【お薦め本】『ふしぎで美しい 水の図鑑』(文・写真 武田康男 緑書房)
▼クリスマスイブの午後だった。
いつものように「ひとり吟行」に出かけようとしたら、またまたはげしい風とともに
「小さな雨」が降ってきた。待てよ「雨」と言うより「雪」かもしれない。
いや、それらが混じりあっているようだから、「みぞれ」と呼んだ方がいいのかも知れない。しばくすると晴れきた。
いずれにしても降ってきたのは「水」にはちがいなかった。アメダスでは「降水量」として「記録」されるのだろう。
さて、この地球上「水」に関して、たいへん興味深い本に出会った!!
それは、天からのX'masプレゼントと思って読んでみた。
実に面白かったので、つい今年最後の【お薦め本】にあげてみたくなった。
▼その本は、実はあらかじめ予約を入れておいて、出版されると同時に手に入れて置いた。
◆【お薦め本】『ふしぎで美しい 水の図鑑』(文・写真 武田康男 緑書房 2022.12.1)
読んでみて、このX'masプレゼントに大満足していた。
いつものように3つのお薦めポイントを先にあげて置こう。
(1)あらためて「ふしぎ!?」な水に興味をもたせてくれる!!
(2)“空の探検家”=武田康男氏自らが撮影した写真は美しく説得力を持つ!!
(3)意識的に「水」にはたらきかけてみたくなる!!
▼さあ、ひとつずつ少しだけ詳細に語ってみよう。
(1)あらためて「ふしぎ!?」な水に興味をもたせてくれる!!
正直に話をすると、武田康男さんのこれまで出された本は、ほとんど読ませてもらい、ある程度は「わかっている」つもりでいた。
読み進めるうちに「これはちがう!!」と思いだした。この本は、「これまでのどの本ともちがう。」と思いはじめた。
「わかっている」つもりの水の「ふしぎ!?」にあらためて注目させてくれた。
たとえばこうだ。
雲は直径0.01㎜程度の球形の水滴が集まったもので、上昇気流や空気抵抗のはたらきにより地上に落ちてきません。水滴の直径が0.1㎜以上になると霧雨となってゆっくり降り、1㎜になるとふつうの雨になります。2~3㎜程度だと、水滴が落ちるスピードがあがる分、空気抵抗が大きくなり、横にやや広がった「あんパン」のような形になります。7~8㎜程度の大きさになると分裂してしまいます。
直径0.01㎜の雲の粒が直径1㎜の雨粒のになるには、雲の粒が100万個も必要です。さらに、雨粒どうしが降ってくる最中にふつかって大きくなることもあります。背の高い積乱雲から大粒の雨が降るのは、そのためです。(同書P14より)
さらには、こんな話も出てきます。
水雲と氷雲は見た目が違います。水雲はもこもことした塊状や不透明な灰色が広がっていて、氷雲はすじ状やペール状に白く輝いています。積乱雲の場合は、入道雲のときは多くが水雲ですが、かなとこ雲に成長した上部は氷雲になっています。
雲の中に水滴と氷の粒の両方が存在していると、雨や雪が降りやすくなります。水雲と氷雲が混ざっているいるところでは、水滴から氷の粒へと水蒸気がどんどん移動し、大きくなった氷の粒が落下します。これが解けると雨で、解けないと雪として降ります。
(同書P46より)
このアタリマエ!!
これはやっぱり「ふしぎ!?」だ。
これはほんの一例にすぎない。
地球上の「水」の「ふしぎ!?」が一挙に公開である。それは、目次をみればわかる。
第1章 水の特性
第2章 宇宙と水
第3章 大気の水
第4章 海
第5章 陸地の水
第6章 氷の世界
第7章 生物と水
まとめて見ることによりその「ふしぎ!?」は豊かになり深まる!!
それは美しさにツナガル!!
あらたな切り口で、水の「ふしぎ!?」に迫る!!
(2)“空の探検家”=武田康男氏自らが撮影した写真は美しく説得力を持つ!!
この本には176点も「写真」が登場すると言う。確かに多くの写真がある。
「ほんとうかな!?」疑り深い私は、カウターを持ってきて数えてみた!!
ほんとうだ。たしかに176点ある!!
多いだけではない。その厳選された176枚、どれもが“空の探検家”=武田康男氏自らが撮影したものだった。だから、どの写真もがとても説得力をもっていた。
「武田康男写真展」を訪れたつもりで
私の「お気に入り」ベスト5 を選んだ!!
【ベスト1】 氷が水になっていくところ (同書P27)
【ベスト2】 南極にいたクマムシ (同書P139)
【ベスト3】 飛行機から見た熱帯地方の積乱雲 (同書P43)
【ベスト4】 霧雨の水滴 (同書P15)
【ベスト5】 南極海の卓上(テーブル型)氷山 (同書P121)
【次点】 過冷却水 氷点下で撮影した水滴と氷の粒 (同書P13)
いやいやそんなものではない!!
・「氷が解けて水が集まるようす」「水が球形になって分かれるようす」「あとから小さな水滴が続くようす」(同書P19)
・「バケツに張った氷」 (同書P127)
・「葉の先に付いた球形水滴」 (同書P52)
・「南極半島付近の氷がある海で泳ぐクジラの群れ」 (同書P34)
等々
超一級の定番だって忘れられない!!
・「枯れ草に付いた霜」 (同書P113)
・「北海道で撮影した雪の結晶」(同書P57)
等々
あげだせばきりがない。!!
どだいベスト5を選ぶなどと言うのは無理です。ページをあっちへいったり、こっちへもどったり迷うばかりです!!
結論から言います。
バケツの「氷」から、南極、砂漠草原の「水」まで
世界まるごとの「水」が記録(写真撮影)されています!!必見です!!
▼ ヘタな紹介は、これぐらいにしよう。
実際に手にとって、これらの「写真」を見ればわかることです。
最後に「蛇足」ぎみになるが、これだけは言っておきたいのでこれを付け加えておく。
(3)意識的に「水」にはたらきかけてみたくなる!!
いくつかの場面で 「ソレナラバ私も…」と、自分で確かめてみたくなることが提案されいた。
・実験:水の色を見てみよう (同書P28)
・「バケツに張った氷」 (同書P127) そうだ バケツに水を入れておこう
・みごとな「北海道で撮影した雪の結晶」(同書P57)を見ていると自分でもきっと「挑戦」してみたくなるはずだ!!
等など。
そうだ、今年も「Wコップの実験」セットしなければ!!
ともかく、今年のX'masプレゼントは最高!!
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