2022年11月(霜月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会
▼今年こそ、ターゲットの樹をきめて、寅日子先生の言う銀杏の「潮時」の様を見てみたいものである。
不思議なことには、ほとんど風というほどの風もない、というのは落ちる葉の流れがほとんど垂直に近く落下して樹枝の間をくぐりくぐり脚下に落ちかかっていることで明白であった。なんだか少し物すごいような気持ちがした。何かしら目に見えぬ怪物が木々を揺さぶりでもしているか、あるいはどこかでスウィッチを切って電磁石から鉄製の黄葉をいっせいに落下させたとでもいったような感じがするのであった。(「藤の実」寺田寅彦 青空文庫より)
▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
名句の参考にさせてもらうのは、いつものように
である。ここより巻頭の名句11句を引用させてもらう。
(1) 群青世界セーターを頭の抜くるまで 相子智恵
(2) 銀杏散る思ひ出したるやうに散る 岩田由美
(3) 朴の葉の落ちをり朴の木はいづこ 星野立子
(4) 鴨の子のひく波ひかる初冬かな 飯田龍太
(5) 泥の上に泥のひろごる蓮根掘 千葉皓史
(6) 蕎麦刈りの三人も居れば賑々し 小原琢葉
(7) 仕方なく八十路愛して牡蠣雑炊 大牧 広
(8) 七五三の飴も袂もひきずりぬ 原田種茅
(9) 日の鷹がとぶ骨片となるまで飛ぶ 寺田京子
(10) 冬木の枝しだいに細し終に無し 正木浩一
(11) 冬帝先づ日をなげかけて駒ヶ嶽 高浜虚子
▼<俳句修業>の第一歩は「選句」から!!
俳句は詠み手と読者の共同作業で成立する。
ダカラ 愉しい!!
今月もシロウトの勝手な「選句」を楽しむことからはじめてみよう!!
【私の選んだ名句ベスト3】
(2) 銀杏散る思ひ出したるやうに散る 岩田由美
(4) 鴨の子のひく波ひかる初冬かな 飯田龍太
(5) 泥の上に泥のひろごる蓮根掘 千葉皓史
【次点】
(1) 群青世界セーターを頭の抜くるまで 相子智恵
【選評】
・真っ先に思い出したのが、先の寅日子先生の銀杏の「潮時」の話だった!!さあ、どうみえるかな!?
・「ひく波ひかる」とはうまいな!!あるあるの景だ。
・大賀ハス観察池の泥を思い出した。みごとな泥になるのである。「ふしぎ!?」
・セーターを着ただけ!!それだけで「別世界」へ 恐るべし「俳句」とは。
▼寅日子先生に師事する私たちのオンライン句会「寅の日」も、はや3度目の「初冬」をむかえた。
ひとり吟行すらままならぬ身になって、痛切に感じた。
オンライン句会はアリガタイ!!
いつでも、自分の都合にあわせて参加できるのであるから。
「句会」は、俳句修業最高の形態である!!
なにより学び合い高め合うことは最高に 愉しい!!
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