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2022年冬・私の「クモ学」は今!!(4)(2022/11/29) #クモ学 #ジョロウグモ #雨とクモ #Q10の方則 #クモのSCP

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▼終日はげしい雨だった!!
 しかし、彼女たち3匹(仮に、A子、B子、C子と勝手にしておく。失礼だが…)とも自分のネットで同じポースで元気だった。
 その同じポーズとは前脚4本(第1脚、第2脚というらしい)を揃えてダラリとさげていた。
 脚を含めて体全体に撥水作用が働くようにコーティングされているのだろうか!?
 そうだっらスゴイ!!

 雨の中でもジョロウグモの彼女たちはびくともせず元気に暮らしていた!!

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▼雨がやんだあとは、さらに寒くなるだろう。
 さらに気温が下がれば、彼女たちどうするのだろう。
 体が小さく変温動物である彼女たちの体温も当然下がる!!
 発育や呼吸、代謝といった生理過程は、基本的には化学反応だから「Q10の方則」に従う。

 「Q10の方則」=温度が10℃下がると、反応速度は半分以下になるという!!

 寒くなると彼女たちの活動もだんだん鈍ることになる。

▼もう少し極端な場合を考えてみよう。
 これまでの研究から、氷点以下の低温に対する生物の適応のあり方として、2つのやり方が知られているそうだ。
 2つの方法とは
 「耐凍型」(細胞外凍結)と「耐寒型」(凍結回避)である。
 クモたちは、もちろん凍結を回避する「耐寒型」である。
 これは前にもふれたが、これまでに凍っても生きていられるクモは一匹もみつかっていない。
 「耐寒型」の場合は、体組織の凍結が致命的である。
 従って、体組織の冷凍開始温度である過冷却点が大問題となる。

 過冷却点(SCP=supercooling point)は耐寒性の指標!!


▼それでは、彼女たちのSCPはどれほどなんだろう。
 それも、やはり暮らす地域や季節によってちがうらしい。季節をどのようにして読むのだろう!?
 彼女たちは、気温もさなから、「日の長さ」に左右される行動をとることが多いようだ!!

 ナラバ彼女たちはいつまで、ここ(柿の木)に居るだろう!?
目の前から消えるはいつだろう!? ソレマデハ…!!

 今朝は雨がやんで、なおいっそう寒くなるでは

(つづく)
 


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2022年冬・私の「クモ学」は今!!(3)(2022/11/28) #クモ学 #ジョロウグモ #クモの越冬 #ジョロウグモの一生

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▼彼女たちは3匹とも、まだ柿の木に居てくれた!!
 前にくらべると少しお腹が大きくなったような気がした。
 「えっ!?」まだ産卵するのか!?
 それにしては、周辺にあの小さな彼氏の姿がなかった。
 「食事だろうか!?」
 確かに彼女の周辺のネットにはエサになる虫たちがいっぱいひっかかっていた!!

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▼彼女たちはいつごろまで<産卵>するのだろう。
 過去の観察を振り返ってみた。

●あのジョロウグモが再び産卵を!! #クモ学

 11月中旬に再び「産卵」した記録が残っていた。
 その後の彼女の記録も残していた。
 「師走の「雲見」とクモ学!!」として…。
▼今一度、彼女たちはここに居るだろう!?
 とことんつきあってみようと思う。
 そう言えば、現在「食事中」の彼女も居た。
 彼女たちの食事は、「体外消化」で、液にしてから吸うのだった。
 ダカラ「食事」=「チュウチュウ」する のである。
 彼女のまわりには、「食べかす」もいっぱいだった!!(「チュウチュウ」した残りだった。)


▼しかし、考えてみるとコレはおかしい!?
 体が「凍結」してしまわないために胃の中は「からっぽ」の方が都合良かったのでは!?
 いや やっぱり「越冬」のためには「エネルギー補給」が必要では!?
 どちらだろう!?
 今一度、冬の「クモ学」を楽しんでみよう。

 最重要参考文献は次である。

◆『クモの生物学』(宮下直編 東京大学出版会)「耐寒性と季節適応」(P52~)田中一裕)

(つづく)

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【Web更新11/27】22-48 オンライン「寅の日」 等 更新!!

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茨の実見ぬ間に赤くなりにけり 22/11/25撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-48
週末定例更新のお知らせ
 【理科の部屋】が誕生30周年まであと一年となった。
 開設当初からのwelcomeメッセージに
 「あなたがノックされるところがドアです。」というコトバがあった。
 「情報は発信されるところに集まる」というコトバとともに最高に気に入っている。

 【理科の部屋】とは、元々そのコトバが意味するように、はじめから「入口」が設定されているところではなく、自ら興味をもって「ノックするところ」が「入口」なのである!!
 何年経とうと、それは「不易」であると思っている!!

 今週も、私は勝手に「ノック」を続けるだった!!

◆表紙画像集2022 更新 野茨の実
 家から出て、数十歩のところに、大きくなった野茨の木がある。
 事情あって、しばらく「ひとり吟行」もご無沙汰していた。
 そろり そろり と再開したが、足元ばかり注視して、前を向かなかった。
 
 久しぶりに真っ前を向いたら、目の前に真っ赤に熟した「茨の実」あった!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 10年を過ぎたオンライン「寅の日」も、オンライン句会「寅の日」等をはじめとする守備範囲を拡げてきた。
 「寅の日」をキーワードとしてのいろんな展開に期待したいものである。
 今年の寅彦忌もよろしく<(_ _)>

◆「クモ学」すすめ 更新!!
 久しぶりのシロウト「クモ学」だ。
 「クモ学」はやっぱり面白い!!
 これを見逃したら、人生最大の大損である。
 最大の「ふしぎ!?」は、もっとも身近にある!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 【理科の部屋】30周年記念オフまであと一年!!
 いろんなところで、いろんな展開が出てくることに期待したいものだ。
 愉しみだ!! o(^o^)o ワクワク


 大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから35週目である。
 地下で眠る(生きる)蓮根の姿を想像して楽しんでいる。
 来年の春にはどんな蓮根が…。

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第28回オンライン句会「寅の日」12月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼今年もまた寅日子先生の「藤の実」(青空文庫より)の季節がやってきた。
 今年は「その日」はいつだろう!?
 「ひとり吟行」のコースを変更して、今年もこの「瞬間」に出会いたいものだ。
 一度あの「瞬間」に出会ってしまうと、完全に病みつきになってしまうものだ。

▼「句会」も同じだった!!
 一度あの「愉しみ」を体験してしまうと、完全に病みつきになってしまうのだった。
 「学び合い、高め合う」
 コトバでは繰返し言っていても、具体的に体験があるのとないのでは大違いだ!!
 オンライン句会「寅の日」もはや第28回目である。
 オンライン句会をはじめる前と今では、「学び合い、高め合う」というコトバがまったくちがう重みをもって響いてくる!!
 「共愉の世界」とはまさにコレである!!

▼あらためて、第28回オンライン句会「寅の日」12月例会の案内をあげておく。
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第28回オンライン句会「寅の日」12月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2022年12月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2022年12月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2022年12月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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「学び合い、高め合う」!!
 ネット世界でのもっとも醍醐味であり、もっともアタリマエのこと!!。
 思いあっても、なかなかシロウトには実現しにくいものだ。
 そう考えると、
 
 あらためて「夏雲システム」のアリガタサを実感する!!
 
 そこには元々「共愉の精神」が宿っていた。深謝!! 

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2022年冬・私の「クモ学」は今!!(2)(2022/11/24) #クモ学 #ナガコガネグモの卵のう #クモの越冬 #ナガコガネグモの一生

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▼「冬場」のクモたちの観察で最大のポイントは

・クモたちがどのようにして「越冬」するかである!?

 寒さは変温動物であるクモたちに強敵であった。
 これまでに体が凍っても生きていられるクモは一匹もみつかっていないそうである。

▼ナラバ
 「卵」の状態で「越冬」するというのも、ひとつの「戦略」である。
 事実、先のジョロウグモならば、冬に入る前に産卵し、翌年の春先に子グモたちが「出のう」し、「団居(まどい)」をして、その後にバルーニングをして旅立って行く。一部始終を観察したこともある。

 さて他のクモの場合どうだろう!?
 事情があって、しばらくその場所に行けなかった。
 一昨日(2022/11/24)、その場にいってみた。池の淵にある鉄柵には3つのナガコガネグモの「卵のう」がぶら下がっていた。
 前に観察したときに、それはナガコガネグモの産卵したものであることは確かめていた。
 夏の終りから、秋にかけて大活躍していたナガコガネグモである。
 前に観察したときは壺形の一個だけだったが、一昨日は3個になっていた。
 同じメスが産卵したものかはわからない!?

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▼さて、この「卵のう」から子グモたちが「出のう」してくるのはいつだろう!?
 ジョロウグモたちと同じく、翌年の春先だろうか!?
 私はまだそれを観察したことがないのでわからない。
 ひょっとしたら、私がしばらくご無沙汰したその間だったかも知れない。
 私の「クモ学」はまだまだ知らないことでいっぱいだ。

▼他のクモたちは、この「冬場」どのようにしてすごしているだろう。
 シーズンオフとばかり思い込んでいる冬場の「クモ学」は、ていねいにゆっくり観察すれば、

 思いもせぬ「大発見」があるかも知れない!?

