは、生物教育の重要な課題であるといえましょう。
 このような見方を武器にすることによって多彩な植物を個々バラバラな雑多なものとしてでなく、“食べる”ことの多様なあらわれとして、植物の多様性をとらえることができるようになります。
(同書 P18より)

 ここではごく自然に「光(日光)とり競争」というコトバが出てきますね。

▼私も授業テキスト『植物の世界』(1983.8)なかでもそのコトバを使っていた。

◆1-3 植物と光(光とり競争)

▼そのテキストから2年ほど前にとても気になる本が出ていた。

◆『植物のくらし』(前田幹雄編著 新生出版 1981.8.10)

 巻頭は、次のようにはじまっていた。

 カラスウリの根っこを掘りおこしてみると、地面からそれほど深くないところに肥大した地下茎(イモ)がじゅずつなぎにでてくる。よく太ってズシリと手ごたえがありサツマイモのようである。夏の間、地上ではつるをのばしせっせと光合成をして生産したでんぷんを地下に貯蔵する。イモはでんぷんの貯蔵庫である。イモのでんぷんは、カラスウリが、翌年、また茎をのばし葉をひろげ光合成するための栄養になる。カラスウリが地下から芽をのばしはじめるころには、カラスウリの周辺は成長の早い一年生草本や日光とり競争には最も強い木々の葉でおおわれてしまつている。
 出遅れたかに見えるカラスウリは地下に貯えた栄養を使って、急速に茎をのばす。
 この茎は、まわりの植物にからみついて伸びるため、支持組織を極端に省略してその分先へ先へと伸ばし、やがて陽のあたるところに出て葉をひろげ光合成できるようになる。カラスウリの極端に貧弱で細長い茎(つる)とはあまりも対照的な肥大した地下茎(イモ)-つるとイモ-は、カラスウリが植物の世界で生き抜くための“からだ”である。
(同書 P7より)

あまりに面白すぎたので、ついつい長く引用させてもらった!!
 ここにすぐれた植物観のすべてがあった。
 ここにもやはり「日光とり競争」のコトバが登場するのである。

(つづく)

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【Web更新4/23】23-17 サイエンスコミュニケーター宣言等 更新!!

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風強し葉も翻る苺かな 23/04/22撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】23-17
週末定例更新のお知らせ
 新年度の計画もそろそろ落ち着きはじめたころかも知れない。
 ある面での軌道修正が必要なら、今 なのかも!?
 直接は関係ないくせに、そんなことをぼんやりと考えたりする。

 ゆっくり ゆっくり 急ごう !!

◆表紙画像集2023 更新 苺
 なんとも強い風が、苺の花に吹き付けていた。
 葉も翻るほどであった。
 この白い花から、どのようにしてあの赤い実の苺になるのか、しかと見とどけたいものである!!
 あんがいアタリマエはアタリマエでないかも知れない!?
 連休に間に合うのかな!?

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 またまた気まぐれに新シリーズをはじめてしまった。
 「植物の世界」を科学する である。
 どこまでも、自分自身がこれからも楽しく植物とつきあっていくための取り組みである。
 面白くなくなったら、すぐにやめるつもりである。
 「植物」って、やっぱり「ふしぎ!?」!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 5月テーマは「日常のなかの科学」である。
 寅彦の視点を借りれば、日常の暮らしのなかにも「ふしぎ!?」はいっぱいである。
 「ねえ君、不思議だと思いませんか」
 といつも問いかけられているようダ!!


 大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから4週目である。
 浮葉になるであろう「葉芽」がいくつも水面からたちあがってきた。
 葉を広げるのは そろそろだろうか。

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「植物の世界」を科学する(4) #植物の世界 #光合成 #食べる #生物教育 #植物とは

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▼先に「光合成」の科学史を、50年以上前の文章を参考にさせてもらいながら見てみた。
 今さらながとても参考になり、はじめて知ることも多く、とても面白かった!!
 同じ頃に『理科教室』に書かれたたいへん興味深い「生物教育」への提言をみつけた。
  
◆「“食べる”ことの生物的意味と生物教育-光合成のあつかいをめぐっての問題点-」黒田 弘行(『理科教室』1970年4月号 P14 より)

▼引用しはじめたらきりがないほど面白い。
 今でもうなずくこといっぱいである。できるだけおさえぎみに少しだけ引用させてもらう。まず当時の小学校の教科書の具体例をあげながら黒田氏はこう言っていた。

  植物の口は根であるといういうとらえ方を子どもたちは栽培をとおしてよくとらえています。銀紙を葉にまきつける例の実験は、子どもたちの「植物の口は根である」という見方にほんのわずかのゆさぶりもあたえていないのです。
 (同書 P16 より)

葉のいろんなはたらきのうちの1つとして「でんぷんづくり」という性質もあるらしいことをつかんでいるだけなのです。
 だから“植物とはいかなる生物か”を問題にするときには“光合成”は全く問題にされなくなってしまうのです。そのために、具体的に自然界にある植物を問題にすると、ヤブガラシの例のように子どもたちはつまづいてしまうのです。 
(同書 P16 より)

 なんということでしょう。
50年前(半世紀前)もアリストテレスの「根は口である」は健在だったのです。
 現在はどうでしょう!?
 私自身の内なるアリストテレスはどうでしょう!?

▼そこで、提言がつづきます。

 生物教育は、子どもたちが「生物とはなにか」をとらえていくものでなくてはなりません。「生物とはなにか」をとらえるためには、無生物にない、生物のみがもっている、しかもすべての生物に普遍的にみられる法則性を武器にしなければなりません。そんな法則性の1つに「食べる」があります。
 「すべての生物が食べて生きている」という場合には、すべての生物に普遍的にみられるが、それは生物のみが特殊的にもっている法則性であることを意味しています。
 雑多な生物も「食べる」を武器にするということによって“動物”“植物”“微生物”と分類してつかむことができます。これは雑多な生物を生物の多様性としてつかんだことになります。
(同書 P17 より)

 生物教育は子どもたちが「生物」を生物のコトバでとらえることができるようにする教育でなければならないと思います。生物を物理・化学のコトバでとらえる生物教育であってはならないのです。 ( 同書 P18より)
 強い決意すら感じる提言です。  そして、いよいよ生物謎解きの最高キーワード「食べる」の登場です。

▼私の勝手な解釈で言えば、提言の本命はこのあたりにあるのでしょう。

 動物は“捕食している”生物であるにのにたいし、植物は“日光を食べて食物を自分でつくっている”生物です。
 エルトン氏のいうように、「動物の食性にはなはだしいちがいが存在しても、植物はすべて日光という同じ種類のものをえようとして争っている」という見方を子どもたちのものにしてやることは、生物教育の重要な課題であるといえましょう。
 このような見方を武器にすることによって多彩な植物を個々バラバラな雑多なものとしてでなく、“食べる”ことの多様なあらわれとして、植物の多様性をとらえることができるようになります。
(同書 P18より)

 ここに今回私がもっともさがしていたコトバがあります。
 そして、「食べる」という武器の有効性をつづけます。
 植物の個体をつくっている器官を問題にするときも「食べる」は重要な武器になります。植物の基本器官は、葉、根、茎です。このすべての器官をつかって、植物は食べて生きているからです。
( 同書 P19より)

 植物が海から陸へと進出することによりはじめて、植物は個体を葉・根・茎という器官に分化される必要性をもったのです。  植物にとって、葉・茎・根とはなにかを具体的につかむためには、生物界の歴史的発展過程をとらえる必要があります。植物とはいかなる生物かをより具体的にとらえるためには歴史的な見方を必要とするのです。  “生物の歴史”を単に博物的知識としてのみあたえるのでなく、現実の自然界に生きている生物をとらえるための重要な武器としてあたえなければならないのです。  ( 同書 P19より)

ここから50年経った!!
私はあらためて、自分に問う。

「植物」って何!?

(つづく)

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「植物の世界」を科学する(3) #植物の世界 #光合成 #光合成の研究 #ド・ソシュール

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▼なにはともあれ「植物」は「光合成」できまりだと思っていた。

● はじめに「光合成」ありき!!

