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実生コヒガンバナは今!?(2021/01/30)#日本ヒガンバナ学会 #コヒガンバナ #2倍体

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実生コヒガンバナ物語!!
 その「物語」は、2014年10月26日から始まった。

●コヒガンバナの種子を手に入れた。\(^o^)/ #higanbana (2014.10.26)

 翌年の春から種子から育てる実生実験にとりかかった。
 それ以降、毎年秋には「出葉」を繰り返し、葉は枚数を増やし、長く成長してきたのだった。

前回の観察(2020/11/27)から、年をまたがって2ヶ月以上経っていた。
 八手の木陰から、17個の鉢を明るいところ持ち出してみた。
 
 もうそれだけで圧巻だった!!
 明らかに葉はたくましく成長していた!!

 「出葉」している葉の枚数を数えてみた。
 鉢ごとの葉の枚数を数えてみた。

【9枚】…1
【6枚】…1
【5枚】…3 
【4枚】…5
【3枚】…3
【2枚】…3
【0枚】…1

 葉の枚数の総合計は65枚!! 前回(66枚)より1枚減っていた!!
 あれ ?(゜_。)?(。_゜)?
 再度よく調べてみた。
 わかった!! 6枚だった鉢のひとつか5枚になっていた。一枚が何かのアクシデントがあって枯れていたのだ。

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▼葉の長さ・太さも驚くほどたくましく成長していた。

【9枚】…25~27㎝
【6枚】…20~26㎝
【5枚】…28~30㎝ 
【4枚】…25~26㎝
【3枚】…30㎝までのびたものもある。
【2枚】…30㎝までのびたくましくなっている。

 相対的には枚数の少ない鉢の方がよくのびていると言えるかも知れない。

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▼この姿をながめていると
 コヒガンバナは2倍体(2n=22)!! に納得がいくのであった。
 
 「実生コヒガンバナを咲かせよう!!」プロジェクトはいよいよ現実味を帯びてくるのだった。
 
  やっぱり鉢の底から根が伸びていた。
 前回から、大きな鉢への「引っ越し」の時期を思案していたが、決めた!!
 これらの葉が枯れた時期と。

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本日(2021/01/30)、第276回オンライン「寅の日」!! #ピタゴラスと豆 #traday #寺田寅彦

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●『ピタゴラスと豆』(寺田寅彦著 角川ソフィア文庫 2020.8.25)
 
 この本の解説のなかで、鎌田浩毅氏は
  寺田エッセイは魅力ある「中古典」である。 と言っていた。

 二三年前に京大に着任してから私は、寺田のエッセイを「中古典」として学生たちに薦めてきた。つまり、『ソクラテスの弁明』や『論語』『方法序説』が大古典であるとすれば、『アラン幸福論』や『氷川清話』などの中古典は身近ではるかに読みやすい近現代の名著なのである(拙著『理学博士の本棚』角川新書)。(中略)  寺田の残した中古典の中から、自分の一番好きな文章を選んで繰り返し味わっていただきたいと思う。(同書P325 より)

▼本日(2021/01/30)は、第276回オンライン「寅の日」である。
 2021年1月のテーマは

【1月のテーマ】「寅彦と現代社会」

である。その最終回の本日読むのは、上記本のタイトルにもなっている「ピタゴラスと豆」である。

◆本日(2021/01/30)、第276回オンライン「寅の日」!!

●「ピタゴラスと豆」(青空文庫より)

▼ものを知らない私は、寅彦のエッセイではじめて知ることも多かった。
 このこともまた、そんなうちのひとつだった!!

この同じピタゴラスがまた楽音の協和(ハーモニー)と整数の比との関係の発見者であり、宇宙の調和の唱道者であったことはよく知られているようであるが、この同じピタゴラスが豆のために命を失ったという話がディオゲネス・ライルチオスの『哲学者列伝』の中に伝えられている。

 ものごとの真意を見抜く科学者・寺田寅彦の眼力はいつも冴えていた。

 このピタゴラスの話がまるで嘘であるとしても、昔のギリシャかローマに何かそれに類する「禁戒」「タブー」「物忌(ものい)み」といったようなものがあったのではないかという疑いをおこさせるには十分である。
それはいずれにしても、ピタゴラスの豆に対する話はやはりこうした「物忌み」らしく思われるのである。「嫌う」ともちがうし、「こわがる」ともちがう。

ここで少し余談!?

この頃、柳田国男氏の「一つ目小僧その他」を見ると一つ目の神様に聯関して日本の諸地方で色々な植物を「忌む」実例が沢山に列挙されている。

 そうか、寅彦(1878- 1935)は柳田国男(1875 - 1962)を読んでいたのか!!
 アタリマエだけどなんか感激してしまうのだった。

▼寅彦のほんとうの魅力は、いつ読んでも「現在」にツナガッテいるところだった!!
 鎌田浩毅氏流に言うなら

 寺田エッセイはいつ読んでも今日的「中古典」だった!! 

 それは最後の一文を読めば、きわめて納得がいくのである。

しかしこのピタゴラスと豆の話は、現在のわれわれの周囲にも日常頻繁に起りつつある人間の悲劇や喜劇の原型(プロトタイプ)であり雛形(モデル)であるとも考えられなくはない。色々の豆のために命を殞(おと)さないまでも色々な損害を甘受する人がなかなか多いように思われるのである。それをほめる人があれば笑う人があり怒る人があり嘆く人がある。ギリシャの昔から日本の現代まで、いろいろの哲学の共存することだけはちっとも変りがないものと見える。

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実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!(2021/01/28) #日本ヒガンバナ学会 #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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530個ものビガンバナの種子を用いた実生実験は前代未聞だった!!
 これは今、目の前で起こっている「事実」だった!!

 前回の観察ではこうだった。
実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!<その1>(2020/11/16) #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

実生ヒガンバナ(2019年採集分)は今!!<その2>(2020/11/17) #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

▼それから年をまたいで2ヶ月と10日あまり経っていた。
 「出葉」したビカンバナの葉はどうなっただろう。あらたに「出葉」したものは出てきただろうか?

まずは【安富】【夢前】の鉢が置いてある場所だ。
・八手の木の下に置いているということもあり、八手の枯れ葉、花の後のものがいっぱい鉢の中に入っている。
・けっこう雑草も育っていた。
・できるだけていねいに、ヒガンバナの葉を確認する。
・葉はあまり成長している感じではなかった。
結論だ!!

【安富】4
【夢前】8

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▼次は【福崎】である。

【福崎】26
・こちらは同じ木陰でも少し光があたりやすい。だからだろうか「成長」を感じる。
・葉が長くのびて12㎝、13㎝までのびたものもある。
・もっと驚くことは一年目の出葉から、2枚がのびてきているものもあった!!
・さらにあらたに「出葉」してきた鉢も2つあった。 【360】【411】

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次は【その他】であった。

【その他】6
・こちらもよく成長していた。
・最高に伸びた葉は16㎝に達していた。
・こちらでも2枚の葉がのびようとするものがあった。
・あらたに「出葉」している鉢もあった。【502】加美 

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▼最後に、前回の観察でみつけた鉢に植え替える前のケースで「出葉」してきたものをみた。

【ケース】10
・ケースのフタはとったままにしておいた。
・光がよくあたったせいだろうかスクスクと成長していた。
・「出葉」したものの数も採集場所もかわらなかった。
・これで「出葉」してきたということは、この段階で植木鉢に植え替える必要はあったのか?
 
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結果的には、前回の観察より増えた数は 3つだ!!
総合計は54個!!

「安富」5+「夢前」12+「福崎」29+「加美」2+「福崎B」2+「庭」1+「線路」3=54個 !!

暫定出葉率54/140個×100= 38.6% !!

530個の種子全体から見ても

暫定出葉率54/530個×100= 10.2% !!


これは「事実」である!!
この「事実」をどう読み解くかはこれからである!!
2019年日本のヒガンバナに「何かが起きた」ということも、またまちがいのない「事実」である!!

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実生ヒガンバナ(2019年以前分)は今!!(2021/01/27) #ヒガンバナの種子 #実生ヒガンバナ実験

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▼植物「ヒガンバナ」にとって冬場は、光をたっぷりひとり占めして、栄養を地下の球根(鱗茎)に貯め込む書き入れ時だった!!
「自然結実」したヒガンバナの種子から育てている実生実験中のヒガンバナはどうしているだろう!?

 前回の観察(2020/11/25)から、年を越えて2ヶ月以上が経っていた。
 寒の内に、その様子を観察しておきたかった。
 
▼まずは、2019年採集・回収の分はのぞいてそれ以前の分を報告する。
古い順番に行こう。

●2014年「種子」採集→2015年実生実験開始→植木鉢3つ

・「出葉」しているのは一鉢だけ。
・葉の数は三枚!!
・葉二枚はほぼ25㎝、一枚は19.5㎝!!前回は三枚ともほぼ25㎝と報告しているが、縮んだのかな!?
・三枚とも肉厚もでてきて太った感じだ!!

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▼次に行こう。

●2016年「種子」採集→2017年実生実験開始→植木鉢3つ

・こちらも「出葉」しているのは一鉢だけ。
・葉の数は三枚だ!!
・葉の長さもさらに大きく伸びてきている。
 19㎝
 18㎝
 15.5㎝

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▼最後は2018年採集分だ。

●2018年「種子」採集→2019年実生実験開始→植木鉢3つ

・こちらは「出葉」している鉢は二鉢だ。
・二鉢とも「出葉」している葉の枚数は一枚だ!!
・一枚だけでもよく伸びてきている。
 18.5㎝
  9㎝

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 全体で四鉢で「出葉」が確認できている。
 九鉢を一同にならべてながめていると、これからの展開が楽しみになる。
 これらの葉はいつごろ枯れ始めだろう。
 
 ここからヒガンバナの花茎が伸びてくるのはいつだろう!?
 ほんとうにそんな日はくるのだろうか!?

