57号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた!! (2022/01/21)#コウガイビル #飢餓と再生 #教材化
▼あの日から2ヶ月が経った!!
前回の観察からでも、年を越して1ヶ月経った。
最初にナイロン袋に入れた水以外はなにも与えていなかった。
しかし
57号コウガイビルはエサなしで2ヶ月生きのびた!!
▼冷蔵庫からナイロン袋を出してきてすぐのときは、57号コウガイビルは「の」字を描いてかたまっていた。
クマムシの「乾眠」のように、エネルギーの消耗を防ぐように「眠って」いたのだろうか!?
やがてイチョウの葉(コウガイ)のような頭をヒラヒラさせながら動き出した!!
まちがいなく 生きている!!
全長は一ヶ月前とさほど変化したように見えなかった。
やっぱりここは寅彦のコトバをかりよう。
「ねえ君、不思議だと思いませんか?」
▼この不思議に答えてくれる本に出会っていた!!
◆『プラナリアの形態分化~基礎から遺伝子まで~』(手代木渉、渡辺憲二著、共立出版 1998.3.25)
この不思議に答えてくれる部分は 「14.9 飢餓と再生」(P275)にあった。この章は牧野尚哉・白澤康子先生が書いておられる。
コウガイビルの飼育では給餌が大切な要素となるが、餌に対しての反応は同一種内でも異なり積極的に摂取するグループとそうでもないものとがある。また長期間の飢餓に耐え、もとの体重の1/100に減少しても生存し続けることができる。このような生理的変化が、顕著な再生能をもつ本動物の器官形成にどのような影響を及ぼすのか、頭部再生の有無、形成所要時間、極性との関連について、採集直後の体重を100として、もとの30~40%に減少したグループを飢餓個体として実験を行った。 なお、飢餓個体の設定は、採集された個体のうち、何としても餌を食べないものがあり、かなりの期間絶食にも耐えられるが、やがて死に至る。体重減少と生存期間の長短は一定ではないが、採取後減少の一途をたどる体重は、ある時点で平衡状態となり、これ以降急激に減少して死ぬものが多い。体重が安定をみせる状態を越えると個体は死を迎えることから、この安定期(もとの体重の30~40%)を飢餓状態と考えた。これらの飢餓グループと採集まもないものとを次の実験により比較した。(同書P276より)
この本の編著者である渡辺憲二先生に直接、言わば「自らを食べて生き延びている」のだと教えてもらった。
もうそれからでも10年以上の歳月が経とうとしていた。
▼Webテキスト試案「コウガイビル」を構想をする作業は遅々として進まない。
しかし、断念することはない!!
この「ふしぎ!?」がつづくかぎりは…!!
テキストのキーワードは!?
・「食べる」
・「飢餓」
・「幹細胞」
・「再生」
・「生きる」
・「生命」
…
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