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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (8) #シロバナヒガンバナ #ヒガンバナの種子 #ヒガンバナ実生実験 #ヒガンバナの歴史 #Webテキスト #日本ヒガンバナ学会

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▼我が家のシロバナヒガンバナもやっと満開が近かった!!

 庭の定点ヒガンバナにはそれぞれの「ヒガンバナ物語」を持っていた。
 シロバナヒガンバナと言いながらも少しクリーム色っぽい!!
 でもやっぱり真っ赤なヒガンバナのそばでは「シロバナヒガンバナ」だ!!
 このヒガンバナにもやっぱり「物語」があった!!
 もう20年以上前になるが、いっとき、このシロバナヒガンバナにはまっていた。
 ネット上にも繰返し、そのことを発信していた。
 ある日、「そんなら、家の庭にありますから少しお分けしますよ」と、近くにお住まいの方から郵送で「おすそ分け」してもらった。
 うれしいやら!!アリガタイやら。
 毎年この時期になると、感謝の気持ちで思い出す!!

▼Webテキスト『ヒガンバナ』の改訂に向けての話をつづけよう。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2013年版 2013.09.01解説版)

 のなかでも、とりわけ

Ⅱ どうやって殖えるのか?

 の改訂の必要性については、前回にふれた通りである。しかし、
*************************************************
(4) ヒガンバナの研究者である松江幸雄先生が、ヒガンバナの球根が分かれていく様子を32年間かけて調べました。調べた結果1個の球根は32年目に何個ぐらいになったでしょう。
 ア  10個ぐらい
 イ  50個ぐらい
 ウ 100個ぐらい
  エ  500個ぐらい
 オ 1000個ぐらい
*************************************************
 の基本、「分球」によって殖えるというところもおろそかにしたくはなかった。
 だからこそ、どんなヒガンバナにも、その場所で花咲くまでの「物語」があった。

 すべてのヒガンバナは、それぞれの「ヒガンバナ物語」がある!!

▼ヒガンバナの「種子」さがしの展開はその後ある。
・ヒガンバナの「種子」さがし
・「自然結実」花茎の「水栽培」の方法
・完熟「種子」の回収と保存
・そして、実生実験の方法
・「発芽・発根」の観察
・「出葉」の観察

 等々の詳細については【発展課題】として、テキストに加えたい。
 誰もが、この実生実験に取り組めるように。

▼そして、

Ⅲ もっと知ろう!「ヒガンバナ」のこと!!
【参考文献・Webページ等】
 
 についても、この9年間に「日本ヒガンバナ学会」等で多くの人に教えてもらったこと、わかってきたこと等を付け加えて改訂をすすめたい。

(つづく) 

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第26回オンライン句会「寅の日」10月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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 草むらや土手あるかぎり曼珠沙華 子規
 曼珠沙華あっけらかんと道の端 漱石

 樽本勲氏は『ヒガンバナ(曼珠沙華)と日本人 ~日本人の曼珠沙華との交流~』( 樽本 勲 著MyISBN - デザインエッグ社)のなかで、「曼珠沙華は子規の戦略的季語だったか」というきわめて興味深い論考を展開しておられる。子規の曼珠沙華のこだわりも並々ならぬものがあったようだ!!

▼私は今、ひとり吟行もままならぬ身にある。
 だからこそなおさら子規のすごさを実感している。
 床に伏しながらも句を詠み、盛んに「句会」を催し、あらたな「俳句」を創りだしていった。

 私たちのあこがれの「句会」は、3年目にはいっていた!!

▼あらためて、2022年10月例会の案内をあげておく。 
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第26回オンライン句会「寅の日」10月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 

5.【投句期間】
 2022年10月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2022年10月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2022年10月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼ビンチはチャンス!!
 子規の心境で(まったくのシロウトがそんなこと言ったら(^^ゞポリポリ)、オンライン句会「寅の日」のあらたな可能性をさぐってみたい!!
 ひょっとしたら、ここにオンライン「句会」の最大の醍醐味があるかも知れない。
 あなたも一緒にどうですか!!

 

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (7) #ヒガンバナの繁殖 #ヒガンバナの種子 #ヒガンバナ実生実験 #Webテキスト #日本ヒガンバナ学会

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植木鉢の定点ヒガンバナからは、今年は5本の花茎が伸びていた!!
 
 植木鉢の定点ヒガンバナは今から7年前に東京から引っ越してきた。(2015/06/21)
 引っ越し元の野島高彦さんとは、長くいっしょにヒガンバナの「ふしぎ!?」を追いかけている。
 野島さんの365日一年を通しての毎日のヒガンバナの観察記録はきわめて興味深い!!
 私のところから野島さんのところへ引っ越ししていったヒガンバナは、今年は15本もの花茎が伸び花が咲いたそうだ。
 やっぱり同じ株でも、場所によって開花時期はちがうようだ。

▼Webテキスト『ヒガンバナ』の改訂に向けての検討を続けたいと思っていた。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2013年版 2013.09.01解説版)

 なかでも、9年前と状況が大きくかわってきたのはⅡだろう。

Ⅱ どうやって殖えるのか?

▼最初にこのテキストをつくったときには、「自然結実」ヒガンバナ群生地をまだみつけていなかった。
 たから、状況はこの9年間でいっぺんしたといえる。
 9年間に私が手に入れたヒガンバナの「種子」採集・回収についてはすでに報告した通りデアル!!

 想像していた以上に高頻度に「種子」が見つかることは確かだ!!
 「たまたま」みつかるという範疇を越えていた。
 しかし、「ふしぎ!?」だ。
 これはまだ私個人が、みつけたというのにすぎない!!
 私には特別の技能・知識があるわけでなかった。
 ただただ「あるもの」と信じて探しただけだ!!
 
 まだこれでは「科学」ではない!!誰もがアタリマエにみつけることができてこそ「科学」ダ!!
 テキスト改訂の「ねらい」もココにある!!

▼採集・回収したヒガンバナの「種子」を使っての実生実験についても、できるだけわかりやすく簡単に取り組める方法を提案したい!!
 できるだけ多くの人のヒガンバナ実生実験の事例研究出てくることを願って。
 そうなってこそビカンバナ研究は「科学」となる!!

 いっしょに、ヒガンバナの「ふしぎ!?」を「科学」しよう!! 
 そのためのWebテキストを!!

 さあ、ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

(つづく)


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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (6) #ヒガンバナの里名 #ハミズハナミズ #科学読み物 #Webテキスト #日本ヒガンバナ学会

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「ハミズハナミズ」(葉見ず花見ず)!!

 彼岸明けの昨日。
 遅れてきた庭の定点ヒガンバナは、ぐんぐんと花茎をのばしていた!!
 あれっ!?「ふしぎ!?」だ。
 いくらじっくり観察しても葉は見られなかった!!
 里名「ハミズハナミズ」(葉見ず花見ず)は人びとのみごとな観察眼のあらわれであった。
 <花の季節>には「葉」は見られない。
 <葉の季節>には「花」は見られない。

▼一年間をかけた植物「ヒガンバナ」のこのみごとな戦略に、私はいたく感動した!!
 これをなんとか教材化したくて科学読み物『彼岸花の一生』を書いたのはずいぶん昔のことだった。

◆科学読み物『彼岸花の一生 ~一年間をかけたみごとな戦略~』

▼さらに多くの人といっしょにヒガンバナの「ふしぎ!?」を追いかけたいという思いから、Webテキスト『ヒガンバナ』をつくった!!
 それは9年前のことだった。

◆Webテキスト『ヒガンバナ』(2013年版 2013.09.01解説版)

▼Webテキストは三部構成となっていた。

Ⅰ ヒガンバナの「ふしぎ!?」
Ⅱ どうやって殖えるのか?
Ⅲ もっと知ろう!「ヒガンバナ」のこと!!
【参考文献・Webページ等】

 それから9年!!
 私のヒガンバナ研究も、多くの人のお世話になりながら、大いに進化(深化)してきた!!
 最新の研究成果をふまえて「改訂」したいと思う。
 まずは、現行テキストの吟味からはじめたい。

●Ⅰ ヒガンバナの「ふしぎ!?」
 
(つづく)

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【Web更新9/25】22-39【ヒガンバナ情報2022】 等 更新!!