 それまでに、後何年の歳月が必要だろう!?

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第6回オンライン句会「寅の日」2月例会案内!! #寅の日 #オンライン句会 #夏雲システム

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▼比較的あたたかい日が続く。
 このまま寒が明けるとは思わないが、春がちかづいていることは確かだ。
 暦のうえの春「立春」は、今年は一日早く2/3(水)だ。従って節分は2/2(火)だ。

 「立春」をむかえてもなかなか寒い日がつづくことが多い。
 そんなときの季語が 【春寒】【余寒】だ。
 寒がりの我らが寅日子先生は詠んでいた。

【春寒】
 正宗の村正と並び春寒し (明治三十四年)

【余寒】
 肘のあたりシャツほころびし余寒哉 (明治三十一~二年夏目漱石に送りたる句稿より)
 藪蔭に梅一輪の余寒かな (明治三十一~二年夏目漱石に送りたる句稿より)

▼今年のOBの新年会はzoomでやった。
 新年会では、昨年一年でいちばん夢中になっていることを報告しあうのが恒例になっていた。
 私は迷わずこの「オンライン句会」の報告した。
 「これがなかなか面白い!!」
 「こんな面白いことがあるなんて…!!」
 力説すればするほど 「伝わっていない!?」と感じてしまうのだった。
 こんなことを唐突に言い出しても
 「そうだよな!!」と自分でも納得してしまうのだった。
 かくなるうえは、説得力をもつ唯一の方法は
 
 粛々と継続して行くことだ!!

▼第5回1月例会の<結果>発表された。
 2021年2月は第6回目になる。さあ継続していこう。
 あらためて、案内要項をあげておく。

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第6回オンライン句会「寅の日」2月例会実施案内

0.はじめに
 本会をオンライン句会「寅の日」と称する。
 オンライン「寅の日」から生まれたオンライン句会です。
 俳句結社「寅の日」が運営しています。
 寺田寅彦に師事します。 

0からはじめる人のためのオンライン句会です。

 本会は「夏雲システム」を利用させてもらっています。

1.原則として月一回の月例句会を実施します。

2. 参加者
 あらかじめ登録された者のみ。
 (「俳号」をきめて、【句会「寅の日」参加希望】のタイトルで楠田までメールを)
 
3.投句のお題
・当季雑詠(その季節の季語を自由に詠む。)

4.句数
・5句だし
・5句選(特1・並4)特選は2点 並選は 1点 扱い
・予選句は自由 
5.【投句期間】
 2021年2月1日0時から15日23時30分まで
 

6.【選句期間】
 2021年2月16日0時から25日23時30分まで  

7.【結果発表】
 2021年2月26日から
同時に「談話室」が書き込み可能になります。

8.賞について
 ・最高得点句は最優秀句であり、その句会の「寅日子」賞とする。
 ・特別賞として、次の賞を設ける。
 「これぞ科学!!」が詠まれた句 → 「牛頓」(ニュートン)賞!!
 「よくぞそこまで観察した!!」という句 → 「藪柑子」賞!!
  特別賞は、毎回でなくてよい。
  もちろん「寅日子」賞と重なることがあってもよい。
  参加者が、選評の際に書き込むようにようにしたい。複数票を獲得したときに受賞としたい。

9.注意事項
 参加する前に「夏雲システム」、「同意事項」をよく読んでおいてください。

******************************************************************

▼やっぱり言わずにおれない!!
 「自分の感じたこと 思ったこと 感動した景」
 ひとに伝わったとき最高にうれしいです!!
 
 「句会」は最高に楽しいです!!
 オンライン句会は、「句会」参加のハードルをうんとさげてくれました。
 
 この春からあなたもはじめてみませんか。
 


 

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サイエンスコミュニケーター宣言(422) #日本理科教育史 #理科の部屋30年史

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「環天頂アーク」!!
 確かに色づいている。まちがいない!!
 待てよ、右手の離れたところにも虹のように…!?
 「幻日」!?
 それにしては高いような ?(゜_。)?(。_゜)?

 昨日(2021/01/25) 16:31
久しぶりに晴れた日のひとり吟行だった。
 「雲見」の空にはケンケン三兄弟(巻雲・巻積雲・巻層雲)が目立った。その高さでは氷晶だ!!
 このレア度の高い「雲見」は、そんなとき起こった!!
 「雲見」はやっぱり 面白い!!

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▼さあ、サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」の確認、続けよう。
 最後の座標軸に行こう。

(5) 日本理科教育史を現在進行形のかたちでまとめる。

 心がけておきたいことがあった。
 「現在進行形のかたち」というところだ。
 過去の「歴史」を終わったものとしてとらえるのでなく、地続きの「進行形」でとらえたい!!
 どこまでも「これから」にツナガルものとしてとらえたい!!

▼2つの大きな「作業」にとりかかっていた。
 ひとつは

●「日本理科教育史」をプロットする!!

 このシリーズの展開である。現在45回まできていた。
 あらためて元々の意図を語っておこう。

●『増補・日本理科教育史 付・年表』(板倉聖宣著 仮説社 2009.04.10)

 原著初版は1968年3月1日である。
 まさに「日本理科教育史」のはじまりから、現代までをくわしくわかりやすく語った名著中の名著である。
 特に付録の「年表」が気に入っていていた。
 ところが、その年表は2009.4.01で途切れていた。
 著者板倉聖宣氏が亡くなられたのは2018年2月7日である。途切れていた年表はその後、追記されたのだろうか?
 私はそれを知らない。

・この「年表」の続きを書きとめておきたい。「記録」しておきたい!!
・この「年表」よりももっともっと等身大の「日本理科教育史」を「記録」しておきたい!!
・ポンコツ理科教師ひとりの試みとしては大それた企画であること百も承知だ!!
・どこまでも、等身大に語っていきたい!!
・誰もが「日本理科教育史」の渦中の人だ!!
・私の「日本理科教育史」がツナガレバ、これまで誰も書かなかった「日本理科教育史」が生まれるかも知れない!!
 
▼もうひとつは上記の「日本理科教育史」をプロットする!! に含まれることではあるが、特に自分も関わってきたこととしてやってみたいことである。

●【理科の部屋】30年史 年表を作成する!!

・すでに、まったく個人的レベルの【理科の部屋】30年史年表は書き始めていた。
・視点を変えれば、もっともっとちがった「歴史」があるはず!!
・2023年11月23日で、【理科の部屋】は30歳になる!!それまでに
・これまたポンコツひとりの作業としてはとても手に負いかねる。(^^ゞポリポリ
・【理科の部屋】30年史作成委員会をつくりたい!!メンバー大募集だ!!
・「【理科の部屋】って、それなに!?」と言う人も加わっていただくとより豊かなものになるだろうな。<(_ _)>


「サイエンスコミュニケーター10年」が終わるまでにあと65日!!
 さあ、
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!
 

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【Web更新1/24】21-04 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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水仙や籠りの暮らし長くなり 21/01/23撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】21-04
週末更新のお知らせ
 今年の「冬籠り」は特別だ!!
 「冬籠り」だけでは終わらぬ不安もある。
 考え方によっては、籠りの暮らしのなかでしかできぬこともあるかも知れぬ。
 あのニュートンのように…!?

◆表紙画像集 更新 水仙
 寒の雨は長引いている。
 いつも凜として春を待つ水仙もややうつむき加減に見える。
 せめて雨だけでもそろそろ…。

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 「日本理科教育史」をプロットする!!シリーズは、教材「液体窒素物語」「200℃水蒸気物語」を追った。
 次はなにを…!?
 「サイエンスコミュニケーター10年!!」の残す日が少なくなってきている。
 いつも5つの座標軸を使って、「現在地」を検証しているところだ。
 「現在地」があきらかになれば、残りの日で可能なことに向かおう。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 「オンライン「寅の日」9年!!」も残す日は同じだ。
 1月テーマ 「寅彦と現代社会」
 2月テーマ 「寺田物理学とは!?」
 さて、何をどこまで読み解けるだろう。
 「楽しむ」「活用する」心を忘れずに前に進もう!!


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから43週目だった。
 長引く雨が降っていた。
 寒の内を忘れそうな景だった。

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サイエンスコミュニケーター宣言(421) #理科カリキュラム #理科教育コミュニティ

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雨の日のひとり吟行!!
 以前ならばちょっと渋るところだが、今はちがう。
 「籠り」の暮らしが長くなった今は、これが一日の楽しみであった。
 それが、たとえ雨であっても
 雨の日には、雨でなければ見えてこない景もあった!!

▼サイエンスコミュニケーターとしての「現在地」を確認する作業を続けよう。
 次の座標軸はこうだ。

(3) 中学校「理科」カリキュラム全課程実践的検討!! 

 この座標軸を設定した当時は、まだ少しは授業実践に関わっていたからリアリティがあった。
 しかし、今となってはあまり関係ないかと思っていたら大間違いだった。
 
 私の場合、思考のすべてのはじまり「授業実践」だった。
 理科授業こそ、私の「科学」の原点だった!!

 いつも授業ではどうだったかな? とこれを見返して見るのだった。

◆私の「ふしぎ!?」からはじめて「卒業論文」にいたるまでの中学校3年間「理科」全課程を構想する!!
 新・中学校「理科」を構想する(2016年版)

 もちろん完成しているわけではない。
 あてはなくても今度やるときは、どうするかな!?と考えるのだ。それが楽しい!!

 Webテキストを構想するときも、やっぱり「授業」を射程に入れて考えるのだ!!
 そして 最近気づいてきた
 「テキスタイル」は私の最高の学びの方法だ!!

▼次の座標軸に行こう。

(4) あらたな理科教育コミュニティの構築!

