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本日(2022/12/03)、第333回オンライン「寅の日」!! #自由画稿 #うじの効用 #traday #寺田寅彦

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▼師走に入って、定番コースで「ひとり吟行」を再開した。
 なにかテーマをもって文章を綴ったとき、それにあらかじめ「題」をつける作業は、寅日子先生でもなかなか困難な作業であったようだ。
 「自由画稿」(寺田寅彦 青空文庫より)の最初の「はしがき」のなかに次のような一文をみつけた。

 しかし今度は同じ題で数か月続けようとするのだから事情が少しちがって来る。もっとも、有りふれた「無題」とか「断片」とかいう種類のものにすればいちばん無難ではあるが、それもなんだかあまり卑怯ひきょうなような気がする。…(中略)今度もこうした名前は慎むほうがよいであろうと思う。いろいろ考えた末に結局平凡な、表題のとおりの名前を選むことになってしまったわけである。全くむつかしいものである。 

 「ひとり吟行」も同じだった。
 あらかじめどんな「景」に出会うかがわからないことも醍醐味のひとつであった。

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▼本日(2022/12/03)は、第333回オンライン「寅の日」である。
 12月のテーマは、このようにしてあらかじめ「題」された「自由画稿」(18編の随筆集)のなかから、3編を選んで読む。

【12月テーマ】「寅彦と自由画稿」

である。第1回目の本日は「十 うじの効用」を読む。

◆本日(2022/12/03)は、第333回オンライン「寅の日」!!

●「十 うじの効用」(『自由画稿』より)


▼「目移りがする」というのは、こういうのを言うのであろう。
 18編の随筆は、さすが寅日子先生である。どれも面白い!!
 あらかじめ「十 うじの効用」ときめていたから、それから読んでいく。どこかで読んだ記憶もあったが、そんなことおかまいなしに読み進める。恐ろしく「今日的である!!」と思いながら…。

  うじがきたないのではなくて人間や自然の作ったきたないものを浄化するためにうじがその全力を尽くすのである。尊重はしても軽侮すべきなんらの理由もない道理である。

近代になってこれが各種の伝染病菌の運搬者播布者(はんぷしゃ)としてその悪名を宣伝されるようになり、その結果がいわゆる「はえ取りデー」の出現を見るに至ったわけである。著名の学者の筆になる「はえを憎むの辞」が現代的科学的修辞に飾られてしばしばジャーナリズムをにぎわした。

 しかしはえを取り尽くすことはほとんど不可能に近いばかりでなく、これを絶滅すると同時にうじもこの世界から姿を消す、するとそこらの物陰にいろいろの蛋白質(たんぱくしつ)が腐敗していろいろの黴菌(ばいきん)を繁殖させその黴菌は回り回ってやはりどこかで人間に仇(あだ)をするかもしれない。


あれよあれよと言う間に、寅日子先生のペースだ!!
いつの間にやら、納得してしまうのだった。またやられてしまった!?
 (゚ー゚)(。_。)(゚-゚)(。_。)ウンウン

▼こうなればたたみかけるように次だ。

  自然界の平衡状態(イクイリブリアム)は試験管内の化学的平衡のような簡単なものではない。ただ一種の小動物だけでもその影響の及ぶところは測り知られぬ無辺の幅員をもっているであろう。その害の一端のみを見て直ちにその物の無用を論ずるのはあまりに浅はかな量見であるかもしれない。

 はえが黴菌をまき散らす、そうしてわれわれは知らずに年じゅう少しずつそれらの黴菌を吸い込み飲み込んでいるために、自然にそれらに対する抵抗力をわれわれのからだじゅうに養成しているのかもしれない。そのおかげで、何かの機会にはえ以外の媒介によって多量の黴菌を取り込んだときでもそれに堪えられるだけの資格が備わっているのかもしれない。換言すればはえはわれわれの五体をワクチン製造所として奉職する技師技手の亜類であるかもしれないのである。

 いつしか、「冬のはえの味方」になっていたりして…(^^;ゞポリポリ
 そして、こうしめくくってくる!!
 やっぱり寅日子先生はうまい!!
 たとえば野獣も盗賊もない国で安心して野天や明け放しの家で寝ると風邪かぜをひいて腹をこわすかもしれない。○を押えると△があばれだす。天然の設計による平衡を乱す前にはよほどよく考えてかからないと危険なものである。

 さあ、次は何を!?

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