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【Web更新10/30】22-44 「原子論」を科学する 等 更新!!

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石橋も黄色染めるや泡立ち草 22/10/28撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】22-44
週末定例更新のお知らせ
 10月が終わる!!
 11月が始まる!!

 11月は【理科の部屋】の誕生月だ。
 1993.11.23に【理科の部屋】は誕生した。まもなく29歳である!!
 
◆表紙画像集2022 更新 セイタカアワダチソウ
 いつもの散策道である西谷川沿いはセイタカアワダチソウで真黄色である。
 もちろん 石橋も!!
 ふっと昔を思い出した。この茎をつかって「火起こし」に挑戦したことを。
 
◆「原子論」を科学する 更新!!
 これまでにblogに綴ってきたことをリンクするだけのページをつくってみた。
 この作業がけっこう面白くなってしまった。
 こうしておけば、いつでも 「原子論」を科学する シリーズも再開できそうだ。
 参照するのは私だけかも知れないが。

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 やった!!\(^O^)/
 やっぱりそうだったか!!
 「自然結実」ヒガンバナ報告が出てきた。
 やっぱり想像以上の高頻度で「自然結実」が起こっているのかも知れない。
 続報が楽しみだ。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 今から100年前の1922年11月17日。あのアインシュタインが日本にやってきた。
 同時代人寅彦はアインシュタインをどう迎えたのだろう!?
 11月テーマは「寅彦とアインシュタイン」!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから31週目である。
 もちろん「あこがれの4日間」の観察が最高だが、枯れ蓮の葉にもこれまた惹かれるものがある。
 それはなぜだろう!?

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「「原子論」を科学する」ページ化に向けて(2) #原子論的物質観 #原子論と授業 #原子論の歴史 #田中実

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▼作業ははじめてみると、なかなか面白いものとなった。
 自分で書いたことを、ページにコピペするだけの作業である。
 リンクするときに、ついつい「なかみ」を読んでしまうのである!!

 それは、私の中ではなんとも楽しい<反芻作業>となった!!

▼これは、ずっと昔からやってみたいことのひとつでもあった。

 「原子論的物質観」のルーツをたどる!!

 自分ではアタリマエのように使い続けてきたコトバ
 「原子論的物質観」
 それは、どこからはじまったのだろう?
 いつごろから使いはじめたのだろう?

▼そして、一冊の本に辿りついていた。

◆【お薦め本】『原子論の誕生・追放・復活』(田中 実著 新日本文庫 )

 あらためて、ゆっくり ゆっくり読んでみた。
 そのプロセスのすべてを綴ってみた。

▼この「原子論の歴史」にこそ、「原子論的物質観」の授業を構想するときの大きなヒントがあると思った。
 そのあたりをふくめて、ページを少しだけ更新してみた。

◆「原子論」を科学する


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「「原子論」を科学する」ページ化に向けて(1) #原子論 #原子論的物質観 #原子論と授業 #原子論の歴史

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▼私には相矛盾する2つの持病がある。
「ばっかり病」 と「あれもこれも病」である
  
 発症の自覚はあっても、いったん発症してしまうと自分でもままならぬものがある。
 もうここまでくれば、2つの病ともうまくつき合っていくしかないかとあきらめている。

▼「原子論ばっかり病」がはじまったのは今年の5月のことだった。

●「原子論」を科学する(1) #原子論 #原子論的物質観 #原子論の授業 

 「原子論的物質観」!!
 私が授業を語るうえでもっと大切にしてきたコトバかも知れない。
 今さらではあるが、その「原子論的物質観」がどこからやってきたのか追ってみたくなった。
 
 追い始めるとすべてがツナガッテ見えてきた!!
 「ばっかり病」のはじまりである。

▼いつしか今年もヒガンバナの季節がやってきた。
 今度は「あれもこれも病」の発症である。
 「ヒガンバナばっかり病」がはじまってしまった!!

●2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (1) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会

▼ひとつの「ばっかり病」を発症すると、元々不器用な私は複数の「ばっかり病」とうまくつき合うことができない。
 そこで思いついたのが、ページ化である。
 「ばっかり病」の現況を「カルテ」に記録しておくのである!!

 そんなに大げさに言うことでもない。
 blogに書いたものをページにリンクしておくだけだ。
 こうしておけば、いつでも「原子論ばっかり病」のつづきが再開できる。
 さっそく作業をはじめてみることにした。

◆「原子論」を科学する


(つづく)  

 

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本日(2022/10/28)、第330回オンライン「寅の日」!! #茶わんの湯 #traday #寺田寅彦

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▼寅彦のコトバ

 「天災は忘れられたる頃来る」
 「ねえ君、不思議だと思いませんか?」

どれもあの中谷宇吉郎が「記録」し、「増幅」して私たちに伝えてくれていた!!
 それは、ふたりのあいだには単なる師弟を越えた熱く響き合うものがあったからだろう。

▼本日(2022/10/28)は、第330回オンライン「寅の日」である。
 10月オンライン「寅の日」は、「茶わんの湯」100年を記念してテーマを次のようにしていた。

【10月テーマ】「寅彦と茶わんの湯」

 である。本日は科学読みものの金字塔「茶わんの湯」について、あの中谷宇吉郎はどう語っているのだろうか。
 それを読みたい。
 アリガタイ!!これもまた「記録」し、残してくれていた。
「「茶碗の湯」のことなど」(中谷宇吉郎)を読んでみたい。

◆本日(2022/10/28)、第330回オンライン「寅の日」!!

●「「茶碗の湯」のことなど」(中谷宇吉郎 青空文庫より)

▼文章の端々に、敬愛する師・寺田寅彦への思いが読みとれるのである。
 たとえばこうだ。

 ところで、この話をもって来られた時に「この中に、たしか寺田(てらだ)先生が変名で書かれたものがあるはずだ」という話があった。私は大変興味をもって、それを心探しの気持で、ずっと読んで行った。その一篇は勿論(もちろん)すぐ分った。それは、八条年也(はちじょうとしや)という名前で出ていて、題は「茶碗の湯」というのであった。
 恐しいもので、この「茶碗の湯」を数行よみかけたら、これは寺田先生以外には誰も書けないものだとすぐ直観された。それは、文章の良い悪いなどの問題では勿論なく、また内容が高級で表現が平易であるなどということを超越したものであった。強いて言えば、それは芸が身についた人の芸談にあるような生きた話であった。

 さらには寅彦が書かなかったことについてまで話が及んでいた。

 先生は、この色については「またいつか別のときにしましょう」と言っておられるが、この現象は小水滴による光の廻折(かいせつ)によるもので、その色を見ると、水滴の大体の大きさが分るのである。C・T・R・ウィルソンが有名な「ウィルソン霧函(きりばこ)」の実験を初めてやった時に、この現象を利用して、その霧函の中の霧の滴(しずく)の大きさを推定している。「ウィルソン霧函」というのは、特殊な方法によって、急にその函の内部に霧が出来るような条件を与える装置である。

 電子や分子程度の大きさのものの運動の状態が、このようにして、人間の眼に見えることになったのである。「ウィルソン霧函」が、現在世界の物理学の主流となっている原子物理学の領域で果(はた)している任務の重さが十分理解されるであろう。この霧函の発明がなかったならば、原子物理学は、現在の進歩をなし得なかったと言うことが出来る。そういう風に考えると、茶碗の湯の湯気を作っている霧の粒も案外に重要な意味をもっているのである。

 これらを読んでいると、ひじょうによくわかる!!
 中谷宇吉郎は、師・寅彦の書いたものを読み解くだけでなく、「増幅」してくれていた!!

▼次に行こう。

「茶碗から上る湯気」は顕微鏡にも見えない細い塵や、更に進んでは分子や電子の世界までを、われわれに覗(のぞ)かせてくれるばかりではない。それはまた真夏のひるさがり、山野を圧して襲来するあの豪壮な雷雨の模型とも見ることが出来る。

 この展開のみごとさは、そのままパワーアップして宇吉郎に継承されるのである。
 
 最後の文は、師・寅彦への敬愛のほどを語るものとなっていた!!
 昔の仙人は、一つの壺(つぼ)の中に森羅万象(しんらばんしょう)の姿を見たというが、一杯の茶碗の湯の中にも、全宇宙の法則があるということも出来よう。唯ただ「茶碗の湯」の中に全物理学の姿を見ることの出来るような人は、なかなかいない。

  
 これもまた中谷宇吉郎にしか語れないコトバであった!!
 今年もまた雪の季節がやってきた。
 むしょうに
 『中谷宇吉郎 雪の科学館』に、宇吉郎が寅彦から譲り受けたというあの「ネクタイ」を見に行きたくなった!!
 
 

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第27回オンライン句会「寅の日」11月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼寅日子先生が、『ホトトギス』に「団栗」を掲載したのは1905(明治38)年4月のことだった。
 漱石先生はその文章をいたく絶賛してくれたいう。
 ちなみにその漱石先生は、同じ年の1月から「吾輩は猫である」の連載を同じ『ホトトギス』ではじめていた。
 また、漱石先生宅の「文章会」に参加したのもその頃であった。
 「文章会」では、お互いの作品を声に出し読みあい学びあったという。

▼「文章会」にならうわけではないが、私も最近自分の作った拙い句を何度も声に出し読んでみることにしている。
 不思議なものだ。
 声に出すことによって、その句のリズムなり景が見えてくることがある。
 いくら繰返し読んでも景が見えてこないときはボツだ!!
 オンライン句会「寅の日」には、ひと月に5句を投句する。
 さあ、11月だ!!

▼あらためて、第27回オンライン句会「寅の日」11月例会の案内をあげておく。

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第27回オンライン句会「寅の日」11月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2022年11月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2022年11月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2022年11月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼今さらの話であるが、「句会」の威力というか可能性に感動している。
 ひとり吟行もままならぬ状況のなかで、参加メンバーの句を何度も声に出して読んでみた!!
 まるでその場にいっしょにいるかのごとく景が見えてきたときはうれしかった!!
 オンラインだから、いつでも 自分の都合のいいときに、その「世界」に入っていける。
 アリガタイ!!