 ひよっとしたら、これがサイエンスコミュニケーターとしての最大の「仕事」なのかもしれない。
 理科教育コミュニティと聞いて、まず私の頭に浮かぶのはやっぱりあの【理科の部屋】である。

●【理科の部屋】とは? 

 「あらたな」というのがいちばん曲者だ!!

 ホンモノの「流行」は「不易」を内包する!!
 ホンモノの「不易」は「流行」を創造する!!

 どこまでも、理科教育コミュニティの「不易流行」を追い続けよう!!

▼「サイエンスコミュニケーター10年」が終わるまでにあと何日あるのだろう?

 1月(今日を入れても8日)+2月(28日)+3月(31日)=67日!!

 さあ!!
 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

(つづく)


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サイエンスコミュニケーター宣言(420) #道楽的科学 #サイエンスイベント #サイエンスコミュニケーター

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寒の植物「ヒガンバナ」は元気だ!!
まだまだ書き入れ時だ。

 私が「サイエンスコミュニケーター」と名のりはじめてやがて10年である。

●サイエンスコミュニケーター宣言(1) 

▼「籠り」の暮らしが長くなっているので、自分自身の「現在地」がわからなくなっている。
 今一度、「現在地」を確認し、この10年間のやり残しに挑戦してみようと思う。
 いつものように「現在地」確認の5つの座標軸をひっぱりだしてくる。

(1) 道楽的「科学」・道楽的「理科」の追求!
(2) サイエンスイベント・ムーブメントに参画する。
(3) 中学校「理科」カリキュラム全課程実践的検討!!
(4) あらたな理科教育コミュニティの構築!
(5) 日本理科教育史を現在進行形のかたちでまとめる。

▼ひとつひとつの座標軸でみていこう。
 まず

(1) 道楽的「科学」・道楽的「理科」の追求! 

 道楽的「科学」とは、いかにも気儘なネーミングだ。
 道楽的と聞いてすぐさま頭に浮かぶ 究極の道楽 3つがあった。
 ・「雲見」
 ・「宇宙見物」
 ・「歳時記」(俳句)
 である。
 「雲見」「宇宙見物」は続行中!!「雲見」の旅は解禁されれば再開だ!!
 「歳時記」(俳句)は、第5回オンライン「寅の日」が進行中だ!!最高に面白い!!

▼次の座標軸に行こう。

(2) サイエンスイベント・ムーブメントに参画する。

 ここのところが今いちばんの課題だ!!
 zoomなどを使ってオンラインで参加させてもらっているが、なかなかリアルにはかなわない。
 いつも無手勝流で動くことで学んできた人間にとってはきびしい状況だ。
 今だからこそ できること 考えてみたい!!

(つづく) 

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「日本理科教育史」をプロットする!!(45) #200℃の水蒸気 #過熱水蒸気 #三態変化 #古川千代男

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「200℃の水蒸気ってあるのかな!?」
 「何言ってんだ、水の沸点は100℃で、そこで水蒸気になるんだよ!!」
 「それ以上は?」
 「えっ ?(゜_。)?(。_゜)?」

 三態変化の学習で今やアタリマエの定番実験として教科書等にも載っているあの「過熱水蒸気の実験」!!
 この実験が、日本の理科室に登場したのは
・いつごろ?
・誰によって?
・どんな<ねらい>をもって?

 だったのだろう。しばし これを追ってみよう。

▼「歴史」を追う前に、自分の授業の「記録」をみてみる。

6 低温の世界・高温の世界

 えらくあっさり自分で答え言ってしまっていたんだ!!
 でも考えてみると
 「水(水蒸気)でマッチに火をつける!!」
 って、とても「ふしぎ!?」で面白い実験だ。

▼では、その「歴史」を追ってみよう。
 最初にことわっておくが、これは今の時点で私の知る範囲での話で、別の「歴史」があるかも知れない。
 別のあるいは追加の情報がある場合はぜひ教えていただきたい。<(_ _)>

●1973年2月 「三態変化の範囲を広げよう」古川千代男(『理科教室』1973年2月号P56)

●1976年4月10日 『やさしくて本質的な理科実験2』(高橋金三郎・若生克雄共編 評論社)
11. 200℃もある水蒸気 (古川千代男 P48~) 

●1981年8月 「100℃以上の水蒸気」古川千代男 (『理科教室』1981年8月臨時増刊号『楽しくわかる実験・観察』P44)

▼古川千代男先生は、後に次の著書に、この実験誕生の「物語」を詳しく語られていた。

●1989年5月 『物質の原子論―生徒と創造する科学の授業』 (プロジェクトサイエンスシリーズ)(古川千代男著 コロナ社 1989.5.10)

「4.6 200℃の水蒸気」(p75)にこの「物語」が語られていた。
あまりに興味深いので、しばしこの「物語」を引用させてもらおう。  
「物語」はこんな「問題」から始っていた。

問題 水は100℃で沸騰し、すべて水蒸気になる。さて、水蒸気を100℃以上にすることは可能だろうか。200℃というような水蒸気は存在するのだろうか。予想を出し、その根拠を明らかにしてみよう。 (同書p75より)

 「200℃の水蒸気は存在するのか?」と問われた生徒たちはどう答えたのだろう。
 生徒たちはすでにエタノールと加熱したときの温度変化を調べ、「沸点」の存在、そのとき加えた熱エネルギーが何に使われたかを知っている。
 しかし、ほんとうの意味での「沸点」「分子運動」が見えていたわけではない。
 古川千代男先生は次のように語っていた。
 

 生徒の意見を聞いてみると、確信を持って200℃の水蒸気の存在を予測できる者はほとんどいない。考えてみたこともないというのが本当のところのようである。100℃以上にならないという確信を持っていることが多い。水は100℃で沸騰するという知識は信仰の域に達しているとしか思えない。2,3の物質の沸点測定や解説くらいで打ち破れない。(同書p76より)

 ではどうするか。それが次なる課題である。
沸点以後も熱を加え続けるのである。そうすれば、「分子運動」はより活発になり「200℃の水蒸気」も可能なのかも知れない。生徒と一緒に実験方法を考えていった。
 その方法の前に、ここでぜひ引用させてもらいたい一文があった。
コラム風に囲みで書かれていた。
 実はこの一文を紹介したくてながながとこの本の引用をさせてもらっているところもあった。

 素朴で原理むき出しの実験を  現在、高校で行われている実験の中心は定量実験である。数値を得て法則性をみるとというだけでなく、一つ一つの手順がそのものがきちんと量を測定しながら行われるものが多い。当然。複雑で時間もかかるようになって、結局何を目的にしていたのかラビリンス(迷宮)の世界に入ってしまう。  定量実験の前に、余計なものをできるだけ省いた、目的がミエミエの実験がもっとあってよいし、そういう実験こそ生徒にやらせたい。その後に、つまり原理がすでにわかった後に、定量実験をやり、法則化してこそ、使える法則になりうると思う。たぶん、原理や法則を先に解説し、その検証として実験をやらせることが多いために、こうなりやすいのだろうが、もっと「発見」のための実験こそ、生徒に考えさせ、計画させ、実施させたい。 そうすると素朴で一目みて納得のいく実験がつくられると思う。(同書p75より)

「素朴で原理むき出しの実験」!!心に留め置きたいコトバだ。
 「物語」をつづけよう。
 具体的にはどのようにして、「200℃の水蒸気」をつくり出したのだろう?
どんな実験装置を考えついたのだろう。
 せっかく100℃の「水蒸気」をつくり出しても、すぐに冷えて湯気(水滴)になってしまう。そうさせないためには「水蒸気」の再加熱することが必要であった。
 どんな方法を考えたのだろう?
(a)水蒸気丸底フラスコを通して加熱  
(b)水蒸気の通るガラス管を加熱
(c)銅板を巻く
(d)銅管を手に入れた
段階を追って進化していった。
そして、銅管を手に入れることによって、実験装置は飛躍的に進化した。
 ここでまたたいへん興味深いことが語られていた。

 ちょうどその頃、船具屋さんの家庭の生徒がいたので、船舶用のエンジンの銅パイプを探して欲しいと頼んでみた。家の近所の船舶エンジン修理工場にあるとのことでさっそくたずねてみた。新品は高いが中古ならやすくしてくれるというので、2mほどわけてもらった。  生徒たちの家業を知っておくのも大切なことだと思う。それぞれの専門で使っている器具や道具など大変便利なものが多い。配線に使う圧着端子など早い時期に教えてもらったのも、熱に強い磁器のソケットを手に入れたのも、生徒の家庭からだった。教科書に載っているような古いものではなく、最新鋭のものがある。商売なのだから当たり前なのだろうが、家庭との連携というのは生活指導だけのことではない。(同書p78より)

「それぞれの専門で使っている器具や道具など大変便利なものが多い。」
「最新鋭のものがある。商売なのだから当たり前なのだろうが」

教材開発にヒントを与えてくれる示唆的なコトバだ。
銅管を入手して、実験装置はさらに進化した。
 熱効率をあげるため銅管をらせん状に巻きそこを集中的に加熱するようになった。
 これで安易に「200℃の水蒸気」は実現したのだ。
 そして「200℃の水蒸気」でマッチに火をつけるというあの驚異の実験も可能になったのである。

 そして、今、三態変化「定番」実験として教科書にもアタリマエのように登場してくるようになったのだ。

 すぐれた教材(実験)には必ず興味深い「物語」がある!!

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「日本理科教育史」をプロットする!!(44) #液体窒素 #液体窒素物語 #左巻健男

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▼「液体窒素」が日本の理科室にはじめて持ち込まれてからどうやら半世紀近くが経つようだ!!

 流れ転がる空気(窒素)を目の前で見た生徒たちは歓声をあげ
 青く透き通った酸素の液体に感動し
 エタノールの固体が、エタノールの液体に沈むのを「ふしぎ!?」に思い、やがて納得する!!
 