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曼珠沙華花芽だけでも律儀かな 22/09/24撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-39
週末定例更新のお知らせ
 私は少し意固地になっていた!!
 「週末定例更新」の歩みだけは止めたくはなかった。
 充分な取り組みの「更新」ではなかった。
 しかし、「更新」すること自体に大きな意味を見出していた!!

 情報は発信するところに集まる!!

◆表紙画像集2022 更新 曼珠沙華・彼岸花・ヒガンバナ
 お彼岸の中日を過ぎていた。
 庭の定点ヒガンバナは、ずいぶん遅れていた!!
 野のヒガンバナは、もう燃え立つ真っ赤な松明の行列の季節を迎えているのに
 それは、動けぬ私を気遣って、ゆっくり私を楽しませてやろうとしてくれているかのようだった。
 それでも、花芽だけは顔を出していた。
 やっぱり どこまでも 律儀だった!!

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 「2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!?」をシリーズでつづけている。
 ヒガンバナ研究の「現在地」を明らかにすることにより、より多くの人といっしょに植物「ヒガンバナ」を愉しむことになればと思っている。
 さあ、いっしょに植物「ヒガンバナ」の「ふしぎ!?」を追いかけよう!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 10月は、科学読み物の金字塔「茶わんの湯」を読む。
 100年の時空を越えて、今も最高に面白い!!
 名作中の名作だ!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから26週目だった!!
 まだ一年の半分過ぎただけだった。
 観察池の側のヒガンバナは満開だった。昨年はこの株から「自然結実」するものもあった。
 はたして今年は!?

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (5) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会

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▼2021年に採集・回収したヒガンバナの「種子」は、823個という驚異的な数に達していた!!
 その823個の「種子」を使った実生実験は進行中だった。

●自然結実ヒガンバナの「種子」の発芽・発根は199個になった!!(2022/07/29) #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

●2022/07/29現在、「発芽・発根」した種子の総合計199個である!!
 現段階の暫定発芽率は 199/823×100= 24.2%
 【安富】にいたっては 69/208×100= 33.1%

 これはもう「たまたま」の域を越えていた!!
 この秋には、どこまで「出葉」してくるだろう!?

▼シロウトの私にもそれだけはわかった。
 日本のヒガンバナに今、何かが起こっている!!
 それは確かだった!!
 以前より、シロウトの無手勝流「仮説」だけは立てていた。

【仮説 1】「自然結実」するヒガンバナは、2倍体(2n=22)になっている。

【仮説 2】無融合種子形成をするようになっている。3倍体(2n=33)のままである。

【仮説 3】【仮説 1】と【仮説 2】とが入り交じっている。


▼どの仮説が正しいのだろうか。
今の私の環境では、染色体数も数えることもできない。それどころか私はまだ、実際にヒガンバナの染色体の顕微鏡観察もしたことがなかった。
でも私はあきらめてはいなかった。
必ず道は拓ける!!
 私たちには、「日本ヒガンバナ学会」がある!!

▼私が今一番欲しいのは、「仮説」を立証する手立てもそうだが、
 それ以上に

●多数のヒガンバナ実生実験の事例である!! 

 今年も、全国からヒガンバナの「種子」をみつけたよ!!の報告があることを楽しみにして待ちたい。
 
(つづく)

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (4) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会

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▼いかに多くの「種子」を手に入れようとも、蒔いてみて実際に「発芽」しなければ生きた「種子」とは言えない。
 「種子」もどきにすぎない!!
 「自然結実」ヒガンバナの「種子」を使った実生実験をやってみて、はじめて「発芽」したときの感動は今も忘れることができない。
 それ以降、何度もこの感動体験をしてきたが、やっぱりスバラシイ\(^O^)/

●自然結実ヒガンバナの「種子」の発芽・発根は131個になった!!(2022/05/30) #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

 「発芽」に感動すると同時に、実際にやってみて気づいたことがある。
 それは、「発芽」と同時につくられるのは「根」であるということだ!!
 だから私は、これを「発芽・発根」と呼ぶようにしている。

▼「発芽・発根」をした「種子」は、このまま生長するのでない。
 これも実際にやってみてはじめて知ったことだ。
 「発根」した根が、地下部に引きずり込むようにして、いったん地上部から姿を消すのである。
 
 そしてやがて、ヒガンバナの<花の季節>が訪れる。
 その後、ヒガンバナの<葉の季節>がやってくる。
 実生ヒガンバナにも、やはり<葉の季節>がやってくる。
 「出葉」してくるのだった!!

●実生ヒガンバナは今!!<その2>(2020/10/16) #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

▼この「出葉」を何年も繰返し、地下の球根(鱗茎)にたっぷり栄養を貯め込んだとき、花茎をのばしてきて<花の季節>をむかえるのである。
 私の実生実験のねらいも、このときにあった!!
 それは、いつだろう!?

 私のヒガンバナ実生実験は、ふたつに場合分けをしていた。
 2019年より以前の分とそれ以降の場合だ。

●実生ヒガンバナ(2019年以前分)は今!!(2022/04/23) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

▼2019年採集・回収した530個の「種子」を使った実生実験は、またとんでもない展開を見せていた。

●実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!(2022/04/27) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

【2019年採集分の実生実験】の現段階での結果(2022/04/27)
【2019年】 530個の「種子」採集・回収

【2020年】
・発芽率  140/530×100=26.4 %
・出葉率  54/140×100=38.6%
 全体で  54/530×100=10.6%

【2021年】
・2年目の出葉率 27/54×100=50.0%

 さて、この意味するところは!?

(つづく)

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日本ヒガンバナ学会は満15歳に!! #mixi #Twitter #Facebook #SNSの歴史 #日本ヒガンバナ学会

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▼今から15年前のお彼岸の中日(2007/09/23)、ひとつの「学会」が誕生した。

●「日本ヒガンバナ学会」(mixi版)

 である。mixiのひとつのコミュニティとして始まった。

▼創設のコトバは次のようになっていた。

****************************************************************
「ヒガンバナに興味・関心がある。」という一点だけで共通項をもつみんなで創るコミュニティです。

◆時空を超えて学び合う会(=学会)をみんなで創ろう。
 未来派「学会」に。
「学び合う」楽しさ・喜びをみんなで。 

◆あなたがノックするところがドア(入口)です。
 自分の興味あるところから入ってきてください。
 なければ自分で作ってください。
****************************************************************

▼全国からヒガンバナに関する多くの情報が寄せられるようになった。
 また、今は亡きヒガンバナ研究の第一人者・栗田子郎先生も参加してくださり愉しいものとなった。
 栗田先生からの積極的な情報発信の姿勢に大いに刺激を受け、学ばせてもらった。

●【お薦め本】『ヒガンバナの博物誌』(栗田子郎著 研成社) #ヒガンバナ

▼本日は私にとってはもうひとつの記念日でもあった。
 「日本ヒガンバナ学会」開設から2年たった2009/09/23に、Twitterをはじめたのだった。
 だから
 本日は私のTwitter記念日でもあった!!

 「#higanbana」でヒガンバナ情報をつぶやきまくった。
 これも楽しい思い出である。これは今もつづくが…。
 やがてFacebookをよく使うようになった。
 そして、「日本ヒガンバナ学会」もFacebook版を開設することにした。

●Facebook版「日本ヒガンバナ学会」

 私にとっての「日本ヒガンバナ学会」は、はからずも私にとっての「SNSの歴史」そのもののようになった。
 未来派学会である「日本ヒガンバナ学会」は、未来にまたちがった「かたち」をとっていくだろう。
 しかし
 創設のコトバの志は不易である!!
 より多くの人とヒガンバナを愉しもう!!
 ヒガンバナの「ふしぎ!?」を追いかけよう!!

