11年間のオンライン「寅の日」で何を読んできたのか。(3) #寅の日 #traday #寺田寅彦
▼「ねえ君、不思議だと思いませんか?」
このコトバも、また中谷宇吉郎が書き残してくれていた。
中谷宇吉郎は「指導者としての寺田先生」(青空文庫より)のなかで次のように語っていた。
私が理研にいた三年の間に、先生の仕事を手伝った主な題目は火花放電の研究であった。ずっと以前、先生が水産講習所へ実験の指導に行っておられた頃の話であるが、その実験室にあったありふれた感応起電機を廻(まわ)してパチパチ長い火花を飛ばせながら、いわゆる稲妻形に折れ曲(まが)るその火花の形を飽(あ)かず眺めておられたことがあったそうである。そして先(ま)ず均質一様と考うべき空気の中を、何故(なぜ)わざわざあのように遠廻りをして火花が飛ぶか、そして一見全く不規則と思われる複雑極まる火花の形に或る統計的の法則があるらしいということを不思議がられたそうである。「ねえ君、不思議だと思いませんか」と当時まだ学生であった自分に話されたことがある。このような一言(ひとこと)が今でも生き生きと自分の頭に深い印象を残している。そして自然現象の不思議には自分自身の眼で驚異しなければならぬという先生の訓えを肉付けていてくれるのである。
▼私は11年間に読んだ寅彦の随筆114編を少し強引だが次の4つに分類していた。
少し重なるところもあるが。
A 【防災・減災】『天災は忘れられたる頃来る』 10編
B 【科学・科学教育】『ねえ君、不思議だと思いませんか?』 85編
C 【俳句】『歳時記は日本人の感覚のインデックス(索引)である』 13編
D 【気象】寅彦の「雲見」!! 6編
▼4つに分類したなかでも【お薦め随筆】寺田寅彦の「○○随筆」十選!!をきめていた。
読んだ回数とともにあげてみると次のようになる。
◆寺田寅彦「科学(理科)教育」十選!!
(1) 科学者とあたま 10
(2) 研究的態度の養成 7
(3) 雑感(「理科教育」より) 7
(4) 科学上の骨董趣味と温故知新 6
(5) 物理学実験の教授について 5
(6) 科学に志す人へ 3
(7) マーカス・ショーとレビュー教育 2
(8) 方則について 1
(9) 物理学の応用について 1
(10) 知と疑い 1
▼次は「防災・減災」についてである。
◆寺田寅彦「防災・減災」十選!!
(1) 日本人の自然観 12
(2) 天災と国防 11
(3) 津浪と人間 9
(4) 颱風雑俎 8
(5) 神話と地球物理学 6
(6) 地震雑感 5
(7) 小爆発二件 2
(8) 流言蜚語 1
(9) 災難雑考 1
(10)震災日記より1
とりわけ上位にあげた3編を私は
「防災・減災」三部作!!
とよんでいる。
寅彦は いつ 何度 読んでも 今日的である!!
(つづく)
| 固定リンク
コメント