 生徒たちのみならず、持ち込んだ教師自身の物質観をも変えてしまった!!
 最初は今のように簡単に入手できなかった。
 それでも、やっぱりこの「液体窒素」を、どうしても自分のところの理科室に持ち込みたかった。
 そして、半世紀近くのあいだに全国各地に多くの「液体窒素物語」が生まれた!!

▼早くから「液体窒素」を理科室に持ち込んだ左巻健男さんは、次の近著でたいへん詳しく左巻さんの「液体窒素物語」を語られていた。

●2019年5月『おもしろ理科授業の極意 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業』(左巻健男著 東京書籍 2019.5.15)


▼この著書の3章「液体窒素とドライアイスで物質の状態変化」(P95より)である。
 とても興味深く、面白い「液体窒素物語」である。
 項目のみ引用させていただく。

A 液体窒素の授業
1. 液体窒素を使った授業
(1)教師1年目の悩み
(2)液体窒素を使った授業などが、教師生活を変えた
(3)液体窒素の基本実験

2.液体窒素の実験時の発問集

3.液体窒素を扱うときの注意と安全対策
(1)凍傷の事故
(2)容器破裂の事故
(3)窒息、酸欠の事故
(4)液体酸素

4.液体窒素の入手法

5.液体窒素をどのようにつくっているか

 なんと詳しいことか !!
 これはとても役に立つ!!
 これから「液体窒素物語」に挑戦という人は必見だ!!

▼このすぐれた教材「液体窒素」を使った授業は、これからもつづいていくだろう。
 「液体窒素」使ったあらたな実験も開発されるかもしれない!!
 そして、あらたな「液体窒素物語」も生まれていくだろう。

 入手も以前にくらべればうんと簡単になったかも知れない。
 しかし
 入手するにあたり、自分で動いて注入してもらう工場(現場)にでかけていくことをお薦めする。

 その様子を見学すること、「液体窒素が現在どんなところに使われているか」などのお話を聞くことは、最高の教材研究になる!!

 
 

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2021年2月のオンライン「寅の日」は #寺田物理学 #traday #寺田寅彦

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▼Wコップの実験!!
 「実験」というには、あまりにも単純なことであるが、外のガラスコップの形状がちがうものをもうひとつ用意した。
 条件を少し変えるだけでも、変化はあるだろうか?
 紙コップに入れる水の量を変えてみたらどうだろうか?
 屋外の設置する場所を変えてみたらどうだろうか?

 できた「根毛のようなもの」も微妙にちがうように見える!!
 再度「ストロー氷」に出会うことはできるだろうか!?
 これが私の小さな小さな物理学実験!!

▼2021年2月のオンライン「寅の日」の計画を立てる時期である。
 2月は、ひとつ寅彦の「物理学」=「寺田物理学」とは何かを問うてみたい。
 とても一ヶ月そこらで答えをみつけれるとは思えないが、まずははじめてみよう。

 【2月テーマ】「寺田物理学とは!?」

 2月は2回ある。

■2021年2月オンライン「寅の日」!!
◆第277回オンライン「寅の日」 …2/11(木)
◆第278回オンライン「寅の日」 …2/23(火)

▼こんな遠大なるテーマでなにから読みはじめるか。
 少し迷うところであるが、ゆっくりゆっくり時間をかけて取り組んでみよう。
 まずは、「物理学と感覚」「言語と道具」を読んでみる。

■2021年2月オンライン「寅の日」!!

◆第277回オンライン「寅の日」 …2/11(木)「物理学と感覚」(青空文庫より)

◆第278回オンライン「寅の日」 …2/23(火)「言語と道具」(青空文庫より)

▼今月のテーマを「寺田物理学とは!?」にしたのは、私の勝手なわけがもうひとつあった。
 この正月からたいへん興味深い一冊の本を読み始めたからである。
 その本とは

●「寺田寅彦『物理学序説』を読む」(細谷暁夫著 窮理舎 2020.12.31)

 である。この本は昨年の寅彦忌に出された。
 なかなか興味深い!!
 元々不勉強な私にはなかなかすぐには、読み解けない。しかし、たしかに面白い!!
 そこで
 オンライン「寅の日」でも「寺田物理学」を話題にしてもらいながら…と、思ったわけである。

 ゆっくり ゆっくり 楽しみながら 急ごう!!

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【Web更新1/17】21-03 サイエンスコミュニケーター宣言 等 更新!!

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獅子唐の朱く熟すや寒の内 21/01/15撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】21-03
週末定例更新のお知らせ
 波乱の2021年!!
 はやくも3回目の週末定例更新となった。こんなときだからこそ、粛々と更新を継続していきたい。

◆表紙画像集2021 更新 獅子唐辛子
 引っこ抜いて処理するはずの獅子唐が、真っ朱に熟していた。
 ここから種子をとろうとしていたわけではない。
 ただただその機をのがしていただけだった。(^^ゞポリポリ
 しかし
 その景が、寒の畑には妙に似合っていた!!

◆サイエンスコミュニケーター宣言 更新!!
 ほんのちょっとした気まぐれではじめた「「日本理科教育史」をプロットする!!」シリーズ。
 いつの間にやら、40回を越えてきた。
 先週は、「液体窒素」のはじまりにこだわってみた。
 多くの人の「液体窒素物語」を聞くことは実に面白い!!もう少し続けたい気分だ。

 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから42週目だった。
 今度の植え替えまで10週ばかりとなった。久しぶりに氷の張っていない池のなかを繁々と見た。
 泥の粒子の小ささに驚いた。
 泥の下に眠る蓮根の生命活動の結果だろうか? どんな蓮根が眠っているのだろうか!?

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本日(2021/01/18)、第275回オンライン「寅の日」!! #マーカス・ショーとレビュー式教育 #traday #寺田寅彦

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  ねえ君 ふしぎだと思いませんか

 この言葉もまた中谷宇吉郎が書き残してくれていた。

 私が理研にいた三年の間に、先生の仕事を手伝った主な題目は火花放電の研究であった。ずっと以前、先生が水産講習所へ実験の指導に行っておられた頃の話であるが、その実験室にあったありふれた感応起電機を廻(まわ)してパチパチ長い火花を飛ばせながら、いわゆる稲妻形に折れ曲まがるその火花の形を飽あかず眺めておられたことがあったそうである。そして先(ま)ず均質一様と考うべき空気の中を、何故(なぜ)わざわざあのように遠廻りをして火花が飛ぶか、そして一見全く不規則と思われる複雑極まる火花の形に或る統計的の法則があるらしいということを不思議がられたそうである。「ねえ君、不思議だと思いませんか」と当時まだ学生であった自分に話されたことがある。このような一言ひとことが今でも生き生きと自分の頭に深い印象を残している。そして自然現象の不思議には自分自身の眼で驚異しなければならぬという先生の訓えを肉付けていてくれるのである。(「指導者としての寺田先生」中谷宇吉郎 青空文庫より

 これこそ、寅彦の訓えを象徴する言葉に思えてくるのだった!!

▼本日(2021/01/18)は、第275回オンライン「寅の日」である。
 2021年1月のテーマは

【1月のテーマ】「寅彦と現代社会」

である。その二回目の本日読むのは、「マーカス・ショーとレビュー式教育」である。

 

◆本日(2021/01/18)、第275回オンライン「寅の日」!!

 

●「マーカス・ショーとレビュー式教育」(青空文庫より)

 

▼1934(昭和9)年6月、『中央公論』に発表した随筆らしい。
 いかにも寅彦らしい展開の随筆である。
 私などには縁遠い話かと、「なるほどそんなものなのか!?」「そんな世界もあるんだなぁ」と半分別世界の話と聞き流しているあいだに寅彦の本論に引き込まれていく!!
 寅彦のいつもの常套手段だ。

 筋の通った劇よりも、筋はなくて刺戟と衝動を盛り合わせたレビューの流行(はや)る現代に、同じような傾向が色々の他の方面にも見られるのは当然のことかもしれない。それについて先ず何よりも先に思い当るのは現代の教育のプログラムである。

えっ!?
いつの話なんだ!?と確かめたくなる。そう思ったら寅彦の思うつぼ!!

 自分等が商売がら何よりも眼につくのは物理学の中等教科書の内容である。限られた紙幅の中に規定されただけの項目を盛り込まなければならないという必要からではあろうが、実にごたごたとよく色々のことが鮨詰(すしづめ)になっている。一頁の中に三つも四つもの器械の絵があったりする。見ただけで頭がくらくらしそうである。そうしてそれらの挿図の説明はというとほとんど空っぽである。全く挿図のレビューである。そのうちの一つだけにして他は割愛して、その代りその一つをもう少し詳しく分かるように説明した方が本当の「物理」を教えるためには有効でありそうに思われる。それからまた、近頃の教科書には本文とは大した関係のない併(しか)し見た眼に綺麗なような色々の図版を入れることが流行(はや)るようである。これも一体「物理」とどんな関係があるのか少なくも本文をよんだだけではちっとも分からない。

  汽車弁当というものがある。折詰の飯に添えた副食物が、色々ごたごたと色取りを取り合せ、動物質植物質、脂肪蛋白澱粉(でんぷん)、甘酸辛鹹(かんさんしんかん)、という風にプログラム的に編成されているが、どれもこれもちょっぴりで、しかもどれを食ってもまずくて、からだのたしになりそうなものは一つもない。
 物理の教科書を見るたびに何となくこの汽車弁当を思い出すのであったが、今度レビューを見学してからレビューと教科書の対照を考えさせられるような機会に接した。

▼「駅弁教科書」と痛烈に批判しながらも、そこにどまらないのが寅彦の魅力だった。
 対策を提案するのだった。

 三つのものを一つに減らしてもその中の一番根本的な一つをみっしりよく理解し呑込んでしまえば、残りの二つはひとりでに分かるというのが基礎的科学の本来の面目である。そうでなくても一つのものをよく玩味(がんみ)してその旨(うま)さが分かれば他のものへの食慾はおのずから誘発されるのである。

そして、それは究極の教授術へとツナガッテいくのだった。

 一体「教えるためには教えない術が必要である。」というパラドックスが云わば云い得られなくはない。

 それはまた、最初のあの言葉にツナガル!!

