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実生コヒガンバナは今!!(2022/04/29) #コヒガンバナ #二倍体 #実生コヒガンバナ #日本ヒガンバナ学会

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定点ヒガンバナ、実生ヒガンバナの枯れがすすんでいくなか、実生コヒガンバナはどうだろう!?

 前回の観察(2022/02/02)から3ヶ月近くが過ぎようとしていた。
 木陰に置いておいたコヒガンバナは、それでも冬の光をたっぷり受けてその姿を堅持していた。
 しかし、葉は少し枯れ始めていた。

▼「おすそ分け」してもらったコヒガンバナの「種子」から育てている実生コヒガンバナ!!
 実生コヒガンバナの鉢はぜんぶで16鉢あった。
 すべてを明るい場所に出して、ならべてみる。
 これだけで、なかなかの圧巻である。
 現在出ている葉の枚数によって分けてみると次のようになった。

【10枚】…1鉢
【9枚】 …1鉢
【6枚】 …1鉢
【5枚】 …3鉢
【4枚】 …6鉢
【3枚】 …3鉢
【2枚】 …1鉢 

 これは3ヶ月前とまったく同じだった。
 10枚の葉の出ている鉢、葉の最長は40㎝と前回より2㎝ばかり伸びている。
 しかし、個々の葉を見てみると、すでに枯れははじまっているようだった。

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▼枯れがはじまっているとは言え、この姿を見ていると

 コヒガンバナは、やっぱり2倍体(2n=22)ダ!!

 を実感するのであった。
 コヒガンバナの「種子」を「おすそ分け」してもらったのが、2014.10.26だった。
 この「種子」を使っての実生実験をはじめたのが2015年春である。
 こうして8度目の春が終わるのだった。

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▼このあとも枯れがすすみ、地上部から完全に姿を消してしまうだろう。
 そして…!!
 ついつい期待してしまうのである。

 いよいよ 今年あたり!!と

 秋口になると、花芽が顔を出し、花茎がスルスルとのびて花が咲く!!
 2倍体だから、「種子」で殖えてもアタリマエ!!
 でも私はまだそれを自分の眼で確かめてはいなかった。
 花が咲いたら、また「種子」をアタリマエにつくるだろうか!?

 できたら、今度は私が「おすそ分け」しよう!!

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実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!(2022/04/27) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼庭の定点ビカンバナ、2019年以前に採集・回収した「種子」を使った実生実験中のヒガンバナと見てきた。
 いずれもが枯れがはじまっていた。
 2019年に「自然結実」ヒガンバナから採集・回収した530個の「種子」を使った実生ヒガンバナ実験ではどうだろう。
 27個が「出葉」していた!!
 前回の観察(2022/02/07)から年を越して、79日がたっていた。
 「出葉」の様子はどう変化しただろう。
 
 定位置に置いたまま観察してみた。

▼一昨日(2022/04/27)現在を「記録」しておく。

まず【安富】【夢前】の鉢が置いてある場所だ。
まわりの草、笹などがけっこうのびていた。それらをとりのぞいて観察した。

【安富】
・「出葉」している鉢はかわらず2つである。
・となりあわせの2つだ。
・一鉢の方の葉は完全に枯れてしまっていた。もうひとつの方も先からかれはじめていた。(13.0㎝)

【夢前】
・「出葉」している鉢はかわらず3つである。
・葉は確かに以前より少しだけのびてきていた。(12.0㎝、21.0㎝、19.0㎝)
・葉の先の方から少し枯れ始めている。

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▼次は【福崎】である。

【福崎】
・「出葉」している鉢は前回と変わらず13鉢である。
・二枚の葉をのばしている鉢も2つあった。一鉢の葉は枯れてしまっていた。
・三枚の葉をのばしている一鉢ではもっとすごいことが起こっていた。
 「分球」!?(球根は分かれかけているように見える!!)
・一枚の葉でもすごくのびているものもあった。それも前回より3㎝ものびていた。(26.0㎝)
・ふたつの鉢で枯れて完全消失!!
・多くで葉の先で枯れがはじまっていた。

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【その他】
・「出葉」している鉢は前回と同じく3つあった。
・二枚の葉がでているものも前回より1㎝のびていた。(17.0㎝、17.0㎝)
・一枚の葉でもよくのびているものもあった。先は枯れ始めていた(19.0㎝)

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▼その他に「育苗プラグトレー」のままになっていたものについては、2022/03/08に植木鉢に植え替えていた。

【育苗トレー】
・6鉢あった。
・二枚葉を出していた鉢はすっかり枯れてしまっていた。

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 全体をまとめて、葉の枯れははじまっている!!
 すでに枯れて消失したものもあるほどである。
 これで2021年の秋にはじまった2年目の「出葉」の観察は終わる。
 いったんまとめてみよう。


【2019年採集分の実生実験】の現段階での結果(2022/04/27)

【2019年】 530個の「種子」採集・回収

【2020年】
・発芽率  140/530×100=26.4 %
・出葉率  54/140×100=38.6%
 全体で  54/530×100=10.6%

【2021年】
・2年目の出葉率 27/54×100=50.0%

 さて、3年目の今年の秋は!?

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第21回オンライン句会「寅の日」5月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼我らが寅日子先生は、最晩年(1935)のこの時期にたいへん興味深い随筆を書いていた。

●「五月の唯物観」(青空文庫より)

 先生らしい観察眼と考察がさえる文章である。

▼さて、そんな五月!!
 私たちのオンライン句会「寅の日」ではどんな句が詠まれるだろう。
 「楽しみ」である。
 「楽しみ」が「愉しみ」にふくらむオンライン句会!!
 この五月例会で はや第21回目である。

▼あらためて、第21回オンライン句会「寅の日」5月例会実施案内 をあげておく。

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第21回オンライン句会「寅の日」5月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 


5.【投句期間】
 2022年5月1日0時から15日23時30分まで
 
6.【選句期間】
 2022年5月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2022年5月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

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▼なんでもはじめてみなければわからないことがある。
 オンライン句会でも、ここまで進んできて、はじめてわかってきたことも多い。
 「知らなかった」ことを恥じたり、悔やむ気持ちよりも
 「はじめて知る」喜びの方が大きい!!
 手持ちの「歳時記」「国語事典」「漢和辞典」「古語辞典」等を総動員して、「はじめて知る」!!
 
 「ヘェー!!」「そうだったのか!!」 と。
 なんとも愉しいひとときである!!

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Twitterはじめて4,600日目に思うこと!! #藤の花 #Twitter #Twitter的

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100日前、そこには「藤の実」がぶらさがっていた!!
 はじけとぶ「その瞬間」を目撃したくて、この藤棚に毎日のように通っていた。
 そして、その「潮時」は、2022/03/03ついに訪れた。

 100日経った今、そこにはみごと「藤の花」が咲いていた!! 

▼私が、ひょんなことがきっかけでTwitterをはじめたのは、2009/09/23である。
 それ以来、100日ごとに

●「Twitterはじめて○○日目に思うこと!!」

という「記事」を綴りつづけてきた。
 大げさに言うことはない。単なる「覚え書き」である!!
 ときには、それは自然の景の移り変わりの「記録」ともなる。

▼そのなかでいつも語ってきた「Twitter的」!!

 「Twitter的」とは
 私の勝手な造語である。6つのキーワード・概念からなる

 Twitter的=
「リンク」
「シェア」
「フラット」
「等身大」
「リアルタイム」
「アクティブ」

 もちろん「Twitter的」はTwitterのみを意味しない!!
 少し大げさに言えば
 ネット世界における私の「流儀」「作法」である。

 いや、それを超えて、これが私の「哲学」であり「生き方」である!!

 なんと大げさな (^^ゞポリポリ

▼今、ひょっとしたら世界的にもっともTwitterが注目を集めているときかも知れない。
 そのあたりのことは、私にはよくわからない。

 次の100日後には、今盛りの「藤の花」はどうなっているだろう!?

 100日後のTwitter的のターゲットは何に向かっているのだろう!?