 「植物の世界」では、「光合成」が最大のキーワードであると認識していた。
 比較的近年であるが、「光合成の発見」で一件落着と思っていた。

▼しかし、科学史はそれほど単純ではなかったようだ。
 前回のつづきである次の読み物が、とてもわかりやすく面白かった。

◆「子どもに聞かせる科学者のはなし 光合成の研究をふかめたド・ソシュール 」(真船和夫)『理科教室』1969年3月号 P77より)
 
 引用をつづけさせてもらおう。

 インゲンハウスが衛生学者だからというだけでなく、かれの、はじめての論文ができた1779年には、化学の知識や方法をつかって、この問題を、もっとつっこんで研究できるようになっていなかったのです。前にもお話したように、わたしたちが学んでいるような近代的な化学の基礎をつくったのはラボアジェですが、1780年ごろには、まだラボアジェ自身が、フロジストン説にもとずいた古い化学の考え方から、すっかりぬけだしてはいなかったのです。ラボアジェが、元素について新しい見方を土台にして、古い化学を近代的な化学につくりかえることに成功したのは1785年になってからです。
(同書P77より)

そうです。
 「光合成の発見」という世紀の一大発見は、ラボアジェの近代化学の確立と深く関わっていたのです。もっと言えば我々の物質認識の歴史とも深く関わったことなんです。

▼さらに興味ぶかいことがここには書いてありました。

 インゲンハウスは、あとの論文では、すべての植物は、いつでもたえまなく二酸化炭素を出していると書いています。つまり、植物も動物とおなじように、たえまなく呼吸していることを見出しているのです。そして、植物が酸素を空気中に出すのは、緑色をした葉や茎が、光の下にあるときだけであることを、くりかえし強調しています。ですから、インゲンハウスものちには、植物の呼吸と光合成をはっきりとくべつしていたのです。  (同書P77より)

今ではアタリマエのこと!!
でもそれからはたった200年ちょっとしか経っていないのです。

▼次にこの研究を深めたのはテオドール・ド・ソシュール(スイス1746~1845)でした。
 では、光合成の原料の二酸化炭素をどこから取り入れたのでしょう?
 実にくわしく面白い実験をしたようですね。

つまり、ド・ソシュールは、ラボアジェが新しい化学をつくりあげるのに用いた定量的な方法をつかって、植物の問題を研究したのです。そこで、ド・ソシュールの実験結果はひじょうにはっきりしたものでした。
 ド・ソシュールは、ハッセンフラァッの実験結果がまちがっていることを、つぎのような実験で明らかにしました。
 「実験 ガラスびんのなかの小石のあいだにソラ豆4こをおく。ソラ豆4この重さは6.368gであった。これらのソラ豆にじょうりゅう水をそそぎ、青空の下で、太陽の光にあて3ヶ月育てた。花のさいたすぐあとで、ぜんぶの重さをはかってみたら、生の重さは87.149gで、乾燥したのちの重さは、10.721gであった。つまり、これらのソラ豆は、生長したあいだに、乾燥重量をだいたい2倍にふやしたことになる。 
 これらの植物体を閉じた容器にいれ、むしやきにすると、2.703gの炭素がえられた。実験に用いたとおなじ4このソラ豆の炭素の量は1.209gであった。そこで、じょうりゅう水があたえられ、ふつうの空気の空気の下でソラ豆では、炭素の量も、だいたい2倍にふえていることがわかる。この結果は、ソラ豆が、空気中の二酸化炭素を吸収して、炭素をえていることを示している。二酸化炭素をふくまない空気中で育てられた植物は、炭素の量がふえないからである」
 (同書P79より)
 
 なんと単刀直入な面白い実験ですね。
 よくぞこんなこと思いついたものだ!!

▼まだまだつづきの実験もあったようです。
 また「ド・シュールの式」とよばれる式までつくって「光合成」の謎解きをやったようです。

 ド・ソシュールの時代には、まだ原子、分子、分子式といったものが、はっきり考えられていなかったので、光合成を化学のコトバであらわすことはできませんでした。しかし、ド・ソシュールの式には、光合成のだいじなすじ道が、はっきりとあらわそれていましす。ですから、植物にとって、光合成というものがどういう意味をもっているかを、はじめて、はっきりさせたのは、ド・ソシュールだったといえるでしょう。
(同書P82より)

 やっぱり、いつの時代も「科学する」って面白いですね!! 

(つづく)

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【お薦め本】『雲の超図鑑』(荒木健太郎著 KADOKAWA )

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▼私の究極の道楽は、次の2つだ!!

・賢治の「雲見」
・寅彦の「宇宙見物」

とりわけ前者の「雲見」は、いつでも どこでも 誰でも 簡単に楽しめる。
 最高の「自然観察」事始め!!
と思っていた。

▼その「雲」に特化した「図鑑」が出たというので、さっそく手に入れてみた。
 『すごすぎる 天気の図鑑』シリーズの第3弾である。

◆ 『雲の超図鑑』(荒木健太郎著 KADOKAWA 2023.3.27 )

 これまでとも重なるところがあるが、お薦めポイントは次の3つである。

(1)「雲見」をゆたかに膨らませてくれる!!

(2)動画解説も含めて、「雲見」を科学する面白さを教えてくれる!!

(3)子どもから大人まで楽しめる「雲見」徹底ガイドブック!!
 

▼ではお薦めポイント3つを少し詳しく

(1)「雲見」をゆたかに膨らませてくれる!!
 著者は「はじめに」のなかで、このように言っていた。

 雲がいるから空は楽しく、私たちは美しい風景に出会えます。
雲について少し知っているだけで、さまざまな見方で空を観察できるようになり、新たな発見もたくさんあると思います。この本が、みなさんにとって楽しい雲ライフを送るきっかけになればいいなと考えています。(同書 P2より)

 特に「ゆたかに」というところでひとつ気に入っているところがあります。
それは「目次」を見ればわかるように

第1章 すごすぎる 雲のしくみ
第2章 すごすぎる 雲の分類
第3章 すごすぎる 積乱雲
第4章 すごすぎる 雲の文化
第5章 すごすぎる 雲と天気

そうです。第4章「すごすぎる 雲の文化」があることで、「雲見」はうんと「ゆたかに」なるのです。
 暮らしのなかの「文化」「文学」「芸術」等で「雲見」の楽しさが生きているのです。
 第4章のなかでも特に気に入ったのは「45 正岡子規は雲が大好きだった!」(P126)です。

 彼には「雲」(1898年)という最高なタイトルの作品があります。これを読んで驚いたのが、独自の雲の名前や地域ごとの積乱雲の名前(P122~125)などにもかなり言及していることです。さらには、「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如く、晨雲は流るゝが如く、午雲は湧くが如く、暮雲は焼くが如し。」という記述もあります。
 …
 極めつきは「雲好きと果物好きと集まつて一日話してみたい」と述べていることです。筆者がこの時代に生きていたら、きっと仲良しの雲友になれていたはず……!(同書 P126 より)

 そんな集まり(「雲見」オフ)があったら、ぜひ私も寄せてもらいたいですね。

(2)動画解説も含めて、「雲見」を科学する面白さを教えてくれる!!
 今回もうれしいことに、とてもくわしい「動画解説」があった。

 ※この本の内容は、筆者のYouTubeチャンネル『荒木健太郎の雲研究室』で目次の項目すべてについて動画で解説していますので、本とあわせてご覧ください。(同書P2より)

 アリガタイ!!
 これまでもそうだっが、著者自らのミニレクチャー(動画解説 なかみはけっしてミニではないが)はとてもうれしい。
 リアル「雲見」をしているとき屋外でも、スマホ、タブレットでミニレクチャーを楽しめるということだ。
 それも何度でも繰り返して学べる。

・リアル「雲見」
・【お薦め本】『雲の超図鑑』
・著者自らのミニレクチャー(動画解説)

 この3つを繰り返し行ったり来たり これぞ最高の「雲見」だ!!