 

ねえ君 ふしぎだと思いませんか

 

   寅彦の随筆に最高の魅力を感じるのは、ここまでで終わらないところだ!!
 批判、提案、さらには 次なるものをめざす。
 そして、私の場合は と 「着地点」を示唆してくれる!!

  一体レビュー式ということには何もそれ自身に悪い意味は少しもないはずである。善用すればむしろ非常に好い効果をあげ得べき可能性を多分にもっているものである。

 そして、こう「着地」する。

 庭の霧島つつじが今盛りで、軒の藤棚の藤も咲きかけている。
 あらゆるレビューのうちで何遍繰返し繰返し観ても飽きない、観ればみる程に美しさ面白さの深まり行くものは、こうした自然界のレビューである。この面白いレビューの観賞を生涯の仕事としている科学者もあるようである。ずいぶん果報な道楽者だとも云われるであろう。
やはり天(あめ)が下(した)に新しいものは一つもないと思ってひとりで感心して帰って来たのであった。

寅彦はやっぱりいつ読んでもどこまでも今日的である!!

 

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1.17 あれから26年の歳月が!!そして…

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 1995年(平成7年)1月17日5時46分52秒

 26年前のあの瞬間も、今朝と同じようにパソコンに向かっていた。
 【理科の部屋】は、1993年11月23日に始まったのだから。
 その瞬間は何が起こったのかを把握しかねていた。

▼しばらくは、【理科の部屋】にツナガレない日が過ぎた。
 やがてはじめたことが2つある。ひとつは

●第2期 オンライン学習会 1995年4月~1995年10月
    『変動する日本列島』(藤田和夫著 岩波新書 1985.6.20)

 オンライン学習会はすでにはじめていた。(第1期 1994年10月~1995年3月)
 そのときテキストとした『変動する日本列島』は、ちょうど10年前の出されいた。
 「近畿トライアングル」
 「山は上り海は沈む」
 「大阪層群」
 「第四紀地殻変動」
 …とつづく。

▼もうひとつは、【授業】「大地の動きをさぐる」の更新である。

●【授業】『大地の動きをさぐる』

▼26年経った今、「これから」もやりつづけたいことも2つある。

(1)自分が暮らす「動く大地の物語」を現在進行形で読み解く!!
 ・あの山はどうしてできたのか?
 ・あの川は昔からそこを流れていたのか?
 ・この竹やぶは?(段丘崖に竹やぶアリ)
 ・この坂道は?
 ・あの平らな山なみの意味することとは?
  
(2)寅彦の警鐘「天災は忘れられたる頃来る」に耳を傾け、オンライン「寅の日」を続ける!!

まもなく その時間だ!!  合掌

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「日本理科教育史」をプロットする!!(43) #理科教室 #千葉薫 #液体窒素 #液体窒素物語

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今やアタリマエの定番実験にも、かならず「はじまり」があった!!

 その「はじまり」から、今日までの発展史を追いかけるのが
 現代理科教材発展史!!
 「液体窒素物語」も、このひとつに加えたくなってきた。

▼それぞれの「液体窒素物語」を聞かせてもらうことは、実に面白い!!
 高橋匡之さん(岩手)が、FBで次のように語ってくださった。

わたしが液体窒素をはじめて知ったのは、千葉薫(しげる)先生が、野田中学校の実践を理科教室に発表されていたのを読んだことがきっかけです🍀当時、わたしは久慈高校山形分校に勤務しており、山形農協では、牛の精液保存のために、液体窒素が使われており、魔法瓶をもって、ただで分けてもらっていました🍀その時初めて、液体窒素を実験で使うことができました😃

 昭和55年頃(1980年)、今から40年前!!

▼高橋匡之さんに「きっかけ」を与えた『理科教室』の記事があった。

●1980年8月 「口絵 写真  液体ちっ素」「口絵写真解説 理科の授業と液体ちっ素」千葉 薫(『理科教室』1980年8月号)

 「口絵 写真」は、ジュアー瓶から液体窒素をビーカーに注ぎ込む千葉先生の姿とそれを興味津々でのぞき込む生徒たちの姿が大きく写っていた。アルコールの氷(固体)をアルコールの液体に入れると沈む!!それがアタリマエ!!その写真も。
 「解説」の最初に千葉薫先生は次のように語られていた。
 「液体窒素を理科の授業に使いはじてから、かれこれ10年近くなる。…」
 
 と言うことは70年代のはじめのころからということだろうか。
 だとすると「液体窒素物語」は半世紀近くの歴史があることになる。
 さらに多くの「液体窒素物語」を聞いてみたいものだ!!
    
▼今では、教科書にもアタリマエのように登場する「液体窒素」!!
 青い液体の「液体酸素」!!

 画像だけでなく、やっぱりなんとか生で見せたいものだ!!
 物質観がかわる!! それはマチガイナイ!!


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「日本理科教育史」をプロットする!!(42) #やさしくて本質的な理科実験 #石井進 #三態変化 #液体窒素物語

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「-40度の世界では、バナナで釘が打てます。新鮮なバラも…」

 あの衝撃のTVCM(「モービル1」)が流れはじめたのは、1977年頃からのようだ。
 「液体窒素」を教室に持ち込むと、「あれをやれ!!」というリクエストが出てきたもんだ。(^^ゞポリポリ

▼石井進さんの「液体窒素物語」(1975.2)以前の「記録」はないのだろうか!?
 少しだけ以前で、同じく石井進さんの文章が残っていた。

●1974年11月 「物の温度の学習」石井進(『理科教室』新生出版 1974年11月号)

 このなかで石井さんは次のように言っていた。

 アルコールにドライアイスのかたまりを入れるだけで-72℃が得られるのでこれでいろいろなものを冷やしてみます。水は氷に、油もかたくなり、さくさんはすぐにかたまります。水銀もかたい金属になります。  実験としては液体窒素を用いてやることが望ましいが、手に入りにくい。  液体窒素を用いれば上記のものはほとんど固体になってしまう。  アルコールが、油のようにどろどろのように固まってしまうところなどは実に面白い。  液体窒素は特製のマホービン(金属製)が必要であり、それさえあれば約一週間は保存できる。小中学校でも是非そろえ実験して見せたいものです。 

▼一方、「液体窒素物語」はその後どのように発展していったのでしょう。
 またしても、「やさしくて本質的な理科実験3」にあった。

●1985年4月10日 『やさしくて本質的な理科実験3』(高橋金三郎・鈴木清龍・若生克雄共編 評論社)

11. 何でも三態変化 ~続、液体窒素を使おう~  (千葉 薫)

12. 体積変化を注射器で見る ~続々、液体窒素を使おう~ (中村敏弘)

 千葉 薫さんの言葉をかりると
 「液体窒素を使って、物質学習を広く、深く豊かに展開しようという実践はどんどんひろがってきました。」

▼「液体窒素物語」を書いた石井進さんは、後に次のように語っていました。

●1989年3月20日 『理科教育・理論と実践』(石井進・中原正木共著 新生出版 1989.3.20)
 
 第1部 「実践的研究 ものと子どもそして教師 石井進」
  の最後の「第8話 ものと ものの温度 融点と沸点」に「実験5 沸点さまざま 液体窒素を使って」が書かれていた。

  液体が気体になること、又は気体が液体になることには劇的な相変化として重要な意義を発見します。気体という姿は、目にはあまり見えない世界なので、あまり、ものとしてとらえにくい面があるからです。  目に見えない気体を目に見える液体の姿にしてみることは大変面白いし、衝撃的なことなのです。そこで液体窒素に登場してもらい、-200℃の世界を展開して、わが地球をとりまく空気について、二酸化炭素について、いろいろな気体を見てしまおうというわけです。そもそも液体窒素そのものが見える気体の姿です。-200℃の世界というが、まずものが実在していて、それに温度があることを意識しないといけないと思います。ものがあってそこに温度が実在することをなんとか子どもに教えたいものです。

(つづく)

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「日本理科教育史」をプロットする!!(41) #やさしくて本質的な理科実験 #石井進 #三態変化 #液体窒素

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▼ひとつの実験教材の「はじまり」を知ることは、その実験の授業展開を考えるうえでとても参考になる。
 また「これから」のあらたな教材開発にも大きなヒントを与えてくれる。
 「液体窒素」の「はじまり」を追ってみよう。

 「液体窒素」は日本の理科室に
・いつごろ
・誰によって
・どんな「ねらい」を持って
持ち込まれたのだろう!?

▼私が1981年に「三態変化」の実践報告を書いたときに、液体窒素に関する[参考文献]としては、2つをあげていた。
 ひとつは『やさしくて本質的な理科実験2』であった。

●1976年4月10日 『やさしくて本質的な理科実験2』(高橋金三郎・若生克雄共編 評論社)

 このなかに次の提案があった。 
8. 液体窒素を使おう (千葉 薫・古川秀子)(同書P34 )
<ねらい>
<実験までに知っておきたいことと注意>
<方法>と授業のなかで その1 沸とう ~その8 気体の圧力

 たいへんくわしく提案されている。
▼もうひとつの[参考文献]にあげているのが次だった。

●1975年2月 「液体窒素物語」石井進 (『理科教室』新生出版 1975年2月号)

 きわめて具体的な授業実践報告である。
 実際にはじめて「液体窒素」を授業に導入するときにとても参考になった。
 生徒たちの反応がとても面白い!!
 自分でもやってみたい!! と思わしてくれる実践報告だった。
 ここから、私の「液体窒素物語」がはじまったのかも。

ではこれ以上前の提案・報告はないのだろうか!?
 また
 この後、「液体窒素物語」はどのように発展していったのだろう!?