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「煮干しの解剖」を科学する(10)#こどもサイエンスひろば #サイエンス教室 #魚のかがく #煮干しの解剖教室 #煮干しの解剖資料室

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▼ついに、これまでの「ひとり授業」、今回の「煮干しの解剖」を科学するシリーズ(「教材研究」として)で取り組んできた「煮干しの解剖」を子どもたちと一緒にやらせてもらいました。

● たつの市 こどもサイエンスひろば  「サイエンス教室」  
 「魚のかがく」(~「煮干しの解剖」~)
 4月24日(日)開催
 午前の部は 10時30分から12時 (90分)小学校高学年中心
 午後の部は 13時30分から14時30分 (60分)小学校低学年中心

 とても熱心に取り組んでくれて私にとっても楽しい時間でした。
 うまくいっても、いかなくても、やっぱり「授業」は楽しい!!
 こどもサイエンスひろばのスタッフのみなさんの協力に感謝です。

▼今回の展開のすべては「煮干しの解剖資料室」を参考にさせてもらいました。

◆「煮干しの解剖資料室」

●「授業用資料」から
・カラー写真シート…名称入りの実物写真(A4で2枚分)
・貼り付け用台紙(写真入り 少々厚紙)
をプリントアウトして使わせてもらいました。また説明のためスクリーンにも映して利用させてもらいました。
●「解剖してみよう」(体験マニュアル)
・授業の展開は、ほぼこの通りやらせてもらいました。

▼先日小学校に入学したばかりの「新一年生!!」も多数参加してくれていました。
 その新一年生から高学年の子どもたちまで幅広い子どもたちたちが対象でした。
 そこで、メインとなる展開は「煮干しの解剖資料室」を参考にしながらも、テーマ「魚のかがく」にそって少しカスタマイズしてみました。
 いくつかありますが、特に面白かったのは次の2つです。

・メダカ観察用ミニ水槽をひとりひとつ置いたこと。(こどもサイエンスひろば 森本雄一さんの発案)
・これまでの解剖実習でこだわってきた消化器官=「ちくわ」(人間は考える「ちくわ」である)をここでも強調した。

 2つとも予想していた以上に好評であった。
 特に前者は、メダカの「背骨」が透けて見えるのがとてもリアル!!
 「ひれ」のうごきも目の前で見れば、説得力をもつ。
 ふたつ目に関連して、目の前で「うんち」もしてくれた。メダカも気をつかってくれたのかな!?アリガタイ!!
 そうそう産卵も!!

▼ほとんどの子どもたちが、各器官を「台紙」に貼り付けてくれていた。
 午後の低学年子どもたちには、時間の関係もあるので、よく目立つものだけを思っていたが、次々とみつけ「耳石」までみつけている子どももいた。親子で「解剖」に夢中になる姿をみせてもらっているとこちらまでうれしくなってきた。
 最後に聞いてみた。
 「魚さんって スゴイと思った人!?」
 「ハーイ!!」(元気よく多くの手が上がった。)
 うれしかった!!

 最後に、もういちど「煮干しの解剖資料」のURLをお知らせした。 

 この続きは、ぜひおうちで!!と


 「煮干しの解剖」は、おうち実験に最適!!
 「煮干しの解剖」教材で、あらたなオンライン授業の可能性を!!
 
(了) 

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【Web更新4/24】22-17 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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実を残しいつのまにやら藤の花 22/04/23撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-17
週末定例更新のお知らせ
 はやくも4月最後の週末定例更新となった。
 なんともそのはやさに心もからだもついていけない!!
 
 はやいのはそれだけではなかった。
 季節も晩春、初夏を通り越して夏!?
 もっと ゆっくり ゆっくり 急ごうや !!

◆表紙画像集2022 更新 藤の花
 実がはじける「潮時」を観察したくて、冬の間ずっとずっと通い続けた藤棚。
 しばらくぶりに訪れたら、はじけなかった実を残したまま、すっかり花の季節となっていた。
 それにしてもみごとなものだ「藤の花」は!!
 今度はこのみごとな「藤の花」が、どのように「藤の実」に変化するか!?
 またしばらく通ってみようかな。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 しばらく続けてきた 「煮干しの解剖」を科学するシリーズも、いよいよ本番だった。
 実に楽しかった。
 また多くのことを学ぶことができた。深謝 <(_ _)>

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 オンライン「寅の日」11年目の歩みもはや1ヶ月が過ぎようとしている。
 5月テーマは「寅彦と科学教育」である。
 あらたな展開も期待したいところである。

◆【ヒガンバナ情報2022】 更新!!
 ヒガンバナの葉が今枯れかけようとしている。
 しばらくすると地上部から姿を消してしまうだろう。
 今こそ ヒガンバナの葉 の観察を!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから4週目です。
 いちばんのりの「葉芽」は葉が開こうことしている。やがて「浮葉」となるだろう。
 あとにつづく「葉芽」も次々と。

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実生ヒガンバナ(2019年以前分)は今!!(2022/04/23) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼庭の定点ヒガンバナの葉は枯れ始めていた。
 「自然結実」したヒガンバナの「種子」から育てている実生ヒガンバナの葉はどうだろう!!

 前回の観察から78日が過ぎていた。
 昨日(2022/04/23)、9つの鉢を明るいところに持ち出して観察してみた。

▼実生実験開始が古い順番に見て行く。

●2014年「種子」採集→2015年実生実験開始→植木鉢3つ

・「出葉」しているのは一鉢だけ。
・葉の数は前回と変わらず三枚!!
・葉の長さはほぼ33㎝、30.5㎝、30.5㎝ これだけでも圧巻だ!!
・前回観察から2㎝~2.5㎝のびている。
・すでに一枚の葉は先の方から枯れ始めている。
・枯れきってしまうのはいつだろう!?
・秋のお彼岸近くに「花芽」が顔を出す日はほんとうに来るのだろうか!?

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▼次に行く。

●2016年「種子」採集→2017年実生実験開始→植木鉢3つ

・こちらも「出葉」しているのは一鉢だけ。
・葉の数も前回とかわらず四枚!!
・葉の長さもけっこうよくのびていた。
 25㎝、22.5㎝、19㎝、15㎝
・前回よりも2㎝~3㎝のびていた!!
・よく伸びた2枚の葉が先端から枯れ始めていた。
・あと2枚はまだ緑を残している!!

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▼最後は2018年採集分だ。

●2018年「種子」採集→2019年実生実験開始→植木鉢3つ

・こちらは「出葉」している鉢は二鉢だ。
・二鉢とも「出葉」している葉の枚数は一枚だけだ!!
・どちらの鉢の葉も、前回の観察より1.5㎝~3㎝ のびていた!!
 A 20.5㎝、 B 17㎝
・いずれも群生地「安富」で採集した「種子」からであった。
・いずれの鉢の葉もまだ枯れははじまっていなかった!!
・若い!?ということだろうか。

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●実生ヒガンバナに花が咲くことはあるのだろうか!? それはいつだろうか!?
●私はその花を見ることができるだろうか!?

私のビカンバナの「ふしぎ!?」はつづく!!


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定点ヒガンバナの葉は枯れ始めた!!(2022/04/22) #ヒガンバナの葉 #ヒガンバナの一年 #日本ヒガンバナ学会

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▼庭の定点ヒガンバナの葉が、カラスノエンドウの包囲網のなか枯れ始めた!!
 毎年のことながら、今!! なんだと「記録」しておきたくなった。

 \(・_\)ソノハナシハ (/_・)/コッチニオイトイテ
 ところで庭を覆い尽くそうとする「カラスノエンドウ」ってほんとうに「カラス」なのかな!?
 もっと小さければ「スズメ」で「スズメノエンドウ」!!
 「カラス」と「スズメ」の中間ぐらいだったら「カスマグサ」!!
 いいな!!
 このアバウトさ最高!! 誰がこんな命名したのだろう!?

▼枯れ行く定点ヒガンバナに
・定点A…二十数年継続観察をつづける株だ。ほとんどが黄色く枯れている。
・定点B…紅白そろいぐみのヒガンバナだ。シロバナヒガンバナの少し幅の広い葉はすっかり枯れてしまっている。
・定点C…東京から引っ越してきたヒガンバナ。植木鉢の中でこちらもすっかり
・定点D…いつの頃からか庭に入り込んだヒガンバナ。他の花のなかで、埋もれるように倒れ込んでいた。まだ緑を多くのこしていた。

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▼いずれもが、冬のあいだは光をひとり占めして、あんな元気だった姿はもうない。
 やがて梅雨時が近づけば、枯れた葉も姿を消すだろう。
 そして、完全に地上部から姿を消してしまうだろう。
 ヒガンバナを「引っ越し」させるなら、この時期だ!!

