【お薦め本】『石と地層と地形を楽しむ はりま山歩き』(橋元 正彦著 神戸新聞総合出版センター)
▼先日、ついに待望のお話を聞くことができた。
予想通り実に面白かった!!
「さあ、いよいよ目の前のあの山を歩いてみるぞ!!」
と決意した。
またまた話を大げさに言ってしまう。
そうではなくて、決意などと言うのでなく毎日の「雲見」や「宇宙見物」のように、「山歩き」を楽しむのである。
それにぴったりの「案内書」に出会った!!
▼それが今回の【お薦め本】だ。
◆ 【お薦め本】『石と地層と地形を楽しむ はりま山歩き』(橋元 正彦著 神戸新聞総合出版センター 2021.11.12)
あまりに面白すぎて、話があっちこっちに行ってしまいそうだ。その前にいつものようにお薦めポイント3つをあげておく。
(1)ふるさとの「動く大地の物語」を楽しめる!!
(2)はりまの「山歩き」をしながら地層や地形を楽しむ最高の案内書!!
(3)身近な自然に興味をもつことの楽しさを教えてくれている!!
▼少し重なるところもあるが、ひとつひとつ少しだけ詳しくふれてみよう。
(1)ふるさとの「動く大地の物語」を楽しめる!!
「なんで目の前のあの山のてっぺんから、海の底でできた化石がみつかるのだろう!?」
「足元のこの石ころは、どんな物語を語ってくれているのだろう!?」
遠く離れた地の話ではなく、今も暮らす「ふるさと」の話として知りたかった。
それに答えてくる本がついに出た。著者はこう語る。
山の歩き方は人それぞれですが、花や木の名前や、鳥の鳴き声がわかってくると楽しくなってきます。それと同じように、今歩いている山がどのような岩石でできているのかがわかってくるのもとても楽しいのです。岩石や地層は、ここで過去の地質時代に何がおこったのかを教えてくれます。
地層が南の海からプレートに乗ってやってきたり、カルデラをつくるようなとてつもなく大きな火山噴火があったり、湖の底で静かに泥や砂がたまったりと、そんな大昔の大地の姿が目に浮かんでくるのです。(同書 P5より)
うれしいことには、この「物語」を読み解くための基礎知識のページもちゃんとこの一冊に用意されているのです。
○ はりまの大地はどのようにしてできたのか (同書 P7~10)
○ 播磨の地質図 (同書 P10)
○ はりまの地質形成史 (同書 P11)
○ はりまの石を見分けよう (同書 P121~)
○ はりまの石 ミニ図鑑 (同書 P123~)
なんとアリガタイことに「ミニ図鑑」まであるのです!!
それもすべて「はりま」産出の石ばかりだ!!
次に行こう。
(2)はりまの「山歩き」をしながら地層や地形を楽しむ最高の案内書!!
私は「登山」どころか、「山歩き」も、まったくのシロウトであった。
「あこがれ」はずっとあったが、ついにこの年まできてしまった。
今さらであるが、可能な限り挑戦してみたいのだ!!
著者はこう言いきってくれていた。アリガタイ!!
本書は、播磨の山々を歩きながら地質や地形を楽しむための案内書です。(同書 P5より)
そんな私にはとってもアリガタイ配慮がいくつもあった。
27コース全てに次のようなことが記されていた。
・ 所要時間 (観察をして楽しむも含めてあった)
・わかりやすいコースの地図
・stop して観察する地点を地図に明示してくれていた。
・stop 地点で何をこそ観察するのか、くわしく説明してくれていた。
・著者自らが歩いて観察した最近の写真を多数貼付してくれていた。
・アクセス 「マイカー」だけでなく交通機関利用の場合もくわしく書いてくれていた。アリガタイ!!
まだまだありそうだが、次に行こう。
▼ 最後は少し全体的な話になるのだがこうだ。
(3)身近な自然に興味をもつことの楽しさを教えてくれている!!
もっともの「ふしぎ!?」は、最も身近にある!!
身近な自然を科学することの楽しさを教えてくれている。
著者は「おわりに」の文章のなかで、このように語っていた。
登山道で岩に張りついて観察していると、ときどき声をかけられます。「何しょってん?」とか、「何か珍しいものでもあるん?」などです。石を見ていると答えると、予想外の答えのようでだいたいの人が驚かれます。そこで、「ここの石は、ずっと昔、まだ恐竜の生きとった時代に火山の大噴火でできたんや」などと話し出すと、また驚かれます。山を歩く人たちたちの大地への興味が広がるために、少しでもこの本が役に立つことを願っています。また、子どもたちが身近な自然に興味を持つきっかけとなればとてもうれしく思います。(同書 P127より)
さあ、この本を片手に出発です!!
27コース、どこまで行けるだろう!?
私のことですから ゆっくり ゆっくり です。
どこかで出会ったら声をかけてください。
そして、あなたの「発見」した「動く大地の物語」を教えてください。
※なお著者のホームページは必見!!
『兵庫の山々 山頂の岩石』
http://www2u.biglobe.ne.jp/~HASSHI/yama.htm
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