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本日(2021/05/30)、第286回オンライン「寅の日」!! #とんびと油揚 #traday #寺田寅彦

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▼梅雨晴れ間。
 少し小高いところから暮らす町をながめてみた。
 「麦の秋」がまだのところと「水田」が同居していた!!
 人の姿まで見えてくるような気がした。

 これぞ鳥瞰か!!

▼本日(2021/05/30)は、第286回オンライン「寅の日」である。
 5月のテーマは、寅彦の随筆そのものに関連して次のようにしていた。

【5月テーマ】「寅彦随筆の面白さ」

 その三回目の本日は「とんびと油揚」を読む。

◆本日(2021/05/30)、第286回オンライン「寅の日」!!

●「とんびと油揚」(青空文庫より)


▼この「とんびと油揚」は、山田功氏によれば戦後の教科書に最も多く採用された作品である。(『教科書に掲載された 寺田寅彦作品を読む』(山田功著 リーブル出版)
 そのわけは、読み始めるとすぐわかった!!

  とんびに油揚(あぶらげ)をさらわれるということが実際にあるかどうか確証を知らないが、しかしこの鳥が高空から地上のねずみの死骸(しがい)などを発見してまっしぐらに飛びおりるというのは事実らしい。  とんびの滑翔(かっしょう)する高さは通例どのくらいであるか知らないが、目測した視角と、鳥のおおよその身長から判断して百メートル二百メートルの程度ではないかと思われる。そんな高さからでもこの鳥の目は地上のねずみをねずみとして判別するのだという在来の説はどうもはなはだ疑わしく思われる。

寅彦の謎解きがはじまる!!
それはまるで名探偵コナンだ!!
「ねえ君、不思議だと思いませんか?」と聞こえてくるような気がするのだった。

 視覚によらないとすると嗅覚(きゅうかく)が問題になるのであるが、従来の研究では鳥の嗅覚ははなはだ鈍いものとされている。
 
 しかし、これはずいぶん心細い実験だと思われる。原著を読まないで引用書を通して読んだのであるからあまり強いことは言われないが、これだけの事実から、鷙鳥類(しちょうるい)の嗅覚(きゅうかく)の弱いことを推論するのははなはだ非科学的であろうと思われるし、ましてや、とんびの場合に嗅覚がなんらの役目をつとめないということを結論する根拠になり得ないことは明らかである。

と言われると、思わずうなずくしかなかった。(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン

▼ここまでくると、すっかり寅彦ワールドだ。
 そこで、寅彦はひとつの「仮説」を立てる。

 上述のごとく、視覚による説が疑わしく、しかも嗅覚否定説の根拠が存外薄弱であるとして、そうして嗅覚説をもう一ぺん考え直してみるという場合に、一番に問題となることは、いかにして地上の腐肉から発散するガスを含んだ空気がはなはだしく希薄にされることなしに百メートルの上空に達しうるかということである。ところが、これは物理学的に容易に説明せられる実験的事実から推してきわめてなんでもないことである。

 さらに「仮説」を実証する実験を提案する。

 たとえば長方形の水槽(すいそう)の底を一様に熱するといわゆる熱対流を生ずる。その際器内の水の運動を水中に浮遊するアルミニウム粉によって観察して見ると、底面から熱せられた水は決して一様には直上しないで、まず底面に沿うて器底の中央に集中され、そこから幅の狭い板状の流線をなして直上する。その結果として、底面に直接触れていた水はほとんど全部この幅の狭い上昇部に集注され、ほとんど拡散することなくして上昇する。もし器底に一粒の色素を置けば、それから発する色づいた水の線は器底に沿うて走った後にこの上昇流束の中に判然たる一本の線を引いて上昇するのである。

そしてここまで言いきるだった。

 とんびの場合にもおそらく同じようなことが言われはしないかと思う。それで、もし一度とんびの嗅覚(きゅうかく)あるいはその代用となる感官の存在を仮定しさえすれば、すべての問題はかなり明白に解決するが、もしどうしてもこの仮定が許されないとすると、すべてが神秘の霧に包まれてしまうような気がする。  これに関する鳥類学者の教えをこいたいと思っている次第である。

 なんとみごとな展開だ!!
 寅彦研究の第一人者大森一彦先生のコトバを借りれば「科学随筆の最高傑作(のひとつ)」である。

テーマ「寅彦随筆の面白さ」に即して言うならば

(1)着眼から推論への展開の面白さこそ寅彦随筆の醍醐味!!

(2)科学的にものごとを考えることの面白さを教えてくれている!!

(3)「仮説」を支える事実・実証する実験が大切!!

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