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今こそ、「自然結実」ヒガンバナを!!(2)(2022/10/25) #自然結実 #ヒガンバナの種子 #水栽培 #日本ヒガンバナ学会


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▼「自然結実」ヒガンバナ群生地発見から10年目!!
 9年間、この時期の恒例としてきた群生地巡り。わけあって今年は遠出ができなかった。
 それでもあきらめきれず、近くのヒガンバナ散策で、「自然結実」の今を観察してみた。
 ちなみに昨年の様子が「記録」してあった。

●今年こそ、ヒガンバナの「種子」をみつけよう!!(5)(2021/10/21)

▼【福崎S(散策道)】と名付けたその場所は、今年も「自然結実」の旬を迎えていた。
 アメリカセンダングサもまた旬を迎えていた。
 「自然結実」そのものをみつけることはさほど苦労はしなかった。
 他の花茎はほぼ枯れて倒れていた。そのなかで今なお緑を残し、まっすぐ立つ花茎を探せばよかった。
 萎れた花弁がまつわりつき、共倒れをしている場合もあったが。
 「自然結実」しながらも花茎そのものも枯れてしまっているものもいくつかあった。

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▼採集し持ち帰った花茎を数えてみた。
 ちょうど 20本あった!!
 容器に水をはり、「自然結実」花茎を挿してみた。

 これより、完熟「種子」を手に入れるまで「水栽培」である!!

▼今年は
 「水栽培」→ヒガンバナの「種子」回収→「種子」保存→ヒガンバナ実生実験
 の全プロセスをWebテキスト『ヒガンバナ』試案として提案してみた。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2022版 試案 2022.10.15)

 さあ、私自身は今年いくつの完熟「種子」を手に入れることができるだろうか!?

(つづく)

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今こそ、「自然結実」ヒガンバナを!!(1)(2022/10/23) #自然結実 #ヒガンバナの種子 #三倍体 #日本ヒガンバナ学会

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▼二本の花茎は秋空に向かって直立していた!!
 そして、その先の子房部は豊かにふくらんでいた!!
 「自然結実」だ!!

 日本のヒガンバナは三倍体で種子をつくらない。
 そのアタリマエに異議アリ!!

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▼とは言っても、なかなかみつけることができなかった。
 それにはわけがあった。
 あの真っ赤に燃え立つヒガンバナの花の咲いたすぐあとでは、たくさんの花茎が立っていて、そのなかから「自然結実」しようとする花茎をみつけることは至難のわざである。 
 だが今はちがう!!
 ほとんどの花茎は萎れ、枯れて倒れかけている!!
 ところが、
 
「自然結実」した花茎は、緑を保ち育ちつつある「種子」に栄養を送り続けているようだ!!

 なんと理に適っている。「科学」だ!!

▼まだ花茎がいっぱい立っていれば、少し早いのかも知れない。
 「今こそ!!」は
 正確には「今からこそ!!」なのかもしれない。
 私がはじめて、「自然結実」ヒガンバナ群生地に出会ったのは、2013.11.13だったのだから。

 それから9年!!
 私は実に多くの「自然結実」ヒガンバナに出会い、ヒガンバナの「種子」を手に入れてきた。

●2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (2) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会


▼しかし、やっぱりおかしい!?
 特段の技能も知識も持ち合わせていない。変な自慢するわけではないが(^^ゞポリポリ
 
 私にみつけることができたものは、必ず誰にでもみつけことができるはずだ!!

 確信あった!!
 全国各地で、「自然結実」ヒガンバナをみつけたよ!!
 となれば、はじめてこの「事実」は「科学」となる。

(つづく)

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【Web更新10/23】22-43 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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ビッグバン宙の始まり柘榴哉 22/10/21撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-43
週末定例更新のお知らせ
 一週間に一度のWeb更新!!
 どこまで続けるつもりかと問われても困る。

 可能な限り…!!

 としか答えようがない。

◆表紙画像集2022 更新 柘榴
 今年の柘榴の実は異様なほど生った。
 その硬い硬い柘榴の実が割れ始めた!!
 石頭のポンコツが想起した。
 宇宙の始まりを!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 ずいぶん久しぶりに、5つの「座標軸」を用いて、サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」を検証してみた。
 少しだけ「これから」が見えてきた気分になった。

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 実生ヒガンバナ実験の現況を報告した。
 いずれもが「出葉」の季節となっていた。
 この実験によって、植物のアタリマエがいくつもわかってきた。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 11月オンライン「寅の日」のテーマは、アインシュタイン来日100年を記念して「寅彦とアインシュタイン」とした。
 寺田寅彦(1878.11.28生)とアインシュタイン(1879.3.14生)はまさに同時代人。
 寅彦はアインシュタインをどうみていたのだろう!?


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えからちょうど30週目であった。
 枯れ蓮の葉もなかなかの景である。
 
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サイエンスコミュニケーター宣言(434) #理科の部屋 #日本理科教育史 #現代理科教材発展史

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十月桜!!

 これが見たくて、久しぶりに「ひとり吟行」の距離をのばしてみた。
 これまでアタリマエに見えていた自然が、制限を受けることにより皮肉なことに
 新鮮に、かつ「発見」に充ちたものに見えてきた!!
 自然は「ふしぎ!?」がいっぱいだ!!

▼サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」確認の作業をつづけよう。
 次は第4の座標軸だ。

(4) あらたな理科教育コミュニティの構築!

 「あらたな」というコトバですぐさま思い出したのは寅彦のあのコトバだ。

自分は繰返して云いたい。新しい事はやがて古い事である。古い事はやがて新しい事である。(「科学上の骨董趣味と温故知新」寺田寅彦より)

 さらに我田引水風に言えば

ホンモノの「流行」は「不易」を内包する!!
ホンモノの「不易」は「流行」を創造する!!

 である。さらにさらに勝手な我田引水が許されるなら

 理科教育コミュニティ「不易流行」の答えのひとつは【理科の部屋】にある!!

 と言いたい。

▼最後の第5の座標軸に行く。

(5) 日本理科教育史を現在進行形のかたちでまとめる。

 関連して2つのプロジェクトに取り組んでいた。
 ひとつは

◆『「日本理科教育史」をプロットする!!』

 遠大なるプロジェクトであった。(少々「大風呂敷」!?)
 取り組みは間欠的で、きわめて遅々たるものとなっていた。ポンコツひとりの仕事としては限界があった。
 それは承知していた。
 しかし、この個人の小さな営みがツナガレバ、これまでに誰も書かなかった「日本理科教育史」が記録されるかもしれない。
 ちなみに、現在ここまで進んでいた。

●「日本理科教育史」をプロットする!!(51) #鉄と硫黄の化合実験 #大竹三郎 #理科教室 #理科実験法の再検討 #教材論
 

▼もうひとつのプロジェクトは次である。

◆『現代理科教材発展史』

 ●新・私の教材試論
 と関連して、まだまだ続けたいプロジェクトである。
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

 今日は何を「発見」できるかな。o(^o^)o ワクワク

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実生ヒガンバナ(2021年採集分)は今!!(2022/10/21) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼2021年に採集・回収した823個のヒガンバナの「種子」を使った実生実験!!
 前回の観察は2022/07/29であった。

●自然結実ヒガンバナの「種子」の発芽・発根は199個になった!!(2022/07/29)

 この段階で、すでに199個もが発芽・発根していた。
 「発芽・発根」のチェックはこれ以降おこなっていなかった。

▼今年の実生実験は、これまでと違って「発芽・発根」した場合も植木鉢に植え替えずにいた。
 育苗トレーのなかにそのままにしていた。
 なにしろ199個は多すぎた。
 これまでに「発芽・発根」したものは、根が地中にひっぱり込み、基本的に地上部から姿を消しているはずだった。
 そして、今 <葉の季節>!!

 「出葉」してきているハズだった!! 
 恐る恐る12個の育苗トレーのシェルター(フタ)をとった。

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▼見逃すことのないように、できるだけていねいに「出葉」をチェックしていった。
 アタリマエのことだが、初夏までに「発芽・発根」したものを中心にチェックしていった。
 群生地ごとに「出葉」しているものをカウントしてみた。

【安富】(出葉数7)
・総体的に「出葉」している葉は短い。
・最長でも7.0㎝である。

【夢前】(出葉数1)
・たったひとつだけ「出葉」!!
・それでも8.0㎝まで伸びていた。

【福崎】(出葉数19)
・圧倒的多さである!!
・集中して(採集日・回収日の近いモノ)、「出葉」しているところがある。示唆的デアル!!
・10㎝前後まで伸びたもの多数あり。
・最長は11.0㎝まで伸びていた。

【その他】(出葉数12)
・ここもまた集中して「出葉」している場所があった!!
・これは、「自然結実」ヒガンバナ花茎採取場所が同じであることも意味していた。
・最長は10.5㎝までのびていた。

●2022/10/21現在の「出葉」総合計=【安富】7+【夢前】1+【福崎】19+【その他】12=39

 「出葉」ははじまったばかりなのかも知れない。
 「出葉」の季節に合あわせて、育苗トレーのフタはとったままにしておいた!!

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▼現段階(2022/10/21)までの実生実験の経過をまとめておく。

●2022/03/15 2021年に採集・回収した823個の「種子」を使った実生実験を開始する!!

●2022/07/29現在、「発芽・発根」した種子の総合計199個である!!
 現段階の暫定発芽率は 199/823×100= 24.2%
 【安富】にいたっては 69/208×100= 33.1%

●2022/10/21現在、「出葉」まで達した種子の総合計39個である!!
 現段階の暫定出葉率は 39/823×100=4.7%
 「発芽・発根」したもののうちでは 39/199×100= 19.6% 

 これはあくまで暫定値である。
 これからの展開が楽しみである!!