 (つづく)

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2022年冬・私の「クモ学」は今!!(1)(2022/11/24) #クモ学 #ジョロウグモ #クモの越冬 #ジョロウグモの一生

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▼私が「現場」を離れてから、いちばん興味をもっている「学問」は「クモ学」である。

◆「クモ学」のすすめ

 ページの最初にはこう書いていた。

 最大の「ふしぎ!?」は最も身近にある!!
 知れば知るほど面白い「クモ学」!!
 観察すればするほど不思議な「クモ学」!!
 これは「クモ学」超初学者が体験的に語る
 「クモ学」入門のすすめ

▼今では、最大の「ふしぎ!?」は、この年になるまでなんでこんなに身近に暮らしている「クモたち」に興味をもたなかったのだろう!?
ということである。こんなに面白いのに、「ふしぎ!?」ダ!!
 私のシロウト「クモ学」は、「コガネグモの狩り」を偶然目撃したことにはじまる。

●コガネグモの「狩り」を見た!!(2013/07/09)   

 だから、それ以来「クモ学」は夏が「本番」とばかり思い込んでいた。
 事実、「クモ学」の記事も夏に多く書いていた。
 しかし、その後の観察で「夏場」以外の秋・冬・春にもたいへん興味深いクモたちの「暮らし」があることを知った。
 ひょっとしたら、「夏場」以上に面白いかも知れない!!

▼冬の寒さをいかにして乗り切るか、これは温帯にすむクモ類にとっては大問題である。
 からだが小さくて変温動物であるクモたちは、気温が下がるとただちに体温も下がる!!
 さて、クモたちはどうするのだろう。

 今、庭の古びた柿の木に3匹のジョロウグモが居た。
 チュウチュウと食事中のやつもいた。
 さて、彼女たちはこのあとどうするのだろう!?
 しばし、観察をつづけてみようと思う。

(つづく)

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興味深いふたつの「友の会」!! #友の会 #寺田寅彦記念館友の会 #中谷宇吉郎雪の科学館友の会

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▼私はここ十数年のあいだにとても興味深いふたつの「友の会」に参加させてもらっている。
 ひとつは「土佐の寅彦」詣の起点としている「友の会」である。

◆「土佐の寅彦 寺田寅彦記念館友の会」


▼寅彦に関する学びのはじまりはすべてここからはじめていた。
 「友の会」のメンバーの寅彦愛は半端なものでなかった。懇親会などで話す度に驚いてしまった!!
 「その話は、全集の何巻のどこに出ていますね…」とこられるから、にわか寅彦ファンとしては感動し、あこがれてしまうのだった。
 オンライン「寅の日」を今日までつづけてこられたのは、この「友の会」の人たちのおかげであるとも言える。
 なかでもうれしいのは、
◆「寺田寅彦記念館友の会」の機関誌『槲(かしわ)』の発行
 である。寺田寅彦研究の最新情報がいっぱい詰まっている!!
 さらにうれしいことには、この情報が

◆「土佐の寅彦 寺田寅彦記念館友の会」「友の会文庫」

 では、PDFファイルとしていつでもリアルタイムに読めることだ!!
 会員でなくても読める。会員になると紙の機関誌『槲(かしわ)』が届く!!それが毎回の最高の楽しみである。

▼もうひとつが、寺田寅彦と因縁の深い中谷宇吉郎のところである。

◆中谷宇吉郎 雪の科学館 

 こちらの「友の会」もなかなか充実していた。

◆中谷宇吉郎 雪の科学館「友の会」

 なかでも

●会報「六花」

は最高!!こちらも会員でなくても、アーカイブで読むことできる。
 内容は、すごい充実ぶりだ。
 会員になると、紙の会報「六花」+最新情報が届く!!アリガタイ!!

▼特に自由に動きまわることができなくなった今、このふたつの「友の会」情報はとてもアリガタイ!!
 居ながらにしていつでもリアルタイムに「ツナガッテイル!!」という感覚になる。
 うれしい!!
 アリガタイ!!
 リアルに参加させてもらう日を夢みながら今朝もツナイデみるのだった。

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【祝】本日(2022/11/23)、【理科の部屋】は満29歳に\(^O^)/ #理科の部屋 #日本理科教育史 #理科の部屋30年史

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▼本日(2022/11/23)は、【理科の部屋】の誕生日である。

●1993年11月23日 NIFTY-Serve教育実践フォーラム【理科の部屋】開設!!

 従って、本日で
【理科の部屋】は満29歳になる!!

▼その【理科の部屋】のwelcomeメッセージは当時から一貫していた。

***************************************************
日本の理科教育情報発信基地
    【理科の部屋】へようこそ        

(^o^)/ あなたもここで情報発信者に\(^o^)   
情報は、発信されるところに集まる。
あなたがノックされるところがドアです。
時空を超えて響きあい・学びあい・高めあう世界を 
*************************************************** 

なかでも「情報は発信するところに集まる!!」は、私たちの合い言葉だった。
【理科の部屋】誕生の経緯、ねらいとするところを次のように語っていた。

◆情報は発信するところに集まる~【理科の部屋】とは~

▼今も現在進行形で【理科の部屋】とよんでいるものはふたつある。

●【理科の部屋】7(サイエンスフォーラム)

●Facebook版【理科の部屋】

もちろんこれ以外にも、【理科の部屋】の思念を引き継ぐものはたくさんあるのにちがいない。

▼あと1年で30歳です!!
きわめて個人的なレベルでの30年史年表を書き始めました。

◆【理科の部屋】30年史年表

 ビジュアル的にもたいへん見にくい!!
 作業も途中で投げ出してしまっている。あと一年でもう少しなんとかしたいものだ。
 このような個人レベルの「30年史」だけでなく、もう少しパブリックな

◆『【理科の部屋】30年史』

 を企画したいものだ!!
 それが29歳の誕生日の朝に描く夢だ!!

 

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【Web更新11/20】22-47 【ヒガンバナ情報2022】 等 更新!!

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倉庫裏日当りたるや花八手 22/11/18撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-47
週末定例更新のお知らせ
 一日遅れの「お知らせ」となってしまった。
 やはり、これを書かなければ一週間がはじまった気がしないのである。

 本日は「小雪」である。
 「初雪」の知らせが聞かれる頃である。
 2022年もあと40日となった!!
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2022 更新 八手の花 花八手
 小春日和のその日。
 倉庫裏の八手の花が季節たがわずみごとに咲いていた。
 蠅・虻がいっきょにたくさん集っていた。
 どうして開花を知ったのだろう!?
 どこからこんなに多くが飛んできたのだろう!?
 「ふしぎ!?」だ。

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 念願だった「自然結実」ヒガンバナ群生地めぐりが実現できた。
 やっぱり私の見た範囲では、「自然結実」不作の年と言えそうだ。
 しかし、不作と言えども、不稔性と言われている日本のヒガンバナが「自然結実」していることは確かである。
 「ふしぎ!?」はつづく。

◆「原子論」を科学する 更新!!
 戦後日本理科教育史のなかに、「原子論」教育史を追う。
 それは「原子論」の不易流行を追う作業でもあった。
 作業ははじめたばかりである。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 アインシュタイン来日100年を記念して、11月テーマは「寅彦とアインシュタイン」とした。
 11月の2回は終えた。
 しかし、今一度「アインシュタイン」「アインシュタインの教育観」は読み返してみたい。
 「アインシュタイン」の朗読版がYouTubeにあった。なかなかのお薦めだ!!
 

 大賀ハス観察池は蓮根の植え替えから34週目である。
 気象観測標準池として
 「初氷」「初雪」はいつだろう!?

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本日(2022/11/21)、第332回オンライン「寅の日」!! #アインシュタインの教育観 #traday #寺田寅彦

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▼1922(大正11)年11月17日 神戸港・和田岬沖午後二時着。
 同年12月29日 午後三時門司出港、上海へ。

 43日間の「アインシュタイン訪日日程表」を見ていると、大正時代の日本を実に忙しく動かれている。
 どこかで、ゆっくりと紅葉を愛でることもあったのだろうか。

▼本日(2022/11/21)は、第332回オンライン「寅の日」である。
 11月のテーマは、アインシュタイン来日100年を記念して

【11月テーマ】「寅彦とアインシュタイン」

である。第2回目の本日は「アインシュタインの教育観」を読む。

◆本日(2022/11/21)、第332回オンライン「寅の日」!! 

●「アインシュタインの教育観」(青空文庫より)


▼まず最初に確認しておきたいのは、今回の随筆も前回の「アインシュタイン」と同じく、アインシュタイン来日の前年つまり1921(大正10)年に書かれたものであることだ。

 いつも言うことだが、ひとは自分の「文脈」でしか、他人の「文脈」を読むことができない。
 寅彦のまた然りであったようだ。

 余談はさておき、この書物の一章にアインシュタインの教育に関する意見を紹介論評したものがある。これは多くの人に色々な意味で色々な向きの興味があると思われるから、その中から若干の要点だけをここに紹介したいと思う。アインシュタイン自身の言葉として出ている部分はなるべく忠実に訳するつもりである。これに対する著者の論議はわざと大部分を省略するが、しかし彼の面目を伝える種類の記事は保存することにする。

 このことわりにあるように、寅彦もまたアインシュタインの「文脈」を抽出していたようだ。
 ではどのように を追ってみよう。
 アインシュタインはヘルムホルツなどと反対で講義のうまい型の学者である。のみならず講義講演によって人に教えるという事に興味と熱心をもっているそうである。それで学生や学者に対してのみならず、一般人の知識慾を満足させる事を煩わしく思わない。例えば労働者の集団に対しても、分りやすい講演をやって聞かせるとある。そんな風であるから、ともかくも彼が教育という事に無関心な仙人肌でない事は想像される。

「人間は『鋭敏に反応する』(subtil zu reagieren)ように教育されなければならない。云わば『精神的の筋肉』(geistige Muskeln)を得てこれを養成しなければならない。それがためには語学の訓練(ドリル)はあまり適しない。それよりは自分で物を考えるような修練に重きを置いた一般的教育が有効である。」

「数学嫌いの原因が果して生徒の無能にのみよるかどうだか私にはよく分らない。むしろ私は多くの場合にその責任が教師の無能にあるような気がする。大概の教師はいろんな下らない問題を生徒にしかけて時間を空費している。生徒が知らない事を無理に聞いている。本当の疑問のしかけ方は、相手が知っているか、あるいは知り得る事を聞き出す事でなければならない。

むしろ先生が悪いと云った方がいい。大抵の場合に教師は必要な事項はよく理解もし、また教材として自由にこなすだけの力はある。しかしそれを面白くする力がない。これがほとんどいつでも禍わざわいの源になるのである。

教える能力というのは面白く教える事である。どんな抽象的な教材でも、それが生徒の心の琴線に共鳴を起させるようにし、好奇心をいつも活かしておかねばならない。」

なかなか耳の痛い話が続く!!

