「静電気」を科学する(12) #電気盆 #石井信也 #ジャンボ電気盆 #ボルタの電気盆
▼塩野広次さんは
◆「ライデン瓶なんかこわくない 電気と遊んじゃおう」(塩野広次 『たのしい授業』84年1月号 [ No.10 ] 76ぺ(13))
の<おわりに>次のように書いていた。
私と静電気のつき合いは、科学教育研究協議会(科教協)の千葉サークルの席上で実験を見せてもらった時以来のことで、7年になると思います。目の前で鮮やかにやってみせる静電気の実験の楽しさにつられて、さっそく自分でもやってみたのですが、結果は全然だめ。なぜ電気が起きないのかもわからないほどでした。
しかし、今までつき合ってきた程の静電気の魅力は、ひとつには手軽に楽しめるということですし、電気の原子論的イメージを豊かにすることができる素材だからです。物理・化学現象が原子・分子の運動でイメージ豊かに理解していけるように、電気現象も電気の粒(電子)の運動という視点でイメージ豊かに理解できそうだと思っているのです。
電気学事始めに「静電気」を!!
にツナガル示唆的なコトバです。
▼もうひとつ気になることがありました。
「私と静電気のつき合いは、科学教育研究協議会(科教協)の千葉サークルの席上で実験を見せてもらった時以来のことで、7年になると思います。」です。
塩野さんがこう書いたのは84年。7年前というと77年!!
心当たりのことがありました。今度、検索したのは
●『理科教室』復刻版DVD (企画・製作 科学教育研究協議会)
です。やっぱりありました!!
◆「すべてのものが帯電する」(石井信也 『理科教室』1977年6月号P41)
▼石井信也さんは、この実践報告(高1・物理)のなかで、「ジャンボ電気盆」について次のように語っていました。
ジャンボ電気盆でクッキーの入っているブリキかんのまるいふたに発泡スチロールの柄をつけた大型の電気盆を、千葉サークルが開発しました。大きいことはいいことです。私のところも従来の小さいのをやめにして、直径33㎝の金属の盆を買い入れ、文字通り電気盆を作りました。
下の台は塩ビの板です。
教室へ持ち込むと、生徒たちは「また、変なものを持ってきたな」というおももちです。「塩ビの板を猫の毛皮でこすり、その上に盆をのせ、右手でチョット盆に触れておまじないしてから、左手で柄をもって盆をもちあげます」……こう説明しながら実演をしました。生徒たちはどうなるのかと凝視しています。「そして、右手を盆のふちに近づけると……ウッ!」私の顔がゆがむのを見て、
Ps またーおおげさな。えんぎ。
「ジャンボ電気盆」はきわめて有効だったようです。
この後、生徒も先生も「静電気」に夢中になっていくようすが活き活きと語られています。すばらしい実践報告です。
いかに「ジャンボ電気盆」が人気だったか、こんな報告からもよくわかります。
このクラスの生徒38人中、自分で電気盆をつくった者が5人もいたこと(やってみろといったわけではないのです)が私をいい気にさせるのです。
この後も、石井信也さんは「静電気」関係の興味深い実践を『理科教室』に多数発表されていました。
▼ところで、そもそも「電気盆」なるもの誰がいつ頃はじめたのだろう!?
先日、ファラデーラボの森本雄一さんに「電気盆」のことを「ボルタの電気盆」と呼んでいることを教えてもらった。
ボルタの発明ではないようだが、改良して広めたのは「あのボルタ!!」だそうだ。
調べてみた。(Wikipediaなど)
・1775年(安永4) ボルタ 「電気盆」を改良し、世間に広く知らしめる。
ボルタは この「電気盆」を
「電気を運ぶもの」!!
とよんだそうだ!!
なぜ「ボルタの電気盆」と呼ばれるまで、この装置に夢中になったのだろう?
ナラバ ???
(つづく)
| 固定リンク
« 「静電気」を科学する(11) #ライデン瓶の歴史 #プラ板ライデン瓶 #サラダボールライデン瓶 #百人嚇 | トップページ | 「静電気」を科学する(13) #ボルタの電気盆 #ダンネマン大自然科学史 #麦わら検電器 #ボルタの電気堆 »
コメント