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実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!(2022/10/20) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼昨日(2022/10/20)、2019年に「自然結実」ヒガンバナから採集・回収した530個の「種子」を使った実生ヒガンバナ実験の今を観察してみた。
 ここもやはり<葉の季節>が始まっていた。
 前回の観察(2020/04/27)から半年近くが過ぎていた。
 2年目の「出葉」していたものは、すべて完全に枯れて、地上部から完全に姿を消していた。
 そして、3年目の「出葉」がはじまっているのだった。
 
 定位置に置いたまま観察してみた。

▼まず【安富】【夢前】の鉢が置いてある場所だ。
 まわりの草、笹など、また八手の葉の枯れたモノが覆い被さろうとしていた。それらをとりのぞいて観察した。

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【安富】
・「出葉」している鉢はかわらず2つである。昨年度「出葉」していたものだ。(8.5㎝、7.0㎝)
・大きな鉢のモノひとつを加えていた。これは、育苗トレーを処理していてみつけたものだ。(9.0㎝)
・昨年度「出葉」していたものから、今年度も「出葉」してくるというのは、きわめて納得のいく話だった。

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【夢前】
・「出葉」している鉢は、昨年度とかわらず3つである。
・のびはじめたばかりだった。(12.0㎝、17.0㎝)
・一鉢は葉が2枚のびてきていた。(9.0㎝、14.0㎝)

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▼次は【福崎】である。

【福崎】
・「出葉」している鉢は昨年度と変わらず13鉢である。
・二枚の葉をのばしている鉢も4つもあった。
・複数枚の葉をのばしている一鉢ではすごいことが起こっていた。
 明らかに「分球」(球根が2つに分かれる)をしている!!
 それぞれに2枚の葉と3枚の葉が出てきていた。
・いちばんよく伸びた葉で16.0㎝に達していた。

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【その他】
・「出葉」している鉢はここも昨年度同じく3つあった。
・二枚の葉がでているものも2鉢あった。(14.0㎝、12.0㎝)(4.5㎝、5.0㎝)

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▼昨年度末まで「育苗プラグトレー」のままになっていたものについては、2022/03/08に植木鉢に植え替えていた。

【育苗トレー】から
・6鉢あった。
・5鉢までが「出葉」していた!!
・広いところに「引っ越し」したせいかずいぶん元気よくのびた鉢もあった。(17.0㎝、15.0㎝)

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結論として、「出葉」している鉢の数は27鉢である!!

現段階(2022/10/20)における3年目の「出葉」は27個である。

これまでをまとめると次のようになる。

【2019年採集分の実生実験】の現段階での結果(2022/10/20)

【2019年】 530個の「種子」採集・回収

【2020年】
・発芽率  140/530×100=26.4 %
・出葉率  54/140×100=38.6%
 全体で  54/530×100=10.6%

【2021年】
・2年目の出葉率 27/54×100=50.0%

【2022年】
・3年目の出葉率 27/54×100=50.0%

さて、このあとの展開は!?

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2022年11月のオンライン「寅の日」は #寅彦とアインシュタイン #traday #寺田寅彦

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▼いつも参照させてもらっている『寺田寅彦ー天然に育まれし眼差しー』(高知県立文学館)の「年譜」にちょうど100年前の1922年は次のように記してあった。

●一九二二(大正一一)年       四五歳(数え年)
 2月、志村の土地を紹介され見に行く。
 3月1日、阪井重季(夏子の父)死去(七七歳)。
 8月、海軍省から田丸卓郎とともに航空船に関する調査を嘱託される。
 11月17日、アインシュタイン来朝。
 弘田龍太郎にバイオリンを習い始める。

 そうだ!!この年、あのアインシュタインが日本にやって来たのである。
 1922(大正11)11月17日から12月29日までの43日間も日本に滞在し、全国10カ所で講演を行なったのである。

▼2022年11月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期がきていた。
 11月はアインシュタイン来日から、ちょうど100年!!
 同時代人である寅彦は、これをどう迎えたのだろう。そこで11月のテーマは次のようにしたい。

【11月テーマ】「寅彦とアインシュタイン」
 11月は2回あった。

■2022年11月オンライン「寅の日」!!
◆第331回オンライン「寅の日」 …11/09(水)
◆第332回オンライン「寅の日」 …11/21(月)

▼先の「年譜」に1922年の前年1921年に次のようなことが書かれていた。

●一九二一(大正一〇)年   四四歳
 10月 『改造』に「アインシュタイン」掲載。
 
 同じ年の7月にも『科学知識』に、上記と重なる部分もあるのだが、「アインシュタインの教育観」を発表していた。
 そこで、このふたつの随筆を読むこととしたい。

■2022年11月オンライン「寅の日」!!

◆第331回オンライン「寅の日」 …11/09(水)「アインシュタイン」(青空文庫より)

◆第332回オンライン「寅の日」 …11/21(月)「アインシュタインの教育観」(青空文庫より)

▼そんなこと今さら言ったら、しらけてしまうかも知れないが、私はずっと不思議でならなかった。
 今から100年も前の大正時代に、何故人々はかくも熱く「アインシュタイン」に夢中になったのだろう!?
 「科学」はそんなに身近にあったのだろうか!?
 「科学」と「社会」は!?
 正直言って、私はいまなお「アインシュタイン」の凄さがよくわかっていなかった。
 今回を機に少しでもわかりはじめるといいな!! 
 そんな願いを込めて、私的テーマは
 
 「寅彦とアインシュタインと私」

 さて、どうなることやら。

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サイエンスコミュニケーター宣言(433) #寅の日 #理科の授業 #煮干しの解剖 #静電気 #原子論

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スゴイ「遅れん坊」ヒガンバナが居た!!

 例年の「自然結実」ヒガンバナ群生地めぐりができなくて少しやきもきしていた。
 しかし、遠くに行けなくても、身近なところにもスゴイ 「遅れん坊」ヒガンバナをみつけた!!
 そいつは、なんと家の前のU字溝とコンクリート土手のわずかな隙間から花茎を伸ばしていた。
 と言うことは、その地下に球根(鱗茎)があることなる!!
 こんなところに葉が伸びていたかな!?
 これを見ていると、植物の生命の営み(個体維持・種族維持)は想像以上にたくましくフレキシブルに思えてくるのだった。
 
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▼サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」を確認する作業を続けよう。
 次の座標軸はこうだ。

(2) サイエンスイベント・ムーブメントに参画する。

 「参加」と「参画」は少しちがう。
 「参画」はより能動的「参加」を必要とした。
 いずれにしても、コロナ禍で2年半ばかりこれらも非常に困難な状況にある。
 ピンチはチャンス!!
 そんななかだからこそ、よりゆたかに定着してきたオンライン企画がある。

◆オンライン「寅の日」

◆オンライン句会「寅の日」

 オンライン「寅の日」は11年目に!!
 オンライン句会「寅の日」3年目に!!
 ますます面白い展開となってきた。

▼次は第3の座標軸だ。

(3) 中学校「理科」カリキュラム全課程実践的検討!!

 11年半の歩みのなかでもずっと確信を持ち続けていることがある。
 それは

・理科の授業はサイエンスコミュニケーションの最前線である!!
・理科教師は最前線のサイエンスコミュニケーターである!!

 ということである。とは言っても、授業現場から離れて久しくなりつつある。
 「授業」を想定しながら、あたらしいシリーズをはじめた。
 「○○を科学する」シリーズである。

◆私の「煮干しの解剖」教室(「煮干しの解剖」を科学する)

◆「静電気」を科学する

 いずれも実に楽しい作業だった。

▼現在進行形のシリーズもあった。

◆「原子論」を科学する

 「原子論」を科学する(1)~(49)まで来ていたが、まだまとめてページ化はしていなかった。
 原子論的物質観と私の「理科の授業」!!
 ページ化を急ぎたい。

(つづく)


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サイエンスコミュニケーター宣言(432) #道楽の科学 #共愉の科学 #サイエンスコミュニケーター #かがくカフェ

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▼糸瓜忌から1ヶ月が経とうとしていた。
 子規庵の糸瓜は、雨の中まだ花を咲かそうするものもあった。
 いつ収穫してもいい時期になっていたが、その作業をするにはちょっと無理が。
 動き再開のめどに
 子規庵の糸瓜(4年目)の収穫ということにしようと思う。

▼動きを停めているあいだに、久しぶりに「現在地」の確認をしておこう。
 「現在地」確認のための座標軸はいつもの5つだ。

(1) 道楽的「科学」・道楽的「理科」の追求!
(2) サイエンスイベント・ムーブメントに参画する。
(3) 中学校「理科」カリキュラム全課程実践的検討!!
(4) あらたな理科教育コミュニティの構築!
(5) 日本理科教育史を現在進行形のかたちでまとめる。

▼ひとつずついこう。

(1) 道楽的「科学」・道楽的「理科」の追求!

 
 「サイエンスコミュニケーター宣言」をはじめてから12年目。
 これまでの数々の「○○の科学」遍歴の結果、「現在地」はここにあると結論づけていた。

●「共愉の科学」(convivial science)!!

 誰もが共に愉しむ科学である。
 それが本来の科学の「すがた」であり「かたち」デアル!!

▼ その典型を私はファラデーラボの「かがく」カフェに見ていた。
 第1部も面白いが、とりわけその第2部のワイワイガヤガヤが大好きだ。
 リアル参加にはやく復帰したいものだ!!

(つづき)


 

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【Web更新10/16】22-42【ヒガンバナ情報2022】 等 更新!!

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柿の葉や多様性とはアリガタシ 22/10/14撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】22-42
週末定例更新のお知らせ
 自由に動きまわることのできない日々がつづく。
 こうなってはじめて痛切に感じる。

 無手勝流に動いて「ふしぎ!?」を追う。それが唯一の私の作風だったのだ!!

 と。なげいてばかりいてもはじまらない。
 可能なかぎりのことを汲み尽くそう!!
 あらたな作風が見えてくるかも知れないから。

◆表紙画像集2022 更新 柿の葉
 動きを停めてこそ、目に入る景がある。
 色づく柿の葉に「多様性」を見た!!
 ものごとが「多様性」を内包することはなんともうれしい!!
 アリガタシ!!