 今しばらくは、「液体窒素」を追い続けたい!!
 「液体窒素」に関する情報を教えてください。 <(_ _)>

 あなたの「液体窒素物語」は!?

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「日本理科教育史」をプロットする!!(40) #理科教室 #三態変化 #液体窒素

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「ものごとは記憶せずに記録する。」(梅棹忠夫)

 「記憶」をたどることはなかなか難しい!!
 しかし、「記録」されたものをたどることは比較的簡単にできる。
 その「記録」も、できるだけパブリックな場に「記録」化されたものが有効である!!

 教材「液体窒素」を追ってみよう!!

▼10年前の「記録」つづいて、もっと古い私が「記録」したものはないだろうか!?
 さがしてみた。あった!! 今から27年も前のものだった!!

●1994年9月・10月 「物質学習のはじめに「三態変化」の授業を(1)・(2)」楠田純一 (『理科教室』1994年9月号・10月号)

 たしかにここにも、「三態変化ダイジェスト」として液体窒素を使っての授業を記録していた。

▼ほぼ同様の内容のものを後にページ化して「記録」していた。

● 三態変化ダイジェスト(1)~液体窒素を使って~

●三態変化ダイジェスト(2)~液体窒素を使って~

 今、読み返してみてもワクワクしてくるような一時間だった。

▼さらにもっと古い自分が「記録」したものはないだろうか!?
 あった!!古い古いものだ!!
 なんとそれは40年も前の「記録」だった!!
 
●1981年10月 「気体の鉄・固体の酸素はあるだろうか 物質をとらえるPartⅠ「三態変化」<中1>」楠田純一(『理科教室』1981年10月号)

 そこでも「いよいよ液体窒素を使って~三態変化ダイジェスト~」として、次のような一文からはじまる報告をしていた。
 
「教師になってからの念願である「液体窒素を使って」の授業である。三態変化のまとめとして、またグッと三態変化の領域を広める意味おいてもやってみた。」

(つづく)

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「日本理科教育史」をプロットする!!(39) #日本理科教育史 #教材史 #三態変化 #液体窒素

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▼Wコップの実験でできた「根毛のようなもの」は、お昼過ぎてもなかなか消えなかった。
 もっと驚いたのは、近くをながれる小川まで凍っていたことだ。

 温度が低ければ水は液体から固体の氷に変化する!!
 アタリマエすぎるほどアタリマエ!!
 それは水に限ったことではない。すべての物質が…!!

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▼このアタリマエに自分自身が感動した「三態変化」の学習を思いだした。

◆【三態変化】

 自分でもお気に入りの単元だった。
 いっぱい楽しめる実験があった!!
 なかでもいちばん印象深かったのは「液体窒素」を使っての実験だった。

▼しばらくやすんでいた「「日本理科教育史」をプロットする!!」のシリーズを再開する。
 今回の再開では、「教材史」にスポットあてていきたい。

 どこまでも等身大に!!
 「これから」にツナガル!!

 をこころがけておきたい。

 まず最初にスポットを当てるのは 「液体窒素」!!

▼等身大に「歴史」をさかのぼるのも、できるだけ今に「近い」ところからはじめてみようと思う。
 「記録」に残しているもっとも最近のものはこれだ。
 ちょうど10年前の「記録」である。

●2011年2月1日 【授業】私の「液体窒素物語」・最終章(1)

             【授業】私の「液体窒素物語」・最終章(2) 

(つづく)
     

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【Web更新1/10】21-02 Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 等 更新!!

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葉脈の浮き出で来たる冬芽かな 21/01/07撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】21-02
週末定例更新のお知らせ
 2021年はやくも2回目の週末定例更新のお知らせである。
 この一週間のうちにも、世間の状況は大きく変化していった。
 世間だけでない。自然も…!!

 ゆっくり ゆっくり 急ごう!!

◆表紙画像集2021 更新 アジサイの冬芽
 寒中である。
 この寒さに耐えるための防寒対策を木々の冬芽たちとっていた。
 それを観察するのもなかなか面白い。
 なかでもアジサイの頂芽の防寒対策には驚いてしまう。
 頂芽は、裸ん坊だ!! 葉脈が浮き出てはっきりわかる!!
 なんとここに「不凍液」を忍ばせているという。だから裸ん坊でも…!!
 スゴ技だ!! なんと巧みな!! 
 浮き出てくる葉脈が 春遠からじ を主張していた。

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 寒中の今、エマグラム鉄道で「雲見」の旅に出た。
 完全に自画自讃モードである。 実に面白い!!
 プロ達の用語も、いくつかのアタリマエから構成されていることがわかってくる。 
 まだまだ 繰り返し 旅に出よう。
 きっぷは いつでも 誰でも 手に入るぞ!!

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 2021年1月のテーマは「寅彦と現代社会」である。
 86年の時空を越えて、響いてくる寅彦からのメッセージに耳を傾けよう。


 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから41週目である。
 池の氷は益々厚く硬くなっていった!!
 終日 とけなくなってしまった。泥の下に眠る蓮根たちはどうしているのだろう!?

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今年も「根毛のようなもの」を見た!!(2021/01/09) #Wコップの実験 #ストロー氷

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それは確かに植物の「根毛」のように見えた!!

 紙コップの下に丸いふくらみができ、そこから無数の「根毛のようなもの」がみられた。
 「根毛のようなもの」の正体はなんだろう!?
 氷!?
 それとも!?
▼ガラスコップで氷をつくる。
 一見御法度のようなこの実験を偶然はじめたのは

●2018.1.26 の朝 

 だった。
 紙コップに水をいっぱい張り、それをガラスコップに水を入れたなかに入れる。
 私はこの実験を Wコップの実験 !!
 と名づけた。この実験で氷をつくるのである。
▼昨日2021/01/09はこの冬いちばん冷え込みだった。
 アメダスの記録を見ると -7.0(3:00)まで冷え込んだようだ。
 陽が昇ってもなかなか気温はあがらなかった。最高でも2.8℃(15:00)までしかあがらなかったようだ。
 しかし、「根毛のようなもの」も微妙に見せてくれる様子がちがっていった。

 2018年の観察のときには、神田健三先生(現 雪の科学館顧問)に教えてもらいながら、「根毛のようなもの」の謎解きをやった。
 実に面白かった!!
 <仮説>「根毛のようなもの」の正体は、水にとけていた「空気」である!!
 に到達した。

▼神田先生にはさらにくわしく氷ができるときの「ふしぎ!?」、その面白さを教えてもらった。
 2018年、このWコップの実験を繰りかえすうちについに「根毛のようなもの」以上に不思議なものに出会ってしまった。
 それが 「ストロー氷」!!である。
 2018年に2回であった。
 それ以降3回目はまだだ。今年はこの冷え込みをみているとなんか出会えそう予感する。
 「ストロー氷」についてくわしくは、3回目出会えたときにする。 

 気温が低くなって水が氷になる!! アタリマエ!!
 このアタリマエにも「ふしぎ!?」がいっぱいだ!!

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エマグラム鉄道で「雲見」の旅に!!(4) #エマグラム鉄道物語 #大気の安定度 #ショワルター安定指数

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池の氷は夕方になってもとけていなかった!!

 全国各地の上空の冷え込みぐあいを「エマグラム鉄道物語」を利用して見て回った。

●「エマグラム(Sunny Spot)」

 「大雪」の様子も少しわかってくるというものだ。
 やっぱりエマグラム鉄道で「雲見」の旅は面白い!!

▼半わかりのこともいっぱいあるが、そんなこと気にせずに旅を続けていこう。そのうちわかることも…!!

Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」

も、最後の

4 エマグラム鉄道物語(その2)~SSI(ショワルター安定指数)~

に行こう。
▼コトバにびびってしまうな (^^ゞポリポリ
 SSI(ショワルター安定指数)それはなんだろう。?(゜_。)?(。_゜)?
 今までで だいぶんわかってきた。

 一見難しそうに見えることも、いくつかのアタリマエからできている!!
 
 そもそも「エマグラム」とは何を見るための図表なんだろう。
 それを教えてくれる のがこの指数があった。

●SSI(ショワルター安定指数)

 <求め方>
 SSI(ショワルター安定指数)求め方は、500hPa の実際の気温(T 500)から、850hPaの空気塊を断熱的に 500hPa まで持ち上げると仮定したときの気温(T850)を引いたもの。

 SSI(ショワルター安定指数)=T 500 -T 850
 これだけでは、なんのことか具体的なイメージがわいてこない。

▼ そこで

  「エマグラム鉄道物語」で考えてみよう。

 仮に 850hPa(1500 m)上空の大気の塊を「エマグラム鉄道」の列車に乗せて500hPa( 5700 m)上空まで運んでいったとき、列車の中の気温(T 850)はどれくらいになるだろう。それは「エマグラム鉄道」の線路をたどればすぐわかる!!
それは 500hPa(5700 m)上空の列車の外の気温(T 500)とくらべてどうだろう。

 ●列車のなかの気温の方が高ければ→列車はドンドン上っていくだろう (熱気球がドンドン上るように)
 ●「上がると ザアザア」→大気「不安定」!!

 やっぱりそうだ!!
 アタリマエばっかりではないか!!

▼さらに読み解けば
 ●SSI(ショワルター安定指数)
 ・大(正)→ 列車のなかの気温の方が低い→大気「安定 」
 ・小(負)→ 列車のなかの気温の方が高い→大気「不安定 」!!