 そして、秋のお彼岸が近づいて来ると、にょっきりと花芽が顔を出してくる。
 やがて花茎をスルスルとのばし、あの燃え立つようなみごとな花が。
 でも 「ハミズ ハナミズ(葉見ず 花見ず)」!!

 なんとみごとな「戦略」だ!!今さらのごとく感動だ!!

◆<科学読み物>「彼岸花の一生」~一年間をかけたみごとな戦略~


▼あの田んぼの畦のヒガンバナは今どうなっているだろう!?
 毎年楽しませてもらうあの土手のヒガンバナは今!?

 そして、「種子」から育ている実生ヒガンバナの葉は 今!?


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「煮干しの解剖」を科学する(9) #煮干しの解剖教室 #煮干しの解剖資料室 #体験マニュアル

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▼さらに「煮干しの解剖」教材史を追ってみる。
 『たのしい授業』(仮説社)04年03月号 [ No.278 ]の報告から6年!!
 ついに、本になった。

●2010年7月22日初版 『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)

 「煮干し解剖」実習の最高のテキストとして役に立つ。名著中の名著!!
 この本が、「煮干しの解剖」普及に大きな役割をはたしたのだろう。

▼さらに、それから12年!!
 今 最も役に立つのが、引っ越し作業を終えた「煮干しの解剖資料室」だ。

◆「煮干しの解剖資料室」 

 関連する情報が満載だ!!
 なによりリアルタイムの更新がうれしい!!

▼もう少し、ていねいにサイトのなかみを見せてもらう。

<ホーム>  News リアルタイムな関連情報
<はじめに> 教材発展史 参考文献等について

特にアリガタイのは次だ!!

<用意するもの> 実に具体的に準備するものが書いてあります。アリガタイ!!

<解剖をしてみよう>
・まずは自分が体験してみるための最高の体験マニュアル!!
・これまでの数多くの実践から難易度が表示されているのはとてもうれしい。
・ツボをおさえた解説はとても参考になる。
・図、写真もたくさん使われ具体的デアル!!
・今回の私の最大の「難関」であった「心臓」もこれでわかるようになった
\(^O^)/
・なによりリアルタイムの更新が最高にウレシイ!!

▼さらに続けよう。

<Q&A> あるある!!の質問と答え 参考文献・ウェブ資料も

<授業用資料>カラー写真シート…名称入りの実物写真(A4で2枚分)・貼り付け用台紙 深謝<(_ _)>
 
<リンク> イワシ・解剖・関連いろいろ情報のリンク集!!


 このサイトによって、「煮干しの解剖」教室はさらにあらたな展開を見せることになるかも知れない。
 楽しみである。

(つづく)
 

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「煮干しの解剖」を科学する(8) #たのしい授業 #あのな検索 #煮干しの解剖 #実践記録 #生徒の感想

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▼昨年の9月の「ひとり授業」、そして今回の「教材研究」としての「煮干しの解剖」を報告するなかで、実に多くの人からアドバイス・コメントをもらった。そのことからよくわかった。

 これまでに多くの人によって「煮干しの解剖」が取り組まれていた!!
 校種問わず、異学年の「授業」のみならず、校外での「科学の祭典」、「科学教室」などにおいても!!


それは、いつどのようにはじまったのだろうか!?
 それが、ぜひとも知りたくなった。

 例の『たのしい授業』(仮説社)の「あのな検索」を利用させてもらって、「煮干しの解剖」で検索をかけてみた。
 
●あのな検索

 17件がヒットした。そして、あった!!

●『たのしい授業』04年03月号 [ No.278 ] 89ぺ(12)
 「指で割るだけ! 煮干しの解剖」(小林眞理子)

 『たのしい授業』バックナンバーPDF集(仮説社)よりさっそく読み込みプリントアウトして読ませてもらった。

▼実に面白い!!
 まず最初にふたつある。

・小林先生自身がどのように「ニボシのかいぼう」に出会ったかがくわしく報告されている。
・「指で割るだけ! 煮干しの解剖」のタイトルにすべてが。

 やっぱり「教材」のルーツをたどることは、たいへん興味深い作業である。
 「教材」の本意をそこにみつけることができるからだ。
 今回の場合は 「指で割るだけ!」だ!! 

▼この小林先生の実践報告が、このあと多くの人が「煮干しの解剖」に取り組む「はじまり」になったことはまちがいなさそうだ。
 そう確信する理由もふたつあった。

●追試がやりやすいようにくわしく具体的に書かれていた!!
・準備するもの
・解剖体験マニュアル(これが特にスバラシイ!!\(^O^)/)
・授業の進め方ー 少人数の場合と多人数の場合

●「煮干しって生きていたんだね」 中学生の感想!!
・これがきわめつけだ!!
・この生徒たちの感動のコトバを読めば、きっと「では私も…」と思ったにちがいない。

(つづく)

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2022年5月のオンライン「寅の日」は #寅彦と科学教育 #traday #寺田寅彦

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オンライン「寅の日」は11年目の歩みに入っている。
 最近、その存在を知ってもらった人が驚かれた。
 「えっ、10年も前からこんなことやっているのですか!?」
 「オンラインだから、ごく最近はじめられたものかと!?」 
 と言われてみて、自分自身でも驚いてしまうのだった!!

 この次の10年の展開の方向は歩みを続けながら考えたいと思っていた!!

▼2022年5月のオンライン「寅の日」の計画を立てる時期だ。
 11年目スタートから二月目である。はじまりのテーマを受けて、その延長線上にあるテーマでいきたい。

【5月テーマ】「寅彦と科学教育」

 としたい。5月は3回ある。

■2022年5月オンライン「寅の日」!!
◆第315回オンライン「寅の日」 …5/01(日)
◆第316回オンライン「寅の日」 …5/13(金)
◆第317回オンライン「寅の日」 …5/25(水)


▼「10年の歩み」のなかで

◆寺田寅彦「科学(理科)教育」十選!!

を決めていた。このなかから準定番の3つを選んだ。
「物理学実験の教授について」「科学上の骨董趣味と温故知新 」「マーカス・ショーとレビュー教育」
である。


■2022年5月オンライン「寅の日」!!

◆第315回オンライン「寅の日」 …5/01(日)「物理学実験の教授について」(青空文庫より)

◆第316回オンライン「寅の日」 …5/13(金)「科学上の骨董趣味と温故知新 」(青空文庫より)

◆第317回オンライン「寅の日」 …5/25(水)「マーカス・ショーとレビュー教育」(青空文庫より)


▼よくこんな質問を受ける。
「それで、何人ぐらいが参加されているのですか?」
 答えに窮してしまうのだった。
「実はそれはわからないです」としか答えようがなかった。

 オフライン「寅の日」はめざすひとつの方向かも知れない!! 
 今は可能なものの領域を汲み尽くそう!!

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本日(2022/04/19)、第314回オンライン「寅の日」!! #科学者とあたま #traday #寺田寅彦

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▼今さらの疑問があった。
 「科学者」とは!?
 
 私は今、ふたつの「科学する」をすすめている。
・「静電気」を科学する
・「煮干しの解剖」を科学する
である。
 「科学する者」=「科学者」ナラバ 私は「科学者」か!?
 シロウト「科学者」!?
 科学研究を生業とする者=ホンモノ「科学者」!?
 しばし、この今さらの疑問につきあってみようと思う。

▼本日(2022/04/19)は、第314回オンライン「寅の日」である。
 4月のテーマは

【4月テーマ】「寅彦と科学者」

 である。その第二回目の本日は「科学者とあたま」を読む。 


◆本日(2022/04/19)、第314回オンライン「寅の日」!!

●「科学者とあたま」(青空文庫より)


▼私は勝手に思っている。この随筆が、科学教育に携わる人たちのあいだではいちばんよく読まれてきたのではと!!
 現にオンライン「寅の日」でも、これまでに9回もとりあげている。
 しかし、何度読んでも読む度にあらたな発見をし、ナルホドと熱く共感するのである。
 不易の熱きメッセージがここにある!!