 栗田子郎先生のコトバを信じて
「ところが言語や映像という形の情報は水平方向にも伝わります。」

                    15歳の誕生日の朝に

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本日(2022/09/22)、第327回オンライン「寅の日」!! #連句雑俎 #traday #寺田寅彦

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▼ひとり吟行も行けぬ状況のなかで、この季節の景はいっぺんしてしまっていた。
 かろうじて見ることのできた前の田んぼの畦のヒガンバナは満開をむかえていた。
 なんともうれしい!!
 庭の定点ヒガンバナは、お彼岸だというのにまだだ。
 どうしたんだろう!?

▼本日(2022/09/22)は、第327回オンライン「寅の日」である。
 9月に入って、オンライン句会「寅の日」は、3年目に入っている。
 今は選句期間である。
 それを記念して、9月のテーマは

【9月テーマ】「寅彦と連句」

である。読むのは今回も「連句雑俎」ときめていた。

◆本日(2022/09/22)、第327回オンライン「寅の日」!!

●「連句雑俎」(2)(青空文庫より)

▼今、きわめて個人的な事情ながら、この随筆をじっくりと読み解く状況にはなかった。
 当初の予定では
 「連句」とは!?
 「連句的」とは!?
 寅彦は、かくも熱く「連句」を語るのはなぜ!?
 をわからぬままもじっくりと読み解きたかった。これはまたの機会にということになってしまいそうだ。
 それでも、少しだけ試み始めたというあとかたをあげておく。

 このような機巧によって運ばれる連句の進行はたしかにフロイドの考えたような夢の進行に似ているのである。しかし夢の場合はそれが各個人に固有なものであって必ずしもなんらの普遍性をもたなくてもよい。しかし連句においては甲の夢と乙の夢との共通点がまた読者の多数の夢に強く共鳴する点において立派な普遍性をもっており、そこに一般的鑑賞の目的物たる芸術としての要求が満足されているのである。

そればかりか、鑑賞のみの目的でも真に奥底まで入り込んで鑑賞をほしいままにするためには、一度はこの創作心理のミステリーに触れることが必要であろうと思われるのである。われわれは「うがち過ぎ」をこわがらないで「言わずもがな」をけ飛ばして勇敢に創作心理の虎穴(こけつ)に乗り込んでみなければならない。しかしこれはなかなか容易な仕事ではない、一朝一夕に一人や二人の力でできうる見込みはない。そうかと言っていつまでも手をつけずにおくべきものでもない。たとえわれわれの微力ではこの虎穴の入り口でたおれてしまうとしたところでやむを得ないであろう。

この決意はなんだろう!?

▼もう少しだけ寅彦の「文脈」を追っておく。

私自身が平常連句制作当時自分の頭の中に進行する過程を内省することによって常に経験するところの現象から類推して行った一つの「思考実験」であるので、これはおそらく連句の制作に体験ある多くの人によって充分正当なる意味において理解してもらえることであろうと思う。

こういうふうに、連句というものの文学的芸術的価値ということを全然念頭から駆逐してしまって統計的心理的に分析を試みることによって連句の芸術的価値に寸毫(すんごう)も損失をきたすような恐れのないことは別に喋々(ちょうちょう)する必要はないであろうと思われる。繰り返して言ったように創作の心理と鑑賞の心理は別だからである。しかし全く別々で縁がないかと言うとそう簡単でもない。それは意識の限界以上で別々になっているだけで、その下ではやはり連絡していると思われるからである。この点についてはさらに深く考究してみたいと思っている。ともかくも一度こういうふうに創作心理を分析した上で連句の鑑賞に心を転じてみると、おのずからそうする以前とはいくらかちがった心持ちをもって同じ作品を見直すことができはしないか。そうして付け合わせの玩味(がんみ)に際してしいて普遍的論理的につじつまを合わせようとするような徒労を避け、そのかわりに正真な連句進行の旋律を認識し享楽することができはしないかと思うのである。

 リベンジを誓って、今回はここまでとしたい。

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (3) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会

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▼2013年~2021年までに手に入れた「自然結実」ヒガンバナの「種子」の報告を前回にした。
もはや、たまたまの偶然などではない。
 ヒガンバナ「自然結実」は想像以上に、高頻度に起こっている。
そう結論づけてもいいだろう。ではどうして「めったにない」と言われ続けてきたのだ
ろう!?
 現段階での私の「仮説」はこうだ!!
・誰も「あるもの」として本気で探さなかった。その時期に!!
・現に私も2013年11月まで捜しまくっていたが、どこか半信半疑だった。群生地を見
てからは「あるもの」として探し始めた。
・「自然結実」の時期が、10月中旬~11月中旬と、ヒガンバナの存在など意識されない時期である。
・この時期になると、「自然結実」した以外の花茎はほぼ完全に倒れている。
 「自然結実」した花茎だけが緑を残し、直立している。(実(種子)に栄養を送り続けているのだ。カガクだ!!)
 だから簡単に誰でもすぐみつけることができる。
 そこでさらなる結論はこうだ。

●「あるもの」として探せば誰でも簡単にみつけることができる!!

▼「自然結実」ヒガンバナの花茎をみつけることが、必ずしもすぐさま完熟「種子」を手に入れることではなかった。
 もちろん、野にあるときにすでに完熟しておればそのまま採集すればよいが、そんなことは滅多になかった。
 そのまま野においておき完熟を待っていたのでは、再度その場所にでかける前に、「種子」は、葉のなかにこぼれ落ちてしまうのがおちだろう。
 そこで、私は「自然結実」ヒガンバナ花茎を採集し、「水栽培」をすることにしていた。
 「水栽培」とは、採集したその花茎を、海苔の瓶などの容器に水をはり、挿して置くのである。
 屋内の方がふさわしい!!
 やがて実は「目玉オヤジ」状態になり、黒々とした完熟「種子」がこぼれ落ちた。
それを回収している。

▼回収した「種子」を、チャック式ナイロン袋に入れて保存している。
 ナイロン袋には、花茎採集場所、花茎採集日、「種子」回収日を記入している。
 この保存方法が確定したベストの方法だとは思っていない。いろいろ試行錯誤結果やっとたどりついた方法だ。
 最初のころは、せっかくの「種子」をカビらせることもよくあった。
 この方法をとるようになって、ほとんどカビらせることはなくなった。
 この方法のいいところは、どこで いつごろ 手に入れた「種子」であるかを 「記録」できることであった。

▼ナイロン袋に入れた「種子」は、翌年の2~3月上旬頃まで冷蔵庫で保存した。
 冷蔵庫から出してきた「種子」を使って実生実験を開始した。
  
●楠田式「自然結実」ヒガンバナ実生実験法「私のヒガンバナ研究・その後」参照

 として、一応確立していたが、2019年の530個には対応できず別の方法を考え出した。

育苗プラグトレー、市販の培養土を使うこの方法は、広く一般に「ビガンバナ実生実験」を呼びかけるにはこちらの方がすぐれていると思っていた!!なにより簡単デアル!!

●自然結実ヒガンバナの「種子」530個で実生実験開始!!(2020/03/02)(3) #ヒガンバナ

●823個のヒガンバナ「種子」の実生実験をはじめた!!(1)(2022/03/11) #自然結実 #3倍体 #ヒガンバナの種子 #実生実験  


(つづく)

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2022年10月のオンライン「寅の日」は #寅彦と茶わんの湯 #traday #寺田寅彦

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▼「ここに茶わんが一つあります。中には熱い湯がいっぱいはいっております。」

あの名作「茶わんの湯」は、こんな一文からはじまります。
「茶わんの湯」が、最初に掲載された雑誌『赤い鳥』は、1918年(大正7)7月に作家の鈴木三重吉によって創刊された子ども向け月刊誌です。
 掲載されたのは、1922年(大正11) 五月号『赤い鳥』八巻5号です。
 
だから名作「茶わんの湯」が発表されてから、今年でちょうど100年になります!!

▼2022年10月のオンライン「寅の日」の計画をたてる時期だった。
 名作「茶わんの湯」発表から100年を記念して、10月は今一度ゆっくりこの名作を読んでみたい。
 10月のテーマは次のようにしたい。

 【10月テーマ】「寅彦と茶わんの湯」

である。10月は3回ある。

■2022年10月オンライン「寅の日」!!
◆第328回オンライン「寅の日」 …10/04(火)
◆第329回オンライン「寅の日」 …10/16(日)
◆第330回オンライン「寅の日」 …10/28(金)


▼最初の2回は、「茶わんの湯」を前半・後半に分けてじっくりと読んでみたい。
 そして、3回目は寺田寅彦の第一の弟子でもあり、もっともよき理解者である中谷宇吉郎が、この名作をどう読み解いたかを、
「「茶椀の湯」のことなど」(中谷宇吉郎)から学びたい。

■2022年10月オンライン「寅の日」!!