▼お薦めポイント最後の3つ目である。 
 
(3)子どもから大人まで楽しめる「雲見」徹底ガイドブック!!
 ひょっとしたら、私は順番をまちがったかも知れない。
 この3つ目こそが最大のお薦めポイントなのかもしれない。
 大人が読んで、見て(「図鑑」なのだから必須)楽しめる!!
 まずは、これが大切だった。
 いつものように、我らが「パーセルくん」が登場してくる。
 なんだか、それだけで身内気分になってくるから不思議だ!!
 今回はさらにうれしいことに
 「十種雲形の雲たち」(同書P3)のキャラクターも登場するのだ。
・どのキャラクターも、その雲形の特徴をとらえていてかわいい!!
・特に一度見たら忘れられないキャラ 2つ
 「巻層雲」薄く空に広がってハロ・アークの虹色を生む。
      虹色の帯がかわいい!!
 「層積雲」畑のうねのように並ぶ。野菜はイメージ。
      手に持ったニンジンが印象的。層積雲を見るたびにニンジンを探していたりする。困ったものだ(^^;ゞポリポリ)

 子どもたちへの配慮は、かわいいキャラクターの登場だけではありません。 全文とおして、難しい気象用語のみならずすべての漢字には「ふりがな」がついています。これは私にもアリガタイです。
 そのこころざしは、「おわりに」の文の中に現れていました。
 そして雲を見て、「おもしろい!」「これは楽しい!」と感じたら、家族や友達に伝えてみてください。それを一緒に楽しめれば、ワクワクも倍増です。

 逆に、誰かに「こんな発見をしたよ!」と教えてもらったら、もし「そんなのあたり前じゃん」と思ったとしても、頭ごなしにはねつけず「それはすごいね! じつはこういうおもしろいこともあってさ……」と楽しさを共有しましましょう。発見と感動をわかちあう経験は、きっとみなさんの人生をより豊かにしてくれると思うのです。(同書 P170より) 

 最後にどうしても引用させてもらいたい一文があった。
 積乱雲による局地的大雨に加え、線状降水帯による大雨やJPCZによる大雪など、危険な現象がたびたび起こっています。私たちは自分や大事な人の命を守るために災害への備えを進めるなど、防災の行動していく必要があります。しかし、つねに防災を意識していると肩に力が入り、疲れてしまって長続きしません。そこで楽しいことなら自分から日常的に取り組めるはずなので、楽しい防災をしようというのが感天望気の考え方です。(同書 P168 より)
 

 「感天望気」!!
 著者の一貫した主張です。大賛成です!!

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2023年5月のオンライン「寅の日」は #日常のなかの科学 #traday #寺田寅彦

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▼山の藤の花が、みごとに咲きはじめた!!
 もうそんな季節なんだ。
 藤の花を見てもやっぱり思い出すのは寅日子先生の「藤の実」だ。
 オンライン「寅の日」も、はじめて12年目ともなると

 日常生活のなかに寅日子先生(寅彦)が居た!!

▼2023年5月のオンライン「寅の日」の計画を立てる時期が来ていた。
 5月には、この日常生活のなかで気づかれた「科学」を題材とした随筆を読みたい。
 そこで5月テーマは次のようにした。

【5月テーマ】「日常のなかの科学」

 5月には2回ある。

■2023年5月のオンライン「寅の日」!!
◆第347回オンライン「寅の日」 …5/08(月)
◆第348回オンライン「寅の日」 …5/20(土)

▼では具体的に何を読むか?、迷ってしまった。
 なにしろ寅彦の随筆には、日常の暮らしのなかでの「科学」を題材としたものが多くあるからだ。
 見方によっては、すべてが該当するような気もしてきた。
 「えっ!?そんなことも科学的に見ると…」というような作品を2つ選んでみた。
 「電車の混雑について」「自然界の縞模様」である。

■2023年5月のオンライン「寅の日」!!

◆第347回オンライン「寅の日」 …5/08(月)「電車の混雑について」(青空文庫より)

◆第348回オンライン「寅の日」 …5/20(土)「自然界の縞模様」(青空文庫より)

 
▼繰り返し言うが、
 人は他人の文章(「文脈」)を、自らの「文脈」に引きつけてしか読むことができない。
 いろんな「文脈」が交叉するのが最高に面白い!!
 この面白さが、オンライン「寅の日」をここまで続けて来た「わけ」でもある。
 また、その醍醐味でもある。

 あなたの「文脈」を聞かせてほしい!!


 

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「植物の世界」を科学する(2) #植物の世界 #独立栄養 #光合成 #光合成の発見 #インゲンハウス

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「植物よ そもそもおまえは何者だ!?」

 今さらながら、植物たちにこう問うてみたくなった。
 もう急ぐ必要もなかった。
 いくらかは「授業」を想定するかも知れないが、それが主目的ではなかった。
 「これから」もずっとつきあっていく植物のことが、もっともっと知りたいただけなのだ。

▼先達たちが教えてくれた。
 「生物の謎解きの糸口は、個体維持と種族維持を考えたらいいよ。」と。
 「個体維持」!?
 
 ・「動物」ならば「食べる」= 従属栄養
 「食べない」植物は、どのように栄養を得るのだろう?
 ・そう植物は自分で栄養をつくる=独立栄養!!  
 その偉大なる作業を「光合成」という!!

▼植物のこの偉大なる作業について私たちはいつごろから知っていたのだろう。

● 1779年 インゲンハウズ(英国、1730~1799),<炭酸同化作用=日光を受けた植物が二酸化炭素ガスを分解して、酸素ガスを出すこと>を発見。
 (『原子論の歴史-復活・確立-』板倉聖宣著 年表より)

 意外に新しいのだ!!
 もちろん「気体の発見」という科学史の流れのなかでの発見だった。

▼このことについて、自分でもあまりふれてこなかったので少し調べてみた。

 これらの実験から、インゲンハウスは、光があたれば、植物のどの部分からも酸素が生ずるのでなく、緑色をした茎や葉の部分だけが酸素をだすことを確かめたのでした。
 …
 インゲンハウスは、プリーストリの研究にしげきされて、いまでは「光合成」あるいは「炭酸同化作用」とよばれている植物の葉の働きを発見したわけです。
 …
 しかし、プリーストリとちがって、インゲンハウスは、植物の緑色の部分に光があたったときだけ、「フロジストンなしの空気」が出されることを確かめたので、葉の働きを明らかにする研究が、一歩も二歩も前進したことになります。そこで、インゲンハウスは「光合成の発見者」といわれるのです。

 「子どもに聞かせる科学者のはなし 光合成の発見者、インゲンハウス 」(真船和夫)『理科教室』1968年10月号より

 冬のあいだは、光をたっぷり「独り占め」して、元気だった庭のヒガンバナは、他の植物たちの包囲網のなか、すっかり枯れ始めていた!!
 冬のあいだにどれだけ「栄養」をため込んだことだろう!!

(つづく) 

 

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「植物の世界」を科学する(1) #植物の世界 #授業テキスト #植物の生活 #光と水

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▼朝ドラ「らんまん」や【お薦め本】『牧野富太郎の植物学』(田中伸幸著 NHK出版新書 )の影響だろうか!?
 今さらながら、妙に「植物」のことが気になりだした。
 幸い「植物」ならば、身のまわりにいっぱいあった。

 自然は最高の教科書!!

▼もうすでに特定の深いつきあいをしている「植物」たちもいた。

・ヒガンバナ
・大賀ハス
・子規庵の糸瓜
・最上の紅花
等などである。

▼そこで、昨年度からきわめて、気まぐれにはじめた「○○を科学する」シリーズ!!
 今回は、このシリーズ第4弾!!
 をはじめてみようと思う。

◆「植物の世界」を科学する

きわめて気まぐれな取り組みである。面白くなくなったら、すぐやめてしまうだろう。
ここでもやはり「基点」するのは、これまでにやってきた「授業」しかなかった。
私にはこれしかなかった。

◆【植物の世界】  

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▼それに関連しての授業テキスト「植物の世界」のメモ書き・覚え書きなども参考にしながら、しばし「植物の世界」を科学する をつづけてみようと思う。

◆「植物の世界」テキスト+解説(1983.8版)

 ずいぶん古い「記録」である。
 認識がかわった部分もあるし、あらたに「発見」することもある。
 あちこち気ままにとびながらつづけてみよう。
 
(つづく) 
 

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【Web更新4/16】23-16 サイエンスコミュニケーター宣言等 更新!!