 では、その熱きメッセージの数々を。

 しかしまた、普通にいわゆる常識的にわかりきったと思われることで、そうして、普通の意味でいわゆるあたまの悪い人にでも容易にわかったと思われるような尋常茶飯事(さはんじ)の中に、何かしら不可解な疑点を認めそうしてその闡明(せんめい)に苦吟するということが、単なる科学教育者にはとにかく、科学的研究に従事する者にはさらにいっそう重要必須(ひっす)なことである。この点で科学者は、普通の頭の悪い人よりも、もっともっと物わかりの悪いのみ込みの悪い田舎者(いなかもの)であり朴念仁(ぼくねんじん)でなければならない。
 頭の悪い人は、頭のいい人が考えて、はじめからだめにきまっているような試みを、一生懸命につづけている。やっと、それがだめとわかるころには、しかしたいてい何かしらだめでない他のものの糸口を取り上げている。そうしてそれは、そのはじめからだめな試みをあえてしなかった人には決して手に触れる機会のないような糸口である場合も少なくない。
自然は書卓の前で手をつかねて空中に絵を描いている人からは逃げ出して、自然のまん中へ赤裸で飛び込んで来る人にのみその神秘の扉(とびら)を開いて見せるからである。  頭のいい人には恋ができない。恋は盲目である。科学者になるには自然を恋人としなければならない。自然はやはりその恋人にのみ真心を打ち明けるものである。

そして、ここまで言い切るのである。

 科学の歴史はある意味では錯覚と失策の歴史である。偉大なる迂愚者(うぐしゃ)の頭の悪い能率の悪い仕事の歴史である。

▼そして、「科学研究」のあり方について話は及んでいく。

しかし科学の世界ではすべての間違いは泡沫(ほうまつ)のように消えて真なもののみが生き残る。それで何もしない人よりは何かした人のほうが科学に貢献するわけである。
科学的研究の結果の価値はそれが現われるまではたいていだれにもわからない。また、結果が出た時にはだれも認めなかった価値が十年百年の後に初めて認められることも珍しくはない。

そして、最も核心部へと迫っていく。

 頭がよくて、そうして、自分を頭がいいと思い利口だと思う人は先生にはなれても科学者にはなれない。人間の頭の力の限界を自覚して大自然の前に愚かな赤裸の自分を投げ出し、そうしてただ大自然の直接の教えにのみ傾聴する覚悟があって、初めて科学者にはなれるのである。しかしそれだけでは科学者にはなれない事ももちろんである。やはり観察と分析と推理の正確周到を必要とするのは言うまでもないことである。  つまり、頭が悪いと同時に頭がよくなくてはならないのである。

 また、親身になってのアドバイスも忘れなかった。

そういう別の世界の存在はしかし人間の事実である。理屈ではない。そういう事実を無視して、科学ばかりが学のように思い誤り思いあがるのは、その人が科学者であるには妨げないとしても、認識の人であるためには少なからざる障害となるであろう。これもわかりきったことのようであってしばしば忘られがちなことであり、そうして忘れてならないことの一つであろうと思われる。

 そして、最後にこう問いかけてくる。

 この老科学者の世迷い言を読んで不快に感ずる人はきっとうらやむべきすぐれた頭のいい学者であろう。またこれを読んで会心の笑(え)みをもらす人は、またきっとうらやむべく頭の悪い立派な科学者であろう。これを読んで何事をも考えない人はおそらく科学の世界に縁のない科学教育者か科学商人の類であろうと思われる。

あなたはこの「科学者とあたま」を読んでどう感じましたか!?

しばし、今さらの疑問について考えてみたい。 

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【Web更新4/17】22-16 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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忘れものにあらざりや花大根 22/04/16撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-16
週末定例更新のお知らせ
 新年度がはじまったと思ったら、はや3度目の週末定例更新である。
 
 時間ばかりが恐ろしくはやく過ぎていく 不可能にあこがれず
 可能なものの領域を汲み尽くそう!!

◆表紙画像集2022 更新 大根の花
 東の畑にダイコンの花が咲いていた。
 花が咲けばそこに種ができる。次なる種はそうして手に入れてきた。
 しかし、それは昔の話!?
 ただ怠惰で、そのままに放置していただけだったが、ちょっと「種をとるために」と言い訳してみたりして。
 しかし
 ほんとうのわけは 「ダイコンの花」が見たかっただけ
 ちょっと紫がかったところが見られるのはたまらない魅力だ!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「煮干しの解剖」三昧の一週間であった。
 まちがいなく「ばっかり病」を発症している。今しばらくは…。

◆「コウガイビル」を追う 更新!!
 59号コウガイビルと出会うところまできた。
 今年もまた、コウガイビルに出会いやすい季節がやってきた。
 Webテキスト『コウガイビルの「ふしぎ!?」』試案を急ごう。


 大賀ハス観察池、蓮根の植え替えから3週目。
 やっと一番乗りの「葉芽」が水面から顔を出してきた!!
 
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「煮干しの解剖」を科学する(7) #観察準備物 #実践記録 #煮干しの解剖資料室 #煮干しの解剖教室

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『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)をテキストとして、「教材研究」としての解剖実習もついに最後となった。
 テキストの最後にはこんなページがあった。

【もしも見ることができたら】(P29)
・「めずらしい!」もの発見で、寄生虫発見の報告が出ていた。
・丸まったひものようなもの!?私も今回どこかで見たような気がした。(あとでチェックしてみよう)
・多くの人の目で観察すればいっぱい「めずらしい!」ものを発見できるかもしれないな!?
・「どんもの食べていたのかな」ということで、胃のなかの顕微鏡観察をしていた。
・今回はこれには挑戦しなかった。
・これだけでもけっこう興味深いすぐれた「教材」であると思う!!

▼さらにこんなページもあった。

【解剖で見えてくるもの】(P30)
・「解剖」によって見えてきたものがまとめてあった。
・「解剖」学習の位置づけが語られていた。納得デアル!!
 

外から見ただけでは、動物のこうした特徴を持っているかどうかはわかりにくい。つまり、解剖による研究はそれを調べる科学の方法の一つなのだ。

・「煮干しの解剖」という授業のいろんな場面での可能性を考えさせられた。

▼さあ、具体的な準備物に入ろう!!

・煮干し(ひとり何匹ぐらいあるといいのかな!?)
・A4の白い紙(「解剖皿」ダ)
・つまようじ一本(あればピンセット)
・ルーペ

ここでもやっぱり

◆『煮干しの解剖資料室』 

は最高に役に立つ!!
ぜったいのお薦めだ!!

▼前回の「ひとり授業」のときも、今回の「教材研究」としての「科学する」シリーズでも、先行実践された方の多くのコメント・アドバイスをもらった。それがたいへんうれしかった!!
 同時に、これまでに多くの方が「煮干し解剖」を実践されていることを知った。
 
 今しばらく、これまでの「煮干しの解剖」実践から大いに学びたい!!

(つづく)


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「煮干しの解剖」を科学する(6) #卵巣 #精巣 #背骨 #血管 #せきずい #筋肉 #煮干しの解剖教室

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『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)をテキストして、「教材研究」としての解剖実習もそろそろ終盤が近づいてきていた。

【卵巣・精巣】(P25)
・正直に言うと、まだまだ「卵巣」と「精巣」の判別が即座にできない。
・「卵巣」はなんとなく赤みを帯びている!!それにくらべ「精巣」は白っぽいかな!?
・一匹でどれほどの受精卵をもっているのだろう。
・そのうちどれほどの受精卵が大人のカタクチイワシになるのだろう!?
・いろいろ思いながら観察していると、「カタクチイワシの一生」を想像してしまうのだった。

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▼次に行こう。

【背骨・せきずい・血管・筋肉】(P26)

●背骨
・魚のからだを貫くもの「背骨」= バックボーン!!
・水中での暮らしを支えるもの
・ここから脊椎動物の進化がはじまった!!

●血管 
・背骨に沿った黒い筋 真っ赤な血液が流れていた痕跡
・えら-心臓ー全身 のツナガリで
・在りし日の姿を想像しよう!!
・末端まで届いていたのだろう!!

●せきずい(脊髄)
・中央情報処理センター(脳)と全身との情報のやりとりをするライフライン!!
・実に巧妙な技術だ!!

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▼背骨も内臓も取り除いてしまって

●筋肉
・思わず「おいしそう!!」
・どこがいちばんおいしいかな!?

