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本日(2021/12/08)、第302回オンライン「寅の日」!! #藤の実 #traday #寺田寅彦

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▼藤の種がこんなにも硬く扁平なかたちをしていることを知ったのはごく最近のことである。
実際に手にふれてみることにより実感をともなって知ったのである!!
もちろんきっかけは寺田寅彦の随筆「藤の実」である。

こと左様に寺田寅彦の随筆をきっかけに、あらためて知ることも多かった。
これが「寅彦にわかファン」である私なりの 「寺田寅彦活用術」なのかも知れない!! 

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▼本日(2021/12/08)は、第302回オンライン「寅の日」である。
 12月テーマも引き続き

【12月テーマ】「寅彦の自然の見方」

である。本日は、先の「藤の実」を読む。

◆本日(2021/12/08)、第302回オンライン「寅の日」!!

●「藤の実」(青空文庫より)


▼季節はちょうど今ごろの話だ。

 昭和七年十二月十三日の夕方帰宅して、居間の机の前へすわると同時に、ぴしりという音がして何か座右の障子にぶつかったものがある。

からはじまって、あれよあれよ言う間に寅彦ワールドに引き込まれてしまう。

 それにしても、これほど猛烈な勢いで豆を飛ばせるというのは驚くべきことである。書斎の軒の藤棚から居室の障子までは最短距離にしても五間(けん)はある。それで、地上三メートルの高さから水平に発射されたとして十メートルの距離において地上一メートルの点で障子に衝突したとすれば、空気の抵抗を除外しても、少なくも毎秒十メートル以上の初速をもって発射されたとしなければ勘定が合わない。あの一見枯死しているような豆のさやの中に、それほどの大きな原動力が潜んでいようとはちょっと予想しないことであった。 

思わずうなずいてしまうのである。
これにとどまらないのが寅彦の凄いところでもあった。

この一夕の偶然の観察が動機となってだんだんこの藤豆(ふじまめ)のはじける機巧を研究してみると、実に驚くべき事実が続々と発見されるのである。しかしこれらの事実については他日適当な機会に適当な場所で報告したいと思う。
 

▼さらには次へと展開していく。

 それはとにかく、このように植物界の現象にもやはり一種の「潮時」とでもいったようなもののあることはこれまでにもたびたび気づいたことであった。

 寅彦随筆の魅力は、展開の面白さだけでなくそのみごとな文章力にもあった。
 一斉に落ちる銀杏の葉を見て、次のように文章を綴っていた。

不思議なことには、ほとんど風というほどの風もない、というのは落ちる葉の流れがほとんど垂直に近く落下して樹枝の間をくぐりくぐり脚下に落ちかかっていることで明白であった。なんだか少し物すごいような気持ちがした。何かしら目に見えぬ怪物が木々を揺さぶりでもしているか、あるいはどこかでスウィッチを切って電磁石から鉄製の黄葉をいっせいに落下させたとでもいったような感じがするのであった。

 お見事!!
 また示唆的な提言も行なっていた。

 この現象の生物学的機巧についてはわれわれ物理学の学徒には想像もつかない。しかし葉という物質が枝という物質から脱落する際にはともかくも一種の物理学的の現象が発現している事も確実である。このことはわれわれにいろいろな問題を暗示し、またいろいろの実験的研究を示唆する。もしも植物学者と物理学者と共同して研究することができたら案外おもしろいことにならないとも限らないと思うのである。

 私が「アポトーシス」などという言葉を知ったのも、この随筆に出会ったのがきっかけだった。
 これからもどんなきっかけを与えてもらえるのかと考えると楽しみである。

 私はまだリアルタイムに「藤の実」がはじけ飛ぶのを見たことがない!!
 いつかこの眼で!!

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