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本日(2021/04/12)、第282回オンライン「寅の日」!! #研究的態度の養成 #traday #寺田寅彦

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▼「授業びらき」の季節である!!
 私にはお気に入りの「授業びらき」の構想があった。
 私の「ふしぎ!?」からはじめるのである。

●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(1)
●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(2)
●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(3)
●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(4)
●私の「ふしぎ!?」からはじめる授業びらき(5)

 どこか寅彦のあのコトバにツナガル気がしてくるのだった。

 「ねえ君、不思議だと思いませんか?」

▼本日(2021/04/12)は、第282回オンライン「寅の日」である。
 オンライン「寅の日」10年目スタートだ!!
 10年目スタートの月にふさわしいテーマに決めていた。

【4月テーマ】「寅彦と理科教育」

その1回目の本日は、「研究的態度の養成」を読む。

◆本日(2021/04/12)、第282回オンライン「寅の日」!!

●「研究的態度の養成」(青空文庫より)


▼読み始めるとすぐ思うことがある。
 「あれ!? これはいつ書かれたものなんだろう?」
 文章の最後には、次のように書かれていた。
 

(大正七年十月『理科教育』)

 そうだ!!これは1918(大正七)年、今から103年も前に書かれた文章なんである。
 なのに
 なんと今日的な!!

 私の「ふしぎ!?」からはじめる「授業びらき」を応援してくれているような文章が続いていた。

とにかく児童には、知らないことが恥でない、疑いを起さないこと、またこれを起しても考えなかったり調べなかったりすることが大なる恥である、わるいことであるといった精神を充分鼓吹(こすい)してほしいと思う。教師がこの態度になることの必要は申すまでもなかろう。

さらには次のように語っていた。

彼等の求知心を強からしめ、研究的態度に出でしむるようにありたい。科学的の知識はそうそうたやすく終局に達せらるるものではない事を呑み込ませて欲しいものである。時には更に反問して彼等に考えさせることも必要である。勿論児童の質問があるごとにかように話しているわけにはゆかないが、教師の根本態度が、この考えであってほしいのである。

▼さらには、次のような示唆的な「提案」もしてくれていた。

 それから小学校では少し無理かも知らないが、科学の教え方に時々歴史的の色彩を加味するのも有益である。勿論科学全体の綜合的歴史はとても教えることは出来ないが、ある事項に関する歴史でよろしい。
これらの歴史を幾分でも児童に了解させるように教授する事はそれほど困難ではあるまい。かようにしていって、科学は絶対のものでない、なおいくらも研究の余地はある、諸子の研究を待っているという風にしたいと思うのである。

 それだけでない。ついつい陥りやすい注意事項まで語ってくれていた。

それは新しい研究という事はいくらも出来るが、しかしそれをするには現在の知識の終点を究めた後でなければ、手が出せないという事をよく呑み込まさないと、従来の知識を無視して無闇(むやみ)に突飛(とっぴ)な事を考えるような傾向を生ずる恐れがある。この種の人は正式の教育を受けない独創的気分の勝った人に往々見受ける事で甚だ惜しむべき事である。とにかく簡単なことについて歴史的に教えることも幾分加味した方が有益だと確信するのである。

 なんと今日的な!!と驚くばかりである。
 書かれた1918年は、日本理科教育史を語るうえで忘れてはならない年である。
 その年に書かれたこの文章は、理科教育の「不易」を教えてくれるものになっていた!!

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コメント

 遅れて読ませてもらいました。いつか、読んだと思いましたが改めて提案していただき再読することができました。やはり、同じ「元」理科教師として同じところに目をつけるものだなと思いました。
 一方、細かい点で、「ニュートンが物体から光の微粒子が目に飛び込んで」の部分ですが、以前「科学を作った原典?100」で科学だと思うのですが、ずいぶん前から記述されていると思うのですが、実際のところはどうなのか。また、寺田が科学史の知識をどこから仕入れたのかなど調べてみたいと思いました。

投稿: 鈴木 久 | 2021/04/19 07:06

鈴木 久さん

コメントありがとうございます。

> 一方、細かい点で、「ニュートンが物体から光の微粒子が目に飛び込んで」の部分ですが、以前「科学を作った原典?100」で科学だと思うのですが、ずいぶん前から記述されていると思うのですが、実際のところはどうなのか。また、寺田が科学史の知識をどこから仕入れたのかなど調べてみたいと思いました。

なかなか興味深いですね。
またわかったらぜひ教えてください。よろしくお願いします。<(_ _)>

投稿: 楠田 純一 | 2021/04/20 06:06

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