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「原子論」を科学する(47) #物質の原子論 #古川千代男 #原子論と授業 #三態変化

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▼まだまだ「原子論」教育史をつづけようと思う。
 板倉聖宣氏の「原子論」教育史年表に<追加>してみようと思う。
 まずはこれだ。

●1989年 古川千代男著『物質の原子論-生徒と創造する科学の授業-』コロナ社刊(1989.5.10)


▼この本の「はじめに」は、朝永振一郎氏のコトバの引用からはじまっていた。

 「近代物理学の大きい成果は原子論の発展上に立っている。物理学が単なる直接的な現象の記述だけで満足していたならば、こんな成果は得られなかったであろう。物理学者の目に見える現象の背後に原子の世界を推定する。この世界は初めはたんにいくつかの現象をまとめて記述する便利な仮説と考えられていただろうが、現在のわれわれにとって原子の存在は太陽の存在と同じように確実なものである。ここでは、こういう認識にわれわれが達した道行きと、それによって得られた成果とを明らかにすることに努める。」
(朝永振一郎編「物理学読本」第二版みすず書房(1969)から)
(『物質の原子論-生徒と創造する科学の授業-』「はじめに」ⅰより)

 古川氏はなぜこの引用からはじめたのだろう!?
 そんなことを考えながら、次に読み進めてみよう。

▼続けて「はじめに」から引用させてもらおう。

 現代の自然科学を成立させている基礎的な概念を与えなければならないという理想と、具体化された内容との落差が大きすぎたようである。それでは一体何が基礎的で基本的な概念なのだろうか。
 現代科学は、「原子論」と「エネルギー論」の2本柱で成立しているといわれている。18~19世紀にかけてこの二つの概念はアリストテレス的自然観と鋭く対立しながら確立されてきた。最初に引用した文章にあるとおりである。自然科学教育の担うべき目標は、この二つの概念を豊かに与えることである。
(『物質の原子論-生徒と創造する科学の授業-』「はじめに」ⅲより)

「概念を豊かに与える」とは!?
 
▼より具体的に述べて、古川氏の基本的立場を明らかにしていた。

 ここでとり上げようとしている「三態変化」は、その概念のうち「原子論」の重要な一翼を担うものである。“すべての物質は三態のいずれかで存在”し“すべての物質は三態変化する”という事実は、その裏に隠れている『すべての物質は原子で構成されており、その原子はたえず分子運動をしている』ことを巨視的に表現しているといえよう。身のまわりによく起きる現象だからとり上げるのでなく、物質の基本的な成り立ちを探るために欠かせない現象だからとり上げるのである。そうなると当然、三態変化も現象面だけとり上げて終わらせるわけにはいかないし、また、概念の一般化を図るためにもできるだけ多種類の物質をとり上げなければならない。これが私の基本的立場である。
(『物質の原子論-生徒と創造する科学の授業-』「はじめに」ⅲより)

 ここから、古川氏の有名な数々の実験が誕生した!!
 「原子論」の具体的な授業実践の典型!!
 ということで、しばし この本から学んでみたいと思う。

(つづく)

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