 ※ ひとつの目安がつくられていた。
 ・SSI <= 3℃ しゅう雨(しゅう雪)がある
 ・SSI <= 0℃ 雷が発生する
 ・SSI <= -3℃ ひょうが降る
 ・SSI <= -6℃ 竜巻が発生する

 (゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン 納得だ!!

 やっぱり仮想「エマグラム鉄道」列車の旅は面白い!!
 「きっぷ」は今すぐ誰でも手に入るぞ!!

 リアル「雲見」の旅ができない今こそ、エマグラム鉄道で「雲見」の旅に出よう!!
 さあ、今すぐ!!

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エマグラム鉄道で「雲見」の旅に!!(3) #エマグラム鉄道物語 #持ち上げ凝結高度 #自由対流高度 #平衡高度

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▼さあ、いよいよ本格的に「エマグラム鉄道物語」をはじめよう。
 元々のはじまりは「エマグラム」はどこかあの列車のダイヤグラム(列車運行図表)と似ていることからの思いつきだった。
 ここからは仮想の「エマグラム鉄道物語」として、 「エマグラム」を読み解いていきます。
 走る列車は
 「水蒸気を乗せた大気水蒸気列車」!!
 さあ、あなたも この列車に乗って「雲見」の旅に出よう!!

(1) 「エマグラム」3本の線を「エマグラム鉄道物語」で読み解いてみよう。

a 等飽和混合比線=この列車の乗客(水蒸気)の定員数を示す線。
「定員」は温度によってきまっている。温度が低くなると定員は(   )なる。

b この「大気水蒸気列車」が走る線路は2種類あった。

●乾燥断熱線=乗客(水蒸気)が定員一杯になるまで列車が走る線路。
 この線路を走っているあいだ停車駅はないので乗客の乗り降りはない。つまり乗客(水
蒸気)の数は変わらない。

● 湿潤断熱線=乗客(水蒸気)が定員一杯になって以後列車が走る線路。
 この線路を走るとき乗客(水蒸気)はその都度列車から降りてもらわねばならない。
 列車から降りた乗客(水蒸気)は「団体さん」になって「  」になる!

▼さあ、いよいよだ!!
 あなたもこの列車の乗客になって車窓から見える「雲見」を楽しもう!!

(2)「上り」列車に乗って旅に出よう!!

・あくまで「上り」列車である!!
・旅の移動距離に注目だ!!水平に移動する「雲見」の旅にくらべてたらビックリだ!! 
・「出発駅」での気温を確かめておこう。
・まず列車は「乾燥断熱線」の線路を走る!!
・やがて「乾燥断熱線」と露点の「等飽和混合比線」交わるところがある。
・ここで「定員一杯!!」の信号が出るんだ。
・この「定員一杯!!」の信号の出た駅を 
 →「持ち上げ凝結高度」!!

・「持ち上げ凝結高度」過ぎたら「雲」ができはじめる!!
・「持ち上げ凝結高度」は 雲の底!!

・「持ち上げ凝結高度」駅までの「雲見」と駅過ぎてからの「雲見」はどう変わるかな!?

▼さあ今度は、列車は「湿潤断熱線」の線路を走る!!
・ある高さのところで列車のスピードはあがった。
・そこは列車内の気温と列車の外の温度の逆転するところだった。
・熱気球がグングンスピードをあげて上昇するように!!
・乗客(水蒸気)はどんどん降りはじめた!! 降りた乗客たちは団体になって雲になっていった!!
・この地点を
 →「自由対流高度」!!

・「自由対流高度」を過ぎたら、車窓からの「雲見」の景色はどのようにかわるだろう。
 どんな雲が多く見られるのかな!?

▼さらに列車が上っていくとまたまた様子が変わってきた。
・車窓からのドラスティクな「雲見」をしばし楽しんでいるとまたまた様子がかわってきた。
・気づけば列車内の乗客(水蒸気)は、ほとんど降りてしまっていた。
・列車内の気温と外の気温が再び逆転する地点。
・ここからは列車は上らなくなってしまった。
・その地点を
 →「平衡高度」!!

・そこが地上から見る雲頂でもあった!!

 これが、エマグラム鉄道「雲見」の旅の<あらすじ>だった!!
 具体例でこの<あらすじ>を確認してみよう。

●「エマグラム(Sunny Spot)」

 私の最初に選んだ出発駅は「松江」だった。(゜o゜)ゲッ!!
 これは雪か!?
 他の場所はどうだろう!?

(つづく) 

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エマグラム鉄道で「雲見」の旅に!!(2) #エマグラム #乾燥断熱線 #湿潤断熱線 #等飽和混合比線

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▼またしても週末にかけて天気は大荒れのようだ。
 テキスト試案に従って旅の準備をすすめよう。

Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」

▼エマグラム鉄道の列車に乗り込む前に

2 エマグラムを読み解く

にそっていくつかのアタリマエを確認しておこう。

「ラジオゾンデによる高層気象観測(気象庁)」のページをあけておいて、考えてみよう。

・縦軸…気圧(高度)
・横軸…気温

さあ、次は見た目のゴチャゴチャ感を与えているいくつかの線だ。
よくよく見ていると、ごくごくアタリマエのことを表している!!
 
●乾燥断熱線
・上に行くほど気圧は下がっている。アタリマエ!!
・上に行くほど気温は下がっている。アタリマエ!!
 どれほど気温は下がるのだろう。この週末は注目だ!!

●湿潤断熱線
・乾燥断熱線とどこがちがうの?
・グラフの傾きは?
・「湿潤」って水蒸気いっぱい含んでいるんだ。
 その水蒸気(気体)が腹一杯からはみ出して雲(液体)ができるんだ!!アタリマエ!!
 気体ビュンビュン → 液体フラフラ   発熱だ!! アタリマエ!!
 気温はそんなにさがらない→グラフの傾きは   

▼最後は
●等飽和混合比線
・なんとも名前からして ゴチャゴチャ(^_^;)
・「飽和混合比」=乾燥空気1㎏に対して、お腹いっぱい含まれる水蒸気量(g)
・あんまりムツカシク 考えずに 
 気温が高くなると → たくさん水蒸気含まれる →混合比 大きくなる。 アタリマエ!!
・そうなっているかな。このアタリマエ確認してみよう!!

▼エマグラム鉄道の列車に乗り込むまで「予備知識」はこれぐらいにしておこう。
 旅立つ前に 飽きてしまってはつまらない。
 「予備知識」なんか半わかりでいい!!
 列車のなかで 何度でも ふりかえることができるのだから!!

 さあ、次はいよいよ
 「水蒸気を乗せた大気水蒸気列車」に乗り込もう!!
 
(つづく)

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本日(2021/01/06)、第274回オンライン「寅の日」!! #震災日記より #traday #寺田寅彦

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▼年譜によれば
●1923(大正12)年 9月1日、二科会展を見に行き大地震に遭う。自宅の被害はなし。大震後、学問的な種々の調査を精力に行なう。 寅彦 46歳 

 (『寺田寅彦~天然に育まれし眼差し~(年譜)』高知県立文学館 より) 

▼本日(2021/01/06)は、第274回オンライン「寅の日」!!
 2021年はじめてのオンライン「寅の日」である。1月のテーマはきめていた。

【1月のテーマ】「寅彦と現代社会」

である。第一回目の本日読むのは「震災日記より」である。
 最初にあげた大地震に遭った当日、その前後数日の日記である。

◆本日(2021/01/06)は、第274回オンライン「寅の日」!!

「震災日記より」(青空文庫より)

▼ウメサオタダオのあの言葉を思い出す。
 「ものごとは、記憶せずに記録する。」

 さすが寅彦、みごとな「記録」である。「記録」されてから100年近く経った今もきわめて有効である。
 プロの「記録」は的を射ていた。
 少しその「記録」をみてみよう。

椅子に腰かけている両足の蹠(うら)を下から木槌(きづち)で急速に乱打するように感じた。多分その前に来たはずの弱い初期微動を気が付かずに直ちに主要動を感じたのだろうという気がして、それにしても妙に短週期の振動だと思っているうちにいよいよ本当の主要動が急激に襲って来た。同時に、これは自分の全く経験のない異常の大地震であると知った。

すぐさま「安政地震」にツナガルあたりは、やっぱりスゴイ!!

その瞬間に子供の時から何度となく母上に聞かされていた土佐の安政地震の話がありあり想い出され、丁度船に乗ったように、ゆたりゆたり揺れるという形容が適切である事を感じた。仰向(あおむ)いて会場の建築の揺れ工合を注意して見ると四、五秒ほどと思われる長い週期でみし/\みし/\と音を立てながら緩やかに揺れていた。それを見たときこれならこの建物は大丈夫だということが直感されたので恐ろしいという感じはすぐになくなってしまった。そうして、この珍しい強震の振動の経過を出来るだけ精しく観察しようと思って骨を折っていた。
  
 主要動が始まってびっくりしてから数秒後に一時振動が衰え、この分では大した事もないと思う頃にもう一度急激な、最初にも増した烈しい波が来て、二度目にびっくりさせられたが、それからは次第に減衰して長週期の波ばかりになった。
あとで考えてみると、これは建物の自己週期が著しく長いことが有利であったのであろうと思われる。

▼翌日九月二日の日記に次のように「記録」されていた。

 焦げた樹木の梢がそのまま真白に灰をかぶっているのもある。明神前の交番と自働電話だけが奇蹟のように焼けずに残っている。松住町まで行くと浅草下谷方面はまだ一面に燃えていて黒煙と焔の海である。煙が暑く咽(むせ)っぽく眼に滲(し)みて進めない。
 
御茶の水橋は中程の両側が少し崩れただけで残っていたが駿河台するがだいは全部焦土であった。明治大学前に黒焦の死体がころがっていて一枚の焼けたトタン板が被せてあった。

この光景を目の当たりした寅彦は、すぐさま「火災旋風」の被害調査にのりだす。
同じく二日の「記録」には、こんなことも書いていた。

いずれも何一つ持出すひまもなく、昨夜上野公園で露宿していたら巡査が来て○○人の放火者が徘徊(はいかい)するから注意しろと云ったそうだ。井戸に毒を入れるとか、爆弾を投げるとかさまざまな浮説が聞こえて来る。こんな場末の町へまでも荒して歩くためには一体何千キロの毒薬、何万キロの爆弾が入(い)るであろうか、そういう目の子勘定だけからでも自分にはその話は信ぜられなかった。

これに関連して、翌年(1924年)の9月には「流言蜚語」を書いていた。

●「流言蜚語」

 これは今日も、いや今こそ有効である!!
 「寅彦と現代社会」を語るなら必読の一文である!!