▼話はより具体性を帯びてくる。

「私が実用に無関係と云ったのは、純粋な研究の窮極目的についてである。その目的はただ極めて少数の人にのみ認め得られるものである。それでせいぜい科学の準備くらいのところまでこの考えを持って行くのは見当違いである。むしろ反対に私は学校で教える理科は今日やっているよりずっと実用的に出来ると思う。今のはあまりに非実際的(ドクトリネーア)過ぎる。

「物理学の初歩としては、実験的なもの、眼に見えて面白い事の外は授けてはいけない。一回の見事な実験はそれだけでもう頭の蒸餾瓶(レトルト)の中で出来た公式の二十くらいよりはもっと有益な場合が多い。やっと現象の世界に眼のあきかけた若いものの頭に公式などは一切容赦してやらねばいけない。

その時代を反映したことにも言及していた。
「ついでながら近頃やっと試験的に学校で行われ出した教授の手段で、もっと拡張を奨励したいのがある。それは教育用の活動フィルムである。活動写真の勝利の進軍は教育の縄張りにも踏み込んでくる。

 そして、もっともキモへと!!
要するに教育事業を救うの道はただ一語で「もっと眼に浮ぶようにする」(die erh※(ダイエレシス付きO小文字)hte Anschaulichkeit)という事である。出来る限りは知識(Erlernen)が体験が(Erleben)にならねばならない。この根本方針は未来の学校改革に徹底させるべきものである。」

 引用させてもらいながら、気づいたことがある!!
 いつしかアインシュタインの「文脈」は寅彦自身の「文脈」になっているのでは!?
 これは「アインシュタインの教育観」と言いながらも、当時の「科学者・寺田寅彦の教育観」にツナガルっているのでは!?
 『赤い鳥』に「茶わんの湯」を書いた寅彦が見えてくるような気がするのだった。


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2022年12月のオンライン「寅の日」は #自由画稿 #traday #寺田寅彦

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▼「なぜ寅彦を読み続けるのか!?」
 答えはいたって簡単だった。
 
 寅彦はいつ読んでも今日的で面白い!!

 これが第一だった。しかし、実は個人的には密かなもうひとつの答えがあった。
 大きな声で言うのも恥ずかしいが
 「文章修業」デアル!!
 今さら、ポンコツのおまえにそんなもの必要か、と言われると返答に窮してしまのだが。
 今書いている文章と言えば、この毎日のblogぐらいしかないのだが、その文章をほんの少しでも寅彦風に近づけたいのだ!!
 あまり言うと、「その成果は!?」と問われそうなのでこれぐらいにしておく。(^^ゞポリポリ

▼2022年12月のオンライン「寅の日」の計画を立てる時期がきている。
 寅彦は最晩年の1935年(昭和10)にひとつの随筆集『自由画稿』を出していた。
 12月は、これを「文章修業」のテキストとさせてもらおうと思う。

【12月テーマ】「寅彦と自由画稿」

 12月は寅彦忌の特番を含めて4回ある。

■2022年12月オンライン「寅の日」!!
◆第333回オンライン「寅の日」 …12/03(土)
◆第334回オンライン「寅の日」 …12/15(木)
◆第335回オンライン「寅の日」 …12/27(火)
◆第336回オンライン「寅の日」 …12/31(土)

『自由画稿』には18編もの随筆があった。
 どれもなかなか興味深い。各自の好みによって読んでもらうのもいいが、共通の話題にしたいということもあり、このなかから3編をとりあげた。
 「十 うじの効用」「十五 視角」「十七 なぜ泣くか」である。
 もちろん、これ以外の随筆を話題にしてもらうのも大歓迎である。
 寅彦忌(12/31)には、恒例の「日本人の自然観」を読みたい。  

■2022年12月オンライン「寅の日」!!

◆第333回オンライン「寅の日」 …12/03(土)「十 うじの効用」(『自由画稿』青空文庫より)

◆第334回オンライン「寅の日」 …12/15(木)「十五 視角」(『自由画稿』青空文庫より)

◆第335回オンライン「寅の日」 …12/27(火)「十七 なぜ泣くか」(『自由画稿』青空文庫より)

◆第336回オンライン「寅の日」 …12/31(土)「日本人の自然観」(青空文庫より)


▼『自由画稿』の「はしがき」に寅彦は次のように書いていた。

 この集の内容は例によって主として身辺瑣事(さじ)の記録や追憶やそれに関する瑣末(さまつ)の感想である。こういうものを書く場合に何かひと言ぐらい言い訳のようなことをかく人も多いようである。考え方によればそれも必要かもしれない。しかし、いかなる個人でもその身辺にはいやでも時代の背景が控えている。それで一個人の身辺瑣事の記録には筆者の意識いかんにかかわらず必ず時代世相の反映がなければならない。また筆者の愚痴な感想の中にも不可避的にその時代の流行思想のにおいがただよっていなければならない。そういうわけであるから現代の読者にはあまりに平凡な尋常茶飯事(じんじょうさはんじ)でも、半世紀後の好事家(こうずか)には意外な掘り出し物の種を蔵しているかもしれない。

寅彦がこう書いてから、87年の月日が経った!!
87年の時空を超えて、「掘り出し物の種」をみつけることができるかも知れない。
みつけたら報告し合おう!!

「日本人の自然観」を読みながらの「ゆく年くる年」もよろしく。

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「原子論」を科学する(51) #原子論教育史 #原子論と授業 #化学史 #理科教室 #実践記録

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▼新・「原子論」教育史をつづける。
 歴史に学ぶというと、きまって古い順番にならべてそのルーツをたどるというのが定番だが、これには少し異議がある。
 いちばん肝心の「これから」を考えようとしたときには、「時間切れ」「エネルギー切れ」などということが往々にしてあることだ。

▼ナラバいちばん近い「歴史」からはじめるというのもひとつの手であろう。
 私が最近もっとも感動した「原子論」の授業実践報告はこれだ。

●2022年 「感動を味わう 化学史ポスター制作 高校3年」(東京 私立聖心女子学院中等科高等科 平山 美樹)(『理科教室』2022年7月号P23~ 本の泉社)

 
である。
 実に興味深い実践報告である。
 卒業をひかえた高校3年生が、「化学史ポスター」制作という作業をすすめるうちに、好奇心をそそられ「化学史の壮大なドラマ」(「原子論」の歴史)引き込まれ行く様子が生き生きと報告されている。
 如何にも現代風に、化学者たちの主張をTwitterのツイートとして表現しているのも面白い!!
 思わすその議論に参加してみたくなるようなものだった!!
 うまい!!

▼この実践のきっけになった「教材」があるという。

◆科学読み物「原子論の誕生・追放・復活」(元岩手県立水沢高等学校 高橋匡之先生)

 である。幸いなことに、私もこの「科学読み物」を読ませてもらうことができた。
 生徒たちにも読みやすいように「原子論」の歴史がコンパクトに実にうまくまとめてあった。
 〈まとめ〉には次のように書かれていた。
 

ようやく2500年の歴史を駆け足でたどりながら、原子そして、分子までたどりついた。
(1) この自然界は原子・分子とスキマからできている。
(2) 物質の性質は成分原子の組み合せできまる。
(3) 物質をつくる原子の組み合せが変われば、物質はすっかり変わる。

 という原子論は、物質研究の入り口である。 
 この原子論を武器に、自然界のしくみを解き明かしいくのが「化学」という学問である。
 原子や分子の事を知ることが、大事なのではない。原子や分子を使って、自然界のしくみの見事さをどの程度考えることができるのか、がポイントなのである。


 
これぞ「原子論的物質観」!!
ナルホド納得である。
先のすばらしい実践を引き出したわけがわかるような気がした。

▼このすばらしい実践、また元となった教材「科学読み物」を読ませてもらっていると、ますます

 戦後の日本理科教育史における「原子論的物質観」の授業の「不易流行」を追ってみたくなるのだった!!

 その作業のなかから「これから」も見えてきそう気がするのである。
 道は遠い!!
 ゆっくり ゆっくり 楽しみながら急ごう!! 

〈つづく〉 

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「原子論」を科学する(50) #原子論教育史 #原子論と授業 #原子論的物質観 #もしも原子が見えたなら

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▼これまでの「原子論」を科学する シリーズをページ化していた。
 
◆「原子論」を科学する

 これは、これからいつでも気ままに思いついたときにこのシリーズを再開するためだった。

▼とりわけ「原子論」の教育史に興味があった。
 言わば

◆新・「原子論」教育史!!

 と呼ぶよなものだった。
 特に戦後日本の理科教育史のなかで、「原子論」はどのように扱われてきたのだろうか!?
 「原子論」と授業は!?
 「原子論的物質観」と授業は!?
 等々に興味があった。

▼すでにはじめている部分もあった。
 板倉聖宣氏の「原子論の歴史」年表でぜひともふれておきたいものがあった。

●1971年 板倉聖宣『(いたずらはかせの科学の本)もしも原子見えたなら』国土社刊

 である。
 『(いたずらはかせの科学の本)もしも原子見えたなら 新版』(板倉聖宣 著 さかたしげゆき 絵 仮説社 )
 新版は今もすぐ手に入る。
 名著中の名著である。

▼それから半世紀がすぎていた。
 友人からひじょうに面白いアプリの存在を教えられた。

◆シミュレーション版『もしも原子がみえたなら』(原作・監修 板倉聖宣 企画・制作 宍戸哲広 小林眞理子) 

 面白そうなので、自分のiPhoneにいれてみた。
 そして、それを体験してみた!!
 シミュレーション動画が、けっこう楽しい!!
 温度を上げたり下げたりして、分子運動の様子を自在に見るのも面白い!!
 「温度って何!?」に答えている!!
 「原子論」をひとり遊びするのにも最適!! 

