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【お薦め本】『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社)

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▼先週はずっといちどはやりたいと思いつづけてきた実験をやってみた。
 「煮干しの解剖」である。
 あの「煮干し」の「解剖」!?
 「煮干し」=カタクチイワシの準備からはじめて、その顛末の一部始終をこのblogで報告をした。
 結論から言うと、

「煮干しの解剖」は最高に面白かった!!

▼ このときテキストとして使用させてもらった本が、今回のお薦め本である。


【お薦め本】『煮干しの解剖教室』(小林眞理子著 仮説社 2010.7.22)


 はじめての「煮干し解剖」の報告を進めていくなかで多くの人からコメントをいだいたのはとてもうれしかった。
 きわめつけがこの本の著者・小林眞理子先生のオンラインレクチャーだ。
 あげた画像をとてもくわしく解説してくださった。
 わかりにくかったこともいっぺんにわかりはじめた!!
 見ていても見えなかったものが、見えはじめた!!
 最高だった!!
 感動だった!!
感動の余韻の中でこの本を今一度読みなおしてみたら、ぜひとも【お薦め本】にあげたくなってきた。

 お薦めポイントはいつものように3つだ。

(1)最高に楽しい「煮干し解剖」案内の書である!!

(2)あらたな「解剖」学習の提案がある!!

(3)発展学習のための豊富な資料がある!! 


▼ではひとつずつもう少し詳しく見ていこう。

(1)最高に楽しい「煮干し解剖」案内の書である!!
 「解剖」!?
 と聞くとちょっとかまえてしまうところがあった。ところが最初の「ようこそ 煮干しの解剖教室」なかで著者はこう語っていた。

 といっても、特別な道具はいりません。大きめの煮干しが数匹、そしてこの本があれば、あなたも魚の体についてたのしく研究することができます。  この小さな魚から、生きものの体と暮らしについていろいろなことが見えてきます。もちろん、解剖したあとは、おいしくいただきましょう。たかが煮干し、されど煮干し。目でも口でも味わいつくす煮干しの解剖です。  たのしいおどろきの時間を、さあご一緒に。(同書P1より)

 そうです。
 私もこの「解剖」実験のために用意したのは「爪楊枝一本」と「ルーペ」と「A4用紙」(白 解剖皿のかわり)だけでした。
 「解剖」の作業はすべて素手を使ってやります。
 これがまたうれしいです!!
 
また「謝辞 あとがきにかえて」では、こうも語られていた。
 

本書は、子どもが自分で読みながら煮干しの解剖が体験できるようにと思って書きました。先生方がこの本を元に、授業として「煮干しの解剖」をやっていただけるなら、それもまたとてもうれしいことです。(同書P32より)

 私もこの本を読みながら「解剖」を体験していきました。
 私は途中で「心臓」を見失ってしまいました。(^^ゞポリポリ
 オンラインレクチャーで教えていただきわかったのですが、よくあることだそうです。
 だから、そのため「標本」としての「心臓」や「胃」などの写真は複数ならべおられるそうです。
 該当のページを再度見て納得しました!! (゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン
 ほんとうに「子どもが自分で読みながら」を想定したつくりなっているのです!!
 この事実にいたく感動しました!!


(2)あらたな「解剖」学習の提案がある!!
 「解剖」学習というと、「生きている」ものの「命」を奪ってという負のイメージがつきまとうのも事実である。
 ところがこの本では、これまでにないあらたな視点に立つ「解剖」学習の提案があるように思えた。
 たとえばこうだ!!

 乾燥品での解剖は、「生命を絶つ」という心理的負担が子どもたちにも教員にもなくてすむのは確かです。でも、「煮干しの解剖」がおすすめなのは、それだけが理由ではありません。この本で、少しでもこの教材の魅力を感じていただけたらと願っています。  私が中学生に授業をしたときの子どもの感想に「煮干しも生きて泳いでいたんだね」ということばがありました。他の方の実践報告を見ても、年齢にかかわりなく、ひからびた魚をバラバラにしながら感じることは共通して「煮干しも、生きていた」ことのようです。 (同書P32より)

 そうです!!
 ここにあらたな「解剖」学習のねらいがあるのです。

 カタクチイワシの「在りし日」(生きているとき)の姿を想像する!!
 ひからびた煮干しを「観察」という学びによって蘇生させる!!
 それが、これからの「解剖」学習!!
 

▼次に行こう。

(3)発展学習のための豊富な資料がある!!

 楽しい「煮干しの解剖」学習からはじめて、そこから発展していく学習のヒントが随所に書かれていた。
 これもこの本の大きな魅力だ!!
 たとえば

・「食べる・食べられるカタクチイワシ」(P23)
・「もし見ることができたら」(P29)
・「解剖で見えてくるもの」(P30) 等々

 「主な参考文献」(P35)としてあげてあるものも興味深いものばかりだ。
 著者の体験的学びをもとに紹介されているのでなおさら興味深い!!

 きわめつけが 次のページだ。必見だ!! 

  ●煮干しの解剖資料室

 
 さあ!!
 あなたもこの本をテキストにして「煮干しの解剖」をはじめてみませんか!!

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