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「原子論」を科学する(29) #原子論の歴史 #板倉聖宣 #仮説社 #科学史

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▼「原子論」を科学する シリーズをつづけようと思う。
 さらに「原子論」の歴史 もまた続けたいと思う。
 少し切り口も変えてみようと思う。
 参考にする本も変えてみる。
 
◆ 『原子論の歴史-誕生・勝利・追放-』(板倉聖宣著 仮説社 2004.4.5初版)

▼さっそく、「目次」をあげてみよう。

第1章 ギリシアの社会と哲学の誕生
 ……原子論の誕生
第2章 アリストテレスの科学研究
 ……「古代最大の哲学者」の生涯と原子論
第3章 科学になった原子論
 ……重さに目をつけたエピクロス
第4章 その後の逍遥学派と原子論
 ……ストラトンの〈真空論〉と重さの研究
第5章 アルキメデスの科学と原子論
 ……付録:医学者エラシストラトスと原子論
第6章 ローマのエピクロス主義者たち
 ……「原子の詩人」ルクレティウスとその他の詩人たち
第7章 紀元1~2世紀の原子論
 ……セネカとルキアノスの時代
第8章 偽預言者事件と原子論者たち
 ……キリスト教の国教化とギリシア哲学の追放

▼あれ!?
 前回まで参照していた『原子論の誕生・追放・復活』とよく似たタイトルだ!!
 『原子論の歴史-誕生・勝利・追放-』
 微妙にタイトルがちがうのがわかるでしょうか!?
 そうです。「誕生」と「追放」のあいだに「勝利」が入っているのです。
 どうやらここに著者の強いこだわりがあるようです。
 「はしがき」に次のようにのべています。

 古代ギリシャの原子論は<まったく空想的なものに過ぎない>というのは間違いです。それは立派な実験的な根拠もっていて、アルキメデスなどの古代ギリシアの科学を生み育てていたのです。アリストテレスが原子論を懸命に論駁したことは確かですが、アリストテレス学派の3代目の学頭ストラトンは原子論に限りなく接近しました。古代ギリシアの時代においてさえ、原子論は事実上勝利していたのです。そして、古代ローマの時代にも原子論は多くの人びとに支持されていたのです。 
(『原子論の歴史-誕生・勝利・追放-』P1より)

 このように「勝利」を強調しています。

▼もうひとつこの本には大きな特徴があります。
 またまた「はしがき」でこうのべていました。

 さて、じつは私がこの本の原稿を書きはじめたのは、高等学校の『基礎理科』というコースで「科学史を中心とした授業」が始まることを知ったときでした。これまでの理科教育は、多くの「科学嫌い」を生産する結果になりましたが、高校で科学史の授業が始まると、またまた多くの「科学史嫌い」が生産される結果になるのではないかと、とても心配だったからです。
(中略)
 そこで、科学史と科学教育の研究の両方を専門にしている私としては、ごく一部分の授業でもいいから「私ならこうする」というプランが発表できないものか、と思い悩んできました。
(中略)
 そこで思いついたのは、「<原子論の歴史を中心にした科学史>の授業をやったら、高校生たちにも楽しい授業かも知れない」ということでした。
(『原子論の歴史-誕生・勝利・追放-』P2より)

 ナラバ
 本書をテキストとして、私自身が高校生になったつもりで、今一度、「原子論」の歴史を追いかけてみようと思った!!
 寄り道、脇道、道草もいっぱいに 気の向くままに!!  
 ゆっくり  ゆっくり 急ごう!!
   
(つづく)

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