▼残念ながら、私はこれを使って授業をしたことはない。
 しかし、自分だったら どの単元でこのアプリを使うかな!?
 今の子ども・生徒たちだったらどんな反応するのかな!?

 そんなこと考えてみるだけでも楽しい!!

(つづく)


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「自然結実」ヒガンバナ群生地は今!!(続)(2022/11/15) #ヒガンバナ #自然結実 #ヒガンバナの種子 #日本ヒガンバナ学会

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▼「ちょっとだけ待って!! もう一度、あそこだけ見せて欲しい。」

 と言ったのは、もうあきらめて助手席に乗り込んだときだった。
 気になる「あそこ」があったのだ。
 当りだった!!
 そこには、「目玉オヤジ」になりかけた一本と
 コンクリートの壁にもたれかかる一本の「自然結実」ヒガンバナの花茎が立っていたのだ。
 これが、この地での最大の収穫となった。
 9回の裏、ツーアウトからの大逆転だった!!

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▼次なる「自然結実」ヒガンバナ群生地は【夢前】だった。
【安富】では、ほとんどみつけることができるできなかっただけに【夢前】への期待は大だった。

 ゆっくり ゆっくり 入念にチェックしていった!!
 ところが ない!?
 少ない、どころでない!! 皆無である。
 遅れん坊コスモスがきれいだった。
 辛うじてみつけた一本も、子房部が黒ずみ立ち枯れしてしまっているような状態だった。
 いつも多数をみつけることができる溝の土手も、<葉の季節>を謳歌していた!!
 
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▼必死で探索するなかで、古い古い記憶が蘇ってきた。
 それは、8年前のことだった!!

●ヒガンバナ「自然結実」観察オフin播磨!! #higanbana(2014/11/01)

 このときは、アタリマエのように多数の「自然結実」ヒガンバナの花茎をここでみつけることができたのである。
 このころから勝手なシロウトの作業仮説を立てようとしていた。

 ヒガンバナの「自然結実」は周期的か!?


▼やっと念願であった「自然結実」群生地巡りを終えて、今あらためて思う。

 3倍体(不稔性)である日本のヒガンバナの「自然結実」とは何だろう!?

 それこそ、まったくシロウトの無手勝流<作業仮説>を立てたこともある。

<作業仮説>
【仮説 1】「自然結実」するヒガンバナは、2倍体(2n=22)になっている。
【仮説 2】無融合種子形成をするようになっている。3倍体(2n=33)のままである。
【仮説 3】【仮説 1】と【仮説 2】とが入り交じっている。

 それを確かめる術もなく時がすぎていっている。
 しかし、今年も多くの人の協力により、より確かになってきたことがある。

 日本のヒガンバナは想像以上に高頻度に「自然結実」を起こしている!!


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「自然結実」ヒガンバナ群生地は今!!(2022/11/15) #ヒガンバナ #自然結実 #ヒガンバナの種子 #日本ヒガンバナ学会

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▼もうあきらめかけたそのときだった。
 いつもの田の東の畦から、さらに東にのびる古びた石垣の土手をみた。
 あった!!

 「自然結実」ヒガンバナの花茎が、青空に映えていた!!

 二本だけだったが光輝いて見えた。

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▼恒例にしていた「自然結実」群生地めぐりがなかなかあきらめきれなかった。
どうしても未練があった。
 せめて一度だけでも見ておきたかった。
 まだ自分で車の運転ができないので、妻に頼んで乗せていってもらった。
 まずは群生地【安富】からである。

 今年度はじめてみるその景は変わってしまっていた。
 稲刈りはもちろん、田もすきおわっていた。
 雑草はヒガンバナを覆い隠すようにのびていた。
 それをかき分けていねいにていねいに探すがない!!

▼そんな馬鹿な!?
 昨年度は、あんなにたくさんの「自然結実」ヒガンバナの花茎を採集したのに!?

●「自然結実」ヒガンバナ群生地は今!!(2021/10/26) #ヒガンバナ #自然結実 #ヒガンバナの種子 #日本ヒガンバナ学会

 昨年のことがまるでうそのように。
 
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▼それでもなかなかあきらめきれず、東の畦も入念にさがすのだった!!
 さらには、9年前の最初の発見の場所も!!
 でも一本もみつけることができなかった。
 なぜだろう。「ふしぎ!?」だ!!

 そして、最後の最後に先の二本の発見となるのだった。
 かくなるうえは、次の群生地【夢前】に期待するしかなかった。

(つづく)

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庭の定点ヒガンバナも「自然結実」か!!(2022/11/14) #ヒガンバナ #自然結実 #ヒガンバナの種子 #日本ヒガンバナ学会

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▼ずっと庭の定点ヒガンバナのことが気になっていた。
 特に定点Aのヒガンバナが。
 それは、花の咲き終わったあと子房部がふくらみ、遅くまで花茎が立っていたからである。
 自宅の庭だから、いつでも採集できると、そのままにしておいた。
 そしたら、花茎も萎れてしまい倒れてしまっていた!!

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▼子房部がふくらみ「自然結実」していたかも知れないものを探してみた。
 あった!!
 花茎の先だけはまだ緑を残していた。
 大小5つあった。
 ひとつだけ割れて、白い球が顔をだしている。
 萎れた花茎とともに採集した!!

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▼定点A株のヒガンバナとのつきあい合いは古い!!
 少なくとも23年以上である。
 それがわかるのは、1999年にはこの株の50日にわたる「観察日誌」の記録を残していたからである。

◆~「楠田 純一のヒガンバナ観察日誌Ⅰ」~

 その後、「引っ越し」をして、現在の定点Aに来た。

そもそも「自然結実」とはなんだろう!?
 究極の「ふしぎ!?」がもたげてくる。
 
 古株であることと「自然結実」することになんらかの因果関係はないだろうか!?
 生き物は想像する以上にもっともっとフレキシブルなのかも知れない!!

 定点Aには、例の宿敵「ヨトウ」がいた。
 採集した花茎を「水栽培」ようにした。(今さら遅いが)
 子房部が割れて、「目玉オヤジ」が顔をだすことはあるだろうか。
 黒々とした完熟「種子」を手に入れることができるだろうか。

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【Web更新11/13】22-46 オンライン「寅の日」 等 更新!!

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草の実の棘は放射に拡がるや 22/11/11撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-46
週末定例更新のお知らせ
 11月中旬。
 はや2022年もあと1ヶ月半を残すのみとなった。
 少しずつ 少しずつ心忙しくなってきた。

 こんなときこそ ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2022 更新 アメリカセンダングサ
 実はまだセンダングサとアメリカセンダングサの見分けがよくつかない。
 どちらにしても、年によって繁茂の状況がちがうようだ。
 今年は異常なまでに繁茂している。

 川霧の中、「ひっつき虫」の棘は放射状に拡がり輝いていた。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 アインシュタインの来日から、まもなく100年!!
 それを記念して、11月テーマは「寅彦とアインシュタイン」である。
 100年前の日本に何が起こったのだろう!?
 寅彦の随筆を読みながら考えてみたいものだ。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 皆既月食&天王星食の「宇宙見物」を楽しんだ。その余韻のなかで、多くの人の観察記録を楽しませてもらっている。
 これもまた愉しい!!

◆「コウガイビル」を追う 更新!!
 もう終りにしようか。とちょっと弱気になっていた。
 そこに60号・61号の同時発見があった。
 教材化めざしてのWebテキスト試案『コウガイビル』の企画を少しずつでもすすめてみたい。

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 「自然結実」ヒガンバナ群生地めぐりを今年は断念していたが、ちょっと未練が出てきた。
 迷っている。
 可能なかぎりもう少し動いてしまうかも知れない。


 大賀ハス観察池は蓮根の植え替えから、33週目である。
 毎年思うことだが、観察池の土はみごとな「泥」に変化している。
 これは底に「蓮根」が生きいることと関係しているのだろうか?
 そう言えば、蓮田は「泥田」になるもんな!!

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Twitterはじめて4,800日目に思うこと!! #higanbana #自然結実ヒガンバナ #Twitter #Twitter的

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今日・11月13日は、「自然結実」ヒガンバナ記念日デアル!!
 今から9年前の2013/11/13、私はついに探し求めていた「自然結実」ヒガンバナ群生地をみつけた。

●ついにみつけたぞ!!ヒガンバナの自然結実!! #higanbana

 このときを契機にそれ以降、私は毎年 多数の「自然結実」ヒガンバナに出会うことになった。
 ダカラ
 「自然結実」ヒガンバナ探索の目安の日として、この日を「自然結実」ヒガンバナ記念日とすることにした。

▼この頃いちばん多く使っていたハッシュタグは「#higanbana」である。
 そうだった!!
 このころもっとも有用なツールとしてTwitterを使っていた。
 Twitterを使い始めたのは、2009/09/23である。

 そして、本日はそれから4,800日目であるとtwilogが教えてくれた。

▼Twitterはじめて以来、ほぼ100日ごとに私は
●「Twitterはじめて○○日目に思うこと!!」
 を綴りつづけてきた。
 大げさに言うことではない。単なる「現在地」の確認である!!
 そのなかでいつも語ってきたコトバがある、「Twitter的」デアル!!

