「日本理科教育史」をプロットする!!(47) #コロンブスの卵 #立春の卵 #中谷宇吉郎 #板倉聖宣
▼残りの4個は昨日もアタリマエに立ち続けていた!!
なんとも偉大なるこのアタリマエ!!
こうしてみると、2015年の『立春の卵』191日の軌跡は驚異に見えてくるのだった。
▼昨日の書き込みの後、FBで次のようにコメントをいただいた。
「コロンブスの卵との関連性は不明だが⁉」
私は「「コロンブスの卵」の逸話は、「卵がたつわけがない」という前提からうまれたんでしょうね。」だから、「この実験とは直接関係ないと思っています。」と答えた。
コメントの本意をよく理解していなかった。私は大間違いをするところだった。<(_ _)>
「コロンブスの卵」の逸話があるからこそ、「立春の卵」の凄さが際立ってくるのだった!!
『科学的とはどういうことか』「卵を立ててみませんか」(板倉聖宣著 仮説社 1977.4.25)から、「コロンブスの卵」について書かれたところを引用させてもらおう。
卵を立てる話といえば、中谷さんの「立春の卵」の話よりもさらに有名な話ががあります。それは「コロンブスの卵」という話です。私が小学生のころの国語の教科書にはその話がのっていました。文部省編の『小学国語読本 巻八』、つまり小学校四年後期の第二十二課です。同じ内容の話は、大正十年度から昭和二十二年度あたりまで使われていた国定(あるいは準国定)教科書にのっていましたから、少し年配の読者なら、「ああ、あれか」と思い出すことでしょう。知らない人もいるでしょうし、短いものですから、上に全文のせておきました。読んでみてください。(同書 P16より)
ネットでも調べてみました。わかりました!!
●1921(大正10)年 1921年発行の第3期「尋常小学国語読本」第8巻 第19章に4年生用教材として、「コロンブスの卵」が登場
ちょうど今から100年前です!!
▼板倉さんの言によれば「大正十年度から昭和二十二年度あたりまで」、「コロンブスの卵」は教科書に載っていたのです。
昭和二十二年と言えば、「立春の卵」の年です。
●1947(昭和22)年4月1日 『立春の卵』(中谷宇吉郎 青空文庫より)
今一度、「コロンブスの卵」に焦点をあてて読んでみた。もちろんふれられていた!!
昔から「コロンブスの卵」という諺(ことわざ)があるくらいで、世界的の問題であったのが、この日に解決されたわけである。
それにしても、考えてみれば余りにも変な話である。卵というものが何時(いつ)でも必ず立つものならば、コロンブスにまで抗議をもって行かなければならない始末になる。
こういう風に説明してみると、卵は立つのが当り前ということになる。少くもコロンブス以前の時代から今日まで、世界中の人間が、間違って卵は立たないものと思っていただけのことである。
つまり「コロンブスの卵」から「立春の卵」へ!!
今から74年前のことである!!
▼ますます、「立春の卵」最後の中谷宇吉郎先生の言葉が気になってくるのだった。
何百年の間、世界中で卵が立たなかったのは、皆が立たないと思っていたからである。 人間の眼に盲点があることは、誰でも知っている。しかし人類にも盲点があることは、余り人は知らないようである。卵が立たないと思うくらいの盲点は、大したことではない。しかしこれと同じようなことが、いろいろな方面にありそうである。そして人間の歴史が、そういう瑣細(ささ)いな盲点のために著しく左右されるようなこともありそうである。
「コロンブスの卵」から100年!!
「立春の卵」から74年!!
私たちは今、どこにいるのだろう!?
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