◆第328回オンライン「寅の日」 …10/04(火)「茶わんの湯」(1)(青空文庫より)

◆第329回オンライン「寅の日」 …10/16(日)「茶わんの湯」(2)(青空文庫より)

◆第330回オンライン「寅の日」 …10/28(金)「「茶椀の湯」のことなど」(中谷宇吉郎)(青空文庫より)


科学読み物の金字塔「茶わんの湯」!!
 100年の時空を越えて、今 伝わってくるものはなにか!?
 今もまったく色褪せること、科学の面白さを熱く語りかけている。
 
 みごとなこの文章からも大いにまなびたいものである。

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【Web更新9/18】22-38【ヒガンバナ情報2022】 等 更新!!

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子規庵へ届けたくなる糸瓜かな 22/09/17撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】22-38
週末定例更新のお知らせ
 先週は事情あって、blogの毎日更新ができない日があった。
 それはずいぶん久しぶりのことであった。

 毎日のblog更新と一週間に一度のWeb更新は、私の最もベーシックな[生活習慣]としているだけに、これはちょっとした私のピンチだ。
 ピンチはチャンス!!
 となるだろうか。 
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2022 更新 糸瓜
 本日19日は「子規忌」(糸瓜忌)だ。
 2019年の5月、子規庵で5粒の糸瓜のタネを「おすそ分け」してもらった。
 それがすべてのはじまりだった。
 4年目の「子規庵の糸瓜」は、みごとに大きくりっぱな糸瓜がいくつもぶらさがっていた!!
 まずは、子規庵に届けたい気持ちになる。
 「おかげで 今年もいっぱい できたよ!!」と。

◆【ヒガンバナ情報2022】更新!!
 真っ赤に燃え立つ松明の行列!!
 真っ盛りのこの時期に動けなくなってしまった。
 私の「ヒガンバナ研究」はどこまできているんだろう!?
 まずは、それを明らかにしておこう。
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから25週目である。
 観察池のすぐそばのヒガンバナの株たちが、真っ赤に燃え立とうとしていた。
 この時期ならではの景(風物誌)だ!!

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (2) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会

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真っ赤に燃え立つヒガンバナの行列を見て、このみごとな花はどんな実(種子)をつけるのだろう!?

と思ったことはないだろうか!?
 ところが、日本のヒガンバナは三倍体で実も種子もつくらないという。
不稔性であるというのだ。

 ヒガンバナに種子ができないことの不思議を最初に指摘したのは牧野富太郎だった。彼は明治40年(1907)に出版された飯沼慾斎の『増訂草木図説』のマンジュシャゲの補記に「予ハ未ダ本種ノ結実セシモノヲ見タルコトナシ」と書いている。(『ヒガンバナの博物誌』(栗田子郎著 研成社 P43より))

 あの牧野富太郎先生がデアル!!
 でも私はまだそれに異議アリ!!を唱えていた。私の「ふしぎ!?」はもっと単純だった!!
 あんなにみごとな花をいっぱい咲かせるのだから、なかには変わりダネがいて、「種子」をつくることもあるのではないか!?
 それが、私の「自然結実」ヒガンバナ探索のはじまりだった。

▼私はずつとずっと探し続けた!!
 そしてついに「自然結実」ヒガンバナ群生地を「発見」したのだった!!

●ついにみつけたぞ!!ヒガンバナの自然結実!! #higanbana(2013/11/13)


▼その年を皮切りに、次々と「自然結実」ヒガンバナ群生地をみつけ、「種子」を手に入れたのだった。

【2013年】10個以上正確には不明 「安富」群生地発見で喜んでしまい散逸

【2014年】30個 「夢前」群生地発見、「安富」群生地なし

【2015年】69個 「福崎」群生地発見、「福崎」63個が目立つ

【2016年】73個 再び「安富」33個が目立つ

【2017年】31個 「福崎」20個が目立つ

【2018年】34個 「安富」17個 「福崎」16個 「自宅庭」1個


▼さらにとんでもない展開が待ち受けていた。

【2019年】530個 「安富」107個+「夢前」186個+「福崎」184個+「その他」53個 = 530個 !!

【2020年】16個  「安富」5個+「福崎」4個+「福崎B」7個 = 16個 

【2021年】823個 「安富」208個+「夢前」55個+「福崎」419個+「その他」141個 = 823個 !!

もはやたまたまのレベルではなかった!!
牧野富太郎先生もビックリ!!
これを見たら牧野富太郎先生はなんというだろう!?

日本のヒガンバナになにが起こっているのだろう!?

(つづく)

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2022年・私の「ヒガンバナ研究」はどこまで!? (1) #ヒガンバナの種子 #三倍体 #自然結実 #実生実験 #日本ヒガンバナ学会

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真っ赤に燃え立つ松明の行列!!
 それに向けて、ヒガンバナの開花は加速していた。

 満開のときはもちろんのこと見逃すことのできぬ秋の風物誌であるが、この時期のヒガンバナもまたなかなかの景である。

▼長年つづけてきた私のシロウト「ヒガンバナ研究」も、あの実生コヒガンバナ1号の開花の報でいっきょに加速しそうである。
 2018年の夏までのことについては、次にまとめていた。

◆私のヒガンバナ研究・その後 (2018.7.30)


▼その最後の
●おわりに(「これから」にかえて)
 のなかで「これから」の3つの課題をあげていた。

(1)「自然結実」ヒガンバナ実生実験の事例をふやしていく!!

(2)「ヒガンバナに何が起こっているのか?」を明らかにする。

(3) Web テキスト『ヒガンバナ』改訂版の制作!!

▼それから4年の月日が経った!!
 この4年間には、まったく予期しなかったとんでもない展開が多々待ち受けていた。
 はたして、私のシロウト「ヒガンバナ研究」はどこまできたのだろう!?
 「現在地」はどこに!?

 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

(つづく) 

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【Web更新9/11】22-37 【ヒガンバナ情報2022】 等 更新!!

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数珠玉や誰もがちがふ首飾り 22/09/10撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】22-37
週末定例更新のお知らせ
 「白露」「中秋の名月」も過ぎた!!
 自然はどこまでも律儀に時を刻んでいく。
 時間はけっして遡行しない!!
 さあ、今週は!?

◆表紙画像集2022 更新 数珠玉
 数珠玉が色づきはじめた。
 その色具合は微妙にひとつぶ一粒ちがっていた。
 それらを糸でつなげば首飾りに
 できた首飾りは、世界でたったひとつの色具合に!!

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 ヒガンバナの初見、ついに実生コヒガンバナの開花!!
 というれしいビッグニュースとともに、今年もこのシーズンがはじまった。
 さあ、今年はどんな展開が待ち受けているのだろう!?
 楽しみである。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 9月テーマは「寅彦と連句」である。
 私には難解きわまりない。しかし、なぜか惹かれるものがあるのはどうしてだろう!?
 寅日子先生が「連句」に夢中になったのはなぜだろう!?
 そこに「寺田寅彦」の魅力が集約して詰まっているのではという気もしてくるのだった。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「アルミ缶をななめに立てる」の「ふしぎ!?」をまだ追っていた。
 「見える化」の成功はさらなる興味をかき立てるのだった。
 砂の「安息角」!?


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから24週目だった。
 今年二度目だ!!
 観察池をあわや干からびさせてしまうところだった。
 残暑の厳しい日射しが照りつけていた!!

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ついに、あの実生コヒガンバナが開花!! (続)#コヒガンバナ #コヒガンバナの種子 #2倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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【2022/09/08 吉田小恵子さん撮影】

種子から育てたコンガンバナ開花第1号が満開だった!!
 感動である!!