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エマグラム鉄道で「雲見」の旅に!!(1) #高層気象観測 #エマグラム #雲見の旅 #Webテキスト

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▼「雲見」の旅は、私の究極の道楽のひとつだった!!
 列車に乗り、車窓から「雲見」を楽しむだけの旅。
 必ずしも目的地が、観光地である必要もない。ほんとうの目的はそこにはないのだから。
 安価・簡単・感動!!
 ところが、一年近くこの「雲見」の旅に出ていない!!
▼ナラバなんとかならいか!?
 と考えたのが
 エマグラム鉄道で「雲見」の旅!!
だ。そのためのWebテキスト試案もつくってみた。

Webテキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」

▼まず列車に乗り込むまでに少しだけ予備知識をもっておこう。
 言わば、旅の準備だ。
 テキストにそって

1 高層気象観測とエマグラム

 をチェツクしてみよう。
 そう 気づいたはずだ。
 私がいつも楽しんできた「雲見」の旅は 水平方向に移動する旅!!
 エマグラム鉄道による「雲見」の旅は 鉛直方向に移動する旅!!

▼列車に乗り込むまでに、簡単に旅のシミュレーションをしておこう。

「エマグラム(Sunny Spot)」

 を見ながら考えてみよう。
 グチャグチャといっぱい直線や曲線があるが \(・_\)ソノハナシハ (/_・)/コッチニオイトイテ
 赤い線は 気温!!
 青い線は 露点温度!!
 二本の線が近づいていれば →
      離れていれば  →

 出発駅を全国各地の観測地にして様子を見てみよう。

(つづく)

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【Web更新1/3】21-01 新・クラウド「整理学」試論 等 更新!!

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おもむろに日記開くや霜の花 21/01/02撮影@福崎

■楠田 純一の【理科の部屋】21-01
週末定例更新のお知らせ
 2021年最初の週末定例更新である。
 今年もめざすは52回の更新だ!! 
 毎日一回のblog更新、週一回のWeb更新 これで暮らしにリズムをつくる!!
 これがめざすところ!!
 さて、2021年はどこまで !?

◆表紙画像集2021 更新 霜の花
 少し期待していた「御降」はなかった。
 「雪の結晶」観察も秘かにねらっていたができなかった。その代わりと言ったら変だが、霜の結晶を観察した。
 畑の大根の葉についた「霜の花」は輝いていた。

◆新・クラウド「整理学」試論 更新!!
 毎年、年末年始に展開する「整理学」。
 セミパブリックの場で展開しておくことによって、未来の私に役立てようというコンタンだ。
 未来の私はすぐに「他人」になってしまのだから…!!

◆Webテキスト『天気の変化』の可能性!? 更新!!
 毎月の「雲見」「俳句歳時記」だけの更新がつづく。
 一歩進んだ取り組みを展開したいものである。
 5つの試案の活用を、機会あるごとに検討してみたい。
 試案の更新もそこから生まれるのだから…。

◆オンライン「寅の日」 更新!!
 今年もぜひとも継続したい取り組みである。
 1月のテーマは「寅彦と現代社会」。
 今年も「寺田寅彦を「活用」する」道をさぐっていきたい!!

 大賀ハス観察池は、蓮根の植え替えから40週目。
 池に張った氷は、日毎に様子が変わっていた。それを観察するだけでも面白い。
 泥の下に眠る蓮根はどこまで育っているのだろう!?
 春が楽しみだ。

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2021年1月(睦月)の俳句「歳時記」!! #御降 #歳時記 #オンライン句会

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▼「御降」を少し期待する気持ちもあったが、今のところそれはなさそうだ。

 「御降」って!? 手持ちの歳時記(『俳句歳時記 新年』角川文庫)を見てみた。
 
【御降 おさがり】
 元日に降る雨。雪をいう場合もある。また、三が日の間に降るものもいう。御降があると富正月といって豊穣の前兆とされた。

 我らが寅日子先生(寺田寅彦)も詠んでいた。

 御降や寂然として神の鶴 (明治四十年)

 御降や月代寒き朝詣 (明治四十年)

 御降に尻ぞ濡れ行く草履取 (明治四十年)

▼さあ、2021年も名句の鑑賞よりはじめる俳句修業だ!!
 名句の参考にさせてもらうのは

◆NHK「俳句」 テキスト 

である。ここより巻頭の名句11句を引用させてもらう。

(1) 初空の藍と茜と満たしあふ 山口青邨
(2) 初富士の裾を引きたる波の上 深見けん二
(3) 初明り机上のものを浄めけり 西村和子
(4) 松よりも竹美しき松飾り 後藤比奈夫
(5) お降りといへる言葉も美しく 高野素十
(6) 春著きてすこしよそよそしく居りぬ 山田弘子
(7) 正月の子供に成て見たき哉 一茶
(8) 歌かるた掠め取られし恋の札 辻田克巳
(9) 羽子板の重きが嬉し突かで立つ 長谷川かな女
(10) 開かんとしてけふもあり冬牡丹 千溪
(11) いくたびも雪の深さをたづねけり 正岡子規

▼俳句修業の第一歩は「選句」から!!
 これは、今年も貫く姿勢だ!!
 11句の「名句」から、自分なりの「選句」をやってみよう。 

【私の選んだ名句ベスト3】

(5) お降りといへる言葉も美しく 高野素十

(11) いくたびも雪の深さをたづねけり 正岡子規

(1) 初空の藍と茜と満たしあふ 山口青邨

【次点】

(3) 初明り机上のものを浄めけり 西村和子

【選評】
・やっぱり「御降」にこだわってしまう。ナルホド言葉も美しい!!素十に同感。
・子規庵を思いだしてしまった。尋ねたのは妹さんだろうか、母親だろうか!?
・「藍と茜満たしあふ」とはうまいなあ~!!「写生」の姿勢の先に見えてくるものだろうか。
・「浄めけり」が凜としていい。さあ、あらたな気持ちで!!

第5回オンライン句会「寅の日」1月例会の方もはじまっている。
 投句期間は、1月15日(金)までである。
 「句会」参加は俳句を詠む最高の醍醐味!!
 しかし、リアル「句会」はなかなかハードルが高い。
 そこで
 オンライン句会「寅の日」だ!!

 今年は、なりよりも たくさん「詠む!!」を目標に歳時記の世界を楽しんでいきたい。

 

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2021年1月(睦月)の「雲見」は!? #雲見 #もくもくシール

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▼2021年が始まった!!
 1月(睦月)の「雲見」を予想する前に2020年12月の「雲見」のまとめをもくもくシールセットによる「雲見」カレンダーでふり返っておこう。
 使用した十種雲形シールは次のようになった。

・快晴     6
・巻雲     3
・巻積雲    4
・巻層雲    2   
・高積雲    4 
・高層雲    2   
・層積雲    4
・積雲     3 
・層雲     1 
・乱層雲    2 
・積乱雲    0

 「快晴」6 「層積雲」「巻積雲」「高積雲」4 が目立つ。
 けっこう「冬晴れ」も多かった。目立った雨も少なかった。寒く乾燥した師走だったといっていいだろう。

▼2021年1月(睦月)の「雲見」の予想に入ろう。
 まずは昨年の1月の天気図を見てみる。

◆日々の天気図 2020年1月 (気象庁) 

天気図だけ見ていても、2020年が波瀾万丈の幕開けだったことがわかる。
大雨もあったんだ。鹿児島県屋久島で日降水量120.5mm(1/26)!!
さて今年はどうだろう!?
▼今年から「雲見」の予想にあたらしい資料を使おうと思う。

◆向こう1か月の天候の見通し 近畿地方(大阪管区気象台)

 これを参考にさせてもらいながら、1月の「雲見」がどんなものなるか、予想してみたい。
 期間の前半気温がかなりさがりそうだ。
 なんといっても寒中だ。
 日本海側の雪は生野峠を越えてこぼれてくるだろうか。
 寒波の度合いにより、日本海側と同じようになったり、太平洋側と同様の「冬晴れ」になるだろう。
 ここでもやっぱり「上がるとザアザア(シンシン) 下がるとカラカラ」が使えそうだ!!

▼列車に乗り車窓から「雲見」をするだけの旅=「雲見」の旅!!
 ほんとうに長くご無沙汰している。
 はやく再開したいものだ。
 
 しかたない。つづく「巣籠もり」のなかでは
● Web テキストミニ試案「エマグラム~エマグラム鉄道物語~」   
 を使ってエマグラム鉄道の旅にでも出かけてみるかな。
 どんな「雲見」ができるかな。 

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新年の抱負2021 !! #2021年

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去年今年ひらけくるみちさそふかな @福崎

 

 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。 <(_ _)>  2021.01.01

 

▼2021年「新年の抱負」もコトバにしておきます。

(1)「記録」する!!

(2)「整理」する!!

(3)「発信」する!!

(4) 捨てる!!

(5) 詠む!!

 

▼今年の3月で、自らを「サイエンスコミュニケーター」と名のりはじめてから10年が経つ。
 節目の年になることは確かだ。
 
 ゆっくり ゆっくり 急ぎたい!!  

 

 

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