「寺田物理学」とは!?(2) #寺田物理学 #traday #寅の日 #寺田寅彦 #石原純
▼生野峠越えて雪がこぼれ落ちてきた!!
いや
舞い降りてきた!!
武田康男さんは、『楽しい 雪の結晶観察図鑑』(武田康男著 緑書房)のなかで「雪の結晶の降り方と速さ」(P24)についてこう述べてます。
雪の結晶の落ちる速さは、大きさや形によりますが、角柱状や砲弾状などは空気抵抗の影響が少ないため、1秒間に1m程度と速く、角板状や樹枝状などは1秒間に0.5m前後と遅くなる傾向があります。1,200mの高さの雲からは、20分から40分程度で地上へ降りてくることになります。(同書P24より)
そうこの20分~40分のあいだにも「天からの手紙」にいくつものドラマが起こるのです。
おおっ!!ここにもやっぱり「物理学」が!!
▼「寺田物理学」続けよう。
参考にさせてもらうのは続けて
●「寺田物理學の特質」(石原 純)(『思想』岩波書店 特輯「寺田寅彦追悼號」昭和11年3月号より)
である。
やはり石原純こそ「寺田物理学」の最高の理解者である。そんな思いを強くするのである。
続けて引用させてもらおう。
寺田さんが芸術的天稟をもってゐて、文学や音楽や美術に通じ、従っていつも芸術的に自然を観照することに於いて多くの興味を感じてゐたことは事実である。特に俳諧に由来する写実主義により自然のあらゆる具体的な現はれ於いて深い味を感得しつゝあつたことは、おのづから科学的な研究も同じ対象の方に向けさせたのだった。この傾向はいつも寺田さんの頭の中でかなり強く働いてゐたらしく、そのお蔭で現在の精密科学が取り扱ってゐるやうな抽象よりももっと別な具体的な事実のなかにこそ本当に研究すべき問題がたくさんあると云う思考を寺田さんは把持し続けて来たやうである。これは屡々現代の科学への警告的な意味を超えて幾らか反感的な形になってさへ現はれている。(上記文より)
やはり説得力をもつ。
▼さらに続けよう。
寺田さんが好んで複雑な現象を取り扱おうした結果は、当然に種々の統計的研究に入り込む機会を与えた。それが先ず気象や地震に関する諸現象に対して行われたのは当然であるが、その間に偶然的な多数の事象に現われる疑似周期を発見されたことは非常に重要な仕事であった。統計的考察は物質現象のみでなく、実に多方面に種々の場合にまで拡張された。(中略) 寺田物理学がいかに異彩を放ち、また意外な有用性をもつことを知ることができるだろう。
具体的な例にあがっているのは、「実に人の意表に逸出する」ものばかりである。
これが「物理学」!?
というものが多い。しかし、実に面白い!!
▼ここまで引用させてもらっていて、私が「惹かれる」わけが少しだけわかりかけてきた。
「寺田物理学」は実に面白い!!
一時、もっとも多用してしていた「○○の科学」
「等身大の科学」にツナガル!!
道はまだまだ遠い つづけよう。
(つづく)
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