あなたはこの花を何と呼んでいましたか!? #ヒガンバナ #テクサレ #柳田國男 #野草雑記 #日本ヒガンバナ学会
▼私はこの花を「テクサレ」と呼んでいました!!
お彼岸のころになると田んぼの畦に、川の土手に燃え立つように真っ赤に咲くヒガンバナ!!
「ヒガンバナ(彼岸花)」「曼珠沙華」
という名を知ったのは、かなり後のことだったような気がします。
最初は「テクサレ」「テクサリ」と呼んでいたように思う。
台風がきて外で遊べないときなど、縁側でこの花を使って「首飾り」をつくって遊んだ記憶が!!
「テクサレ(手腐れ)」!!
花茎を折ったときの汁はたしかにいやなにおいが!!
▼同郷のあの柳田國男が『野草雑記』に書き残してくれていた!!
アリガタイ!!
自分たちの郷里では、子供はこの植物について三つの名を知っていた。その一つは前に挙げた狐の剃刀で、これは専(もっぱ)らその葉をさしていい、次にはジュズバナ、今一つはテクサレであるが、この事は後でいっしょにいう。ジュズ花というのはこの花の茎を折って、珠数(じゅず)の形に真似(まね)て首に掛けて遊ぶからで、播磨(はりま)一国だけでなく三河の宝飯郡・石見の邑智(おおち)郡等にも同じ語がある。
また、こうも語られていた。
テクサリという語の方は、あるいは子供の実験だったかも知れぬが、私たちは手が腐るなどといいながらも、いつも折って遊んでいた。テクサリという名は私の郷里だけでなく、近畿では処々に行われているようだが、伊予の大三島(おおみしま)などではこれをテハレグサ、紀州の尾鷲(おわせ)ではヒゼンバナといっている。ヒゼンはいやな皮膚病の名で、実際この液がつくと指の股またが白くなる。
▼柳田國男翁もたくさんのヒガンバナの里名をあげてくれているが、それだけではなかった。
ヒガンバナは多くの里名をもつことで有名だった。
●『日本植物方言集成』(八坂書房編 2001.2.28)
には555も里名が紹介されていました。
研究者によっては1000以上の里名もあると言われています。
なかでもスゴイと思うのは次です。
「ハミズハナミズ (葉見ず 花見ず)」!!
(加賀 青森(上北) 富山(東礪波) 奈良(磯城))(『日本植物方言集成』より)
なんという観察眼!!スバラシイ!!
▼この多くの里名が意味するのは、ヒガンバナという花・植物が私たちの暮らしに密着していたことの証しでもあります。
21世紀の今!!
多くの里名は使われれなくなり、消えようとしています。
なんか モッタイナイ!!
そんな気がしてくるのです。そこで訊きます。
あなたはこの花を何と呼んでいましたか!?
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