 その姿はみごとであった。神々しくさえ見えた!!
 吉田小恵子さんから続報の画像が届いた。
 実生実験8年の歩みを思い返すと感無量である!!

▼2015年に「出葉」まで至った41個のコヒガンバナ。
 いろんなところに「おすそ分け」して、現在、私のところには16株が残っていた。
 「出葉」している状態での最近の「記録」を残していた!!

●実生コヒガンバナは今!!(2022/04/29) #コヒガンバナ #二倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

 今は、葉は枯れてしまい、地上部に姿はない。
 来年はここから第2号が出る可能性はあるだろうか!?
 それとも別のところから報告が届くだろうか!?

▼実生コヒガンバナ開花第1号は、このあと結実するだろうか。
 そして「種子」をつくるのだろうか!?

◆「実生コヒガンバナを咲かせよう!!」プロジェクト

の夢は、ひとりでも多くの人が、コヒガンバナを「種子」から育てて開花にまで至らせることだ。
 そして、
 コヒガンバナは二倍体、種子をつくってアタリマエ!!
 を実感することだった。
 
▼この実生コヒガンバナの実験は、その後の「私のヒガンバナ研究」を飛躍的にすすめることになった。
 そのあたりについて、これまでの経緯をまとめていた。

◆私のヒガンバナ研究・その後

 さて、今年はどんな展開が待ち受けているだろう。


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本日(2022/09/10)、第326回オンライン「寅の日」!! #連句雑俎 #traday #寺田寅彦

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▼あれっ!?
こんなところに花茎のばしていたかな!!

 気づかない間に花芽が顔を出し、花茎をスルスルとのばし満開に達するヒガンバナ!!
 今、そこかしこに見る景だ。
 あれっ!? 葉がないゾ !!

▼本日(2022/09/10)は、第326回オンライン「寅の日」である。
 9月に入って、オンライン句会「寅の日」は、3年目に入った。
 それを記念して、9月のテーマは

【9月テーマ】「寅彦と連句」

である。読むのは2回とも「連句雑俎」ときめていた。

◆本日(2022/09/10)、第326回オンライン「寅の日」!!

●「連句雑俎」(1)(青空文庫より)

▼最初に正直に言うと、これは私にとっては難解きわまりない!!
オンライン「寅の日」10年の歩みのなかでも、これをとりあげたのはこれまでに1回だけだった。
 「連句」と聞いても、なかなかピンとこなかった。
 我らが寅日子先生は、なぜかくも深く「連句」に興味をもったのだろう。
 連句とは!?
 連句的とは!?
 寺田物理学と連句的!?
 ひとつでもわかってくることがあればよしとしよう。

 またまたこまったことに長編だ!!
 寅日子先生の「連句論」、項目のみピックアップしてみるとこうだ。

一 連句の独自性
二 連句と音楽
三 連句と合奏
四 連句の心理と夢の心理
五 連句心理の諸現象
六 月花の定座の意義
七 短歌の連作と連句

 さしあたり、今回は一~三あたりを中心に読んでみる。
 寅日子先生の思い入れのほどがわかるコトバをピックアップしてみる。的外れも多々あるかも知れないが。

 しかしなんと言っても俳諧は日本の特産物である。それはわれわれの国土自身われわれの生活自身が俳諧だからである。

日本の景観の多様性はたとえば本邦地質図の一幅を広げて見ただけでも想像される。それは一片のつづれの錦(にしき)をでも見るように多様な地質の小断片の綴合(てつごう)である。これに応じて山川草木の風貌(ふうぼう)はわずかに数キロメートルの距離の間に極端な変化を示す。また気象図を広げて見る。地形の複雑さに支配される気温降水分布の複雑さは峠一つを隔ててそこに呉越(ごえつ)の差を生じるのである。この環境の変化に応ずる風俗人情の差異の多様性もまたおそらく世界に類を見ないであろう。
 
  
 このようにして一連句は日本人の過去、現在、未来の生きた生活の忠実なる活動写真であり、また最も優秀なるモンタージュ映画となるのである。 

これこそが、寅日子先生の<結論>である。そんな気がしてくるコトバだ。

▼次に、「連句と音楽」「連句と合奏」と展開していくのである。
 ダメだ!!私のもっとも苦手とする領域である。

 連句というものと、一般に音楽と称するものとの間にある程度の形式的の類似がある事について私は従来もすでにたびたびいろいろな機会に述べたことがあるが、ここでもう一度改めてこの点について詳しく考え直してみたいと思う。

連句は音楽と同じく「律動(リズム)」と「旋律(メロディー)」と「和声(ハーモニー)」をその存立要件として成立するものである。そうして音楽の場合の一つ一つの音に相応するものがいろいろの物象や感覚の心像、またそれに付帯し纏綿(てんめん)する情緒である。これらの要素が相次ぎ相重なって律動的旋律的和声的に進行するものが俳諧連句である。従ってこれらの音に相当する要素には一つ一つとしての「意味」はあっても一編の歌仙全体にはなんらの物語の筋は作り上げない。筋はあってもそれはもはや言葉では言い現わされない、純音楽的な進行の筋である。

 このように、連句は文学であるよりは、より多く音楽である。

しかし結局連句は音楽である。音楽は演奏され聞かれるべきものである。連句の音楽はもう少し広く日本人の間に演奏され享楽されてしかるべきである。


 連句の文学的作品としての著しい特異性の一つと見るべきことは、それが一つのまとまった全体を形成しておりながらその作者は必ずしも一人の人間でなくてむしろ一般には数人の一団より成る「集合人」であるということである。

連句の場合ではこれと反対に読者のほうで初めから普通の詩や小説のように話の筋や論理的の連結を期待せず、また期待してもそういうものはどこにもない。そうして前条に詳説したようにたださまざまの景象や情緒の変転して行く間に生まれ来る「旋律」と「和声」とを聞かされるのである。従ってこの間に錯雑して現われて来るいろいろな作者のそれぞれちがった個性はなんらの破綻(はたん)を生じないのみか、かえってちょうどいろいろ違った音色をもつ楽器のそれぞれの音のような効果をもって読者の胸に響いて来るのである。
 前者では一つの個性が分裂し破壊した感じを与えるのに対して、後者では多数の個性が融合調和して一つの全体を構成しているように感じられるのである。

 ここで考えているような立場からすれば、普通の文学的作品は一種の分析(アナリシス)であるのに対して連句は一種の編成(シンテシス)であるとも言われる。

それらの相反するものが融合調和し相互に扶助し止揚することによって一つの完全なる全体を合成し、そうして各因子が全体としての効果に最も有効に寄与しているのでなければならない。こういうわけであるから、連句のメンバーは個性の差違を有すると同時に互いに充分なる理解と同情とをもっていなければ一つの歌仙をまとめる事も不可能である。

しかし私がここでこういう未熟で大胆な所説をのべることのおもな動機は、そういう学問的のものではなく、むしろただ一個の俳人としてのまた鑑賞家としての「未来の連句」への予想であり希望である。簡単に言えば、将来ここで想像した作曲者あるいは映画監督のようなリーダーがあちらこちらに現われて、そうしてその掌中の材料を自由に駆使して立派なまとまった楽曲的映画的な連句を作り上げるという制作過程が実行されたならばおもしろいであろうということである。おもしろいというだけではなくて世界にまだ類例のない新しい芸術ができるであろうということである。

実に不思議なものである。
勝手にピックアップしたコトバをつないで読んでみると
寅日子先生の「連句」「連句的」のイメージがおぼろげに見えてくるのである!!
よくわかってはいないが 面白い!!
後半が楽しみだ!!

(つづく)
 

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ついに、あの実生コヒガンバナが開花!! #コヒガンバナ #コヒガンバナの種子 #2倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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【2022/09/06 吉田小恵子さん撮影】

▼今週のはじめ(2022/09/05)、最高にうれしいメールが届いた!!
 私はずっとずっとこの日を待っていた。
 「種子」から育てている実生コヒガンバナがついに開花しはじめているという報告だった!!
 コンガンバナの「種子」!?
 そうコンガンバナは、2倍体(2n=22)!!だからアタリマエに「種子」をつくるのだ。

 メールには2枚の写真が貼付されていた。

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【2022/09/05 撮影】

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【2022/09/05 撮影】

▼この「物語」は、今から8年前の秋にはじまる。
 アタリマエにできるはずのコヒガンバナの「種子」を探していた。
 そして、ついに手に入れたのである!!

