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「寺田物理学」とは!?(12) #寺田物理学 #traday #寅の日 #寺田寅彦 #藤の実 #アポトーシス #池内了

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▼2021/02/27の夕方のことだった。「その場所」に行ったのは。
 実はなかばあきらめかけていた。
 「今年も、やっぱり藤豆が、はじけ飛ぶのを観察することができなかったか」と。

 「その場所」は、昨年の夏あたりから目をつけていた。ある公園の藤棚だ!!
 ときおり、「その場所」に行きまだかまだかと観察していた。
 その日のいちばん近くでは、2021/02/16に行って、藤棚にいっぱいの藤の実の鞘がぶら下がっているのを確認していた。
 ところが、この日は、様子が少し変わっていた。
 藤棚の下の砂利の上には、夥しい数のねじれた鞘が落ちていた。
 たまたま藤棚の下にあった板の上には、ねじれた鞘といっしょに飛び散った藤豆も確認できた!!

 2021/02/16と2021/02/27の間にその「瞬間」があったのだ!!
 その「瞬間」に立ち会うことはできなかったが、一歩 「夢」に近づいた!!

 この「夢」は寅彦の「藤の実」(青空文庫より)を読んだときからはじまった!!

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▼まだまだ続けよう。「寺田物理学」とは!?
 参考にさせてもらうのは続けてこれだ。

●「第二章 寺田寅彦が提唱した新しい科学」池内 了(『寺田寅彦と現代 ~等身大の科学を求めて~』(池内 了著 みすず書房)より)

 またまた興味深いコトバが出ていた。
 「アポトーシス」である。

「アポトーシス」  寺田寅彦は、現在、「アポトーシス」と呼ばれる生物現象に気付いていた。アポトーシスとは、遺伝子にプログラムされた細胞死のことで、しかるべき時期に細胞が死を迎えるようセットされており、それによって生物の形態形成が完成する仕組みになっている。秋の落葉、昆虫の変態、おたまじゃくしの尾の消失、指の形成、などがその代表例である。(同書P54より)

▼先の「藤の実」のことが取り上げられているので少し長く引用させてもらおう。

 寺田は「藤の実」(昭和八年四月)の中で、アポトーシスに気付いたことを記述している。ある日、藤豆が一斉にはじけるのに遭遇する。そこで、枯れ死しているような豆の鞘から、どうして藤豆がはじけるのかの機構を研究するのだが、もう一つ大事なことに思い至った。

植物界の現象にもやはり一種の「潮時」とでもいったようなもののある

ということである。春の庭先で風もないのに椿の花が一斉に落ちることにも気付いていた。 また、銀杏の葉が

 ほとんど突然にあたかも一度に切って散らしたようにたくさんの葉が落ち始めた。驚いて見ていると、それから十余間を隔てた小さな銀杏も同様に落葉を始めた、まるで申し合わせたように濃密な黄金色の雪を降らせる

のを目撃したのだ。「どこかでスウィッチを切って電磁石から鉄製の黄葉をいっせいに落下させたとでもいったような感じ」 を持った。そこで考えたのが、

葉という物質が枝という物質から脱落する際には、ともかくも一種の物理学的の現象が発現している事も確実である

ということだった。「潮時」と呼んだ「物理学的の現象」が存在することを確信したのだ。まさに、アポトーシスの存在を予感していたと言える。(アポトーシスは、ギリシャ語で「離れて」「落ちる」の意味がある)。(同書P55より)

▼まだ続けよう。

彼が

このことはわれわれにいろいろな問題を暗示し、またいろいろの実験的研究を示唆する。もしも植物学者と物理学者と共同して研究することができたら案外おもしろいことにならないとも限らない

と書いているように、実際に細胞レベルでの落葉のメカニズムについて、植物学者と物理学者の共同研究が行なわれていれば、アポトーシスの発見は日本人の手になっていたかもしれない。(同書P56より)

 やっぱりここでも「寺田物理学」は、古くて新しかった!!
 いや新しすぎたのかも!? 

 来年は、いや今年かも知れない。
 ぜひとも、「藤の実」のその「瞬間」に立ち会いたいものだ!!

【2021/02/27の藤棚】
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【2021/02/16の藤棚】
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(つづく) 

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