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▼テキストには最後にこんなのあがっていた。

【見分けにくいもの】(P28)
・「うきぶくろ」
・「腎臓」 オシッコ製造器官!! 魚もオシッコをしているだ。アンモニアはすでにえらから!!
・「膵臓」「胆のう」 
・まれに見られることがあるかも知れないが、超初心者の私にはまだまだ。
 
(つづく)

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「煮干しの解剖」を科学する(5) #煮干しの解剖資料室 #心臓 #消化管 #胃 #腸 #肝臓 #煮干しの解剖教室

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▼『煮干しの解剖資料室』の引っ越しが完了して、「復旧」できたようだ。

◆『煮干しの解剖資料室』

 「煮干しの解剖」に関する情報のすべてがココにあった!!アリガタイ!!
 今回も「授業資料」の
 ●カラー写真シート…名称入りの実物写真
 ●貼り付け用台紙…解剖してとりだしたものを直接貼り付ける台紙
 を利用させてもらいたいと思っている。 よろしくお願いします<(_ _)>


『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)をテキストして、「教材研究」としての解剖実習をさらにすすめよう。

 頭から胴体へ行く前に、私にとっては最大の「難関」が待ち受けていた。
 前回のときもここでつまずいた。今回もかなり時間をかけてしまった!!

●心臓
・「えら」ツナガリでこのあたりのコレだと思うのだが不安!?
・取り出しみたらなおさら不安 (^^ゞポリポリ
・先行実践のみなさん!! コツがあったら教えて!! よろしくお願いします。  

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▼いよいよ胴体だ!!

【胴体を2つに分ける】(P17)
・背中から ゆっくり ゆっくりだ。ここでも使うのは自分の手だ!!
・いくつもやってみて練習だ。うまくいかなかってもたいした問題ではない。
・白い紙(「解剖皿」)の上でやろう!! ボロボロ落ちても大丈夫!!
・開けてビックリ なにやら ゴチャゴチャと
・「心臓」ところで思ったのだが、ひとつは頭と胴体を分けないタイプもあってもいいかも!!
・各器官のツナガリ観察重視ならば、このタイプありかも

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【消化管】(P20)
・ツナガリ重視と言うなら、「食べた」ものはどのようになって肛門までいくのかを見ておこう。
・「人間は考えるチクワ!!」のように「魚も考えるチクワ!!」

●胃
・黒いかたまりをこわしていくと、ちょっとうす茶色の「胃」を発見!!
・「胃」のかたちもいろいろ。
・これはかならずみつかるから少し安心!!

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●腸
・ウンチらしきものが残っていることも

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▼次は消化管をはなれて「肝臓」である。
●肝臓
・これまた比較的みつけやすい。
・あのテカテカ感のあるのが肝臓だ!!
・人間の場合は、有毒なアンモニアを尿素に変えるという重要なはたらきがあるが、魚の場合はその必要が無い!!
・アンモニアは水によく溶ける。だからえらからすぐ出してしまえばよい。
・魚くんたちは「水洗トイレ」なかで暮らしている!!と言えばちょっと失礼かな。
・でもやっぱり「おしっこ」はするんだ!!

(つづく)

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「煮干しの解剖」を科学する(4) #頭 #脳 #目 #耳石 #さいは #えら #煮干しの解剖教室

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『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)をテキストして、「教材研究」としての解剖実習をすすめよう。

 さあ、いよいよ「解剖」ダ!!
【煮干しを2つに分ける】(P8)
【さらに頭を2つに分ける】(P9)

ここがこの「解剖」のいちばんのお気に入りのところでもあるが、これらの「作業」を行なうのは
自分の手デアル!!
解剖ハサミもメスもそんなものはいっさいいらない!!
「つまようじ一本」あればよい。ピンセットもあればなおうれしい!!
今回は写真撮影のために黒い紙のうえでやったが、白い紙(これが「解剖皿」となる)の上でやるのが原則!!
「解剖」作業すすめるうちにボロボロと不明のもの(これが後に重要なものと判明したりする)が、こぼれおちる。
ここでもやっぱり超不器用な私だった。
子どもたちの方がきっとうまくやるだろう。

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▼2つに分けた頭をくわしく見てみよう。
【頭の中身】(P10)    
・頭蓋骨
・せきつずい(脊髄)
・えら
・さいは
・目玉のうら
・脳
・耳石

「お魚」料理を食べたときには、食べ残して部分だがひとつずつ「つまようじ」でさしながら確認していく。
 なかなか見つからないものもあるが、くわしくは後ほど。
 ただこれだけは確認しておきたい。

 頭に「生きるため」の重要器官が集中してある!!
 ここでも「生きる」=「食べる」に注目!!


▼さらにくわしく
【脳・目・耳】(P12) 
●脳
・「生きる」ためのすべての情報処理センター
・色が他と少しちがうのですぐみつかる。
・各部位もわからないこともないが、授業ではこだわるのはやめておこう。

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●目
・水晶体、黒い網膜(スクリーン)は直ぐ確認できる。
・基本的構造は私たちの目とかわらない!!
・昨日はちょっと目と関係のある日だった。
・目ってほんとうに大事ですよね!!つくづくそう思った一日だった!!

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●耳石
・頭を2つに割るときに、こぼれ落ちてしまうこともあった。
・バランス感覚とるのに必須
・よく見ると小さなとげとげにも気がつく。

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▼次に行こう。
●さいは・えら
・「生きる」=「食べる」から考えても「さいは」は最重要器官だ!!
・「生きる」=「呼吸をする」から考えて「えら」もまた最重要器官だ!!
・「うまいことなっとるなあ!!」「きれいやな!!」のコトバが子どもからでてくるかな!?出てきてほしいな!!

(つづく)

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「煮干しの解剖」を科学する(3) #魚 #解剖 #カタクチイワシ #ひれ #うろこ #煮干しの解剖教室

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▼「煮干しの解剖」の最大の特徴は、「解剖」の対象が「生きた魚」でないところだ!!
 もう干からびてしまった「魚」である。
 ダカラ 「解剖」で「生命を絶つ」という抵抗からのがれられるかもしれない。
 シカシ それだけではない!!
 この「教材」のキモは

 干からびてしまった「煮干し」を「解剖」学習により、どこまで「生きた魚」に蘇生させることができるか!?

 デアル!!

▼前回の「ひとり授業」としての「解剖」実習を繰り返してみようと思う。
今回は「教材研究」を意識しつつ。
 テキストとして使うのは、前回と同じく

◆【お薦め本】『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)

である。
 さあ ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

▼今回も全面的に前著の世話になる。各タイトルもこの本から引用させてもらう。

【煮干しをまるごと見てみよう】(P4)

・「魚」→「動物」 「動物」の謎解き第一方程式=「食べる」!!
・何を「食べているのだろう!?」→片口
・「食べる」ために動く→海のなかを(泳ぐ)→ひれ(胸びれ・腹びれ・尻びれ・背びれ・尾びれ)
・「食べられない」ため→セグロ(背黒)

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▼さあ、次にいこう。

【煮干しの「目からウロコ」】(P6)

・なかなか面白いタイトルだ!! ザブトン 三枚ダ!!
・「食べる」「食べられない」ため → 広い視野 目の位置
・鼻らしきものが→鼻呼吸はしない!! アタリマエ!! においを感じるだけ
・うろこ→ お腹ギンギラギン なんのために
 
(つづく) 

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58号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!! そして…!?(2022/04/10)#コウガイビル #生命と再生 #教材化

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▼「2022年版・授業びらきを構想する」で、私の「ふしぎ!?」の具体例としてとりあげたコウガイビル=陸生プラナリア!!
 そのコウガイビルに、ここ数日でとんでもない異変が起こっていた!!
 あらためてコウガイビルの「ふしぎ!?」を問い返すこととなった。
 コウガイビルが生きるとは!?
 「再生」とは!?
 「食べる」とは!?
 そして「生命」とは!?

▼58号コウガイビルと出会って1ヶ月が経っていた。
 ナイロン袋のなかでかたまったようになっていた。
 しばし観察をつづけると、頭のほうが少しうごきはじめた。
 生きている!!
 58号コウガイビルはエサなしで1ヶ月生きのびた!!

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▼とんでもない「異変」は、57号コウガイビルの方に起きていた。
 エサなしで4ヶ月経ったとき(2022/03/21)にはたしかに元気に生きていた!!
 ところが、このとき(2022/04/10)には姿が見あたらないのである。
 ナイロン袋のなかにあるのは、どす黒く濁った水だけだ!!
 あのダーウィンの観察したようになったのである。

生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(チャールズ・ダーウィン著 島地 威雄訳 岩波文庫 P54より)

 やっぱり「ふしぎ!?」である!!