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旧街道むかしなりしや苜蓿 23/04/13撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】23-16
週末定例更新のお知らせ
 本格的に2023年度が始動している時期だろう。
 一年の「方向」も定まりつつある季節なのかも知れない。
 「未来」を描くという行為は、それなりにうれしいものだ!!

 ゆっくり ゆっくり 急ごう !!

◆表紙画像集2023 更新 苜蓿・白詰草
 昔のひとが教えてくれた。
 「ここに旧街道が通っていたんだよ。」と。
 今は、朝露に濡れた苜蓿(白詰草)でいっぱいだった。
 白と緑のコントラストがみごとだ!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「授業」がらみで、「授業びらき」を構想する、「タンポポの研究」のすすめ をつづけてみた。
 やっばり
・理科の授業はサイエンスコミュニケーションの最前線である!!
・理科教師は最前線のサイエンスコミュニケーターである!!
 を意識するのである。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 4月のテーマは「これから科学者になる君へ」である。
 もちろん若人に向けた、寅彦からのメッセージがメインテーマである。
 しかし、それは私のようなポンコツにも大いに響いてくるものがあるのである。

 
 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから3週目である。
 水面から浮葉の幼芽が、ひとつふたつと顔を出し始めた!!
 うまく植え替えができたようである。

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2023年・「タンポポの研究」のすすめ(2) #タンポポの研究 #タンポポの種子 #タンポポの根 #タンポポを食べる

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「タンポポの研究」の話をつづけよう。

 さて、次は「根っこ」である。

6.君は、タンポポの根っこを見たことがありますか。

 これが、またまた面白い展開になったこともある。
 連休中、家族で「根っこ堀り」夢中になったという楽しい報告を聞いたこともある。
 ときには地域の農家の方に迷惑をかけお叱りを受けたこともある。
 もっともな話である。その後、たいへんな協力をしてくださったが…深謝。<(_ _)>

▼次は「タネ」の話だ!!

7.タンポポの花が咲いた後に、綿毛のような種子(果実)ができます。

 本研究のなかで、私のもっともお気に入りである。
 「この綿毛が風に乗って飛んでいって、いろんなところで…」!!
 ほんとうだろうか!?
 お話だけでは面白くない。
 簡易に「苗床」をつくって発芽させてみよう。
 スーパーで食材の入っていた小さな発泡スチロールトレー、空き缶のフタ等に、濡れたティシュペーパーを敷く。
 そこへ綿毛の種子をまいてみよう!!
 ほんとうに発芽するかな!?

▼ただこれだけのことだが、とっても面白い!!
 思わず夢中になってしまうのである。
 面白いことは、次に発展する。

 「あれ、ほんとうに種子かな!?」と思ったら「発芽」させてみよう!!
 
 ひょっとしたら、これが実生ヒガンバナ実験につながったのかも知れない。

▼極めつきが「食べてみよう」だ。

8.タンポポを食べてみよう。

 「根っこ」から「蒲公英コーヒー」もいいな。
 料理方法をいろいろ工夫するのも面白いかもしれない。
 さらに、「野草を食べる」「春(季節) を食べる」などという発展もありかも。
 食べていけないのは!?
 薬になるのは!?
 
 植物とのつきあいの「事始め」になるかも知れない!!

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2023年・「タンポポの研究」のすすめ(1) #タンポポの研究 #タンポポの種子 #花の開閉 #タンポポ調査 #シロバナタンポポ  

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▼今年は桜前線と同様に、やっぱりタンポポの開花も例年にくらべて少しはやめだったような気がする。
 家の前の道ばたのタンポポも、ここぞとばかり黄色い行列をいくつもつくっていた。
 いや、場所によってはすでに旅立つ綿毛の行列をつくっていた。

▼もうアタリマエすぎて、ここしばらく遠ざかっていた「連休課題」のことを思い出した。
 この時期になると、きまって「タンポポの研究」を提案していた。
 連休課題の「定番」としていた。
 
◆「タンポポの研究」

▼直接「授業」で提案しなくなってからも、自分自身で意識的に「タンポポ」を楽しんできた。

1. まず、タンポポの花を「ひとつ」とってみよう。

2.ひとつの花の集まりにはいったい、いくつぐらいの小さな花(舌状花)からできているのかな。

3.花の開き方につい0て調べてみよう。

4.タンポポはどんな場所に多く見られるかな。

 特に2が私は大好きだった。
 「(゚o゚)ゲッ!! そんなに」というのが面白かった!!

▼この「タンポポの研究」に関連していろんなことに夢中になってきた。

5.日本のタンポポとセイヨウタンポポをさがそう。

 に関連して面白い取り組みがあった。

◆タンポポ調査・西日本2020

 そう言えば、「シロバナタンポポ」探索に夢中になったこともあった。
 すぐさま思い出す「あの」場所があった。
 雨がやんだら行ってみたいな。

(つづく)

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本日(2023/04/14)、第345回オンライン「寅の日」!! #こわいものの征服 #traday #寺田寅彦

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「THE・カミナリ」=これぞカミナリ!! をはじめて見たのはこのときだった!!

 それは、2015/07/20 「武田康男先生と行く 空の不思議「富士五合目」ツアー」に参加したときのことだった。
 空の探検家・武田康男先生のリアル解説つきで見た「THE・カミナリ」!!
 ゼイタクの極みであった。
 それ以後、「カミナリ」と言えば必ずこのときの景を思い出すのだった。


▼本日(2023/04/14)は、第345回オンライン「寅の日」である。
 4月のテーマは、【お薦め本】『これから科学者になる君へ』から、そっくりそのままかりていた。

◆4月テーマ 「これから科学者になる君へ」

 4月2回目の本日は「こわいものの征服」(「家庭の人へ」より)を読む。

◆本日(2023/04/14)、第345回オンライン「寅の日」!!

●「こわいものの征服」(「家庭の人へ」より)(青空文庫より)


▼そう、その「カミナリ」から話がはじまっていた!!
 【お薦め本】『これから科学者になる君へ』との往復運動をしながら、読んでみるとなお面白い!!

 ある年取った科学者が私にこんな話をして聞かせた。私は子供の時から人並以上の臆病者であったらしい。しかし私はこの臆病者であったということを今では別に恥辱だとは思っていない。むしろかえってそうであったことが私には幸運であったと思っている。

もっとも一つは年を取って神経が鈍くなったせいもあるかもしれないが、一つには自分が昔おどかされた雷の兄弟分と友達になって毎日のように一緒に遊ぶことになったためと思われる。こうして雷鳴に対する神秘的の恐ろしさがなくなりはしたが、たぶんその恐ろしさの変形したものと思われる好奇心と興味とはかえって増すばかりであった。

もちろんそれに関して私のこれまでに得た研究の結果は、学界に対する貢献としては誠に些細なお恥ずかしいものであったであろうが、ただ自分だけでは、自分自身の多年の疑問の中の少部分だけでも、いくらかそれによって明らかにすることが出来たと思うことに無限の喜びを感じるのである。

 私の「ふしぎ!?」は、科学研究の原基になるのである!!

▼もうひとつの「こわいもの」の例として「地震」があがっていた。

それはとにかく、後日理化学を修めるようになってから私の興味はやはり自然に地震現象の研究という方に向かって行った。そうして自分でその後この現象の研究を手がけるようになってからは、もう恐怖の感じは全く忘れたようになくなってしまった。

もちろん烈震の際の危険は充分に分っているが、いかなる震度の時にいかなる場所にいかなる程度の危険があるかということの概念がはっきりしてしまえば、無用な恐怖と狼狽との代りに、それぞれの場合に対する臨機の所置ということがすぐに頭の中を占領してしまうのである。地震だなと思うと、すぐにその初期微動の長さの秒数を数えたり、主要動が始まればその方向や週期や振幅を出来るだけ確実に認識しようとする努力が先に立つ。そうしてそれをやっている間に同時にその地震の強弱程度が直観的にかなり明瞭に感知されるから、たいていの場合にはすっかり安心して落着いていられるのである。
 
 少し余談だが(いや大いに関係あるかも)
関東地震の起った瞬間に私は上野の二科会展覧会場の喫茶店で某画伯と話をしていた。初期微動があまり激しかったのでそれが主要動であると思っているうちに本当の主要動がやって来たときは少しはびっくりしない訳に行かなかった。

 1923.9.1 この時から、今年でちょうど100年!!
 このときから、寅彦は「地震」調査・研究を加速していくのだった。

 つまり私は臆病であったおかげでこの臆病の根を絶やすことが出来たような気がする。私は臆病ではあったが未練ではなかったのだと思っている。だから自分の臆病を別に恥ずかしいとは思っていないのである。
  「臆病」へのこだわり!!

