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本日(2022/10/04)、第328回オンライン「寅の日」!! #茶わんの湯 #traday #寺田寅彦

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▼私の「土佐の寅彦」詣の定番スポットのひとつに
◆高知県立文学館
 がある。今、たいへん興味深い企画展が開催されている。
●「寺田寅彦「茶わんの湯」100年 ふしぎいろいろ展」(2022年9/17~11/20)
 さらにうれしい情報がある。
 寺田寅彦の「茶わんの湯」をはじめとする4つの随筆の「朗読」が今すぐにでも聴けることだ!!
 「茶わんの湯」を聴かせてもらった。スバラシイ\(^O^)/
 「朗読」だけでなく、次々とかわる工夫された画像は内容をうんと深めてくれる!!
 オンライン「寅の日」参加者 はぜひぜひ聴いてみてください !!

▼本日(2022/10/04)は、第328回オンライン「寅の日」である。
 10月オンライン「寅の日」も、高知県立文学館にならって、「茶わんの湯」100年を記念してテーマを次のようにしていた。

【10月テーマ】「寅彦と茶わんの湯」

 である。まずは「茶わんの湯」を2回に分けて読む。
 本日はその1回目である。

◆本日(2022/10/04)、第328回オンライン「寅の日」!!

●「茶わんの湯」(1)(青空文庫より)


100年の時空を越えた 科学読み物の金字塔「茶わんの湯」!!
 高知県立文学館の「朗読」を聴かせてもらいながら、あらためてこれを実感した。
 実にうまい!!
 「科学読み物」はかくあるべき!! を教えてくれているようだった。

 私の引用など「蛇足」にすぎないが、「うまい!!」と感心したところだけピックアップしてみる。

 ここに茶わんが一つあります。中には熱い湯がいっぱいはいっております。ただそれだけではなんのおもしろみもなく不思議もないようですが、よく気をつけて見ていると、だんだんにいろいろの微細なことが目につき、さまざまの疑問が起こって来るはずです。ただ一ぱいのこの湯でも、自然の現象を観察し研究することの好きな人には、なかなかおもしろい見物(みもの)です。
このイントロダクション実にうまい!! 「ねえ君、不思議だと思いませんか?」と聞こえてきそうだ!!

 続けよう。

 第一に、湯の面からは白い湯げが立っています。これはいうまでもなく、熱い水蒸気が冷えて、小さな滴になったのが無数に群がっているので、ちょうど雲や霧と同じようなものです。

 すべて全く透明なガス体の蒸気が滴になる際には、必ず何かその滴の心(しん)になるものがあって、そのまわりに蒸気が凝ってくっつくので、もしそういう心(しん)がなかったら、霧は容易にできないということが学者の研究でわかって来ました。
 
 茶わんから上がる湯げをよく見ると、湯が熱いかぬるいかが、おおよそわかります。締め切った室(へや)で、人の動き回らないときだとことによくわかります。熱い湯ですと湯げの温度が高くて、周囲の空気に比べてよけいに軽いために、どんどん盛んに立ちのぼります。反対に湯がぬるいと勢いが弱いわけです。湯の温度を計る寒暖計があるなら、いろいろ自分でためしてみるとおもしろいでしょう。

いつの間にやら「科学」に誘われてしまうのだった!!

▼さらに話は、次の展開を見せる。

 次に湯げが上がるときにはいろいろの渦(うず)ができます。これがまたよく見ているとなかなかおもしろいものです。線香の煙でもなんでも、煙の出るところからいくらかの高さまではまっすぐに上りますが、それ以上は煙がゆらゆらして、いくつもの渦(うず)になり、それがだんだんに広がり入り乱れて、しまいに見えなくなってしまいます。茶わんの湯げなどの場合だと、もう茶わんのすぐ上から大きく渦ができて、それがかなり早く回りながら上って行きます。

 ついつい自分の眼でも確かめてみたくなる!!
 茶わんの上や、庭先で起こる渦のようなもので、もっと大仕掛けなものがあります。それは雷雨のときに空中に起こっている大きな渦です。陸地の上のどこかの一地方が日光のために特別にあたためられると、そこだけは地面から蒸発する水蒸気が特に多くなります。そういう地方のそばに、割合に冷たい空気におおわれた地方がありますと、前に言った地方の、暖かい空気が上がって行くあとへ、入り代わりにまわりの冷たい空気が下から吹き込んで来て、大きな渦ができます。そして雹(ひょう)がふったり雷が鳴ったりします。

 そして、それはやがて「大気の物理学実験室」の話へとツナガッテいくのだった。
 さらにこう言いきるのだった。
しかしまた見方によっては、茶わんの湯とこうした雷雨とはよほどよく似たものと思ってもさしつかえありません。

ちょっと見ただけではまるで関係のないような事がらが、原理の上からはお互いによく似たものに見えるという一つの例に、雷をあげてみたのです。

 「湯げ」の話だけで、ここまで展開されるのだから面白い!!
 あとがますます楽しみである。

 ぜひぜひあなたも高知県立文学館の「朗読」を聴いてみてください。
 きっとあらたな「発見」があると思いますよ。

(つづく)

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