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 どうやらいつもの「ヒガンバナばっかり病」を発症しているようだ。
 今年は、自分で動きまわることのできない。その分、多くの人に「自然結実」ヒガンバナに出会って欲しい。
 そんな願いを込めて 未完ながら
 ●Webテキスト『ヒガンバナ』(2022年改訂版)試案
 を公開した。さて、どんな展開になるのか楽しみである。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 <科学読みもの>の金字塔「茶わんの湯」発表から100年!!
 これを機にまったくあらたな展開が生まれることを期待したい。
 
 
 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから29週目である。
 観察池は、これからは私の小さなビオトープ!!
 初霜、初氷、初雪等 観察のための標準池にもなる。
 さて、どんな展開が待っているだろう。

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本日(2022/10/16)、第329回オンライン「寅の日」!! #茶わんの湯 #traday #寺田寅彦

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▼100年前に生まれた科学読みものの金字塔『茶わんの湯』!!
 ほんとうの名作というものは、いろんな展開を見せてくれるものである。
 <科学絵本>という展開もなかなか興味深いものであった。
 
◆【お薦め本】『科学絵本 茶わんの湯』(文:寺田寅彦 解説:髙木隆司/川島禎子 絵:髙橋昌子 窮理舎)

 今、再び例の「朗読」を聴きながら、シロウトが勝手に<映像化>=「映画」という展開を妄想してみた。
 最新の映像技術を駆使したら、すごい「名作」が…!!

▼本日(2022/10/16)は、第329回オンライン「寅の日」である。
 10月オンライン「寅の日」は、「茶わんの湯」100年を記念してテーマを次のようにしていた。

【10月テーマ】「寅彦と茶わんの湯」

 である。「茶わんの湯」を2回に分けて読んでいる。
 本日はその2回目である。後半である。

◆本日(2022/10/16)は、第329回オンライン「寅の日」!!

●「茶わんの湯」(2)(青空文庫より)


▼今さら、文章修業をしたところで、こんな名文は書けるわけはない。
 わかってはいるが、自分で<科学読みもの>を書くときのヒントがあるかもしれない。
 そんな思いで、繰返し読んでみた。

 「科学」への誘い!!それがうまい!!

 白い茶わんにはいっている湯は、日陰で見ては別に変わった模様も何もありませんが、それを日向(ひなた)へ持ち出して直接に日光を当て、茶わんの底をよく見てごらんなさい。そこには妙なゆらゆらした光った線や薄暗い線が不規則な模様のようになって、それがゆるやかに動いているのに気がつくでしょう。これは夜電燈の光をあてて見ると、もっとよくあざやかに見えます。夕食のお膳(ぜん)の上でもやれますからよく見てごらんなさい。それもお湯がなるべく熱いほど模様がはっきりします。
 
と言われたら、やっぱり自分でやってみたくなるのである。
そして、その謎解きをやってみせてくれる。
そうなると、茶わんに接したところでは湯は冷えて重くなり、下のほうへ流れて底のほうへ向かって動きます。その反対に、茶わんのまん中のほうでは逆に上のほうへのぼって、表面からは外側に向かって流れる、だいたいそういうふうな循環が起こります。よく理科の書物なぞにある、ビーカーの底をアルコール・ランプで熱したときの水の流れと同じようなものになるわけです。これは湯の中に浮かんでいる、小さな糸くずなどの動くのを見ていても、いくらかわかるはずです。

こんなふうにして湯の表面には水の降りているところとのぼっているところとが方々にできます。従って湯の中までも、熱いところと割合にぬるいところとがいろいろに入り乱れてできて来ます。これに日光を当てると熱いところと冷たいところとの境で光が曲がるために、その光が一様にならず、むらになって茶わんの底を照らします。そのためにさきに言ったような模様が見えるのです。

 謎解きだけでは終わらせません。それを身近な自然現象につないで行きます。うまい!!

 日の当たった壁や屋根をすかして見ると、ちらちらしたものが見えることがあります。あの「かげろう」というものも、この茶わんの底の模様と同じようなものです。「かげろう」が立つのは、壁や屋根が熱せられると、それに接した空気が熱くなって膨脹してのぼる、そのときにできる気流のむらが光を折り曲げるためなのです。

 近ごろはまたそういう方法で、望遠鏡を使って空中の高いところの空気のむらを調べようとしている学者もいたようです。

▼さらに興味深い<発展>があります。

 次には熱い茶わんの湯の表面を日光にすかして見ると、湯の面に虹(にじ)の色のついた霧のようなものが一皮かぶさっており、それがちょうど亀裂(きれつ)のように縦横に破れて、そこだけが透明に見えます。この不思議な模様が何であるかということは、私の調べたところではまだあまりよくわかっていないらしい。しかしそれも前の温度のむらと何か関係のあることだけは確かでしょう

 湯が冷えるときにできる熱い冷たいむらがどうなるかということは、ただ茶わんのときだけの問題ではなく、たとえば湖水や海の水が冬になって表面から冷えて行くときにはどんな流れが起こるかというようなことにも関係して来ます。そうなるといろいろの実用上の問題と縁がつながって来ます。

「むら」をキーワードにして、どんどんダイナミックな展開になっていきます。
これと同じような気流の循環が、もっと大仕掛けに陸地と海との間に行なわれております。それはいわゆる海陸風と呼ばれているもので、昼間は海から陸へ、夜は反対に陸から海へ吹きます。少し高いところでは反対の風が吹いています。
 これと同じようなことが、山の頂きと谷との間にあって山谷風(さんこく)ふうと名づけられています。これがもういっそう大仕掛けになって、たとえばアジア大陸と太平洋との間に起こるとそれがいわゆる季節風(モンスーン)で、われわれが冬期に受ける北西の風と、夏期の南がかった風になるのです。

そして、最後はこうしめくくるのだ!!
 茶わんの湯のお話は、すればまだいくらでもありますが、今度はこれくらいにしておきましょう。

 「もっと続きが聞きたい!!」そんな思いにさせるのである!!
 さすがである!!

 最後にもう一度、誰か「茶わん湯」<映像化>してくれないかな!!


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実生ヒガンバナ(2019年以前分)は今!!(2022/10/14) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼ヒガンバナの「種子」から育ている実生ヒガンバナも<葉の季節>をむかえていた。

 前回の観察(2022/04/23)から半年近くが過ぎていた。
 前回枯れ始めていた葉は、完全に枯れ地上部から姿を消していたのだ。
 残念ながら<花の季節>をむかえることなく再び<葉の季節>に入っていたのだ。

 実生ヒガンバナ(2019年以前分)実験中の9つの鉢を明るいところに持ち出して観察してみた。

▼実生実験開始が古い順番に見て行く。

●2014年「種子」採集→2015年実生実験開始→植木鉢3つ

・「出葉」しているのは一鉢だけ。
・葉の数は前回と変わらず三枚!!
・葉の長さはほぼ12㎝、10㎝、6㎝ いま伸び始めたばかりのようだ!!

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▼次に行く。

●2016年「種子」採集→2017年実生実験開始→植木鉢3つ

・こちらも「出葉」しているのは一鉢だけ。
・葉の数も前回までとかわらず四枚!!
・葉の長さはまだまだ短い。こちらもまだはじまったばかりのようだ。
 11㎝、9㎝、4㎝、2㎝

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▼最後は2018年採集分だ。

●2018年「種子」採集→2019年実生実験開始→植木鉢3つ

・大きな変化があった!!「出葉」している鉢は一鉢だ。(Bのみ)
・「出葉」している葉の枚数は二枚だ!!
・二枚の葉は今、のびはじめたばかりのようだった!!
 6㎝、2㎝
・Aの鉢はどうなってしまったのだろう!?

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 ここまで観察してコヒガンバナ(2倍体)との違い歴然としている!!
 実感デアル!! でもあきらめない!!

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実生コヒガンバナは今!!(2022/10/13) #コヒガンバナ #二倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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▼コヒガンバナの「種子」から育てている実生コヒガンバナ実験にとって、今年は記念すべき年となった!!
 ついに「開花第1号」の報告があった年だから。

●ついに、あの実生コヒガンバナが開花!! #コヒガンバナ #コヒガンバナの種子 #2倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

●ついに、あの実生コヒガンバナが開花!! (続)#コヒガンバナ #コヒガンバナの種子 #2倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

▼私の手元に残っている16株は今どうなっただろう!?
 前回の観察は2022/04/29であった。
 そのときすでに枯れは始まっていた。
 その後、枯れはすすみ地上部から完全に姿を消した。
 しかし、残念ながら秋口になってそこから花茎が伸びてくる鉢はひとつもなかった。

 16鉢をいつも置いている場所から、明るいところ持ち出した!!
 もうすっかり<葉の季節>へとシフトしていた。
 「出葉」している葉の枚数にビックリだ。

 最高24枚もの葉を出しているものもあった!!

▼前回と同じく現在出ている葉の枚数によって分けてみると次のようになった。

【24枚】…1鉢
【18枚】…1鉢
【10枚】…1鉢
【8枚】 …2鉢
【7枚】 …2鉢
【6枚】 …1鉢
【5枚】 …2鉢
【4枚】 …5鉢
【2枚】 …1鉢

 24枚も出ている葉でも長いものは20㎝に達していた。
 葉の枚数は少ないが、32㎝までのばした葉がみられる鉢もあった。
 ならべて観察してみると圧巻であった!!

▼「来年こそ!!」の期待を抱かせてくれる景だった。
 ちょっと悩んでいること(課題)が2つある。

(1)鉢の置き場所の問題だ。
   これだけの葉をのばしてきているのだ。アタリマエに考えて日当りのよい場所の方がいいにきまっている。しかし、その場所が確保できない。「乾燥」に対する不安もある。
(2)根の問題。鉢の大きさ!?
   昨年(?)、背の高い大きな鉢にかえたばかりだった。でも、今回も移動させるとき根が切れる音がした。鉢の底からはけっこうの根がのびてきていた。さて、どうしよう!?