 「Twitter的」とは
 私の勝手な造語である。6つのキーワード・概念からなる。

 Twitter的=
「リンク」
「シェア」
「フラット」
「等身大」
「リアルタイム」
「アクティブ」

 もちろん「Twitter的」はTwitterのみを意味しない!!
 事実、今 多用しているのはTwitterよりFacebookかも知れない。
 少し大げさに言えば
 ネット世界における私の「流儀」+「作法」である。
 いや、それを超えて、これが私の「哲学」であり「生き方」である!!
 いつも大げさに言うのは私の悪い癖!? (^^ゞポリポリ

▼世間では少しTwitterの雲行きがあやしくなってきたようだ。
 そういうことにあまりくわしくないのでわからないが。
 
 さあ、次の100日後には、どんなハッシュタグつけて語っているかな!?
 自分でも楽しみである。

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「自然結実」ヒガンバナ群生地は今!!(2022/11/11) #ヒガンバナ #自然結実 #ヒガンバナの種子 #日本ヒガンバナ学会

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▼「自然結実」群生地から採集してきた花茎の「水栽培」をはじめた!!
 萎れてしまった花茎も含めて全部で41本あった。
 なかには、すでに「目玉オヤジ」状態になったものもいくつかあった。

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▼今年は事情あって、自由に動きまわることができない。
 だから、例年の「自然結実」ヒガンバナ群生地めぐりを断念していた。
 しかし、どうしても未練があった。
 せめて、いちばん近くの群生地だけでもと、昨日(2022/11/11)、群生地【福崎】にでかけてみた。
 もう田の稲刈りもすんでいた。
 片側の畦の草刈りも終わっていた。
 少し遅すぎたかも知れないと思いながら、半信半疑で「自然結実」ヒガンバナを探し始めた。

 やっぱりあった!!
 探す必要などなかった。「自然結実」したヒガンバナの花茎は、まだ緑を残し立っていた!!
 たとえ倒れていてもすぐみつけることができる!!
 すでに「目玉オヤジ」状態になったものも。
 まさに完熟「種子」がこぼれ落ちようとしているものもあった。

 今こそ、「自然結実」ヒガンバナを探す最高のチャンスかも知れない!!

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▼持ち帰った花茎を数えてみた。
 41本あった。
 作業をすすめる過程で、完熟「種子」がこぼれ落ちた。
 「回収」第1号として、チャック式ナイロン袋にいれた。

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▼不思議なことがあった。
 同じ群生地でも、道路はさんで北側は昨年度、異様なほど多数の「自然結実」ヒガンバナを採集した。

●「自然結実」ヒガンバナ群生地は今!!(2021/11/04) #ヒガンバナ #自然結実 #ヒガンバナの種子 #日本ヒガンバナ学会

 ところが、今年は一本の花茎も採集することができなかった。
 これは何を意味しているのだろう!?
 「ふしぎ!?」だ!!

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60号・61号コウガイビルに出会った!!(2022/11/08) #コウガイビル #陸生プラナリア #飢餓と再生 #教材化 #渡辺憲二

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人生で60匹目、61匹目のコウガイビルに同時に出会った!!

 それは、皆既月食&天王星食の「宇宙見物」が期待される日の朝のことだった。
 庭先に置いていた黒い発泡スチロールトレーの裏側にへばりつくようにして蜷局を巻いていた。
 逆三角形のイチョウの葉のような頭(笄・コウガイ)を確認した。
 まちがいない!!
 陸に生きるプラナリア=コウガイビルだ。
 日が当たっていることに気づいたのだろうか、ゆっくりと動き始めた。
 ヌルヌルスルスルと動きは思いのほかはやい!!
 
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▼ずいぶん久しぶりのコウガイビルだった。
 5月初旬に58号・59号コウガイビルに相次いで突然の別れをして以来だった。

●58号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびたか!?(2022/05/10)#コウガイビル #生命と再生 #教材化 #陸棲プラナリア #生命誌研究館

 だから、ほぼ半年ぶりの再会ということになる。
 考えてみると不思議な話である。もっとも活発に活動するだろう「夏場」をはずしてなぜ今なんだろう!?
 いやちがう!?
 コウガイビルは「夏場」が大の苦手だったんだ!!

▼動き始めたコウガイビルを少量の水と一緒にナイロン袋に入れた。
 2008.11.14にはじめて第1号コウガイビルに出会って以来、ずっとやりつづけてきた「研究」方法である。
 
◆「コウガイビル」を追う
  
 「研究」方法というのも少しはばかられるが、いつもの「無手勝流」だった。
 偶然とったこの方法が、「飢餓と再生」という思わぬテーマの展開をみせることとなった。

 ナイロン袋に入った60号、61号ともに伸びたときの全長は10数㎝程度はあった。

「袋のなかのコウガイビルは、自らを食べながら再生を繰り返すのである!!」
 とはじめて教えてくださったのは渡辺憲二先生だ!!

 私は自らの無知を省みず、ひとつの野望を抱いていた!!

●「コウガイビル」の教材化!!

 である。そのためのWebテキスト試案『コウガイビル』にとりかかりたいと思っていた。
 そして、それを持って再び渡辺先生にお会いして教えをこいたいと思っていた。
 しかし、それは今となってはかなわぬ夢となってなってしまった。
 でもやっぱり…。

 さあ、60号・61号コウガイビルはどこまで「再生」をつづけるだろう!?
 現在の「記録」は
 ・第1号 …261日 
 ・第36号…385日
 である。
   
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皆既月食&天王星食の「宇宙見物」は最高!!(2022/11/08) #皆既月食 #赤い月 #天王星食 #宇宙見物 #星空の連帯

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▼いよいよ今年最高の天文ショーの日だった。
 比較的都合のいい時間帯に「皆既月食」の全経過が楽しめるという。
 それだけではない。皆既月食で赤い月の観察の最中にもうひとつの一大イベント「天王星食」が起こるという。
 Wイベントの重なる超レアな天文ショーである。生涯に一度の と言っても過言ではなかった。
 ずいぶん以前から話題になっていただけに、心待ちにしてはいた。
 しかし、あまり「かまえ」はしていなかった。

 幸い好天にめぐまれ、比較的簡単に赤い月の観察まできた。
 しかし、どれが問題の天王星か認識できないありさまだった!!

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▼やがて、「その時間」が近づいてきた!!
 赤い月に近づく星を凝視していた。
 まちがいない、コレだろうと確信がもてるようになった!!
 ほんとうだ!!赤い月に隠れてしまった!!
 
 地球からの距離
 天王星 25億8650万㎞~31億5550万㎞ なんと遠い!!
 月   384.400㎞(地球30個分)   なんと近い!!
 小さなモノも近くにあれば大きく見える。大きなモノも遠くにあれば小さく見える。
 このアタリマエ!!
 そして、この宇宙の拡がりを想像してみる。
 楽しいものだ!!

 「食」の「その時間」を秒単位で予測できるということにもいたく感動した!!
 「食」が終り出てくる天王星を凝視して待ったが、私には確認できなかった。
 でも大大満足である!!

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▼話題の天文ショーの楽しみは、もうひとつあった。
 話題になれば全国の多くの人が撮った画像・動画を見せてもらうことができることだ。
 たとえ自分がうまく観察できなくても、「あの人」が観察していてくれるハズ!!
 そう思うと愉しくなってくる。
 今回も、いっぱい いっぱい楽しませてもらった。 深謝 <(_ _)>
 
 思い出すのは【理科の部屋】の名物企画【星連】のことだった。

◆【星空の連帯】~地球まるごとプラネタリウム
 
▼22時をすぎれば、なにもなかったがごとくいつもの「満月」にもどっていた。
 イベントとしての「宇宙見物」も楽しいが、毎日の「宇宙見物」も楽しい!!
 ふだんの「宇宙見物」にこそ、「宇宙見物」の醍醐味がある!!
 それが、「宇宙見物」を究極の道楽と考える私の持論である。

 私は、ここ数年 可能なかぎり毎日(ときには一日に2回)月を撮っている。
 それをネットにあげている。
 撮影のスキルはいっこうに向上しない。あるのは「ヘタな鉄砲方式」デアル!!
 少しずつ少しずつ「宇宙」が見えてくるのは楽しい!!そして愉しい!!
 
 「宇宙見物」最高!!
  
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本日(2022/11/09)、第331回オンライン「寅の日」!! #アインシュタイン #traday #寺田寅彦

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▼自分の不勉強を省みることなく、不遜なことを言うが、私はこの事実が「ふしぎ!?」でならなかった!!

 今からちょうど100年前!!
 あのアインシュタインが日本にやって来たのだ。
 1922(大正11)年11月17日から12月29日までの43日間も日本に滞在し、全国10カ所で講演を行なったのである。
 「アインシュタイン・ショック」
 「大正日本を揺るがせた四十三日間」
 「相対論ブーム!?」

 やっぱり、私には「ふしぎ!?」だ!!

▼本日(2022/11/09)、第331回オンライン「寅の日」!!
 11月はアインシュタイン来日から、ちょうど100年!!
 そこで11月のテーマは次のようにしていた。

【11月テーマ】「寅彦とアインシュタイン」  
 本日は、テーマそのものずばり「アインシュタイン」を読む。

 

◆本日(2022/11/09)、第331回オンライン「寅の日」!!