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▼その二日前(2022/04/08)。
 まるで、57号と入れ替わるように、人生59番目の59号コウガイビルに出会っていた。
 59号コウガイビルは長くのびると12㎝を越えるほどであった。
 
 「授業びらき」に持ち込むなら、この59号コウガイビルかな!?
 Webテキスト試案『コウガイビルの「ふしぎ!?」』も急ぎたいものだ!!

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【Web更新4/10】22-15 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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こぼれてもなほ白きかな雪柳 22/04/09撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-15
週末定例更新のお知らせ
 新年度2回目の週末定例更新のお知らせである。
 いよいよ新学期が動き始めた。
 直接「現場」にいない暮らしなのに、どこか心忙しくワクワクしてくるのは一種の「職業病」のようなものだろうか。
 またまた自分に言い聞かせる!!
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!! と。

◆表紙画像2022 更新 雪柳 
 手持ちの「歳時記」を見れば
【雪柳 ゆきやなぎ】小米花 小米桜
 となっていた。傍題の「小米花」「小米桜」が言い得て妙である。
 落花・桜吹雪の季節、雪柳の花もこぼれはじめた。しかし、こぼれてもこぼれてもなお白かった!!
 その白さは「小米」の白さだった。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 ・「静電気」を科学する
 ・「煮干しの解剖」を科学する
 ・2022年版・授業びらきを構想する
 思いっきり不器用な私が、3つも同時進行ではじめてしまった。
 でも3つはバラバラではなく、「ひとつのこと」でツナガッテイルとも思えた!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 11年目の歩みがはじまった。
 4月テーマは「寅彦と科学者」である。次回は「科学者とあたま」を読む。


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから2週目であった。
 まだ「葉芽」もまったく顔を出さない。いささか心配になってくる。
 池の水面に泡が目立ちはじめた。それは蓮根たちの生きている証しだろうか!?

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「煮干しの解剖」を科学する(2) #煮干し #いりこ #カタクチイワシ #煮干しの解剖教室 #3K1Aの法則

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▼私は「新・私の教材試論」のなかで、勝手に「すぐれた教材の法則」というものをつくっていた。
 そのひとつが

●3K1A(感動・簡単・きれい・安全)の法則

である。
 「煮干しの解剖」は、この法則にピッタリだと思っていた。


【1K=感動】
 「ひとり授業」=「煮干しの解剖」教室のなかでもなんどこの言葉を叫んだだろう!!

「ヘェー うまいことなっとるなあ!!」 

 感動デアル!!
 実際に自分の手で「解剖」してみてわかることがいっぱいある。
 そのなかでホンモノの感動が生まれる!!
 それは自分だけの「大発見」にツナガルかも知れない。

【2K=簡単】
 「簡単」であることは、すぐれた教材の重要条件である。
 いかにすばらしい教材に見えても、今すぐ「簡単」に誰もが教材化できるものでなければ「すぐれた教材」とはならない。
 その点、
 「煮干しの解剖」はいたって「簡単」デアル!!

・実験材料「煮干し」は、今すぐ台所に行けば手に入るかもしれない。
・スーパーに行けば、「煮干し いりこ」の名で売っているだろう。
・できるだけ大きめの「大羽」というのを手に入れてみた。
・200g入りで「煮干し」(いりこ)=カタクチイワシは178匹も入っていた!!
・一匹当りの単価429円/178匹=2.4円 安い!!
・解剖はすべて自分の手で!!つまようじ一本あれば
・解剖皿がわりに白い紙が一枚(A4またはB4)あれば充分!!
・すべてが「簡単」デアル!!

【3K=きれい】 
 「ひとり授業」=「煮干しの解剖」教室では「ヘェー うまいことなっとるなあ!!」とあわせて、
 「わー、きれいや!!」と思った!!
 機能美!!
 自然の造形美!!
 ホンモノの美しさ!!

 【1A=安全】
 実験器具の扱いにふれて「安全」について
 「安全」から「生命」の大切さまで…!!


 やっぱり「煮干しの解剖」はきわめて「すぐれた教材」のようだ!! 

(つづく)

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「煮干しの解剖」を科学する(1) #煮干し #いりこ #カタクチイワシ #煮干しの解剖教室

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▼昨年の9月。
 ひょんなことがきっかけで、現場にいたときから、一度はやってみたかった「煮干しの解剖」にはじめて挑戦してみた。
 「ひとり授業」=「煮干しの解剖」教室に!!
 やってみてはじめて知ったことも多かった。
 その都度、報告することにより多くの人からコメント・アドバイスをもらった。
 それがなによりうれしかった!!

▼その顛末のすべてを「記録」していた。

●煮干しの解剖!!(1) #煮干し #いりこ #カタクチイワシ #煮干しの解剖教室

●煮干しの解剖!!(2) #片口 #ひれ #うろこ #煮干しの解剖教室

●煮干しの解剖!!(3) #脳 #目 #耳石 #さいは #えら #心臓 #煮干しの解剖教室

●煮干しの解剖!!(4) #心臓 #胴体 #消化管 #肝臓 #煮干しの解剖教室

●煮干しの解剖!!(5) #卵巣 #精巣 #背骨 #せきずい #血管 #筋肉 #煮干しの解剖教室

 今、読み返してみても、その時のワクワクが蘇ってくるのだった。

▼「ひとり授業」のときもっとも頼りにしたテキストが

◆【お薦め本】『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)

である。名著中の名著だ!!
 このとき、なによりうれしかったのは著者・小林眞理子先生から直接オンラインレクチャーを受けたことだ。

▼今、あらたに なぜ
 「煮干しの解剖」を科学する
 というシリーズをはじめるのか!?

 実はそれにはわけがあった。
 今度は、「ひとり授業」ではなく、子どもたちといっしょに「煮干しの解剖」教室の授業に挑戦するのである。
 その機会をいただいたのである。授業はずいぶん久しぶりだ!!
 現場感覚はすっかり失せているだろう。不安でいっぱいだ!!

 だから、その「教材研究」の一端として 本シリーズをはじめるのである。 

(つづく)
 

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2022年版・授業びらきを構想する!!(2) #理科の授業 #授業びらき #ふしぎ!? #謎解き

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▼今度は、生徒たちの「ふしぎ!?」の番である。
 考えてきた「私の「ふしぎ!?」」にもとに「自己紹介」をかねて発表してもらおう。
 
 できるだけ「理科の授業」にからめて同調し、一緒に不思議がろう!!

▼私の「ふしぎ!?」からはじめる「授業びらき」。
 これまでに2度取り組んだ経験があった。メモ書きの「記録」を残していた。

●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(2)

●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(3)

▼別の年度のものも「記録」していた。

●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(4)

●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(5)

▼今読みかえしてみてもワクワクしてくるものがある。
 生徒たちの「ふしぎ!?」は実に面白く興味深い!!
 教材研究の第一歩はここからだ!!

 みんなの「ふしぎ!?」の謎解きをやっていくのが、「理科の授業」である!!

 と「理科の授業」を紹介しよう。
 みんなの「ふしぎ!?」をプリントして「保存」しておこう。

・各単元の導入で ○○さんの「ふしぎ!?」の謎解きをやろうと再び紹介しよう。
・夏休み「自由研究」のテーマ選びのときに利用 私の「ふしぎ!?」からはじめる自由研究!!
・私の「ふしぎ!?」は一生モノ!!

(つづく)
 

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本日(2022/04/07)、第313回オンライン「寅の日」!! #科学に志す人へ #traday #寺田寅彦

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オンライン「寅の日」11年目の歩みがはじまる!!
 どんな展開をめざすのか!?
 どんな「学び」が待っているのか!?
 寅彦からなにをこそ学ぶべきなのか!?
 
 すべては歩みを進めながら考えて行こう!!


▼本日(2022/04/07)は、第313回オンライン「寅の日」である。
 4月のテーマは

【4月テーマ】「寅彦と科学者」

 である。その第一回目の本日は「科学に志す人へ」を読む。

◆本日(2022/04/07)、第313回オンライン「寅の日」!!

