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【お薦め本】『まんがで名作 寺田寅彦エッセイ集 これから科学者になる君へ』(原作 寺田寅彦 監修 鎌田浩毅 KADOKAWA)

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▼寅彦は「漫画と科学」(青空文庫より)のなかで、次のようなことを言っていた。

次にその対象の見方および取扱いの上に如何なる特徴があるかと考えてみると、その対象の形態的ないし心理的の現象の中である特別な部分を抽象してその部分を誇大しあるいは挙揚して表示するというのが一つの顕著な点である。

こういう対象の取扱い方は実に科学者がその科学的対象を取扱うのと著しく類似したものである。

▼あの数々の名エッセイ(随筆)を漫画で読むことがてきる本が出たと聞いた。
 面白そうだと思ったので手に入れてみた。

◆【お薦め本】『まんがで名作 寺田寅彦エッセイ集 これから科学者になる君へ』(原作 寺田寅彦 監修 鎌田浩毅 KADOKAWA 2023.2.15)

やはりなかなか面白い展開になっていた。
これは、ぜひ【お薦め本】にしたいと思えてきた。
 例によってお薦めポイント3つを先に挙げておく。

(1) 寺田寅彦の名エッセイ(随筆)をはじめて学習まんが化した本である!!
(2) 大人から子どもまで「寅彦の世界」を楽しめるための最高の手引き書である!!
(3) きっと寅彦の原作を読んでみたくさせてくれる本である!!

▼少しくわしくふれてみよう。

(1) 寺田寅彦の名エッセイ(随筆)をはじめて学習まんが化した本である!!
 まんが化された随筆は次の7編であった。
第1章 夏の小半日
第2章 茶碗の湯
第3章 電車の混雑 
第4章 こわいものの征服
第5章 津浪と人間 
第6章 藤の実
第7章 科学者とあたま 
 もちろん寅彦の随筆を原作としながらも、7編の随筆がつながりがあるようにストリー化されていた。
 「これから科学者にになる」主人公(勇一君)への寅彦からのメッセージが中心テーマとしての物語となっている。
 これがなかなかうまい!!
 まんが化することにより、寅彦からのメッセージがより「見える化」&「焦点化」しているように思う。

(2) 大人から子どもまで「寅彦の世界」を楽しめるための最高の手引き書である!!

 裏表紙の内側にある「保護者の方へ」という文章の最後に次のような一文があった。
 「まんが名作」シリーズでは寺田寅彦のエッセイを理解しやすいように脚色し、子どもたちの目線で楽しめるまんがとしてえがいています。大人が読んでもハッとする視点や学べる要素が入っておりますので、ぜひ子どもたちと一緒に読んでみてください。

 特に後半にうんと納得した。(゚ー゚)(。_。)(゚-゚)(。_。)ウンウン
 
「大人も楽しめるのが最高の児童書!!」
 というのが私の持論である。これがピッタリあてはまる本だ。
 大人がはじめて「寅彦ワールド」を楽しむのにもうまくできていた。
・寅彦のここをちょっと深掘り!!① 
・寅彦のここをちょっと深掘り!!②
・知ってびっくり! 寺田寅彦ってこんな人!!(同書P154)
・科学者!?文学者!? 寺田寅彦二刀流年表(同書P156)
これらもとても参考になる。
 大人にとっても子どにとっても、「寅彦の世界」第一歩の最高の手引き書!!

▼最後のポイントは次である。
(3) きっと寅彦の原作を読んでみたくさせてくれる本である!!
 この本を読めば、きっと寅彦の原作ではどうだったんだろう!?
 と気になってくるはずである。
 アリガタイことに、ここにとりあげてある7編とも、青空文庫のお世話になれば今すぐにも読むことができる!!

◆作家別作品リスト:No.42 寺田寅彦 (青空文庫)
 
「原作」と「まんが化」されたこの本を往復運動をしているあいだに、きっとより深く読み解くこができるだろう!!
 ここからは、完全「我田引水」モードだ!!
 
誰もが楽しめるオンライン「寅の日」の案内書として最高!!


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