 なんとも示唆的なコトバでしめくくていた。

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2023年版・授業びらきを構想する!!(6) # 原子#原子論的物質観 #周期表 #原子論の歴史 #理科の授業 #授業びらき

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▼「授業びらき」の構想をつづけよう。
 理科の授業の「はじまり」は、やっぱりこれかな!!

 はじめに「原子」ありき!!

 「原子論的物質観」こそ、学年を問わず、理科の授業を貫く物質観・自然観だ!!

▼お題目を唱えるだけでは、授業は成立しない!!
 それも事実である。しかし、やっぱり貫くものを最初に提示したいものだ。
 それを具体的にするものが「周期表」である。
 教科書に掲載されている場合もあるだろう。その場合はそれを利用すればいい。
 お気に入り「周期表」を持ち込むのもいい。
 次等を利用して、各自が身のまわりに「周期表」を用意しておこう!!
 と呼びかけてみよう。

◆「一家に1枚 元素周期表」 

 「周期表」グッズもいっぱいあるぞ!!
 
▼いきなりの話に躊躇するかも知れない。
 しかし、物質探検の「地図」として繰り返し利用すれば、うんとそのすごさに感動してくれるはずだ。
 「授業びらき」だけにより印象深くとらえてくれるはずだ。
 あわせて、ここに至までの「原子論の歴史」「物語」にもぜひふれておきたいものだ。

◆「原子論」を科学する


▼2023年版・授業びらきを構想する!!はいったんはここまでとしたい。
 私自身の今年度の課題としては、「「原子論」を科学する」等の「○○を科学する」シリーズをさらに推し進めたい。
 
 何を科学しようかな!?
 楽しみである。
 

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2023年版・授業びらきを構想する!!(5) # 静電気#静電気と動電気 #電気のふしぎ!? #理科の授業 #授業びらき

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▼あきもせずに「授業びらき」の構想をつづけよう。
 やっぱり はじめには

 モノを持ち込みたいな!!

 そうであってこそ、理科の「授業びらき」と言えるだろう。

▼たとえ「構想」だけにしろ、具体的に考えたい。
 いつものラボ(と言うより物置か!?)で、あたりを見回してみた。
 あった!!

●静電気モーター(静電誘導方式)!!

 これは、上橋智恵さん考案の「静電気モーター」をまねて自分でつくったものだった。
 なによりすごいのは回り続けるところだった!!
 今でも回るかな!?
 やってみた。
 やっぱり そろり そろり と回った!!
 これだ、モノはこれにきめよう!!

▼モノはきまった。
 次は、このモノにいたるまでの「静電気物語」をやってみたいな。

◆「静電気」を科学する 
 

▼とりわけ「静電気」から「動電気」への「電気の歴史」をドラスティクに語れたらいいな。
 電気の「ふしぎ!?」も元をたどれば けっこう面白い「物語」が…。
 それが少しでも伝わるとうれしいな。

 「授業」で、謎解きをするときにちょっと思い出してくれたら。
 
 私への課題もあった。
「静電気」から「動電気」への「授業」どう構想するか!? 
 
(つづく)

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【お薦め本】『牧野富太郎の植物学』(田中伸幸著 NHK出版新書 )

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▼朝ドラ『らんまん』がはじまって一週間がすぎた。
 
前に書いたように、私の「牧野富太郎」への興味は主に3つあった。
 ・ 牧野富太郎とヒガンバナ
 ・ 牧野富太郎と『赭鞭一撻』
 ・ 牧野富太郎と寺田寅彦
とりわけ「赭鞭一撻」についてはよりくわしく知りたいと思っていた。
だから牧野富太郎博士をモデルとした言われる今回の朝ドラには大いに期待していた。

▼そんなとき、朝ドラ『らんまん』の植物監修者が執筆された本があると言うことでさっそく入手して読んでみた。

◆【お薦め本】『牧野富太郎の植物学』(田中伸幸著 NHK出版新書 2023.03.10)


正直に言う。
植物名は大の苦手という私には最初はなかなかなじめない本だった。
ところが、後半急激に面白くなってきた。
これはやっぱり【お薦め本】にしたくなってきた。
話があちこちいってしまう前に例によって、3つのお薦めポイントをあげておく。

(1) 植物分類学の面白さがわかってくる!!
(2) 牧野富太郎の「仕事」の凄さがわかってくる!!
(3) 朝ドラ「らんまん」がより楽しくなってくる!!

▼では、ひとつずつ少しだけ詳しく

(1) 植物分類学の面白さがわかってくる!!
 実は私は「植物の名前」覚えが大の苦手である。そう自慢げに言うことでもないが事実だから仕方ない。ずいぶん以前に授業テキスト『植物の世界』をつくったときにもこんなことを言っていました。

 それは知っていることにこしたことはないが、知らぬから「植物の世界」がわからぬというものではないだろう。知らぬからこそ見えてくる構造だってある。そんな居直り気味の姿勢から出発した「テキスト」づくりなんです。

 牧野富太郎博士の場合は、まったくちがっていたようです。
 この佐川での幼少の経験が、目の前にした植物を「これは一体何という植物なのだろうか」という分類の好奇心を芽生えさせたのではないかと想像する。ここに、始終一貫して植物の名前を調べ、ないものは命名し、草木の名前を知ることの楽しさ世に広め、自らを「草木の精」と称した牧野富太郎の原点がある。(同書 P52より)

 この書の前半の部分 つまり
第一章 植物分類学者・牧野富太郎
から 
第二章 本草学から植物学へ
第三章 日本の植物学と東京大学
第四章 標本採集の意義
第五章 新種を記載するということ
第六章 『植物学雑誌』の刊行
第七章 記載された学名の数
第八章 植物図へのこだわり 
のあたりまでを少し尻込みしながら読み進めていった。
 そのうちかつての前言を翻して
 「植物の名前を調べ、分類する植物分類学もけっこう面白い!!」
 と思うようになっていた。
 今さらであるが…。

(2) 牧野富太郎の「仕事」の凄さがわかってくる!!
 私がいちばん興味深く面白く読んだのは、この本の後半であった!!
それは、牧野富太郎博士の人生の後半部とも重なるのであった。

 牧野富太郎の生涯は、ややもすれば植物研究一徹であったかのようにとらえられることが多い。しかし、先に述べたように『植物学雑誌』にシリーズ化して発表していった日本のフロラに関する本格的な学術論文は、五〇代前半までにかけて、つまり明治二一年(一八八八)から大正四年(一九一五)にかけて書かれたものだ。
一方、のちに刊行する個人雑誌の様相を呈した『植物研究雑誌』の時代からは、牧野は研究活動のエフォートを啓蒙活動や教育普及へより顕著にシフトさせたように感じられる。それは『植物研究雑誌』の創刊にともなって選択された、牧野の新たな生きる道だったと捉えることができよう。(同書 P170より)
 
 私に最も興味あったのは、この「牧野の新たな生きる道」だった。
 詳しくは本書を読んでいただくことにして、この後に展開される「小見出しの項目」だけでもプロットしてみる。

・全国の趣味家によるネットワーク
・一流の植物オタクとして
・植物同好会の普及
・観察会という学びの場
・「自然科学列車」での普及活動
・地方フロラへの貢献
・随筆の名手
・読み物としての図鑑
・随筆だけでなく作詞まで
等など

多様なる活動に驚くと同時に感動である。
 なかでも私がいちばん驚き感動するのは最初にあげた牧野が植物学を志ざしはじめた頃に書いた勉強心得「赭鞭一撻」の精神を、生涯貫きとおしていることである。
 「赭鞭一撻」については、ぜひぜひ

◆牧野富太郎自叙伝・第二部 混混録 (牧野富太郎)(青空文庫より)

