本日(2021/11/26)、第301回オンライン「寅の日」!! #物理学圏外の物理的現象 #traday #寺田寅彦
▼私は「物理」が苦手、いや大の苦手だった!!
理科の教師になって、授業をするなかで「物理」が少しずつ面白いと思えるようになった。
授業から離れるとやがてもとにもどりつつあった。
ところが、オンライン「寅の日」をはじめて、寅彦の随筆を読むようになって
やっぱり「物理」はもっと面白いかも!?
と思えるようになってきた。
それは 例えば
金平糖の角(つの)も「物理」の問題と知ったからデアル!!
▼本日(2021/11/26)は、第301回オンライン「寅の日」である。
11月のテーマは、
【11月テーマ】「寅彦の自然の見方」
である。本日は「物理学圏外の物理的現象」を読む。
◆本日(2021/11/26)、第301回オンライン「寅の日」!!
▼「物理」「物理学」とは!?
から話ははじまる。
物理学は元来自然界における物理的現象を取り扱う学問であるが、そうかと言って、あらゆる物理的現象がいつでも物理学者の研究の対象となるとは限らない。本来の意味では立派に物理的現象と見るべき現象でも、時代によって全く物理学の圏外に置かれたかのように見えることがありうるのである。
えっ!?シロウトにはそうなのというところだ。
これだけの例から見ても、その当代の流行問題とはなんの関係もなくて、物理学の圏外にあるように見える事がらの研究でも、将来意外に重要な第一線の問題への最初の歩みとなり得ないとは限らない。それでそういう意味で、現在の物理学ではあまり問題にならないような物理的現象にどんなものがあるかを物色してみるのも、あながち無用のわざではないかもしれない。 そういう種類の現象で自分が多年心にかけていたものがいろいろあるが、それらの多数はいずれも事がらが偶然的偏差に支配されるために、結果が決定的再起的でないような種類に属するものである。
おおっ!!「寺田物理学」のはじまりだ!!
ここに「金平糖」が登場してきた。
金米糖(こんぺいとう)を作るときに何ゆえにあのような角(つの)が出るか。角の数が何で定まるか、これも未知の問題である。
なぜかうれしくなってくるのだった。
さらに続いた。
ところが、最近に至って物理学の理論の基礎に著しい革命の起こった結果として、物理現象の決定性といったような基礎観念にもまた若干の改革が行なわれるようになった。その結果としておもしろいことには、われわれが従来捨てて顧みなかった上記の種類の不決定な事がらに対して、もはやいつまでもそうそう無関心ではいられなくなって来たと私には思われる。なぜかというと、上記の種類の現象の根本に横たわる形式的要素が、新物理学の基礎に存するそれらとどこか共通なものを備えているからである。
▼ここからぐいぐいと「寺田物理学」の主張がつづく。
新物理学の考え方がいろいろな点で古典的物理学の常識に融合しないように感ずるのは、畢竟(ひっきょう)古典的物理学がただ自然界の半面だけを特殊な視野の限定されためがねで見ていたために過ぎないのであって、そのやぶにらみの一例としては、私がここで特に声を大きくして宣伝したような部類の統計的現象を全然閑却していたことも引証されようかと思う。
ここからが最もキモ!!
きわめて示唆的コトバがつづく。
物理学圏外の物理現象に関する実験的研究には、多くの場合に必ずしも高価な器械や豊富な設備を要しない。従って中等学校の物理室でも、また素人(しろうと)の家庭でもできうるものがたくさんにあると思われる。しかしいかなる場合にでも、その研究者が物理学現在の全系統について、正しい要約的な理解を持っていることだけは必須(ひっす)な条件である。
うれしくなってしまう!!しかし、チクリと痛いところも指摘してくれていた。
アリガタイ!!
過去百年の間に築き上げられたこの大規模の基礎を離れて空中に楼閣を築く事は到底不可能なことである。しかし物理学の基礎的知識の正当な把握(はあく)は少しの努力によって何人(なんぴと)にでもできることであるから、それを手にした上で篤志の熱心なる研究者が、とらわれざる頭脳をもって上記のごとき現象の研究に従事すれば、必ず興味あり有益なる結果が得られるであろうと考える。
「 大の苦手の「物理」もちゃんと向き合ってみるとけっこう面白いよ!!」
と、寅彦に「物理」の世界に誘われている気分になってきた。
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