●「アインシュタイン」(青空文庫より)

 

▼最初に確認しておきたいのは、この随筆はアインシュタイン来日の前年1921(大正10)年10月『改造』に発表されたものであるということだ。
 私の興味は、先の「ふしぎ!?」に寅彦がどう答えてくれているかだ。
 最初に告白しておくが、「相対性理論」とは何たるか?をいまだによく理解していなかった。
 寅彦にこう言ってもらうと、なんとなくすくわれる気持ちにもなるのである。

アインシュタインの仕事は少なくも大部分たしかに成効である。これについては世界中の信用のある学者の最大多数が裏書をしている。仕事が科学上の事であるだけにその成果は極めて鮮明であり、従ってそれを仕遂げた人の科学者としてのえらさもまたそれだけはっきりしている。
 これに反してアインシュタインの取扱った対象は抽象された時と空間であって、使った道具は数学である。すべてが論理的に明瞭なものであるにかかわらず、使っている「国語」が世人に親しくないために、その国語に熟しない人には容易に食い付けない。それで彼の仕事を正当に理解し、彼のえらさを如実に估価(こか)するには、一通りの数学的素養のある人でもちょっと骨が折れる。

 寅彦の名調子の文章を読んでいるとなんとなくわかった気分になってくるから、不思議である。

しかし一般世間に持(も)て囃(はや)されるようになったのは昨今の事である。遠い恒星の光が太陽の近くを通過する際に、それが重力の場の影響のために極めてわずか曲るだろうという、誰も思いもかけなかった事実を、彼の理論の必然の結果として鉛筆のさきで割り出し、それを予言した。それが云わば敵国の英国の学者の日蝕観測の結果からある程度まで確かめられたので、事柄は世人の眼に一種のロマンチックな色彩を帯びるようになって来た。そして人々はあたかも急に天から異人が降って来たかのように驚異の眼(まなこ)を彼の身辺に集注した。
 病源を見つけたのが第一のえらさで、それを手術した手際てぎわは第二のえらさでなければならない。
 しかし病気はそれだけではなかった。第一の手術で「速度の相対性」を片付けると、必然の成行きとして「重力と加速度の問題」が起って来た。この急所の痛みは、他の急所の痛みが消えたために一層鋭く感ぜられて来た。しかしこの方の手術は一層面倒なものであった。第一に手術に使った在来の道具はもう役に立たなかった。吾等の祖先から二千年来使い馴れたユークリッド幾何学では始末が付かなかった。その代りになるべき新しい利器を求めている彼の手に触れたのは、前世紀の中頃に数学者リーマンが、そのような応用とは何の関係もなしに純粋な数学上の理論的の仕事として残しておいた遺物であった。これを錬(きた)え直して造った新しい鋭利なメスで、数千年来人間の脳の中にへばり付いていたいわゆる常識的な時空の観念を悉皆(しっかい)削り取った。そしてそれを切り刻んで新しく組立てた「時空の世界像」をそこに安置した。

 正直に言う。内容的にはほとんど理解できていなかった!!
 なのにうんうんとうなづいてしまうから不思議だ。
 これぞ寅彦マジック!?

▼少し偏った読み方をしていた。
 先の「ふしぎ!?」に答えてくれいる箇所を探しながら読んでいた。
 あった!!
 それは、英国の新聞記者のコトバをかりるかたちで語られていた。
 その一部を引用させてもらう。

「…しかし眼それ自身は磁石のように牽ひき付ける眼である。それは夢を見る人の眼であって、冷たい打算的なアカデミックな眼でない、普通の視覚の奥に隠れたあるものを見透す詩人創造者の眼である。眼の中には異様な光がある。どうしても自分の心の内部に生活している人の眼である。」
「彼が壇上に立つと聴衆はもうすぐに彼の力を感ずる。ドイツ語がわかる分らぬは問題でない。ともかくも力強く人に迫るある物を感ずる。」
「重大な事柄を話そうとする人にふさわしいように、ゆっくり、そして一語一句をはっきり句切って話す。しかし少しも気取ったようなところはない。謙遜(けんそん)で、引きしまっていて、そして敏感である。ただ話が佳境に入って来ると多少の身振りを交じえる。両手を組合したり、要点を強めるために片腕をつき出したり、また指の端を唇に触れたりする。しかし身体は決して動かさない。折々彼の眼が妙な表情をして瞬(またた)く事がある。するとドイツ語の分らない人でも皆釣り込まれて笑い出す。」
「不思議な、人を牽(ひ)き付ける人柄である。干からびたいわゆるプロフェッサーとはだいぶ種類がちがっている。音楽家とでもいうような様子があるが、彼は実際にそうである。…」

 ここまで言われると、100年のタイムスリップして、生でアインシュタインの講演を聴いてみたくなるのだった!!
 寅彦自身の惚れ込みようを語るような文もあった。

 実際彼のような破天荒の仕事は、「夢」を見ない種類の人には思い付きそうに思われない。しかしただ夢を見るだけでは物にならない。夢の国に論理の橋を架けたのが彼の仕事であった。

 最初の「ふしぎ!?」の謎解きが少しだけできた気分になってきた。
 また繰返し読んでみよう。

 

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子規庵の糸瓜(4年目)をやっと収穫した!!(2022/11/07) #子規庵 #糸瓜

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4年目の子規庵の糸瓜!!
 今年は早めに収穫したいと思っていたが、とんだアクシデントで遅れてしまっていた。
 昨日(2022/11/07)、やっと収穫した。

・まだ緑を残すもの    10本
・もう枯れてしまったもの 10本
・小さなもの 緑(6)+枯れ(7) =13本
・切断したも(わけあって)       1本

 総合計=34本!!

 駐車場にならべてみるとなかなかの圧巻であった。
 
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▼今年とこれまでの3年とちがうところは「地植え」で挑戦してみることだった。
 これまでは、プランタンまたは植木鉢で育ててきた。
 ところが、昨年度は皮肉にも育苗トレーをそのまま地面に放置していた方が元気よく大きく育っていた。
 ナラバ と
 今年ははじめからすべての苗を「地植え」で育ててみることにしたのだった。
 「地植え」の方が、葉の緑も濃く元気にそだったようだった。
 ところが、最後の方は、事情あって自分で水やりもできず、手伝ってもらった。
 少し前から水やりもストップしていた。
 ダカラ 少しあせっていた。

 フェンスづたいに遠くまでつるをのばし巨大に生長しつづけるもの
 すっかり枯れてぶらさがるもの
 物干しにからまりつきたくさんの枯れた糸瓜をぶらさげるもの
 フェンスにはさまって異様なポーズで生長しつづけるもの
 今から花を咲かせて生長しようとするもの 
 糸瓜もいろいろだ!!

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▼元々のはじまりは2019年に「子規庵」を訪ねたときに5粒の糸瓜の種子を「おすそ分け」してもらったのがはじまりだった。
 これまで3年間の収穫をふりかえってみる。

・子規庵の糸瓜を収穫した!(2019/11/21)#子規 #糸瓜
・子規庵の糸瓜(2年目)をついに収穫した!!(2020/11/24) #子規庵 #糸瓜

・子規庵の糸瓜(3年目)をついに収穫した!!(2021/11/10) #子規庵 #糸瓜

 あれっ!?
 遅れたと思っていたら、4年目の今年がいちばん早い収穫なんだ!!
 
▼それにしてもどでかく生長してくれたものだ。
 緑を残すもので、まだ生長つづけるものでは50㎝を越えるものがざらだ。
 太さも径が10㎝を越えている!!
 枯れたものでは長さが54㎝のものもあった。
 
 今年も種取りは、自然乾燥を利用する方法でいきたい。
 今年こそ、私の方から「おすそ分け」できるようになるといいな。

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【Web更新11/6】22-45 「原子論」を科学する 等 更新!!

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山ノ下裾から染めるうるし哉 22/11/04撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-45
週末定例更新のお知らせ
 「立冬」の朝。
 「暦のうえで」をあなどってはならない。
 みごとな科学がそこにある!!

 季節の移り変わりをゆっくりゆっくり楽しみたいものだ!!

◆表紙画像集2022 ハゼ(ウルシ科)
 今年も紅葉の先頭をきったのは、山ノ下のハゼだった。
 次々と色づく紅葉・黄葉の季節だ。
 ひとり吟行を再開している。
 日々の変化を楽しみたいものだ!!

◆「原子論」を科学する 更新!!
 「原子論」を科学するシリーズをページ化した。
 私としては、現在も進行中のつもりでいる。
 こうしておけば、いつでも気儘に再開できるだろう!!

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 こう書く度に自分でも不思議に思う。
 変なタイトルをつけたものだと。「雲見」と俳句「歳時記」だけの更新をつづけているだけなのに!?
 ほんとうの願いは、5つのWebテキスト試案の次なる展開と更新だ。

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 「自然結実」ヒガンバナから、完熟「種子」の回収をはじめた。
 今、野ではこのことが想像以上に高頻度に起こっていることだろう。
 ヒガンバナの「種子」を探すなら今だ!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから32週目だった。
 今年の観察池の大きな特長としては、観察池に雑草が入り込んでしまったことである。
 引っこ抜こうと思うが、ちょつと未練があったりして。
 
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「「原子論」を科学する」ページ化に向けて(5) #日本理科教育史 #原子論的物質観 #原子論と授業 #大竹三郎 #古川千代男

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▼また再び元の「文脈」もどって、原子論的物質観と授業の歴史を追いたいと思っていた。
 とりわけ、戦後の日本理科教育史における「原子論」と授業について興味があった。
 どんな実践が展開され、今日にいたっているのだろう!?
 
 いつものように大げさなことを言うが、私が知る範囲などきわめて限られている。
 それを承知のうえで、少しだけ可能な限りプロットしてみよう。

▼まず、板倉聖宣氏の「原子論の歴史」年表にもあげられている一冊に注目したい。

●1972年 大竹三郎『ミクロ探検隊-わたしたちの原子論』大日本図書(大日本ジュニアブックス)刊。

 ちょうど半世紀前だ!!
 「見えなくともそこにあるもの」からはじまるきわめて興味深い<科学読みもの>である。
 最後の章「二十一世紀を生きる原子論者」での最後のコトバが印象的だ!!