●「科学に志す人へ」(青空文庫より)


▼これは新年度はじまりにふさわしい
 科学者・寺田寅彦からの若き人たちに向けた熱きエールである!!
 「若き人たち」ばかりでない。
 「科学」にたずさわるすべての人に熱く響いてくるものがあるのである。

  これは寅彦の最晩年の前年(1934)に書かれたものである。それを頭において読むとなおさら響いてくるものがあるのである。

 楽しみに学問をするというのはいけないことかもしれないが、自分はどうも結局自分の我儘(わがまま)な道楽のために物理学関係の学問をかじり散らして来たものらしい。尤も、そうすることによって結局は奉公の第一義にかなうことが出来るという自分勝手な考えもありはしたが、とにかく興味の向くことなら何でも構わず貪(むさぼ)るように意地汚くかじり散らした。それが後年何の役に立つかということは考えなかったのであるが、そういう一見雑多な知識が実に不思議な程みんな後年の仕事に役に立った。それは動物や人間が丁度自分のからだに必要な栄養品やビタミンを無意識に食いたがるようなものではなかったかという気がするのである。

続けてこうも言っていた。

 勝手放題な色々な疑問を、叱られても何でも構わずいくらでも自分にこしらえては自分で追究し、そうしてあきるとまた勝手に抛(ほう)り出してしまって自由に次の問題に頭を突っ込んだのであったが、そういう学生時代に起こしかけてそれっきり何年も忘れていたような問題が、やはり自分の無意識の間に解答を物色していたと見えて、十年二十年の後にまた頭をもたげて来て三十年後の今日ようやく少し分かりかけて来たような気のすることもある。どうも個々の人間の頭の中の考えの歴史は不思議なもので、通り一遍の理窟や下手な心理分析などを遥かに超越したものではないかと思われる。

これこそが科学者・寺田寅彦の「科学研究」のスタンスのようにも思えてくるのだった。

▼若き人へ特に貴重な提案をしていた。
 「問題の仕入れ」デアル!!

それで誰でも、年の若い学生時代から何でも彼(か)でも沢山(たくさん)に遠慮なく惜気(おしげ)なく「問題の仕入れ」をしておく方がよくはないかという気がする。それにははじめからあまり一つの問題にのみ執着して他の事に盲目になるのも考えものではないかと思うのである。

そして、最ものキモはいつものように最後にあった!!

ただ科学の野辺に漂浪して名もない一輪の花を摘んではそのつつましい花冠の中に秘められた喜びを味わうために生涯を徒費しても惜しいと思わないような「遊蕩児(ゆうとうじ)」のために、この取止めもない想い出話が一つの道しるべともなれば仕合せである。


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2022年版・授業びらきを構想する!!(1) #理科の授業 #授業びらき #ふしぎ!? #謎解き

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▼2022年度がはじまっている!!
 今年度も私自身が「理科の授業」をすることはない。
 でもやはり「授業びらき」を構想するのである!!
 それは 私にとっては 今なお

 「理科の授業」を構想することこそが、最高の学びの方法だからである!!

▼大げさなことを言って、さて なにからはじめるか?
 「わたしならこうする」をはじめよう。
 今年もやっぱりいちばんに思いつくのが、私の「ふしぎ!?」からはじめる「授業びらき」である。

 まず、こんな「呼びかけ」(課題)からはじめよう。

私の「ふしぎ!?」は

  12~13年この世に生きてきて、「ふしぎ!?」だ、と思ったことがきっといくつかあると思います。
それはどんなことですか。最低3つはあげてみよう。
どうして不思議に思うのか。どこまでわかっているのかも書いておこう。

  

 次の時間までの「宿題」です  と。
 これをもとに「自己紹介」をしてもらいます。
 「○○について「ふしぎ!?」に思っている ○○○○デス!!」
 という具合に。

▼先に課題を出しておいて、私自身の「ふしぎ!?」を紹介しよう。
 それを「自己紹介」にかえよう。
 今いちばん 私にとって旬の「ふしぎ!?」をあげてみよう。
 具体的に「構想」してみよう。

(1)「静電気モーター」(静電誘導方式)!!
 やっているうちに、もう擦らなくても、塩ビ板を上に持ち上げて左右交互に置くだけでモーターは回り出した。
 やっぱり「ふしぎ!?」だ。
 現物を教室に持ち込みたいな。

(2)57号、58号コウガイビル!!  
 エサなしで生きのびるコウガイビルの「ふしぎ!?」を語りたいな。
 生きものの「再生」=生きる!! 「生命」とは!?
 57号も58号も我が家の庭にいた!!
 最大の「ふしぎ!?」は最も身近にある!!

▼そんな時間があるわけではないが、それでも3つぐらいは準備しておきたいな。

(3)「雲見」の呼びかけ!!
 雲の高さ!? 「雲見」の「ふしぎ!?」 
 十種雲形を覚えてしまおう。覚えてしまったら一生モノ!!

 ※ 「雲見」のうた(雲家族10のうた)
 ケンケン三兄弟に(巻雲 巻層雲 巻積雲)
 コウコウ姉妹 (高層雲 高積雲)
 ソウセキ(層積雲) はなれても りっぱに ソウ! セキ! (層雲 積雲)
 雨 雨 ふれ ふれ ラン!ラン! (乱層雲 積乱雲)

 毎日「雲見」をしよう!!
 間違ってもたいした問題ではない。声に出して「名前」を呼んでみよう!!高さも!! 
 


 「授業びらき」の最後は やっぱりあのコトバでしめくくろう!!


 「ねえ君、不思議だと思いませんか?」


(つづく)

  

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「静電気」を科学する(21) #フランクリンモーター #静電気モーター #静電誘導方式 #上橋智恵

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回った!!回った!!
 今回のモーターのほんとうにスゴイのはこれで終わらないところだった。

 アルミホイルに塩ビ板を重ねて、少し擦りはじめるとモーターはゆっくり回りはじめた。
 擦り続けるとどんどんスピードアップしてきた。
 擦るのをやめて、そのままにしておくとやがてゆっくりなってきた。
 そのとき塩ビ板を反対側に持っていき同じ動作を繰り返してみた。またまたスピードアップしてきた。
 やがて擦らなくても
 
 塩ビ板を左右交互に移動させるだけでモーターは回り続けた\(^O^)/ 
 
▼やっとここまできた!!
 これをはじめて見せてもらったのはこのときだった。

●第128回 かがくカフェ(ファラデーラボ)(2022/01/15)
・テーマ   「静電気のかがく」(静電誘導を利用した静電気モーターの工作)
・話題提供  上橋智恵さん 

 私は残念ながらzoomでのオンライン参加だった。
 それでも、いつもながらの上橋さんのすばらしい工作を見せてもらって実に楽しかった。
 工作の完成作品もさることながら、工作過程でのアイデア・工夫・「かがく」に感動するばかりだった!!
 しかしながら、正直に言うと、
 「なぜ回り続けるのか!?」、私には「ふしぎ!?」だった。

 この「ふしぎ!?」の謎解きが、ずっとつづけてきた 「静電気」を科学する シリーズ の究極のねらいのひとつとなった。
 そして、やっと ここへ来たのだ。

 この画期的「静電気モーター」はいつでも見せてもらうことができる!!


◆静電気モーター(フランクリンモーター) (静電誘導方式)(上橋智恵さん)


▼ここはやっぱり自分でつくりながら、謎解きに挑戦するのがいちばんだ!!
 前回にフランクリンモーターまで来ていた。
 いよいよ上橋さんの画期的「静電気モーター」(静電誘導方式)に挑戦である。
 今、身のまわりにあるものを利用してやってみることにした。

(1)塩ビ板はB5の透明下敷きを半分に切って、取っ手をつけた。(これも電気盆というのかな。逆電気盆!?)
(2)回転子はフランクリンモーターときつくったものを流用した。
(3)発泡ブロックの両端に、両面テープでアルミホイルを貼った。
(4)アルミホイルでつくったアルミの帯を、回転子の両脇に立てた支柱(発泡スチロール)に沿わせ回転子に近づけた。
(5)準備完了!!

 私の場合はどうしても、
 3K1A(感動・簡単・きれい・安全)の法則の3つ目のKに難アリ!!
 そのぶんは2つのK(感動・簡単)でカバーである。

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▼発泡スチロールの取っ手付き塩ビ板でも繰返しやってみた。
 また取っ手を付けないカラー下敷きでも同様にやってみた。けっこう回りつづけた!!
 実験を堪能したところで、再び

 「なぜ回り続けるのか!?」
 上橋智恵さん考案の「静電気モーター」(静電誘導方式)の画期性はどこにあるのか!?
 