●コヒガンバナの種子を手に入れた。\(^o^)/ #higanbana(2014/10/26)

 この「日曜会」で「おすそ分け」してもらったコヒガンバナの「種子」は、なんと51個!!
 「おすそ分け」してくださったのが今回メールをいただいた吉田小恵子さんだ。
 
▼とてもうれしくなった私は、翌年(2015年)の春から、51個の「種子」を使って実生実験に挑戦することにした。
 方法はまったくの無手勝流!!
 まずは発芽実験である。
 そしたら、ほんとうに次々と「発芽」してきたのだ。

●ヒガンバナの仲間たちの実生は…!? #ヒガンバナ(2015/04/28)

 そして、なんと最終的に49個の種子が「発芽」したのである。
 発芽率=49/51×100=97.6% !!
 さすが2倍体である。
 
 さらに驚くことがあった。春に「発芽」したものを土の中に眠らせた。
 そして、秋をむかえた。今度は土の中から葉が出てきたのである。 

●実生「コヒガンバナ」物語の今!! #ヒガンバナ(2015/10/06) 

 そして、最終的に「出葉」してきたのは41個であった。
 出葉率=41/49×100=83.7%
 51個の「種子」から「出葉」まで辿りついた率でいくと
 出葉率=41/51×100=80.3%
 である。
 ほんとうにコヒガンバナは2倍体だ!!
 このアタリマエがむしょうにうれしかった。

▼気をよくした私は、2015年末から面白いプロジェクトをはじめた!!

◆「実生コヒガンバナを咲かせよう!!」プロジェクト

 である。今度は私の方から「出葉」したコヒガンバナの株の「おすそ分け」して、より多くの人に育ててもらおうというプロジェクトである。
 もちろん本家本元の吉田小恵子さんのところにも2株行っていた!!
 そのうちの1株に開花がはじまったのである。
 ちなみにこの開花情報がトップだった!!
 ダカラ 待ちに待ったとってもうれしいメールだったのである。

 2022/09/06にも続報のメールが届いた!!
 3枚の写真が貼付されていた。
 さらに開花がすすんでいた。

(つづく)

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【2022/09/06 撮影】

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【2022/09/06 撮影】 

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【実験】アルミ缶をななめに立てる!! #ファラデーラボ #かがくカフェ #砂のかがく #安息角 #土肥健二 #野呂茂樹

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▼そもそものはじまりは、ファラデーラボの第135回「かがくカフェ」だった!!

◆ファラデーラボ「砂のかがく」(1) #ファラデーラボ #かがくカフェ

 (゜o゜)ゲッ!!
 500mlのアルミ缶がななめに立っていた!!
 実際に体験もさせてもらった。思いっきり不器用な私にもすぐ立てることができた。
 土肥さんはそのときに謎解きもされた。「安息角」!?
 後日、缶のなかのことが話題となった。

▼再現実験を自分でもやってみたかった!!
 その「ふしぎ!?」熱のさめぬ間にやってみたかった。
 砂の準備ができてからと思っていたが、それでは間延びしてしまう。
 今回はとりあえず市販の砂を手に入れやってみることにした。

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▼せっかちでアバウトな私は、ちかくにあったコーヒーの缶(400mlフタがあるのがとてもいい)でやってみた!!
 砂の質量をはかることもなく適当に!!
 おおっ一発で立った!!
 次は、毎晩お世話になっているビール缶で
 これまた、ほぼ一発で立った!!

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▼さて問題は、缶のなかの「見える化」デアル!!
 水ならば水面は水平になることはわかるが、砂ならばどうだろう!?
 「見える化」について、野呂茂樹さんより非常に具体的なヒント・アドバイスをいただいた。
 それのみならず、やって見せて下さった!!
 それを真似てやってみた!!
 
 やっぱり「水平」にはなってはいなかった!!
 恐るべし「砂のかがく」=「安息角」!!
 ますます興味津々だ!!
 
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ヒガンバナの「九大不思議」はどこまで!? #ヒガンバナ #九大不思議 #日本ヒガンバナ学会

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▼私が意識的にヒガンバナの「ふしぎ!?」を追いかけはじめてからでも、ずいぶんと年月が経った!!
 今なお、「記録」に残るものでは、次のページからはじまっていた。

●98ヒガンバナ情報(春~初夏編)(1998.6.2)

 ページをつくりはじめて、真っ先に手がけたのこのページだった。
 それ以来毎年ページを更新しつづけてきて、最新ページは次だった。

●【ヒガンバナ情報2022】

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▼『ヒガンバナが日本に来た道』をずっと追っておられる有薗正一郎氏は、『ヒガンバナの履歴書』(有園 正一郎著 愛知大学総合郷土研究所ブックレット2 2001.3.31)のはじめに、ヒガンバナの不思議を9つあげておられる。

(一) 秋の彼岸前に突然花茎が伸びて、六輪前後の花が咲く。

(二) 花が咲いている時に葉がない。

(三) 花は咲くが、実がつかない。

(四) みごとな花を咲かせるのに、嫌われる草である。

(五) 開花期以外のヒガンバナの姿が思い浮かばない。

(六) ヒガンバナが生えている水田の畔には他の雑草がそれほど生えない。

(七) 人里だけに自生して、深山では見ない。

(八) 大昔から日本の風土の中で自生してきたと思われるが、ヒガンバナの名が史料に現れるのは近世からである。

(九) 田んぼの畔や屋敷地まわりで見かけるが、田んぼの畔や屋敷地まわりならどこでも生えているというわけではない。

(『ヒガンバナの履歴書』P7より)

▼さらに続けて有園氏はとても面白いことを言っておられる。

 これらの不思議のうち、五つ以上が思い浮かぶ人はよほどの観察者であり、五つ以上答えられる人は奇人の部類である。
(『ヒガンバナの履歴書』P8より)

 長年、ヒガンバナの「ふしぎ!?」を追いつづけてきた今
 九大不思議のいくつまで謎解きができただろう!?
 「よほどの観察者」になり得ただろうか!?
 「奇人」の域まできただろうか!?
 いや、まだまだ道は遠いのかも知れない!?

▼さあ、今年は「九大不思議」のどの「ふしぎ!?」に焦点を当ててみるかな。
 わかったつもりになっている「ふしぎ!?」がいちばんあやしいのかも!!
 どんな「発見」に出会うかな。
 今年の展開が楽しみだ!!
  
 そんなことを考えていたら、さっそく最高にうれしい情報が飛び込んできた!!

(つづく)

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今年のヒガンバナ初見をした!!(2022/09/05) #ヒガンバナ #曼珠沙華 #初見 #日本ヒガンバナ学会

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昨日(2022/09/05)、今年のヒガンバナ初見をした!!

 毎年、この季節になるとこの花のことが気になってしかたなかった。
 いつもの朝の散策コースも、ヒガンバナ探索コースに変更した。
 ヒガンバナ定番コースを決めていた。
 あった!!
 今年、ほんとうに最初に目にしたヒガンバナは、花茎をすでにのばしていた。
 となりには「花芽(蕾つぼみ)」が顔を出したばかりであった。
 朝は建物の影だったので、昼前にもう一度写真を撮りに行った。

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▼さあ、はじまった!!
 今年はいったい何本のヒガンバナを見ることになるだろう!?
 今年のこの初見は、早いのだろうか遅いのだろうか!?

●2021年 2021/09/01

●2020年 2020/09/16

●2019年 2019/09/13

 昨年にくらべると、4日遅いが2020年、2019年にくらべる10日ばかり早い。
 
▼長年の観察から、ヒガンバナの「花芽」が地面から顔を出すには2つの条件が必要だと考えていた。

(1) 地温が25℃以下になること!!
(2) ある程度の水分(雨量)が必要!!

 これらから考えて、今年は平年並みと考えてよいのだろうか。
 2つの条件から考えても、場所(地域)によって差ができることは確かだ!!
 