 これを受けつぐわたしたち、ぼくら、二十一世紀に生きる原子論者!


▼板倉聖宣氏の「原子論」教育史年表に少しずつ<追加>してみようと思う。
 まずはこれだ。

●1989年 古川千代男著『物質の原子論-生徒と創造する科学の授業-』コロナ社刊(1989.5.10)

 「原子論」と具体的授業実践を語るには最高の書である。
 「三態変化」の授業が中心であるが、すべての単元での取り組みに参考になる。
 ここから、数々の有名な実験が誕生した。
 今や教科書、実験書にアタリマエにとりあげられる実験もここからはじまっていた。


▼「これから」のことも射程に入れながらの

◆新・「原子論」教育史年表!!

の構想ははじめたばかりだ。
 「原子論」を科学する というシリーズもまだまだ続けたい。
 とりあえず、一度ページ化しておけば、いつでもそれを再開できるかと、「これまで」をまとめてみた。

◆「原子論」を科学する
 

(了)

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「自然結実」ヒガンバナの「種子」の回収をはじめた!!(2022/11/02~) #自然結実 #ヒガンバナの種子 #三倍体 #日本ヒガンバナ学会

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それは「目玉オヤジ」そのものだった!!

 2022/10/25に採集した「自然結実」ヒガンバナの花茎を「水栽培」していた。
 日当りのいいところに置いておいた。
 子房部がよりふくらみ、割れてそこから黒々とした完熟「種子」が次から次へと顔を出してきた。
 その姿は、まるであの「目玉オヤジ」そっくりだ。

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▼その完熟「種子」が、土間にこぼれ落ちているのに最初に気づいたのは2022/11/02だった。
 2個の「種子」がころがっていた!!
 「水栽培」をはじめてからたった一週間あまりだった。
 これは、想定していた以上に早かった!!

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▼翌2022/11/03にも、2個の「種子」がころがり落ちた!!
 散逸してしまわないように発泡スチロールの受け皿を用意した。

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▼回収した「種子」は、チャック付きナイロン袋で保存することにした。
 袋には、花茎採集場所、花茎採集日、「種子」回収日を記入していておいた。
 この方法がベストとは思っていない。これまでの試行錯誤の結果たどり着いた方法である。

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 野の「自然結実」ヒガンバナ群生地では、今、こんなことが自然に起きているのであろうか!?
 それを思うと。

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「「原子論」を科学する」ページ化に向けて(4) #原子論の歴史 #物の本質について #ルクレチウス #ルクレチウスと科学 #寺田寅彦

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▼私には、「原子論的物質観」のルーツを探るという以外にも、もうひとつの「文脈」があった。
 それは板倉聖宣氏もその「原子論の歴史」年表でもとりあげていることであった。

●1417年 ポッジョ(イタリア、1380~1459)、ある修道院でルクレティウスの『事物の本性について』の全文を発見。

●1929年 寺田寅彦(日本、1878~1935)「ルクレチウスと科学」『(岩波講座)世界思潮』)に発表。


▼それは言わば、「ルクレチウス物語」とよべるようなものだった。
 くりえし、オンライン「寅の日」では、この随筆をとりあげていた。

◆「ルクレチウスと科学」(寺田寅彦 青空文庫より)


▼我らが寅彦が「なぜ、かくも熱くルクレチウスを語るのか!?」それを少しでも読み解きたかった。
 その読み解きは、2ヶ月5回にわたっていた。

●本日(2022/06/06)、第318回オンライン「寅の日」!! #ルクレチウスと科学 #traday #寺田寅彦

●本日(2022/06/18)、第319回オンライン「寅の日」!! #ルクレチウスと科学 #traday #寺田寅彦

●本日(2022/06/30)、第320回オンライン「寅の日」!! #ルクレチウスと科学 #traday #寺田寅彦

●本日(2022/07/12)、第321回オンライン「寅の日」!! #ルクレチウスと科学 #traday #寺田寅彦

●本日(2022/07/24)、第322回オンライン「寅の日」!! #ルクレチウスと科学 #traday #寺田寅彦


▼ルクレチウスへのこだわりは、どうやら寅彦だけではなかったようだ!!
 板倉聖宣氏然り!!

●1965年 国土社版「少年少女科学名著全集4」として、ルクレチウス著・国分一太郎訳『宇宙をつくるものアトム』/ブラック著・亀井理訳『宇宙をつくるものアトム』合冊で刊行。


◆「原子論」を科学する


(つづく)

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「「原子論」を科学する」ページ化に向けて(3) #原子論的物質観 #原子論の歴史 #原子論の歴史年表 #板倉聖宣


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▼私は「原子論的物質観」のルーツを探るという「文脈」で「原子論」を科学してみた!!

◆「原子論」を科学する

 の更新はまだまだ続いていた。

▼次に参考させてもらった文献は次だった。

◆【お薦め本】『原子論の歴史 上・下』 (板倉聖宣著 仮説社)

 少しずつ少しずつ読み進めながら学んだ。
 その学びのプロセスすべてをblogに「記録」していった。

▼この本についもいつものようにお薦めポイント3つをあげていた。

(1)「原子論の歴史」の最新・決定本!!

(2)等身大の文体で、わかりやすく「原子論の歴史」を読み解くことができる!!

(3)私にとっての「原子論」を問うのに最適の書!!

 特に(3)の私にとっての「原子論」を問う度に、これからも読み返してみたい本だ。

▼この本には最高にうれしい【オマケ】付録がついていた。

◆「原子論の歴史」年表
(『原子論の歴史-復活・確立-』年表P178~P200)

である。今一度、blogに引用させてもらったものだけでも列挙してみる。

●前370年頃 デモクリトス(前460~前370頃)、没。「すべてのものは<それ以上こわれないアトム=原子>と<空虚=真空>とからなる」という原子論を提唱。

●前355年 アリストテレス(前384~前322)、アテナイのリュケイオンに学校を開く。デモクリトスの原子論をきびしく批判。

●前310年冬 エピクロス(前342~前271) この頃、重さと隙間=真空に目をつけた研究始まる。

●前286年頃 ストラトン(前340頃~前268)、アレクサンドリア市からアテナイに戻り、逍遙学派の第三代学頭に就任。「空虚について」「軽さと重さについて」「機械学」などを著し<自然学者>と呼ばれる。

●前267年 アルキメデス(前287~前212)、20歳に達する。この前後にシシリー島のシュラクサイからアレクサンドリア市のミューゼオンへ留学か? その著の『浮体について』は、明らかにエピクロスの<重さの保存法則>の発見を受けついで研究されたものだが、その他の『平面板の平衡について』『球と円柱について』『円錐状体と球状体について』『円の計測』『砂粒を数えるもの』なども、エピクロスの原子論で<重さの保存則>の主張に影響を受けて研究されるようになったものと思われる。

●前58年 ルクレティウス(前95~前55)の保護者ガーイウス・メンミウス、小アジアの属州ビティニアに行くとき、詩人キンナおよびカトゥルスを伴う。この頃『宇宙をつくるものアトム』なるか。

●後50年 セネカ(前5/4~後65)、法務官となる。セネカは、52年頃までに『(兄ノバトックスあて)怒りについて』を著す。「われわれにとって、デモクリトスの、あの健康的な教えは役に立つだろう。そこで教えられているのは心の平静ということであって、私的にも公的にも、自分の能力に余るようなことを行なわないことである」と記す。

●79年8/24 ヴェスヴィウス火山大爆発。ポンペイ市とヘルクラネウムの町は埋没した。のち考古学者たちは、ヘルクラネウムの町の別荘の一角から図書室を発掘し1806巻のパピルスを発見。「パピルス荘」と名付けたが、そのパピルスの大部分はエピクロス派の哲学者ピロデモスの著書だつたという。

●165~175年 ルキアノス(120~185頃)の制作活動頂点に達する。とくに「空を飛ぶメニッポス」「二重に訴えられて」「悲劇役者ゼウス」で原子論の主張を支持し、ストア派を批判する。

●180~85頃 ルキアノス、ノンフィクション「偽預言者アレクサンドロス」を、エピクロス派の哲学者ケルソスあての手紙形式で書く。

●389年 ローマ帝国、キリスト教を国教に昇格させる。 

●1417年 ポッジョ(イタリア、1380~1459)、ある修道院でルクレティウスの『事物の本性について』の全文を発見。

●1599年 シェークスピア著『ロミオとジュリエット』刊。<アトム>の語を用いる。『お気に召すまま』『ヘンリー4世・第二部』でも<アトム>の語を用いる。

●1600年 ブルーノ(イタリア、1548~1600)、火あぶりの刑に処せられる。
ギルバート(英国、1544~1603)『磁石について』刊。エピクロスとルクレティウスの原子論的な磁石論に言及。磁気と違って、電気はすべての物体の性質であることを明らかにする。

●1614年 サントリオ(イタリア、1561~1636)『釣り合いの医学』間。<人間が飲み食いしたり排便したりしたときの体重の変化>を解明。

●1624年 パリの議会<原子論またはアリストテレスに反する学説を支持したり教えたりする者は死罪に処する>との法令を定める。

●1632年 ガリレイ(イタリア、1564~1642)『天文学対話』刊。翌年、宗教裁判にかけられて、有罪となり、自宅に監禁される。

●1638年 ガリレイ、別荘に監禁の身で、密かにオランダで『新科学対話』を出版。<慣性の法則>を提出。<空気の重さ>を明らかにする。

●1643年  ガリレオの弟子のトリチェリ(イタリア、1608~1647)とヴィヴィアーニ(1622~1703)、水銀を入れたガラス管を倒立して真空の存在の実証に成功。