 悩み(課題)を克服して、このなかから「開花第2号」が生まれるだろうか。
 それを楽しみにして観察をつづけよう。
 
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Webテキスト『ヒガンバナ』(2022年改訂版)試案 #Webテキスト #日本ヒガンバナ学会

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私がはじめて「自然結実」ヒガンバナ群生地をみつけたのは2013.11.13であった。
 その同じ年の2013.09.01にWebテキスト『ヒガンバナ』を公開していた。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2013年版 2013.09.01解説版)


▼それから、9年の歳月が流れた。
 ヒガンバナの「種子」はアタリマエのように大量に採集・回収できるようになっていた。またその「種子」を用いての実生実験もすすんでいた。
 そこで、それらの取り組みをふまえて、このたび改訂版・試案を発表することにした。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2022年改訂版 2022.10.15)試案


▼まだ、<科学読みもの>『実生コヒガンバナ物語』等は検討中であり未完である。
 しかし、このWebテキストの主たるねらいは、私が9年間に取り組んできたことを、ひとりでも多くの人に自分自身で体験してもらいたいということにある。
 だから、そのためには「自然結実」ヒガンバナ探索の機をのがすことができなかった。
  
 一緒にやっぱり「ふしぎ!?」だね!!

 と言いたかったのだ。さらに、願わくばその「種子」を使っての実生実験をはじめてほしいと思ったからである。

▼いっぱい多様な「事例研究」があがってくれば、そこからほんとうの「科学」研究がはじまる。
 
「日本のヒガンバナに、今 何が起こっているのか!?」の謎解きがはじまる!!

 さてさて、どんな展開が待っているだろう!?
 楽しみだ!!

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (15) #ヒガンバナの歴史 #ヒガンバナの参考文献 #ヒガンバナの博物誌 #Webテキスト試案 #日本ヒガンバナ学会

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▼たしかにその子房部は朝露に濡れながら膨らもうとしていた!!
 これぞ「自然結実」だ!!

 しかし、「自然結実」探索本番は今ではない!!
 今もたしかに見つけることは可能であるが、なかなか至難の業である。
 このあと10~20日ばかり後に、そこを観察すればほとんどの花茎は、枯れて倒れてしまっているだろう。しかし、「自然結実」した花茎だけは凜として直立しているのである。
 だから「自然結実」探索は、いとも簡単である。
 
 できるだけ多くの人から「自然結実」の報告を聞くことこそWebテキスト『ヒガンバナ』改訂版・更新のねらいだった!!

▼ 続けよう。

Ⅲ もっと知ろう!「ヒガンバナ」のこと!!

ここも、ほとんどこれまでと同じとしたい。

▼ そして【参考文献・Webページ等】である。

***********************************************
【参考文献・Webページ等】

(1) 『ヒガンバナの博物誌』(栗田子郎著 研成社 1998.9.1)

(2) 「ヒガンバナの民俗・文化誌」Ⅰ~Ⅵ (1)の抜粋+追補

(3) 『人の暮らしに密着するヒガンバナ』 楠田 純一
(会報「自然保護」2011年3・4月号/発行:日本自然保護協会)

(4) ヒガンバナ情報2022
   (1998年~2022年まで毎年あり)

(5) 『日本ヒガンバナ学会』(07/09/23 (日)発足)

(6) 『日本のひがんばな』(松江 幸雄著 文化出版局1990.9.10)

(7) 『ひがんばな~妖艶な花のすべて~』(松江 幸雄著 1985.8.20)

(8) 『ヒガンバナが日本に来た道』(有薗 正一郎著 海青社 1998.9.30)

(9) 『ヒガンバナの履歴書』(有薗 正一郎著 愛知大学総合郷土研究所ブックレット あるむ 2001.3.31)

(10) 『日本植物方言集成』(八坂書房[編] 2001.2.28)

(11) 『ことばのとびら』「彼岸花」(都染 直也著 神戸新聞総合出版センター 2006.12.16)

(12) 「ヒガンバナの繁殖~32年目の株を掘る~」(松江幸雄 『遺伝』裳華房VOL51NO.4 1997.4.1)

(13)『ヒガンバナ(曼珠沙華)と日本人 ~日本人の曼珠沙華との交流~』( 樽本 勲 著MyISBN - デザインエッグ社 2018.3.13)

(14) 「夏期の気温上昇がヒガンバナの開花に及ぼす影響」(重藤大地 中島敦司 山本将功)

(15) 「ヒガンバナの稔性と発芽について」(瀬戸 良久・武市 早苗・中嶋 克行 神奈川自然誌資料 2011)

***********************************************

 このページについては、常時更新して「最新情報」とつながるようにしたい。

▼このWebテキスト『ヒガンバナ』の取り組みは、多くの人のヒガンバナに関する情報交換を加速することをねらいとしている。
 
多くの事例研究のデータが蓄積されてこそ、ヒガンバナの「ふしぎ!?」は「科学」となる!!
「日本ヒガンバナ学会」をみんなで育てよう!!

以上で「2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!?」のシリーズはいったん終えることとする。

(了)
 
 

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (14) #葉の季節 #植物ヒガンバナ #ヒガンバナの種子 #ヒガンバナの実生実験 #Webテキスト試案 #日本ヒガンバナ学会

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植物「ヒガンバナ」は<花の季節>から、<葉の季節>へとシフトしようとしていた!!
  
 花茎の足元を見ると<花の季節>を追い立てるように緑の葉が元気よくのびてきていた。
 よく見ると、花茎の足元だけではなかった。
 今年は花茎をのばすにいたらなかった球根(鱗茎)が、地下に眠っていることがわかる。
 そこからも元気いっぱいに葉がたくさん出ていた。
 緑の葉で光をいっぱい受けて、栄養をつくりだす<葉の季節>に移ろうとしているのだった。
 植物「ヒガンバナ」の観察は今からが本番だ!!

▼いよいよテキスト試案をひとまず発表しておこう。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』試案(2022年版 2022.10.15試案)

Ⅰ ヒガンバナの「ふしぎ!?」
Ⅱ どうやって殖えるのか?
Ⅲ もっと知ろう!「ヒガンバナ」のこと!!
【参考文献・Webページ等】

「表紙」は、ほぼこれまでと同じである。
3部構成にすることも同じ。

▼第Ⅰ部「ヒガンバナの「「ふしぎ!?」」は、これまでとほぼ同じにした。

Ⅰ ヒガンバナの「ふしぎ!?」

 画像などについても「解説」と同じものを使うことにする。

▼何と言っても大幅に改訂更新するのは第Ⅱ部「どうやって殖えるのか?」である。

***********************************************
Ⅱ どうやって殖えるのか?

(1) ヒガンバナの花のつくりを観察してみよう。
   おしべ めしべ 花びら 子房など


(2) みごとな花を咲かせるヒガンバナですが、日本のヒガンバナは種子をつくらない ことが知られています。(3倍体)
 では、どうして仲間を殖やすのでしょうか?  


(3)球根(鱗茎)の分裂のみでふえるのであれば、日本のヒガンバナはすべてクローンであることになります。
 あなたの観察したヒガンバナはどうやってそこにやってきたのだろう?考えてみよう。
 そのヒガンバナの「物語」をつくってみよう。
 例:校庭のヒガンバナ  


(4) ヒガンバナの研究者である松江幸雄先生が、ヒガンバナの球根が分かれていく様子を32年間かけて調べました。調べた結果1個の球根は32年目に何個ぐらいになったでしょう。
 ア  10個ぐらい
 イ  50個ぐらい
 ウ 100個ぐらい
  エ  500個ぐらい
 オ 1000個ぐらい

1 個の球根が32年目に926球へ

※「ヒガンバナの繁殖~32年目の株を掘る~」(松江幸雄 『遺伝』裳華房VOL51NO.4)より

(5) 日本のヒガンバナはほんとうに種子をつくることはまれにもないのでしょうか。
  花が咲いた後のヒガンバナをよく観察してみよう。
  もしみつけたら報告しあおう!!  

(6) もしも種子をみつけたら「発芽」させてみよう。


【発展研究】

【Step1】「種子」を手に入れる。
(1) お彼岸の前後にビカンバナが群生しているところをみつけておく。候補地はできるだけ自宅から近くで複数がよい。(9月中下旬~10月上旬)

(2) 「自然結実」している花茎を採集する。花は萎れ葉が目立ちはじめ頃、「自然結
実」した花茎だけは最後まで直立していることが多く目立つ。(10月中旬~11月中旬)

(3) 採集した花茎を「水栽培」する。ペットボトル、海苔の瓶などに水を入れ、花茎を挿して置く。

(4) 子房部が割れ、黒い完熟「種子」が見えてきたら注意深く観察し、落下したら回収する。(11月中旬~12月上旬)


【Step2】「種子」を保存する。

(5) 「種子」を1個ずつチャック付きナイロン袋(12 × 7 ㎝)に入れる。袋には採集場所、花茎採集日、「種子」回収日をマジックで記入しておく。(11月中旬~12月上旬)

(6) すべての「種子」が回収し終わったら、ナイロン袋をケースに入れ、冷蔵庫で保存する。(12月中旬~)


【Step3】「種子」を発芽・発根させる。

(7) 保存して置いた「種子」を冷蔵庫から出してくる。(2月~3月中旬)
(8) 「種子」を一粒ずつ「タネまき土ポット」(市販品)にまく。そのとき採集場所、花茎採集日、種子回収日の記録されたナイロン袋は工夫をしてつけておく。
 ポットを入れる容器は、プリンの空容器等を工夫する。
(発芽、発根だけであれば適当な容器に濡れたティシュを敷いて床としても可)
(9) 発芽・発根を観察する。(~5月中旬 もっと遅くなる場合もある)

(※採集・回収した「種子」の個数により実生実験の方法は工夫してみる。多数の場合は、育苗プラグトレー、培養土(市販のもの)も検討してみる。)


【Step4】植木鉢に植え替える。

(10) 発芽してから、小さな鱗茎がふくらみ緑の部分が消えかかるまで観察して、土ポットごと植木鉢に植え替える。使用する土は市販の「花・野菜栽培用土」で可。(~6月中旬)

(※最初から、植木鉢、育苗プラグトレー、プランタン等で培養土を用いて実生実験をやっている場合は、このステップは省略可。ただし観察だけはしっかりやっておく。)


【Step5】「出葉」を観察する。

(11) 植木鉢の土のなかから葉が出てくるのを観察する。(9月中旬~)

(12)翌年の春、葉が枯れるまで観察する。

※もしその年に「出葉」しなくても植木鉢はそのままにしておく。


【Step6】花茎がのびてきて花が咲くのを待つ。

(13) 【Step5】の「出葉」観察を何年間か繰り返し、花茎がのびてくるのを待つ。

(14) 花茎がのびてきて開花すれば、実生実験は成功!! \(^O^)/

以上である。
※これまでに何年かかるだろう!?