 今、全国のヒガンバナスポットはどうなっているだろう!?

▼もうひとつある。
 早くも気になりだしていることが。
 昨年は、「自然結実」ヒガンバナ群生地などから823個もヒガンバナの「種子」を手に入れた!!

 今年は、何個のヒガンバナの「種子」を手に入れることができるだろう!?

 さあ、今年もこのシーズンがはじまった!!
 
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【Web更新9/04】22-36 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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新涼や風白くなり仙人草 22/09/02@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】22-36
週末定例更新のお知らせ
 9月最初の週末定例更新のお知らせだ。
 まだ「夏休み」を引きずりつつの新たなステージである。
 ヒガンバナの初見はまだである。
 ヒガンバナの顔を見たら、そのシーズンの「はじまり」を意識できるだろう。

◆表紙画像集2022 更新 仙人草
 線路沿いの土手を葛のマント群落が覆っていた。葛の花もみごとに咲いていた。
 そこに秋風が吹いた!!
 その風を白く感じた。その正体は、葛のマント群落のうえの仙人草!!
 新涼や!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「原子論」を科学する シリーズ は少しスローダウンをする。
 まだまだつづけるつもりではいるが。
 平行して、あらたに「○○ を科学する」シリーズをはじめるかも知れない。

◆Webテキスト『天気の変化』 更新!!
 今月の「雲見」と「俳句歳時記」を追加した。
 今月から来月に向けて、「これまで」のWebテキスト試案の再検討をしたいと思っている。
 
◆オンライン「寅の日」 更新!!
 9月テーマは「寅彦と連句」である。
 「連句」とは!?
 「連句的」とは!?
 なかなか奥が深い世界だ。それが、寺田物理学とどう関係するというのだろう!?


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから23週目である。
 ここにも秋を見た!!

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「原子論」を科学する(49) #物質の原子論 #古川千代男 #原子論と授業 #三態変化 #原子論的物質観

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「大気の物理学実験室」!!
 この呼び方がとても気に入っていた。

 「大気の物理学実験室」では、日替わりメニューでいろんな実験が行なわれていた。
 いや日替わりどころが、時々刻々とちがう物理学実験が行なわれていた。
 実験の中で水という物質は「三態変化」をくりかえしていた。

 「天気の変化」という謎解きにも「原子論」は有効か!?

▼ 『物質の原子論―生徒と創造する科学の授業』 (古川千代男著 コロナ社 1989.5.10)の「あとがきに代えて」のなかで、古川先生は「物質の基礎概念」としての「三態変化」の重要性を次のように語っていた。

 分子、原子の概念を人間が手に入れたとき、今までばらばらで互いに無関係と考えていた事象が統一的に把握できるようになった。拡散、溶解、三態変化、気体の圧縮性、など、分子と分子運動の概念を手に入れると統一的にみることができ、さらに化学変化、電気分野での深い理解につながっていく。
(同書 P116より)

 この原子論のすごさを教えたい。それにはどんな教材をどのような順序で提供すればよいのだろうか。試行錯誤しているうちに三態変化教材の重要さに気づいてきた。三態変化は太古から知られたマクロ現象だが、なぜ生じるのかを追究していくとミクロの世界が見えてくる。しかも最も単純な姿の分子像できる入門にはふさわしい教材でもある。
 つまり、「三態変化」はマクロの世界とミクロの世界を結び合う大切な「結節点」になるということに気づいたのである。
(同書 P117より)


▼さらには、次のように述べていた。

 ただ、三態変化が生じる原因が分子、分子運動であった……というような解釈形の授業ではねらいは半減する。ぜひ、早い段階で分子概念を導入し、つぎの予想にどんどん使っていく演繹形授業をやっていただきたい。そうすることによって分子概念の有用性を知らせ、概念の深化が図れるし、何よりも発言が増し実験の結果に大きい関心をよせてくる生徒が増えてくる。
(同書 P117より)

 「原子論」を自然探検の最も有効な「武器」にしよう!!

ということだろう。

▼私は中学校全単元のなかでも、この「三態変化」がもっともお気に入り単元のひとつだった。
 拙い実践だが「記録」を少し残していた。

◆ 【三態変化】実践DB

 「原子論的物質観」という常套句はこのあたりから使いはじめたのだろう。

 さて、ここ数日の「大気の物理学実験室」で、台風11号はどんな展開(実験)を見せてくれるのだろ!?


(つづく)

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「原子論」を科学する(48) #物質の原子論 #古川千代男 #原子論と授業 #三態変化 #200℃の水蒸気

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▼それは「三態変化」教材BOXのなかに今も残していた。

 グニャグニャに曲げられた銅管にゴム栓が!!
 今ではそれはまるで芸術作品のオブジェのようだった。

 制作者は私である。
 自慢気にいうことではないが、私は昔からとびっきり不器用であった。
 40年近く前に最初に制作したときは、「螺旋形」に銅管を巻くはずだった。
 長年使用しているあいだにここまでなってしまったのか!?
 それでもなかなか処分することのできない。
 私にはとっておきの「お宝教材」だった。

▼この「お宝教材」を使う実験も、この本に出てくるのだった。

◆ 『物質の原子論―生徒と創造する科学の授業』 (プロジェクトサイエンスシリーズ)(古川千代男著 コロナ社 1989.5.10)

 今一度、【目次】を追ってみよう。

[第1章]すべての物質は「分子」と呼ばれる粒でできている
[第2章]すべての分子は「分子運動」をしている
[第3章]物体の「膨張と収縮」は分子運動の変化の現れ  
[第4章]分子運動が変化すれば「気化と液化」が起きる
[第5章]「融解と凝固」も分子運動の変化で起きる
[第6章]「昇華」を見よう

▼「お宝教材」を用いた実験は、第4章に登場した。
「4.6 200℃の水蒸気」(『物質の原子論―生徒と創造する科学の授業』p75)にこの「物語」が語られていた。
 あまりに興味深いので、しばしばこの「物語」を引用させてもらっている。  
「200℃の水蒸気物語」はこんな「問題」から始っていた。

問題 水は100℃で沸騰し、すべて水蒸気になる。さて、水蒸気を100℃以上にすることは可能だろうか。200℃というような水蒸気は存在するのだろうか。予想を出し、その根拠を明らかにしてみよう。 (同書p75より)

 「200℃の水蒸気は存在するのか?」と問われた生徒たちはどう答えたのだろう。
 生徒たちはすでにエタノールと加熱したときの温度変化を調べ、「沸点」の存在、そのとき加えた熱エネルギーが何に使われたかを知っている。
 しかし、ほんとうの意味での「沸点」「分子運動」が見えていたわけではない。
 古川千代男先生は次のように語っていた。
 生徒の意見を聞いてみると、確信を持って200℃の水蒸気の存在を予測できる者はほとんどいない。考えてみたこともないというのが本当のところのようである。100℃以上にならないという確信を持っていることが多い。水は100℃で沸騰するという知識は信仰の域に達しているとしか思えない。2,3の物質の沸点測定や解説くらいで打ち破れない。(同書p76より)

 ではどうするか。それが次なる課題である。
 沸点以後も熱を加え続けるのである。そうすれば、「分子運動」はより活発になり「200℃の水蒸気」も可能なのかも知れない。生徒と一緒に実験方法を考えていった。
 その方法の前に、ここでぜひ引用させてもらいたい一文があった。
コラム風に囲みで書かれていた。
 実はこの一文を紹介したくてながながとこの本の引用をさせてもらっているところもあった。
 素朴で原理むき出しの実験を  現在、高校で行われている実験の中心は定量実験である。数値を得て法則性をみるというだけでなく、一つ一つの手順がそのものがきちんと量を測定しながら行われるものが多い。当然、複雑で時間もかかるようになって、結局何を目的にしていたのかラビリンス(迷宮)の世界に入ってしまう。  定量実験の前に、余計なものをできるだけ省いた、目的がミエミエの実験がもっとあってよいし、そういう実験こそ生徒にやらせたい。その後に、つまり原理がすでにわかった後に、定量実験をやり、法則化してこそ、使える法則になりうると思う。たぶん、原理や法則を先に解説し、その検証として実験をやらせることが多いために、こうなりやすいのだろうが、もっと「発見」のための実験こそ、生徒に考えさせ、計画させ、実施させたい。 そうすると素朴で一目みて納得のいく実験がつくられると思う。(同書p76より)