 を参照されることをお薦めする。

▼次が最後のお薦めポイントである。

(3) 朝ドラ「らんまん」がより楽しくなってくる!!
 著者は最後にこう言っていた。

 翌月、今度はNHK出版の山北健司氏が訪れ、牧野富太郎についての本を書いてくれという。牧野富太郎についての評伝は数多く出版されているものの、植物学における業績をわかりやすく一般向けて書いたものは意外にないという理由だった。
 これには、同感した。朝ドラではモデルなだけで、そこに登場する万太郎は、万太郎であって富太郎ではない。すでにいくつもの小説で描かれている牧野富太郎がさらにドラマになることで、真の姿が見失われる可能性もあった。そこで迂闊にも引き受けてしまった。(同書 P252 より)

 また著者は「はじめに」の文章で、こうも語っていた。
 しかし、業績を顕彰するためには、その人物がその分野で果たした役割、仕事というものを正しく、冷静に、そして中立的に理解しなくてはならない。科学は証拠主義に基づいている。牧野富太郎を科学者として、捉えるならば、人物像やそれを取り巻く人間ドラマではなく、学術的に正確な情報、検証された業績、それが与えたインパクトなどで評価されるへきである。
 本書は、牧野富太郎の人物像を考察するものではまったくない。牧野が専門とした学問分野はどういうものだったのか。研究者としての牧野の業績はどういうもので、どのような意味をもっていたのか。そして、それが現在にどのように影響を与えているのか。これらについて、自然科学の立ち場から考察するのが本書である。(同書 P8より)

 アリガタイ!!
 明確な主張をもった本なのである。
 きっと朝ドラ「らんまん」をより楽しいものにしてくれるだろう!!
 もうひとつうれしいことに、本の巻末に「牧野富太郎年譜」がついている。
 ドラマの進行に合わせて参照すれば、時代背景もよくわかり朝ドラを何倍も豊に楽しいものにしてくれるだろう。


【蛇足の蛇足】
最初にあげた私の3つの興味どころ 2つが残ってしまった。 
・ 牧野富太郎とヒガンバナ
 注意深く読んだつものだが、それについて触れた部分はなかった。
またの機会にさがしてみたい。

・ 牧野富太郎と寺田寅彦
 本書のなかには、見落としがなければ二カ所に「寺田寅彦」の名前が出てきただけだった。
 くわしくは、次の「土佐の寅彦」詣のときに聞いてみたいものだ。

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【Web更新4/9】23-15 サイエンスコミュニケーター宣言等 更新!!

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ほのかにムラサキ大根の花哉 23/04/08撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】23-15
週末定例更新のお知らせ
 新しい年度がはじまった!!
 新しい学期のはじまりである!!
 新しい「出会い」の季節である。
 新しい「出会い」は、人にもモノにも「発見」をもたらす!!

 今週は、どんな「発見」があるかな!?

◆表紙画像集2023 更新 大根の花
 私には変にモノゴトに固執する悪いクセがある。
 いったん思い込むと、そればっかりになってしまうのである。
 
 あるとき友人が言った。
 「大根の花って、少しムラサキっぽいよね」
 そのとき、よく確かめもしないで
 「えっ、大根の花は白にきまっているよ!!」
 「それは別の花ことを言っているではないの」
 と言いきってしまった。
 畑に行って、自分で確かめると… (^^;ゞポリポリ

 その友人も今はいない。
 大根の花を見ていると いつもあの友人のことを思い出すのだった。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「授業」もしないくせに「授業びらき」を構想することにはまっている。
 「授業」は構想するだけでもうんと楽しい!!
 すべてのはじまりは、ここにある。
 今しばし、「授業びらき」を楽しみたい!!

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 この変な名前のページも、いつものように「雲見」と俳句「歳時記」の記事だけの更新である。
 でもこの変なページのタイトルは変えたくない。
 どこまでも「可能性!?」は断念したくないのだ。

◆「コウガイビル」を追う 更新!!
 ついに60号・61号コウガイビルは「消えて」しまった。
 まだコウガイビルの「ふしぎ!?」をいっぱい残したまま。
 Webテキスト試案「コウガイビル」の提案もまだまだというのに。
 62号は、いつ現れるのだろう!?


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから2週目である。
 週末前の雨で、幼芽も再び水にどっぷり浸かってまった。
 
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60号・61号コウガイビルは 5ヶ月を待たずに消えた!!(2023/04/08)#コウガイビル #陸生プラナリア #生命と再生 #教材化

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「あれっ!? 居ない!!」
 1ヶ月前には、たしかにここに姿があったのに!!」

 とりわけ61号のナイロン袋には目を凝らしてしっかり見た。
 やっぱり居ない!!
 消えた!! 水が異様に「濁っている」!!
 あわせて60号のナイロン袋も観察してみる。
 1ヶ月前と大きく変化はないようだ。袋の隅にこびりついた茶色の「モノ」があるのは変化ない。
 水は透明に澄んでいた!!
 いずれにしても こうして

 60号・61号コウガイビルはともに 5ヶ月を待たずに消えた!!

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▼ 「生命あるモノ」が消える!?
 今年も、やっぱり「授業びらき」の構想にはこの「ナイロン袋」を持ち込んでと考えていたのに。

 しばしば引用させてもらってきたが、あのダーウィンもこの「消える」を観察していた。

私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 「天然の変化の法則」って何!?

▼このときどうしても引用しておきたいもうひとつの文献があった。

■『プラナリアの形態分化~基礎から遺伝子まで~』(手代木渉、渡辺憲二著、共立出版 1998.3.25)

 この本の
 「14.陸産プラナリア,コウガイビル種類・生態並びに形態分化」(P259~)「14.9 飢餓と再生」(P275)にあった。

 コウガイビルの飼育では給餌が大切な要素となるが、餌に対しての反応は同一種内でも異なり積極的に摂取するグループとそうでもないものとがある。また長期間の飢餓に耐え、もとの体重の1/100に減少しても生存し続けることができる。このような生理的変化が、顕著な再生能をもつ本動物の器官形成にどのような影響を及ぼすのか、頭部再生の有無、形成所要時間、極性との関連について、採集直後の体重を100として、もとの30~40%に減少したグループを飢餓個体として実験を行った。
 なお、飢餓個体の設定は、採集された個体のうち、何としても餌を食べないものがあり、かなりの期間絶食にも耐えられるが、やがて死に至る。体重減少と生存期間の長短は一定ではないが、採取後減少の一途をたどる体重は、ある時点で平衡状態となり、これ以降急激に減少して死ぬものが多い。体重が安定をみせる状態を越えると個体は死を迎えることから、この安定期(もとの体重の30~40%)を飢餓状態と考えた。これらの飢餓グループと採集まもないものとを次の実験により比較した。(同書P276より)

 なんとも示唆的な文章である。

▼これまでの 「コウガイビル」を追う のなかで、エサなしで長く生き延びた「記録」は

●36号コウガイビルはエサなしで「385日」生きのびた!!

 次いでの「記録」は

●第1号コウガイビルはエサなしで「261日」生きのびた!!

 デアル。
 あらためて問いたい!!

 「生きる」って!?
 「生命」って何!?

 「コウガイビル」の「ふしぎ!?」の謎解きはまだまだつづきそうである。

 

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2023年版・授業びらきを構想する!!(4) #雲見のうた #もくもくシール #理科の授業 #授業びらき

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  「雲見」のうた(雲家族10のうた)

ケンケン三兄弟に(巻雲 巻層雲 巻積雲)
コウコウ姉妹 (高層雲 高積雲)
ソウセキ(層積雲) はなれても りっぱに ソウ! セキ! (層雲 積雲)
雨 雨 ふれ ふれ ラン!ラン! (乱層雲 積乱雲)


▼「雲見」のうた をみんなで高らかに歌い上げ「授業びらき」としよう!!
 何度も繰り返してみよう!!
 一度覚えてしまえば 「10種雲形」は一生モノだ!! 

 覚えたらみんなで窓際に行こう!!
 「今日の雲は 何!?」

▼間違ってもそんな問題ではない。
 同時にいっぱい見えることだってある!!
 この雲たちと一生つきあって行くんだ!!
 いつでも どこでも 空を見上げたら「雲見」だ!!
 