をしばし考え続けてみようと思う。

 ※ 参照 上橋智恵さん「工作教室用の作り方・静電誘導の説明、回る理由などの資料PDF形式」はとても参考になる。


(つづく)

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【Web更新4/3】22-14 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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幸せの色はためきて連翹かな 22/04/02撮影@福崎


■楠田 純一の【理科の部屋】22-14
週末定例更新のお知らせ
 2022年度最初の週末定例更新である。
 新年度というものは、どこかウキウキした気分になるものである。
 それはきっとあらたな「出会い」への期待から来るくるのであろう。
 
 さあ!! 

◆表紙画像集2022 更新  連翹
 今年も連翹の黄色がはためく季節となっていた。
 それを見ていると
 なんと、映画『幸福の黄色いハンカチ』を思い出すのだった。
 ラストシーンの黄色いハンカチはいっぱいはためいていた!!
 古いなあ~。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 サイエンスコミュニケーター12年目の歩みがはじまった。
 さて、どんな展開になるだろう!?

◆【大賀ハス観察日記】 更新!!
 2022年度の蓮根の植え替えをおこない、観察日記は15年目に入った。
 今年は、はたしていくつの「あこがれの4日間」と出会うことができるだろう。
 
◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 「雲見」と俳句「歳時記」だけの更新デアル。
 5つのWebテキスト試案のあらたな展開が楽しみである。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 オンライン「寅の日」11年目の歩みははじまっている。
 より豊かに
 より愉しく
 展開していきたいものだ。

 
 2022年度の蓮根の植え替えから、まだ一週間がたっていなかった。
 観察池にはまだ「にごり」が残っていた。
 葉芽も水面には顔を出していなかった。

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子規庵の糸瓜(3年目)から種子を採取した!!(2022/03/30) #子規庵 #糸瓜の種子

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子規庵の糸瓜、3年目の収穫をしたのは2021/11/10であった。

●子規庵の糸瓜(3年目)をついに収穫した!!(2021/11/10) #子規庵 #糸瓜

 大量の糸瓜を収穫しながらも、3年目ともなるとずいぶんとズボラになり、種子を採取する作業をせずに、そのまま放置していた。
 
▼2年目からは、「自然乾燥」による方法を教えてもらいそれでやっている。
 収穫したとき、まだ緑を残していたものは、屋外に放置していたらほとんどカビ等にやられてしまった。
 3月の末日、年度がかわるまでにと、やっと種子採集の作業をした。
 種子採集はいたって簡単だった。
 ヘタをとってやると、種子は自然とこぼれ落ちてきた。殻のついたままコンコンとやるとほとんどの種子がこぼれ出てきた。
 殻はめくるようにはがしていくとみごとな「へちまたわし」があらわれた。

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▼2年目までのように糸瓜ごとの種子を数えることなく、全部一括でやった。
 そのぶん
 その後の種子だけを取り出す作業が、思いのほか長時間かかってしまった。
 でもまたまた大量に収穫した「種子」を見ていると、2019年の5粒からはじまった「子規庵の糸瓜」の展開を思い出すのだった。

▼子規庵の糸瓜、4年目の展開はいつはじめようかな!?
 種蒔きは!?
 苗の植え替えは!?

 今年の子規忌・糸瓜忌にはまにあわせるためにも。

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2022年4月(卯月)の俳句「歳時記」!! #俳句 #歳時記 #オンライン句会

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▼桜ほど「哉」(かな)の似合う花はない!!
 寅日子先生も「哉」でいっぱい詠んでいた。

 めぐりさく運動場の桜哉 (明治三十四年)
 
 図書館の窓から見ゆる桜哉 (明治三十四年)

 明治三十四年(1901)と言えば、寅日子先生24歳。
 いろんなことのあった年だった。

▼新年度も名句の鑑賞 よりはじめる<俳句修業>をはじめよう!!
 名句の参考にさせてもらうのは、これまでのように

◆NHK「俳句」 テキスト 

である。ここより巻頭の名句11句を引用させてもらう。

(1) スリッパを越えかねてゐる仔猫かな 高浜虚子
(2) 軒深くつばくろの来る吉野かな 大石悦子
(3) 生くることこんなに楽し雀の子 太田土男
(4) 海を見てをれば一列春の雁 高野素十
(5) 花の樹を抱くどちらが先に死ぬ 堀田季何
(6) 石畳桜畳となりにけり 西宮 舞
(7) 浮かび出て大きくゆがみしゃぼん玉 本井 英 
(8) 万愚節顔を洗ふは手を洗ふ 攝津幸彦
(9) 岩の間に手をさし入れて磯遊び 山口誓子
(10) 蛍烏賊獲れはじめたる陽気かな 三村純也
(11) 菜の花やこの橋渡らば白髪に 遠山陽子

▼<俳句修業>の第一歩は「選句」から!!
 新年度もシロウト「選句」を大いに楽しみたい!!

【私の選んだ名句ベスト3】

(6) 石畳桜畳となりにけり 西宮 舞

(11) 菜の花やこの橋渡らば白髪に 遠山陽子

(5) 花の樹を抱くどちらが先に死ぬ 堀田季何


【次点】

(10) 蛍烏賊獲れはじめたる陽気かな 三村純也

【選評】
・「桜畳」でいっきょに景が浮かび出てくるのだった。
・「白髪に」私はこの橋を渡ったのだろうか!?
・「先に死ぬ」でドキッとした。桜の樹の心音が聴えてきたのだろうか。

・「蛍烏賊」に反応してしまう。はやく日本海に旅に出たいなあ。


▼寅日子先生24歳(数え年)の年。
 2月 妻・夏子さんと小石川植物園に行き、夏子さん団栗を拾う。のち、高知へ帰り種崎で療養。
 5月 種崎で長女貞子が生まれる。
 9月 夏休みに帰省中肺尖カタルを患い、須崎の浜で療養。一年間大学を休学。
 
 「桜哉(かな)」の極めつきは、やっぱり芭蕉のあの一句だろう。

 さまざまのこと思い出す桜かな

 あなたも「桜哉(かな)」で一句詠んでみませんか!?

●第20回オンライン句会「寅の日」4月例会案内!!
  
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2022年4月(卯月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼新年度の「雲見」がはじまる!!
 4月の「雲見」を予想する前に3月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダーでふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴    2 
・巻雲    2 
・巻積雲   1 
・巻層雲   2     
・高積雲   2  
・高層雲   4     
・層積雲   3 
・積雲    5 
・層雲    3  
・乱層雲   7  
・積乱雲   0

 3月の特徴は
 なんと言っても、「乱層雲」7 である。
 「層積雲」3+「高層雲」4= 7 を加えると半分近くが曇天・雨天であったことになる。
 「快晴」2+「積雲」5= 7 青空を見る機会は比較的少なかったのかもしれない。
 「層雲」3 もめずらしい!!この季節ならではなのかもしれない。

▼4月(卯月)の「雲見」の予想に入ろう。
 まずは昨年の4月の天気図を見てみる。

◆日々の天気図 2021年4月 (気象庁)

・天気は周期的に変化する。西から東へと!!
・「光は東から 天気は西から」がいちばん有効な季節なのかもしれない。
・すでに「寒の戻り」が予想されている。それはいつまでだろう!?
・桜が散り始めるのはいつごろだろう。
・黄砂はいつごろ見られるだろう。
・「乱層雲」「積乱雲」のシールはどれほど数になるだろうか。
・「春時雨」は見られるだろうか。「春時雨」の後の虹も見たいものだ!!

▼4月の「雲見」予想をつづけよう。
 よりローカルな資料を使ってみよう。
 アメダス「福崎」のデータに基づく資料である。

◆兵庫県 福崎 の気候(雨温図 最高気温、最低気温の推移 

・降水量は、3月にもまして増えてきている。
・やっぱり「乱層雲」シールがふえるのだろうか。
・寒暖差の大きい日がつづきそうだ。
・「アメダス」上空の「雲見」を意識してやることが少なくなってきてる。今月はぜひそれをやってみたい!!
・「アメダス」への吟行!!今月は何度かやってみたい。

▼「雲見」は感天望気のはじまりだ!!
 「雲見」から見えない「大気の動き」をどこまでイメージできるか!?
 それが「雲見」の醍醐味だ!!

 ローカルな「雲見」に徹することによって、あらたなローカル「天気コトワザ」をつくること!!
 
 それもひとつの夢だった。


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