「素朴で原理むき出しの実験」!!心に留め置きたいコトバだ。
 「物語」をつづけよう。
 具体的にはどのようにして、「200℃の水蒸気」をつくり出したのだろう?
どんな実験装置を考えついたのだろう。
 せっかく100℃の「水蒸気」をつくり出しても、すぐに冷えて湯気(水滴)になってしまう。そうさせないためには「水蒸気」の再加熱することが必要であった。
 どんな方法を考えたのだろう?
(a)水蒸気丸底フラスコを通して加熱  
(b)水蒸気の通るガラス管を加熱
(c)銅板を巻く
(d)銅管を手に入れた
段階を追って進化していった。
そして、銅管を手に入れることによって、実験装置は飛躍的に進化した。
 ここでまたたいへん興味深いことが語られていた。
 ちょうどその頃、船具屋さんの家庭の生徒がいたので、船舶用のエンジンの銅パイプを探して欲しいと頼んでみた。家の近所の船舶エンジン修理工場にあるとのことでさっそくたずねてみた。新品は高いが中古ならやすくしてくれるというので、2mほどわけてもらった。  生徒たちの家業を知っておくのも大切なことだと思う。それぞれの専門で使っている器具や道具など大変便利なものが多い。配線に使う圧着端子など早い時期に教えてもらったのも、熱に強い磁器のソケットを手に入れたのも、生徒の家庭からだった。教科書に載っているような古いものではなく、最新鋭のものがある。商売なのだから当たり前なのだろうが、家庭との連携というのは生活指導だけのことではない。(同書p78より)

「それぞれの専門で使っている器具や道具など大変便利なものが多い。」
「最新鋭のものがある。商売なのだから当たり前なのだろうが」
 これまた
 教材開発にヒントを与えてくれる示唆的なコトバだ。
 銅管を入手して、実験装置はさらに進化した。
 熱効率をあげるため銅管をらせん状に巻きそこを集中的に加熱するようになった。
 これで安易に「200℃の水蒸気」は実現したのだ。
 そして「200℃の水蒸気」でマッチに火をつけるというあの驚異の実験も可能になったのである。
 そして、今、三態変化「定番」実験としてアタリマエのように教科書にも登場してくるようになったのだった。

 すぐれた教材(実験)には必ず興味深い「物語」がある!!

▼これを真似ての拙い授業の「記録」を残していた。

●【三態変化】実践DB 6低温の世界・高温の世界

 あまりにもせっかちな授業になってしまっている。
 もっともっとじっくり考えさせたかったな。\(__ ) ハンセィ

(つづく)

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2022年9月(長月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼昨日(2022/09/01)は、立春から数えて二百十日。まだまだ暑さが残っていた。
この年の残暑もきびしかったようだ。
寅日子先生はこのように詠んでいた。

未だ秋の句にもならざる残暑哉 (明治33年)

この年(1900年、明治33年)の9月8日、英国留学の漱石先生を横浜で見送ったのだった。
寅日子先生23歳の秋だった。

▼さあ、今月も名句の鑑賞 より<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、いつものように

◆NHK「俳句」 テキスト

である。ここより巻頭の名句11句を引用させてもらう。

(1) 満月や耳ふたつある菓子袋 辻田克巳
(2) 片頬を引き摺られゆく案山子かな 高柳克弘
(3) 岐れてもまた岐れても花野みち 富安風生
(4) 秋茄子にこみあげる紺ありにけり 鈴木鷹夫
(5) 窯攻めの火の鳴る二百十日かな 廣瀬町子
(6) ひや〱と朝日さしけり松の中 正岡子規
(7) 松の幹みな傾きて九月かな 桂 信子
(8) はなびらの欠けて久しき野菊かな 後藤夜半
(9) 折鶴に秋冷満ちてくる夜かな 林 桂
(10) 月明き浜に流木曳きしあと 上田五千石
(11) 月面になびいて旗の愚かさよ 関 悦史

▼<俳句修業>の第一歩は「選句」から!!
 俳句は詠み手と読者の共同作業で成立する。
 ダカラ 愉しい!!
 今月もシロウト「選句」を楽しむことからはじめてみよう!!

【私の選んだ名句ベスト3】

(3) 岐れてもまた岐れても花野みち 富安風生

(1) 満月や耳ふたつある菓子袋 辻田克巳

(4) 秋茄子にこみあげる紺ありにけり 鈴木鷹夫

【次点】

(8) はなびらの欠けて久しき野菊かな 後藤夜半


【選評】
・ひとり吟行の「みち」を思い出した。どのコースにも定番の「花野」があった。
・あの白い「菓子袋」、ワクワクが詰まっていたな。袋をクルクルと回すとふたつの耳が!!
・「こみあげる紺」とはうまいもんだ!!他に言い換えることは不可能だ。
・「欠けて久しき」は野菊ナラデハ!!きまった場所で出会うのが楽しみだ。

▼寅日子先生に師事する私たちのオンライン句会「寅の日」も、はや3年目に入ります。

◆第25回オンライン句会「寅の日」9月例会案内!!

 選句修業の次は「句会」に挑戦です。
 いつでも、誰でも 今すぐ はじめることができますよ!!
 「俳句」はじめての方も大歓迎です。
 私も 只今 修行中デス!!    

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2022年9月(長月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼ステージはかわった。9月(長月)デアル。
 9月の「雲見」を予想する前に8月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダー(理科ハウス)でふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴    1 
・巻雲    0 
・巻積雲   1 
・巻層雲   1     
・高積雲   1  
・高層雲   1     
・層積雲   5 
・積雲   17  
・層雲    0  
・乱層雲   4   
・積乱雲   0

 「快晴」1+「積雲」17=18
 「積乱雲」0+「乱層雲」4=4
 結果的にこうなった。あれっ!? 自分でも少し違和感がある。
 たびたび「雷雨」にも出会ったし!?
 これは、基本的には朝9時の「雲見」の結果だった。
 だから、「積雲」シールを貼った日の午後に「雷雨」ということもしばしばだった。
 そういうことを考えたうえでも、8月はやっぱり夏だったんだ!!
 ここのところ、メモ書きはアメダスの「記録」により「最高気温」~「最低気温」を書き込むようにしている。
 それによれば
 ・「猛暑日」=5日
 ・「真夏日」=23日
 ・「夏日」=3日
 やっぱり暑い暑い 「福崎の夏」だったんだ!!

▼9月(長月)の「雲見」の予想に入ろう。
 まずは昨年の9月の天気図を見てみる。

◆日々の天気図 2021年9月 (気象庁)

・本日は二百十日!!やっぱりいちばんに気になるのは台風だ!!
・まずは台風11号の動きに注目だ。
・防災・減災はもちろんのこと!!そのうえでの話、「台風は雲の展覧会!!」という。「雲見」を楽しもう!!
・秋雨前線にも注目だ!!
・「光は東から 天気は西から」を実感する季節に入る。
・秋晴れの「快晴」シール何枚貼れるかな?
・「猛暑日」はまだあるのかな!?

 9月の「雲見」予想をつづけよう。
 よりローカルな資料を使ってみる。
 アメダス「福崎」のデータに基づく資料である。

◆兵庫県 福崎 の気候(雨温図 最高気温、最低気温の推移

・雨は8月に比べれば増えてきそうである。
・気温も上旬は高いものの、中旬下旬にかけてどんどん下がっていきそうだ。
・ケンケン三兄弟=「巻雲」「巻積雲」「巻層雲」のシールが増えてきそうな余寒がする。
・「暑さ寒さも彼岸まで」はアタリ!!となるかな。
・ヒガンバナの初見はいつになるだろう。

▼「雲見」の旅をまだ再開できずにいる。
 ヒガンバナのシーズンにあわせて

 ヒガンバナスポット+「雲見」の旅 に出たい!!

 さあ、気の向くままに!!

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