 「10種雲形」の雲の名前で雲を呼んであげよう!!
 そして「高さは ○㎞ ぐらいだね」と話しかけてみよう!!

◆Webテキスト試案『「雲見」を楽しもう!!』


▼「雲見」は、誰でも いつでも 簡単にできる究極の「自然観察」だ!! 
 私も毎日、理科ハウスの「もくもくシール」のお世話になって「雲見」を楽しんでいる。 
 そこから発展して私たちの暮らす「大気の物理学実験室」についてくわしく学んでいきたいな。

◆Webテキスト試案「アメダス」(PDF版)
◆Webテキスト試案「高層天気図・数値予報図」(pdf版)
◆Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」
◆Webテキストミニ試案「ウィンドプロファイラ(風の横顔)」

(つづく)

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2023年版・授業びらきを構想する!!(3) #マッチ一本化学の元 #理科実験 #理科の授業 #授業びらき

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▼今度は、私自身の「ふしぎ!?」の番である。
 できるだけ現在進行形のことを語りたいものだ。
 できるだけ「理科の授業」につながるもので、なおかつモノが準備できるものがいいな。
 思いつくままにあげてみよう。

▼コロナ禍で、ちょっと中断してしまった取り組みに燐寸「マッチ」がある。

◆燐寸(マッチ)一本 化学の元!!

 私自身が追いかけてきた「燐寸(マッチ)の歴史」を物語風に語りたいものだ。
 そのなかで「ふしぎ!?」に思ったこと。
 どこまで追いかけたのかの「現在地」も、「これから」も。

▼私自身が、「理科の授業」のなかで、どんな場面で燐寸(マッチ)を使ってきたかをふり返って見る。
 できるだけ燐寸(マッチ)でなければという場面である。

(1) 水でマッチに火をつける。(過熱水蒸気の実験)

(2) 流れる食塩でマッチに火を!!

(3) FeとSの「化合」は発熱反応であるを、マッチで確認する!!

(4) 「気体」確認にマッチを使用する。水素の燃焼はマッチで!!

 等などである。いろんな場面で燐寸(マッチ)は登場するのである!!

▼さて、これだけでは実際の「授業びらき」を構想することにならない。
 「授業びらき」にふさわしい体験(実験)をしたいものだ。
 そこで構想だ。 (少しオオバーに言いすぎか!?)

● マッチに火をつけて消す!! 

 ・「火の付け方」「マッチの軸の持ち方」「燃えかすの処理の方法」
 ・実験の安全性を強調する。
 ・あわせて「理科室の使い方」等についても説明する。

 これはあくまで、自分が「授業びらき」をやる場合を想定しての構想である。
 それだけでもやっぱり楽しいものだ!!

(つづく)
 

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2023年版・授業びらきを構想する!!(2) #私のふしぎ!? #謎解き #理科の授業 #授業びらき 

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▼久しぶりにあの銅像の前に立ちたいと計画していた。
 個人的な事情で、この計画は延期せざるを得ないようだ。
 できるだけ早い機会に「土佐の寅彦」詣に出たいものだ!!
 
▼今年の「授業びらき」の構想を続けよう。
 ここでもやっぱり、私の「ふしぎ!?」からはじめたいな。

・私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(1)
・私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(2)
・私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(3)
・私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(4)
・私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(5)

▼かつての生徒たちの「私の「ふしぎ!?」」を読み返していると実に面白い!!
 やっぱりコレだ!!
 と思ってしまう。これを「授業びらき」だけにしてしまうのはモッタイナイ!!

・単元ごとの導入にぜひ使いたいものだ!!
 「この単元は、○○さんの「ふしぎ!?」と関連して…」とはじめたいものだ。

・夏休み前に「自由研究」のテーマをきめるとき参考にしたいものだ!!
 
・私の「ふしぎ!?」は一生モノ!!
 毎年レベルアップしていくのも楽しいものだ。
 謎解きは簡単に完結してしまわなない方が面白いのかも知れない。

▼そして、やっぱり最後(最初でもいいけど)は、私自身の「ふしぎ!?」だ。
 
 2023年春 現在進行形の私自身の 私の「ふしぎ!?」は 

 考える(構想する)だけでもワクワクしてくるな。

(つづく)

 

 

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2023年版・授業びらきを構想する!!(1) #ナガコガネグモ #出のう #理科の授業 #授業びらき 

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「子グモたちが、ここから出のうしてくるのはいつだろう!?」

 私がはじめてこのナガコガネグモの「卵のう」を見たのは、昨年のお盆過ぎだった!!
 私はそれ以来ずっとずっと子グモたちが出てくるのを待っていた。
 「ジョロウグモ」や「ゲホウグモ」の子グモたちが出のうしてくるのを見たことがあるが、「ナガコガネグモ」の場合は見たことがなかった。
 それだけに「不安」であった。
 「ほんとうに、このなかに子グモたちはいるのだろうか?」
 「うまく越冬をしたのだろうか?」
 「出のうを見逃してしまったのでは?」
 
 「ナガコガネグモの一年間って!?」

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▼昨日の朝、変な夢をみた。

 「授業びらき」のために「あれ」を準備しなければ!!
 今朝のうちに「連絡」しておかなかれば!!

 目覚めてしばらくするとそれが夢の中であることがわかってきた。
 準備しなければと思った「あれ」がなんだったか思い出せない。
 どこに「連絡」するのやら、そんなところは今の私にはなかった。
 こんな夢をみるのも長年の「習慣病」だろうか。

▼私の思考のすべてのはじまりは、良くも悪くもここにしかなかった。

◆私の「ふしぎ!?」からはじめて「卒業論文」にいたるまでの中学校3年間「理科」全課程を構想する!!
 新・中学校「理科」を構想する(2016年版)

▼中学校理科の授業は、私の「学びの原点」だった。
 それは今もかわらない。
 昨日朝にさめてしまった夢のつづきをしばしみつづけてみようと思う。

 ごくごく気儘に!!

(つづく)
 
 

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2023年4月(卯月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼今年も「立春」の前日「節分」に立てた【立春の卵】5個!!
 それから2ヶ月が経った昨日も2個の卵は立ったままだった!!
 この私の小さな小さな実験もまだつづくのだった。
 
▼今年度も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめたいと思う!!
 名句の参考にさせてもらうのは、これまでのように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句10句を引用させてもらう。(今月より10句になった。)

(1) 春昼の紙巻いて遠めがねとす 橋 閒石
(2) リラ冷やとろ火にラード溶かしゐて 熊谷愛子
(3) スリッパを越えかねてゐる仔猫かな 高浜虚子
(4) 外にも出よ触るるばかりに春の月 中村汀女
(5) 地球ごと風がまはるよ蝶飛来 高屋窓秋
(6) てふてふの辺りに色の多からむ 佐藤文香
(7) 入学児手つなぎはなしまたつなぐ 有城暮石
(8) 園児一列触つて通る雪柳 林 桂
(9) 石捨てて子どもが帰る春の暮 日原傅
(10) 日の桜影の桜も吉野山 稲畑汀子

▼今年度も無手勝流シロウト「選句」を愉しむことからはつづける!!
 あなたは!?

【私の選んだ名句ベスト3】

(5) 地球ごと風がまはるよ蝶飛来 高屋窓秋

(6) てふてふの辺りに色の多からむ 佐藤文香

(10) 日の桜影の桜も吉野山 稲畑汀子

【次点】

(9) 石捨てて子どもが帰る春の暮 日原傅

【選評】
・この発想の転換!!ダイナミックさが気に入った。
・愛おしき「てふてふ」よ。この表現が好きだ!!
・吉野山はまるごと桜かな。さすがである感服!!

・あるあるの景で「春」を詠む。自分でも挑戦してみたくなる。

▼何年ぶりかにほんとうの「春」がやってきた気がする。
 大いに「春」を詠み愉しみたいものである。
 <俳句修業>の究極は、自分でも詠んでみることだ。
 句会参加は、その愉しみをうんと膨らませてくれる。

◆第32回オンライン句会「寅の日」4月例会案内!!


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【Web更新4/2】23-14 【大賀ハス観察日記】等 更新!!