●1647年 パスカル(フランス、1623~1662)『真空に関する新実験』刊。

●1649年 ガッサンディ(フランス、1592~1655)『エピクロスの哲学体系』刊。

●1654年 ゲーリケ(ドイツ、1602~1686)、レーゲンスブルクでのドイツ平和会議で真空ポンプによる真空実験を公開披露。

●1660年 ボイル(英国、1627~1691)、フックの協力で真空ポンプを作り、『空気の弾性に関する新実験』を著し、翌年の改訂版で<気体の体積と圧力の法則>を一般化し、『懐疑的な化学者』を出版する。

●1665年 フック(英国、1635~1703)『ミクログラフィア』刊。液体の性質はその分子の振動で説明できるとし、結晶の分子配列説を提唱。

●1687年 ニュートン(英国、1642~1727)、『自然哲学の数学的原理』刊。

●1718年 ニュートン(英国、1642~1727)、『光学』(1704)の第二版刊。

●1725年 トリーヴァルト(スウェーデン、1691~1747)、<二つの鉛の玉を手で持って押しつけ合わせると、結合する事実>を発見。

●1731年 レオミュール(フランス、1683~1757)、<体積50ずつのアルコールと水とを混合させると、混合液体の体積は98にしかならない>事実を発見。

●1754年 ブラック(英国、1728~1799)、普通の空気と異なる気体<固定空気=二酸化炭素ガス>を発見。

●1766年 キャベンディッシュ(英国、1731~1810)、水素ガスを発見。

●1772年 シェーレ(スウェーデン、1742~1786)、酸素ガスを発見。
      D.ラザフォード(英国、1749~1819)、窒素ガスを発見。

●1774年 プリーストリー(英国、1733~1804)、『いろいろな<空気>に関する実験と考察』刊。一酸化二窒素/(シェーレと独立に)酸素の発見を発表。 

●1775年 シェーレ(スウェーデン、1742~1786)、塩素ガスを発見。

●1789年 フランス大革命、はじまる。
ラヴォアジエ(フランス、1743~1794)、『化学の基礎的研究』刊。実験的な元素概念を提出。

●1794年 ラヴォアジエ(フランス、1743~1794)、処刑される。

●1808年 ドールトン(英、1766~1844)、『化学哲学の新体系』刊。化学的原子・分子論を提出。原子模型も作る。

●1811年 アヴォガドロ(イタリア、1776~1856)、<気体分子は種類によらず、温度と圧力が同じなら、同じ体積を占める>との仮説を提唱。

●1827年 植物学者のブラウン(英国、1773~1858)、<花粉に含まれている微粒子が不自然な運動する現象=ブラウン運動>を発見。

●1860年 国際化学会議、カニッツァロ(1826~1910)の働きかけにより<アボガドロの仮説>を採用する。

● 1905年 アインシュタイン(ドイツ、1879~1955)、<ブラウン運動は、水の分子運動によるもの>とする数学理論を提出。

●1908年 ペラン(フランス、1870~1942)、ブラウン運動の実験により、水の分子運動説の理論と一致することを明らかにして、分子の存在の証明に成功。

●1909年 オストワルド(ドイツ、1853~1932)、『一般化学の原理』第4版の序文で<原子の実在>を認める。

●1929年 寺田寅彦(日本、1878~1935)「ルクレチウスと科学」『(岩波講座)世界思潮』)に発表。

●1949年 田中実著『原子論の誕生・追放・復活』三一書房刊。古代の原子論は空想的なものでアリストテレスによって論破されたとする。

●1961年 板倉聖宣「ニュートンの質量の定義とガリレオ・ニュートンの原子論」『科学史研究』。

●1962年 山内・平田・富山監訳『PSSC物理』岩波書店刊。原子分子の教育をはじめて前面に出した高校教科書。
 板倉聖宣「原子論からみた力学入門①②/原子論から見た力学①②③」『科学読売』に連載(~翌年)。

●1963年 板倉聖宣<仮説実験授業>を提唱 
板倉聖宣・江沢洋共著『物理学入門-科学教育の現代化』国土社刊。「原子論からみた力学入門」を再録。

●1964年 板倉聖宣編著『(発明発見物語)デモクリトスから素粒子まで』国土社刊。

●1965年 国土社版「少年少女科学名著全集4」として、ルクレチウス著・国分一太郎訳『宇宙をつくるものアトム』/ブラック著・亀井理訳『宇宙をつくるものアトム』合冊で刊行。 

●1965年  ファインマンほか、『ファインマン物理学』刊(坪井忠二ほか訳、岩波書店、1967年)。その冒頭に「躍るアトム」の章をおき、「最小の語数で最大の情報を与えるもの」は原子論だ、と指摘。 

●1985年 板倉聖宣・吉村七郎「分子模型の作り方」『たのしい授業』。
 板倉聖宣『原子とつきあう本』仮説社刊。


(つづく)

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2022年11月(霜月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼今年こそ、ターゲットの樹をきめて、寅日子先生の言う銀杏の「潮時」の様を見てみたいものである。

不思議なことには、ほとんど風というほどの風もない、というのは落ちる葉の流れがほとんど垂直に近く落下して樹枝の間をくぐりくぐり脚下に落ちかかっていることで明白であった。なんだか少し物すごいような気持ちがした。何かしら目に見えぬ怪物が木々を揺さぶりでもしているか、あるいはどこかでスウィッチを切って電磁石から鉄製の黄葉をいっせいに落下させたとでもいったような感じがするのであった。(「藤の実」寺田寅彦 青空文庫より

▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、いつものように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句11句を引用させてもらう。 

(1) 群青世界セーターを頭の抜くるまで 相子智恵
(2) 銀杏散る思ひ出したるやうに散る 岩田由美
(3) 朴の葉の落ちをり朴の木はいづこ 星野立子
(4) 鴨の子のひく波ひかる初冬かな 飯田龍太
(5) 泥の上に泥のひろごる蓮根掘 千葉皓史
(6) 蕎麦刈りの三人も居れば賑々し 小原琢葉
(7) 仕方なく八十路愛して牡蠣雑炊 大牧 広
(8) 七五三の飴も袂もひきずりぬ 原田種茅
(9) 日の鷹がとぶ骨片となるまで飛ぶ 寺田京子
(10) 冬木の枝しだいに細し終に無し 正木浩一
(11) 冬帝先づ日をなげかけて駒ヶ嶽 高浜虚子


▼<俳句修業>の第一歩は「選句」から!!
 俳句は詠み手と読者の共同作業で成立する。
 ダカラ 愉しい!!
 今月もシロウトの勝手な「選句」を楽しむことからはじめてみよう!!

【私の選んだ名句ベスト3】

(2) 銀杏散る思ひ出したるやうに散る 岩田由美

(4) 鴨の子のひく波ひかる初冬かな 飯田龍太

(5) 泥の上に泥のひろごる蓮根掘 千葉皓史

【次点】

(1) 群青世界セーターを頭の抜くるまで 相子智恵

【選評】
・真っ先に思い出したのが、先の寅日子先生の銀杏の「潮時」の話だった!!さあ、どうみえるかな!?
・「ひく波ひかる」とはうまいな!!あるあるの景だ。
・大賀ハス観察池の泥を思い出した。みごとな泥になるのである。「ふしぎ!?」

・セーターを着ただけ!!それだけで「別世界」へ 恐るべし「俳句」とは。

▼寅日子先生に師事する私たちのオンライン句会「寅の日」も、はや3度目の「初冬」をむかえた。

◆第27回オンライン句会「寅の日」11月例会案内!!

 ひとり吟行すらままならぬ身になって、痛切に感じた。
 オンライン句会はアリガタイ!!
 いつでも、自分の都合にあわせて参加できるのであるから。
 「句会」は、俳句修業最高の形態である!!
 なにより学び合い高め合うことは最高に 愉しい!!

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2022年11月(霜月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼雨が降っている。
 雨降りのなか、11月(霜月)がはじまった!!
 11月の「雲見」を予想する前に10月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴    8  
・巻雲    0 
・巻積雲   3 
・巻層雲   0     
・高積雲   3  
・高層雲   3     
・層積雲   3 
・積雲    5  
・層雲    0  
・乱層雲   6   
・積乱雲   0

 「快晴」8+「積雲」5=13
 「積乱雲」0+「乱層雲」6=6
 これだけの結果から見ると、ずいぶん天は高かったようにみえる。
 あいかわらず10月も、メモ書きはアメダスの「記録」により「最高気温」~「最低気温」を書き込むようにした。
 それによれば
 ・「真夏日」=1日
 ・「夏日」=7日
 初旬と中旬に4日ずつ「暑い日」がつづいた。
 こんな単純な作業であるが、それからわかることがあった!!
 「天気の変化」は、暖気と寒気の運動によって引き起こされる。
 このアタリマエ!!

▼11月(霜月)の「雲見」の予想に入ろう。
 まずは昨年の11月の天気図を見てみる。

◆日々の天気図 2021年11月 (気象庁)
・いよいよ寒くなって来そうだ。
・初霜はいつごろだろう?
・初雪、初氷はあるだろうか?
・紅葉、黄葉がすすみそうだ!!
・「一雨一度」でどんどん寒くなっていくのだろうな。
・「雲見」はどうなるだろう。久しぶりに「層雲」のシールを貼る月になるかも。

▼11月の「雲見」予想をつづけよう。
 よりローカルな資料を使ってみる。
 アメダス「福崎」のデータに基づく資料である。

◆兵庫県 福崎 の気候(雨温図最高気温、最低気温の推移
・どんどん寒くなっていきそうだ。
・「冬支度」「冬隣り」の季節だ。
・雨が少なく、「乾燥」の季節でもある。
・生野峠が白くなることはあるのかな?

▼コロナ禍につづいて、事情あって自由に動きまわれない状況にある。
 それでも定点からであれば
 「雲見」も「宇宙見物」も楽しめる!!
 アリガタイことだ!!

 リアルな「雲見」の旅再開を夢みながら、今月も!!

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