●この「実生実験」から<わかったこと>をまとめておこう。


※<わかったこと>の情報を多くの人と共有しよう。
 途中の段階でも情報を共有していこう!!きっとそれが次なる自分の研究に役立つだろう。

 情報は発信するところに集まる!!


***********************************************
<科学読みもの>

◆「実生コヒガンバナ物語」
・「種子」をアタリマエにつくるコヒガンバナ!!
・この「種子」を蒔いたらほんとうに花が咲くようになるかな!?
・「発芽率」は!? 
・「出葉率」は!?
・コヒガンバナはほんとうに2倍体だ!!
・2倍体と3倍体のちがいは!?
・日本のふつうのヒガンバナとどこがちがうの?
・花が咲いたら、また「種子」をつくるのかな!?

***********************************************
***********************************************

 未整理・未完了の部分も多々あるが、このまま発表してしまおと思う。
 あとは、使いながら更新をすればいいかな!!

(つづく) 

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【Web更新10/09】22-41【ヒガンバナ情報2022】 等 更新!!

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溝蕎麦やそろりそろりの歩みなり 22/10/08撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】22-41
週末定例更新のお知らせ
 動ける範囲が限られている。
 そうなって、はじめて痛切に感ずる
 私は無手勝流で、動きながら学んできたのだ!!
 と。

◆表紙画像集2022 更新 溝蕎麦
 ひとり吟行をそろりそろりと再開してみた。
 川ぶちの溝蕎麦に誘われて
 季節はどこまでも律儀に前にすすんでいた!!

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 これまでの歩みを集約して、Webテキスト『ヒガンバナ』(改訂版)試案の検討をつづけている。
 「自然結実」ヒガンバナの探索までに、なんとか間に合わせたいものだ。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 ちょうど100年前に発表された科学読みものの金字塔『茶わんの湯』を読むのが今月のテーマである。
 読めば読むほどiあらたな「発見」があるというは、名作中の名作であるが故だろう。
 「朗読」を聴きながら、読むというのもなかなか面白い!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから28週目である。
 枯れ蓮が目立ってきた。
 これはまたこれで、なかなか味わい深いものである。

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (13) #ヒガンバナの歴史 #シロバナヒガンバナ #リコリスの仲間 #ヒガンバナの博物誌 #Webテキスト試案 #日本ヒガンバナ学会

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▼Webテキスト『ヒガンバナ』(改訂版)の試案をつづけよう。
 次はⅢと【参考文献・Webページ等】だった。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』
Ⅲ もっと知ろう!「ヒガンバナ」のこと!!
【参考文献・Webページ等】

▼Ⅲ部の課題については

***********************************************

(1)ヒガンバナはいつごろ、どこから、どのようにして日本にやってきたのだろう。


(2)シロバナヒガンバナをみつけてみよう。
  赤い色をしたヒガンバナとどこがちがうだろう。
  他の色をしたヒガンバナはあるだろうか。


(3)昔の人たちはヒガンバナとどうつき合ってきたのだろう?
  これからはどうだろう?


***********************************************
 
「これから」もみんなで一緒にわいわいとやりながら学んでいくと言うことでこのままにしておきたい。

▼次は【参考文献・Webページ等】である。

***********************************************
【参考文献・Webページ等】

(1) 『ヒガンバナの博物誌』(栗田子郎著 研成社 1998.9.1)

(2) 「ヒガンバナの民俗・文化誌」Ⅰ~Ⅵ (1)の抜粋+追補

(3) 『人の暮らしに密着するヒガンバナ』 楠田 純一
(会報「自然保護」2011年3・4月号/発行:日本自然保護協会

(4) ヒガンバナ情報2022
   (1998年~2022年まで毎年あり)

(5) 『日本ヒガンバナ学会』(07/09/23 (日)発足)

(6) 『日本のひがんばな』(松江 幸雄著 文化出版局1990.9.10)

(7) 『ひがんばな~妖艶な花のすべて~』(松江 幸雄著 1985.8.20)

(8) 『ヒガンバナが日本に来た道』(有薗 正一郎著 海青社 1998.9.30)

(9) 『ヒガンバナの履歴書』(有薗 正一郎著 愛知大学総合郷土研究所ブックレット あるむ 2001.3.31)

(10) 『日本植物方言集成』(八坂書房[編] 2001.2.28)

(11) 『ことばのとびら』「彼岸花」(都染 直也著 神戸新聞総合出版センター 2006.12.16)

(12) 「ヒガンバナの繁殖~32年目の株を掘る~」(松江幸雄 『遺伝』裳華房VOL51NO.4 1997.4.1)

(13)『ヒガンバナ(曼珠沙華)と日本人 ~日本人の曼珠沙華との交流~』( 樽本 勲 著MyISBN - デザインエッグ社 2018.3.13)

(14) 「夏期の気温上昇がヒガンバナの開花に及ぼす影響」(重藤大地 中島敦司 山本将功)

(15) 「ヒガンバナの稔性と発芽について」(瀬戸 良久・武市 早苗・中嶋 克行 神奈川自然誌資料 2011)

***********************************************

 参考文献として追加した 『ヒガンバナ(曼珠沙華)と日本人 ~日本人の曼珠沙華との交流~』( 樽本 勲 著MyISBN - デザインエッグ社 2018.3.13) は、ヒガンバナが日本にやってきた歴史についても、とても興味深い知見を与えてくれる。
 Webページで現在リンク切れになっているものもあるが、機会があればつながることもあるとおもうのでこのままあげておく。
 これらについても、テキスト更新をきっかけに情報交換ができればと思っている。
 特に(2)は、ぜひぜひ復活してほしいものだ。

▼テキスト改訂版の更新ができれば、いちばん目を通していただきコメント・アドバイスをいただきたいと思っていた人がいた。
 参考文献のトップにあげている『ヒガンバナの博物誌』(栗田子郎著 研成社 1998.9.1)の著者・栗田子郎先生である。
 その栗田先生は、哀しく残念なことに2019.8.22に亡くなった。
 ヒガンバナ研究の第一人者である栗田先生は、シロウト研究の私たちにもいつもていねいなあたたかいコトバをかけてくださった。このblogにもいくつかのコメントをくだっさっていた。それは、貴重な私の宝ものである。
 「これから」も栗田先生からのレスポンスを意識しながら更新をつづけたい。

(つづく)

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (12) #科学読みもの #実生コヒガンバナ物語 #2倍体 #Webテキスト試案 #日本ヒガンバナ学会

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▼Webテキスト『ヒガンバナ』(改訂版)の試案をつづけよう。
 この改訂版にぜひとも入れておきたい<科学読みもの>があった。
 それが

◆<科学読みもの>「実生コヒガンバナ物語」

 である。

▼この「物語」は、今から8年前の秋にはじまる。
 アタリマエにできるはずの2倍体であるコヒガンバナの「種子」を探していた。
 そして、ついに手に入れたのである!!

●コヒガンバナの種子を手に入れた。\(^o^)/ #higanbana(2014/10/26)

 この「日曜会」で「おすそ分け」してもらったコヒガンバナの「種子」は、なんと51個!!
 
▼とてもうれしくなった私は、翌年(2015年)の春から、51個の「種子」を使って実生実験に挑戦することにした。
 方法はまったくの無手勝流!!
 まずは発芽実験である。
 そしたら、ほんとうに次々と「発芽」してきたのだ。

●ヒガンバナの仲間たちの実生は…!? #ヒガンバナ(2015/04/28)

 そして、なんと最終的に49個の種子が「発芽」したのである。
 発芽率=49/51×100=97.6% !!
 さすが2倍体である。
 
 さらに驚くことがあった。春に「発芽」したものを土の中に眠らせた。
 そして、秋をむかえた。今度は土の中から葉が出てきたのである。 

●実生「コヒガンバナ」物語の今!! #ヒガンバナ(2015/10/06) 

 そして、最終的に「出葉」してきたのは41個であった。
 出葉率=41/49×100=83.7%
 51個の「種子」から「出葉」まで辿りついた率でいくと
 出葉率=41/51×100=80.3%
 である。

 ほんとうにコヒガンバナは2倍体だ!!
 このアタリマエがむしょうにうれしかった。

▼気をよくした私は、2015年末から面白いプロジェクトをはじめた!!

◆「実生コヒガンバナを咲かせよう!!」プロジェクト

 である。今度は私の方から「出葉」したコヒガンバナの株の「おすそ分け」して、より多くの人に育ててもらおうというプロジェクトである。
 もちろん最初にこの「種子」を「おすそ分け」してもらった本家本元の吉田小恵子さんのところにも2株行っていた!!
 そのうちの1株に開花がはじまったのである。(2022/09/06)
 ちなみにこの開花情報が実生コヒガンバナ開花情報第1号だった!!

▼実生コヒガンバナの実験は、実生ヒガンバナ実験にたくさんのヒントと勇気を与えてくれた。 このプロセスをなんとしても<科学読みもの>に入れておきたかった。

***********************************************
<科学読みもの>

◆「実生コヒガンバナ物語」
・「種子」をアタリマエにつくるコヒガンバナ!!
・この「種子」を蒔いたらほんとうに花が咲くようになるかな!?
・「発芽率」は!? 
・「出葉率」は!?
・コヒガンバナはほんとうに2倍体だ!!
・2倍体と3倍体のちがいは!?
・日本のふつうのヒガンバナとどこがちがうの?
・花が咲いたら、また「種子」をつくるのかな!?

***********************************************

 まだアウトラインしか考えていなかった。
 どんなストーリーで展開すればより興味深い<科学読みもの>になるのかな。
絵本風の<読みもの>にならないかな!?
 今度の改訂に間に合わないもしれない。でもやっぱ載せたいな!!

