「静電気」を科学する(13) #ボルタの電気盆 #ダンネマン大自然科学史 #麦わら検電器 #ボルタの電気堆
▼「ボルタの電気盆」と言われるまで、「電気盆」を使っての「静電気」実験に夢中になっていたボルタ!!
そのボルタがなぜ「あのボルタ」(ボルタ電池で有名な)になったのだろう!?
そこに何が起こったのだろう!?
そこにどんな科学があったのだろう!?
簡単にスキップしてしまわないでくわしく知りたい!!
そこに
電気学事始めに「静電気」を!!
「静電気」から「動電気」学習へ のヒントがあるのでは!?
シロウトの私はそう思ったのだった。
▼そしたら、FB【理科の部屋】で森田保久さんがこの本に「その当りの流れが書かれています」と教えてくださった。
●『ダンネマン大自然科学史7巻』(三省堂)
うれしいことに森田さんは、本の紹介だけでなくその概要と質問に答えてのいくつかのくわしいところを教えてくださった。
アリガタイ!! 深謝!!
そしたら
どうしてもこの本を手元に置いて自分でも読みたくなった!!
古書であるが、これをやっと手に入れた。
▼ほんとうだった!! 実に面白い!!
いつも理解のゆっくりな私は、一読してすべてがわかったわけではないが、いくつかのことがわかりはじめた!!
どうやら私は大きな誤解をしていたようだ!!
ボルタは最初から「あのボルタ」ではなかったのだ。
ガルバニー電気の謎解きをはじめたとき、ボルタはすでに電気学にすぐれた功績をたてていたのだ!!
・1775年(安永4) ボルタ 「電気盆」を改良し、世間に広く知らしめる。
・1782年(天明2) ボルタ コンデンサトレ(蓄電器)と名づけた蓄積装置の組み立てに到達する。
・1787年(天明7) ボルタ 麦わら検電器発明
「麦わら検電器」!?
「在来の験電器を改良して、細い針金のかわりに、長さほぼ二インチの非常に細い、乾燥した二本の麦わらを用いる。麦わらは小さい環によって、非常に動きやすく吊り下げねばならない。このことが非常に重要な点であって、この麦わらは無帯電状態では、その全長にわたって、たがいに接触していなければならない。」(同書P148より)
これらによってデリケートな「電気の量」も計測できるようになったのだ!!
それらが「あのボルタ」にツナガッタ!!
▼そしていよいよ「あのボルタ」!!だ。
・1800年(寛政12) ボルタ電堆の発明
「ボルタ電堆」についてこう語っていた。
自分はたんなる接触による、電気発生の実験をやっているうちに、一つの新しい装置をつくりあげることに成功した。この装置はレイデンびんのような作用をもっているが、その程度は非常に弱い。しかし、他方において、それは前もって外から電気を与える必要がなく、適当な仕方でそれを装置するときはいつでも作用する点で、レイデンびんよりもすぐれている。この装置はその作用から見ても、その構造から見ても、シビレエイの電気器官とある類似点をもっていると。(同書p166より)
もちろん「レイデンびん」=「ライデン瓶」だ。
ボルタは「シビレエイ」の自然的電気器官に対して、この電堆を「人工的電気器官」とよんだそうだ。
これにより「動電気」時代の幕開けだ!!
なんと同じ年に「水の電気分解」が行なわれているのであるから。
●1600年(慶長5) ギルバート『磁石』を出版して、地球が大きな磁石であることを証明した。また琥珀だけでなく、すべてのものは、こすると軽いものをひきつけることを発見した。
からちょうど200年!!
時代は「静電気」から「動電気」へとシフトしていった!!
この科学史の意味するところは大きい!!「静電気」と「動電気」は地続きなんだ!!
はじめに「静電気」ありきだ!!
電気学事始めに「静電気」を!!
は実はアタリマエなのかも知れない!?
(つづく)
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