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菜の花やあれもこれもが黄色(きい)づくし 23/03/31撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】23-14
週末定例更新のお知らせ
 2023年度がスタートした!!
 新学期だ!!
 どんな「出会い」と「学び」が待っているのだろう。
 どんな「展開」になるのだろう。

 「みちはこたえない。」
 「みちはかぎりなくさそうばかりだ。」(『峠』より)

◆表紙画像集2023 更新 菜の花
 「菜の花」という名の特定の花はないらしい。アブラナ科アブラナ属の花の総称らしい。
 東の畑は、ともかく「菜の花」の真っ盛りである!!
 黄色づくしで、真っ黄色だ!!

◆【大賀ハス観察日記】 更新!!
 2023年度大賀ハス蓮根の植え替え作業をした。
 大賀ハス観察池のスタートである。
 あわせて、さぼっていた一年間の観察池の様子の「記録」も更新した!!
 一年間を通して見ると感慨深いものがある。 

◆オンライン「寅の日」更新!!
 12年目のスタートである。
 4月テーマは「これから科学者になる君へ」である。
時空を超えた寅彦からのメッセージは「君」だけでなく、誰にも響いてくるものがある!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 【理科の部屋】30周年記念オフは、今年の11月23日(祝・木)である。
 新年度がはじまって、より具体的な【企画】も出し合いたい!!


 2023年度大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから1週目である。
 水面から幼芽が少しだけ顔を出している。
 テントウムシが3匹浮いている。(溺れているのかな!?)

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本日(2023/04/02)、第344回オンライン「寅の日」!! #夏の小半日 #traday #寺田寅彦

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オンライン「寅の日」12年目の始まりである!!
 「面白くなくなったら、すぐやめよう。」
 と思っていた。
 ところがはじめてみると面白すぎた!!
 時空を超えて「科学」の面白さ、
 「ふしぎ!?」の謎解きの楽しさを教えてくれた。
 それだけではない。さらには…

▼本日(2023/04/02)は、第344回オンライン「寅の日」である。
 12年目最初の4月のテーマは【お薦め本】『これから科学者になる君へ』から、そっくりそのままかりてきた。

◆4月テーマ 「これから科学者になる君へ」

 まず初回の本日は、「夏の小半日」を読む。
 それぞれのペースで読み進めよう!!

◆本日(2023/04/02)、第344回オンライン「寅の日」!!

●「夏の小半日」(青空文庫より)

▼【お薦め本】でも導入にとりあげられた本作品は、自然界の「ふしぎ!?」の謎解きを呼びかけるのにふさわしい作品である。
 まずは、このようにはじめられていた!!

よく「自然」は無尽蔵だと言いますがこれはあながち品物がたくさんにあるというだけの意味ではない。たとい一本の草、一塊の石でも細かに観察し研究すれば、数限りもない知識の泉になるというのです。またたとえば同じ景色を見るにしても、ただ美しいなと思うだけではじきに飽きてしまうでしょうが、心の目のよくきく人ならば、いくらでも目新しい所を見つけ出すから、決して退屈する事はないでしょう。それで観察力の弱い人は、言わば一生を退屈して暮らすようなものかもしれません。諸君も今のうちにこの観察力を養っておく事が肝要だろうと思います。

 「観察力」!!
 さらに、具体的に話が進む。
 だれでも海べに出ていちばん見飽かずおもしろいと思うのは、遠い沖の果てから寄せて来ては浜に砕ける、あの波でしょう。見慣れない人の目には、海の水は、まるで生きているもののような気がすると言います。実際波はある意味で生きている。すなわち物理学などで言う「仕事」をする能力があります。しかし、惜しい事には、この能力は人間に都合のよいほうにはあまり使われないで、かえって海岸を破壊したり、またせっかく築いた港を砂で埋めたりするほうに使われています。

このような波の進んで行く速さは、波の峰から峰、あるいは谷から谷までの長さいわゆる「波の長さ」の長いほど早く、また浅い所へ来るとおそくなります。見慣れない人は波の進むにつれて水全体が押し寄せて来るように思う事もあるそうですが、実際はただあのような、波の形が進んで来るだけで、水はただ、前後に少しずつ動揺しているという事は水面に浮かんでいる物を見ていてもだいたいはわかります。

▼「観察」からはじめて、やがて「実験」「研究」そして「科学」の世界へとつながっていきます。

また機会があったら水の底にできているこの波形の波長を計ってごらんなさい。通例、深い所ほど波長が短くなっているでしょう。
 
試みにこのような、充分水を含んだ細砂を両手で急に強く握りしめると、湿気が失うせて固くなるが、握ったままでいるとだんだん柔らかくなってダラダラ流れ出します。足で踏んでも、踏んだ時は固いが、だんだん足がめり込んで行きます。よほどおもしろいものだから、忘れずにためしてごらんなさい。

 そして、あの「ねえ君、不思議だと思いませんか?」へとつながっていく!!
 浜べには通例大きい砂も細かい砂もあるが、たいてい大きいのは大きいの、細かいのは細かいのと類をもって集まっているのは、考えてみると不思議ではないでしょうか。波が砂をかきまぜているのに、どうして一様に交じらないでしょうか。

 まだまだあるよ!!と。
 海岸では晴れた夏の日の午前にはたいてい風が弱くて、午後になると沖のほうから涼しい風が吹き出します。これは海軟風ととなえるもので、地方によりいろいろな方言があります。 

 浜べで見られるおもしろい現象もまだいろいろありますが、またいつかお話ししましょう。 

 時空を超えて寅彦先生のあのコトバが聞こえてくるようだった!!

 「ねえ君、不思議だと思いませんか?」 

 

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2023年4月(卯月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼2022年度が終わった。
 新年度のスタートである。
 4月の「雲見」を予想する前に3月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴   5   
・巻雲   1  
・巻積雲  0  
・巻層雲  3       
・高積雲  0   
・高層雲  6       
・層積雲  2  
・積雲   9   
・層雲   1   
・乱層雲  4    
・積乱雲  0 

 これはあくまで午前9時(原則)の記録であり、一日のうちでも大きく変化することもよくあった。
 「快晴」5+「積雲」9=14
 「高層雲」6+「乱層雲」4=10
 おおざっぱに3月の「雲見」をとらえるとこうだった。 
 目立つのは「積雲」9だ。
 またしても日最高気温~日最低気温の「記録」をアメダスの「記録」を利用して、メモ欄に記入してみた。
 この作業をやっていると、あらためて「気温」の重要性を認識するのだった。
 日の最低気温でなんと「-」になったのはたった1日であった。
 それにくらべ最高気温が20℃を越えたのは6日であった。
 3/11は24.6℃まであがり、あわや「夏日」になるところであった。 
 それでもやっぱり「暑さ寒さも 彼岸まで」は正しいのかもしれない。
 さて4月の「雲見」は!?

▼4月(卯月)の「雲見」の予想に入ろう。
 昨年の4月の天気図を見てみる。

◆日々の天気図 2022年4月 (気象庁)

・とてもはやかった「桜満開」は、はやくも散ってしまうだろうか。
・あまり使わなくなった「桜前線」というコトバ、それでもやっぱり有効か!?
・本格的に「夏日」がつづくのはいつごろからだろう。
・今年も「台風1号」は、今月中だろうか!?
・「雲見」に焦点をあてれば、なんの「もくもくシール」を貼ることがおおいだろう。
・「快晴」は何日あるだろう。

▼次はもっともお気に入りの参考本だった。

◆『12ヶ月のお天気図鑑』(武田康男・菊池真以著 河出書房新社)

 4月の画像のタイトルだけ引用させてもらう。
 4月はこのうちいくつの写真に自分でも挑戦できるだろう。

「天使の梯子」
「春の満月」
「花曇り」
「落陽」
「黄砂」
「蜃気楼」
「太陽の道」
「寒の戻り」
「爆弾低気圧」
「潮干狩り」
「扁平太陽」
「波状雲」
「甲子園の風」
「春時雨」

▼リアル「雲見の旅」の復活を決意したばかりだったのに、またまた状況が変わってしまった。
 しかし、リアル「雲見の旅」にあらたな道を拓きたい!!
 
 「みちはかぎりなくさそうばかりだ。」

 「雲見」は いつでも 誰でも どこでも
 可能な究極の道楽!!

 

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