(つづく)

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【2022/09/08 吉田小恵子さん撮影】


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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (11) #種子の発芽と発根 #出葉 #ヒガンバナの実生実験 #Webテキスト試案 #日本ヒガンバナ学会

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▼ヒガンバナの実生実験にはじめて気づいたことがある。
 
ヒガンバナの「種子」の「発芽・発根」と「出葉」とは時期がちがう!!

 ということだ。考えてみればアタリマエのこと!!
 ここに植物「ヒガンバナ」の一年をかけたみごとな「戦略」の秘密がかくされていたのだ。
 春~初夏にかけて「発芽・発根」したヒガンバナは、いったん土中に根がひっぱり込むようにして、地上部から姿を消すのだった。
 そして、<葉の季節>になって地上部に葉が顔をだすのだった。(「出葉」)

▼Webテキスト改訂試案をつづける。

***********************************************
【Step5】「出葉」を観察する

(11) 植木鉢の土のなかから葉が出てくるのを観察する。(9月中旬~)

(12)翌年の春、葉が枯れるまで観察する。

※もしその年に「出葉」しなくても植木鉢はそのままにしておく。

***********************************************

 何年も何年もこれを繰り返すのである。

▼そして、いよいよ最終ステップである。

***********************************************
【Step6】花茎がのびてきて花が咲くのを待つ。

(13) 【Step5】の「出葉」観察を何年間か繰り返し、花茎がのびてくるのを待つ。

(14) 花茎がのびてきて開花すれば、実生実験は成功!! \(^O^)/

以上である。
※これまでに何年かかるだろう!?
 
***********************************************

 私自身の実生実験の「現在地」はここにある。

●実生ヒガンバナ(2019年以前分)は今!!(2022/04/23) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

●実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!(2022/04/27) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

▼そして、【発展研究】の最後には、この実生実験から<わかったこと>を書き込む欄をもうけておこう。<わかったこと>の情報交換も呼びかけておこう。

***********************************************
●この「実生実験」から<わかったこと>をまとめておこう。



※<わかったこと>の情報を多くの人と共有しよう。
 途中の段階でも情報を共有していこう!!きっとそれが次なる自分の研究に役立つだろう。

 情報は発信するところに集まる!!

***********************************************


 「日本のヒガンバナに今 何が起こっているのか!?」の謎解きは、多くの人のビガンバナ実生実験の結果を共有するところから、さらに深められるだろう。
 そのためにWebテキスト『ヒガンバナ』試案が役に立てばうれしい。

(つづく)

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (10) #ヒガンバナの種子 #種子のの保存 #ヒガンバナの実生実験 #種子の発芽 #Webテキスト試案 #日本ヒガンバナ学会

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▼Webテキスト『ヒガンバナ』の改訂作業をつづけよう。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2013年版 2013.09.01解説版)
Ⅱ どうやって殖えるのか?
【発展研究】
 ここまでで「自然結実」花茎をみつけることができず、「種子」をみつけることができなければ、次のステップにつながらない。
 今年がダメなら来年にも再度挑戦してみてほしい。場所をかえて何度でも!!
 一度みつけたら、びっくりするほど何度でもみつけるようになるものである。
 これは体験的実感デアル!!

●2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (2) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会

 この段階で、情報を共有したいものである。
 誰かが「見つけたゾ」といえば、ナラバ きっと「私も…!!」となる。
 これはマチガイナイ!!
 ここでも

 情報は発信するところに集まる!!

▼Webテキスト改訂試案をつづける。

***********************************************
【Step2】「種子」を保存する。

(5) 「種子」を1個ずつチャック付きナイロン袋(12 × 7 ㎝)に入れる。袋には採集場所、花茎採集日、「種子」回収日をマジックで記入しておく。(11月中旬~12月上旬)

(6) すべての「種子」が回収し終わったら、ナイロン袋をケースに入れ、冷蔵庫で保存する。(12月中旬~)

***********************************************
 繰返し言っておきたい。
 これが必ずしもベストの保存方法とは思っていない。
 カビ被害等を克服しての現在の「到達地点」である。
 みんなで取り組むうちに改良されればうれしい。

▼ここが、ヒガンバナ実生実験のいちばん大切なところである。

***********************************************
【Step3】「種子」を発芽・発根させる。

(7) 保存して置いた「種子」を冷蔵庫から出してくる。(2月~3月中旬)
(8) 「種子」を一粒ずつ「タネまき土ポット」(市販品)にまく。そのとき採集場所、花茎採集日、種子回収日の記録されたナイロン袋は工夫をしてつけておく。
 ポットを入れる容器は、プリンの空容器等を工夫する。
(発芽、発根だけであれば適当な容器に濡れたティシュを敷いて床としても可)
(9) 発芽・発根を観察する。(~5月中旬 もっと遅くなる場合もある)

(※採集・回収した「種子」の個数により実生実験の方法は工夫してみる。多数の場合は、育苗プラグトレー、培養土(市販のもの)も検討してみる。)

***********************************************

 実際に多くの人の実践事例が出てくれば、いろんな実験方法が開発されてくるだろう。
 誰もが簡単に家で取り組める方法がいいナ!!

▼次のステップに行こう。

***********************************************
【Step4】植木鉢に植え替える。

(10) 発芽してから、小さな鱗茎がふくらみ緑の部分が消えかかるまで観察して、土ポットごと植木鉢に植え替える。使用する土は市販の「花・野菜栽培用土」で可。(~6月中旬)

(※最初から、植木鉢、育苗プラグトレー、プランタン等で培養土を用いて実生実験をやっている場合は、このステップは省略可。ただし観察だけはしっかりやっておく。)

***********************************************

 鱗茎(球根)が、どんどんふくらんでいく様子を観察するのは感動デアル!!
 光合成は偉大ナリ!!

(つづく)

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (9) #自然結実 #ヒガンバナの種子 #花茎の水栽培 #Webテキスト試案 #日本ヒガンバナ学会

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▼今、ビカンバナは<花の季節>から<葉の季節>にシフトしようとしている。

 植物「ヒガンバナ」の観察・研究は今からが本番デアル!!

 それは、長年ヒガンバナの「ふしぎ!?」を追いかけてきての私の確信であった。
 
▼今年は事情あって、自分自身が動けない状況にある。
 その分、どうしてもWebテキスト『ヒガンバナ』の改訂を急ぎたかった。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2013年版 2013.09.01解説版)

 のなかでも、とりわけ

Ⅱ どうやって殖えるのか?

***********************************************

(5) 日本のヒガンバナはほんとうに種子をつくることはまれにもないのでしょうか。
  花が咲いた後のヒガンバナをよく観察してみよう。
  もしみつけたら報告しあおう!!  

(6) もしも種子をみつけたら「発芽」させてみよう。

***********************************************

ここに焦点をあて【発展研究】として試案をつくりたかった。

▼具体的にはこのように

***********************************************
【発展研究】

【Step1】「種子」を手に入れる。
(1) お彼岸の前後にビカンバナが群生しているところをみつけておく。候補地はできるだけ自宅から近くで複数がよい。(9月中下旬~10月上旬)

(2) 「自然結実」している花茎を採集する。花は萎れ葉が目立ちはじめ頃、「自然結
実」した花茎だけは最後まで直立していることが多く目立つ。(10月中旬~11月中旬)


▼ここまでで簡単にあきらめない!!
 必ずあるはずだ!!の確信が秘訣だ!!

(3) 採集した花茎を「水栽培」する。ペットボトル、海苔の瓶などに水を入れ、花茎を挿して置く。

(4) 子房部が割れ、黒い完熟「種子」が見えてきたら注意深く観察し、落下したら回収する。(11月中旬~12月上旬)

***********************************************

 まずはこの「挑戦」である。
「候補地」をきめるのは 今 デアル!!

(つづく)

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本日(2022/10/04)、第328回オンライン「寅の日」!! #茶わんの湯 #traday #寺田寅彦

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▼私の「土佐の寅彦」詣の定番スポットのひとつに
◆高知県立文学館
 がある。今、たいへん興味深い企画展が開催されている。
●「寺田寅彦「茶わんの湯」100年 ふしぎいろいろ展」(2022年9/17~11/20)
 さらにうれしい情報がある。
 寺田寅彦の「茶わんの湯」をはじめとする4つの随筆の「朗読」が今すぐにでも聴けることだ!!
 「茶わんの湯」を聴かせてもらった。スバラシイ\(^O^)/
 「朗読」だけでなく、次々とかわる工夫された画像は内容をうんと深めてくれる!!
 オンライン「寅の日」参加者 はぜひぜひ聴いてみてください !!

▼本日(2022/10/04)は、第328回オンライン「寅の日」である。
 10月オンライン「寅の日」も、高知県立文学館にならって、「茶わんの湯」100年を記念してテーマを次のようにしていた。

【10月テーマ】「寅彦と茶わんの湯」

 である。まずは「茶わんの湯」を2回に分けて読む。
 本日はその1回目である。

◆本日(2022/10/04)、第328回オンライン「寅の日」!!

●「茶わんの湯」(1)(青空文庫より)


100年の時空を越えた 科学読み物の金字塔「茶わんの湯」!!
 高知県立文学館の「朗読」を聴かせてもらいながら、あらためてこれを実感した。
 実にうまい!!
 「科学読み物」はかくあるべき!! を教えてくれているようだった。

 私の引用など「蛇足」にすぎないが、「うまい!!」と感心したところだけピックアップしてみる。

 ここに茶わんが一つあります。中には熱い湯がいっぱいはいっております。ただそれだけではなんのおもしろみもなく不思議もないようですが、よく気をつけて見ていると、だんだんにいろいろの微細なことが目につき、さまざまの疑問が起こって来るはずです。ただ一ぱいのこの湯でも、自然の現象を観察し研究することの好きな人には、なかなかおもしろい見物(みもの)です。
このイントロダクション実にうまい!! 「ねえ君、不思議だと思いませんか?」と聞こえてきそうだ!!

