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本日(2023/02/25)、第341回オンライン「寅の日」!! #科学と文学 #traday #寺田寅彦 #ウメサオタダオ

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▼唐突であるが、ウメサオタダオのことを思い出し、古い古い写真をひっぱり出して来た!!
 そして、あのコトバを思い出すのだった。

ものごとは、記憶せずに記録する。(『知的生産の技術』より)


▼本日(2023/02/25)は、第341回オンライン「寅の日」である。
 2月のテーマは、「文章修業」の総集編としての「科学と文学」である。

 【2月テーマ】「科学と文学」

 読むのはテーマのタイトルそのもの随筆「科学と文学」を読む。
 本日はその第三回目・最終回である。

◆本日(2023/02/25)、第341回オンライン「寅の日」!!

●「科学と文学」(3)(青空文庫より)


▼本日は最後の

・随筆と科学
・広義の「学」としての文学と科学
・通俗科学と文学
・ジャーナリズムと科学
・文章と科学
・結語

 のあたりを中心として読む。
 何故、ウメサオタダオのコトバを思い出したかと言うとこの「文脈」の流れからであろう。
 「言葉」→「実験」→「記録」→「芸術」→「国境」→「随筆」!!
 ここからが、ほんとうの寅彦の本意だろう。
 ここからが書きたかったからこそ、この随筆を書いたのだろうと私は思っている。
 前回の最後を繰り返そう。
 

 そういうことから考えても、科学者が科学者として文学に貢献しうるために選ぶべき一つの最も適当なる形式はいわゆるエッセーまた随筆の類であろうと思われる。

 重ねてこう言いきる。
 科学が文学と握手すべき領域は随筆文学、エッセー文学のそれであるかと思われる。

 続けて「我田引水」風につづける。
 
 これに反して科学者が科学者に固有な目で物象を見、そうして科学者に固有な考え方で物を考えたその考えの筋道を有りのままに記述した随筆のようなものには、往々科学者にも素人しろうとにもおもしろくまた有益なものが少なくない。

  それはとにかくとして、現在において、科学者が、科学者としての自己を欺瞞することなくして「創作」しうるために取るべき唯一の文学形式は随筆であって、そうしてそれはおそらく、遠き「未来の文学」への第一歩として全く無意味な労力ではないと信ずるのである。

▼科学者・寺田寅彦のコトバはますます説得力をもってくるのである。

 科学者が自分の体験によって獲得した深い知識を、かみ砕きかみ締め、味わい尽くしてほんとうにその人の血となり肉となったものを、なんの飾りもなく最も平易な順序に最も平凡な言葉で記述すれば、それでこそ、読者は、むつかしいことをやさしく、ある程度までは正しく理解すると同時に無限の興趣と示唆とを受けるであろうと思われる。

 なんとアリガタイことに「ホンモノ」と「ニセモノ」の見分け方まで伝授してくれるのである。
そういう永久的なものと、悪い意味でのジャーナリスチックなものとの区別は決してむつかしくはない。要するに読んだ後に、読まない前よりいくらか利口になるかならないかというだけのことである。そうして二度三度とちがった時に読み返してみるごとに新しき何物かを発見するかしないかである。

 そしていよいよ<文章作成術>に話が及んでいく!!

そういう種類のものにはやはり必ず何かしら独創的な内察があり暗示があり、新しい見地と把握(はあく)のしかたがあり、要するになんらかの「生産能」を包有しているある物がなければならないのである。

 それで、考え方によっては科学というものは結局言葉であり文章である。文章の拙劣な科学的名著というのは意味をなさないただの言葉であるとも言われよう。

これと反対に、読んでおのずから胸の透くような箇所があれば、それはきっと著者のほんとうに骨髄に徹するように会得したことをなんの苦もなく書き流したところなのである。

ここに「寅彦活用」のヒントのすべてが含まれている!!
誰もが自らの「文脈」に引き寄せて読んでみよう!! 

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