 続けよう。

 第一に、湯の面からは白い湯げが立っています。これはいうまでもなく、熱い水蒸気が冷えて、小さな滴になったのが無数に群がっているので、ちょうど雲や霧と同じようなものです。

 すべて全く透明なガス体の蒸気が滴になる際には、必ず何かその滴の心(しん)になるものがあって、そのまわりに蒸気が凝ってくっつくので、もしそういう心(しん)がなかったら、霧は容易にできないということが学者の研究でわかって来ました。
 
 茶わんから上がる湯げをよく見ると、湯が熱いかぬるいかが、おおよそわかります。締め切った室(へや)で、人の動き回らないときだとことによくわかります。熱い湯ですと湯げの温度が高くて、周囲の空気に比べてよけいに軽いために、どんどん盛んに立ちのぼります。反対に湯がぬるいと勢いが弱いわけです。湯の温度を計る寒暖計があるなら、いろいろ自分でためしてみるとおもしろいでしょう。

いつの間にやら「科学」に誘われてしまうのだった!!

▼さらに話は、次の展開を見せる。

 次に湯げが上がるときにはいろいろの渦(うず)ができます。これがまたよく見ているとなかなかおもしろいものです。線香の煙でもなんでも、煙の出るところからいくらかの高さまではまっすぐに上りますが、それ以上は煙がゆらゆらして、いくつもの渦(うず)になり、それがだんだんに広がり入り乱れて、しまいに見えなくなってしまいます。茶わんの湯げなどの場合だと、もう茶わんのすぐ上から大きく渦ができて、それがかなり早く回りながら上って行きます。

 ついつい自分の眼でも確かめてみたくなる!!
 茶わんの上や、庭先で起こる渦のようなもので、もっと大仕掛けなものがあります。それは雷雨のときに空中に起こっている大きな渦です。陸地の上のどこかの一地方が日光のために特別にあたためられると、そこだけは地面から蒸発する水蒸気が特に多くなります。そういう地方のそばに、割合に冷たい空気におおわれた地方がありますと、前に言った地方の、暖かい空気が上がって行くあとへ、入り代わりにまわりの冷たい空気が下から吹き込んで来て、大きな渦ができます。そして雹(ひょう)がふったり雷が鳴ったりします。

 そして、それはやがて「大気の物理学実験室」の話へとツナガッテいくのだった。
 さらにこう言いきるのだった。
しかしまた見方によっては、茶わんの湯とこうした雷雨とはよほどよく似たものと思ってもさしつかえありません。

ちょっと見ただけではまるで関係のないような事がらが、原理の上からはお互いによく似たものに見えるという一つの例に、雷をあげてみたのです。

 「湯げ」の話だけで、ここまで展開されるのだから面白い!!
 あとがますます楽しみである。

 ぜひぜひあなたも高知県立文学館の「朗読」を聴いてみてください。
 きっとあらたな「発見」があると思いますよ。

(つづく)

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【Web更新10/02】22-40【ヒガンバナ情報2022】 等 更新!!

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小紫祭りの太鼓ゆらしけり 22/10/01撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-40
週末定例更新のお知らせ
 10月最初の週末定例更新のお知らせである。
 年度で言えば、後半のスタートである。
 
 昨日、前の田の「稲刈り」が終わった!!
 ステージがかわった。それは確かデアル!!
 しかし、次なる「展望」は描けないでいる。
 足元をじっとみつめる!!

◆表紙画像集2022 更新 コムラサキ・小紫
 もう何年になるだろう。
 ホームセンターで気まぐれに買った「苗木」は、大きく大きく生長してきた。
 コムラサキの実は、今年もたわわに実った!!
 枝は道にまでのびている。
 3年ぶりの秋祭りの太鼓の響きが、コムラサキの枝をゆっくりゆらすだろう。

◆【ビカンバナ情報2022】 更新!!
 2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? のシリーズの究極のねらいは、Webテキスト『ヒガンバナ』の改訂にある。
 改訂作業をいっきょにすすめることができなくても、「試案」の発表まではこぎ着けたい。
 さあ 植物「ヒガンバナ」の観察は、いよいよ今からが本番だ!!

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!?
 今回も「雲見」と俳句「歳時記」の更新だけデアル!!
 こちらのWebテキスト「試案」5つも活用の機会をねらっている。
 少しあせる気持ちがある。しかし
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 10月テーマは、「寅彦と茶わんの湯」デアル!!
 100年前に書かれた科学読み物の金字塔「茶わんの湯」!!
 読めば読むほど面白い!!
 「これから」の科学読み物のヒントもかならずココにあるハズ!!


  大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから27週目であった。
 そばのヒガンバナもすっかり萎れかけた。大賀ハスの葉も枯れ始めた!!
 観察池も年度の後半になった。

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2022年10月(神無月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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庭の定点ヒガンバナは、彼岸の中日から遅れること一週間(2022/09/30)で満開となった!!

 庭の定点ヒガンバナにはA~Eまであった。
A 少なくとも25年以上観察をつづける株
B 紅白ヒガンバナの株
C 7年前東京より「引っ越し」してきた株
D いつしか庭に侵入してきた株
E Dから「分球」した株
 どれもが、野のヒガンバナにくらべて一週間遅れであった。
 しかし、「彼岸」を忘れてはいなかった。
 ヒガンバナもまたどこまでも「律儀」であった!!

▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、いつものように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句11句を引用させてもらう。 

(1) 秋山の道よく見えて人家あり 皿井旭川
(2) 林檎色づくのんきな雲に促され 小林貴子
(3) ふかぶかと空のありけり松手入 三田きえ子 
(4) 流木の波とあそべる十三夜 木内怜子
(5) 瓢の実の突拍子なき高音かな 三村純也
(6) 星屑の冷たさに似て菊膾 大木あまり
(7) 自然薯の苦しきかたち掘り起す 三橋敏雄
(8) 一粒ずつ拾う椎の実の無数 花谷和子
(9)晩秋の一番電車ゆがみくる 福田葉子
(10) 手を入れてみたき帚木紅葉かな 大石悦子
(11) 静かなり紅葉の中の松の色 越人

▼<俳句修業>の第一歩は「選句」から!!
 俳句は詠み手と読者の共同作業で成立する。
 ダカラ 愉しい!!
 今月もシロウトの勝手な「選句」を楽しむことからはじめてみよう!!

【私の選んだ名句ベスト3】

(8) 一粒ずつ拾う椎の実の無数 花谷和子

(1) 秋山の道よく見えて人家あり 皿井旭川

(9)晩秋の一番電車ゆがみくる 福田葉子

【次点】

(7) 自然薯の苦しきかたち掘り起す 三橋敏雄

【選評】
・あれってどうしてなんだろう!?拾い始めるとなかなかやめることできないですよね。今年も、お宮さんに「椎の実」が落ち始めているだろうか。
・秋の大気は澄んでくる。思わぬ遠くまで見えて驚くことも。はやくひとり吟行再開したいなあ。
・家のすぐそばに線路が走っているんだ。ダカラ近くの踏切に立つときあるあるの景だ!!

・「苦しきかたち」の観察眼、言葉力に感服だ!!

▼寅日子先生に師事する私たちのオンライン句会「寅の日」も、はや3度目の「秋」をむかえた。

◆第26回オンライン句会「寅の日」10月例会案内!!

 選句修業の次は「句会」に挑戦です。
 個人的には、しばし、子規庵の子規大先生にも学びたいと思っています。
 伏したまま、どこまで「自然」が見えてくるだろう。
 これまたあらたな挑戦になるのかも。

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2022年10月(神無月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼いっきょに朝夕涼しくなった。やっぱり10月(神無月)になったんだ!!
 10月の「雲見」を予想する前に9月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴    4  
・巻雲    2 
・巻積雲   3 
・巻層雲   3     
・高積雲   2  
・高層雲   3     
・層積雲   4 
・積雲    5  
・層雲    0  
・乱層雲   4   
・積乱雲   0

 「快晴」4+「積雲」5=9
 「積乱雲」0+「乱層雲」4=4
 「雷雨」とメモ書きに記入しながら、「積乱雲」0にはちょっと違和感があるが、観測時間原則午前9時ということで、一応納得しておく。
 台風は11号、14号、15号の影響を受けた。
 ここのところ、メモ書きはアメダスの「記録」により「最高気温」~「最低気温」を書き込むようにしている。
 それによれば
 ・「猛暑日」=3日
 ・「真夏日」=14日
 ・「夏日」=12日
 やっぱり暑い暑い 「福崎の夏」は続いていた!!
 とりわけ注目は、9/13(火)だ。
 この日の最高気温はなんと「35.7℃」だった!!
 これは、全国917ヶ所の気象庁気温観測地中ベスト1だった。つまり「日本一暑い日」だったと教えてもらった!!

▼10月(神無月)の「雲見」の予想に入ろう。
 まずは昨年の10月の天気図を見てみる。

◆日々の天気図 2021年10月 (気象庁)

・さあ台風はどうだろう。もうやってこないかな!?
・まだ「猛暑日」は出現するだろうか。
・北の地方では、「初雪」「初霜」の声も。当地ではどうだろう。
・「木枯し1号」って、今年は!?
・「雲見」としては、ケンケン三兄弟(「巻雲」「巻積雲」「巻層雲」)が増えてくると予想するがどうだろう。
・ヒガンバナの「自然結実」の時期も気になるところだ。

▼10月の「雲見」予想をつづけよう。
 よりローカルな資料を使ってみる。
 アメダス「福崎」のデータに基づく資料である。

◆兵庫県 福崎 の気候(雨温図 最高気温、最低気温の推移

・気温も急激にガタッとさがるようになっているがどうだろう!?
・降水量もやはり少なくなってきている。
・「秋晴れ」を楽しむ日々がつづくかな。
・「快晴」シールは何枚ぐらいになるだろう。

▼実は、9月中旬より事情があって 究極の道楽3つ!!
・「雲見」
・「宇宙見物」
・「ひとり吟行」
 を存分に愉しめない状況にある。
 淋しい!!
 同時にこのアタリマエの道楽のアリガタサを実感している。

 可能な限りのアタリマエを愉しもう!!

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