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【お薦め本】『日曜俳句入門』(吉竹 純著 岩波新書)

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▼人生に一度は「句会」なるものに参加したいと思いつつ、ついにその機会もなく今日にいたってしまっている。
 人が集うこと自体がなかなか難しい今日、逆にそのピンチをチャンスにかえて挑戦みたいと思うことが出てきた。
 オンライン句会である!!
 ずぶのシロウトであること省みず、俳句結社「寅の日」まで立ちあげてしまった。
 オンライン句会「寅の日」の展開はいよいよ今からだ!!

 もっとも肝心のことが、後先逆になっていることに気づいた。(^^ゞポリポリ
 毎週一句だけ「俳句もどき」を数年前からつくっているだけで、まったくのシロウトの域を脱しきれずにいた。
 まずは「俳句」を詠むということが課題だった!! 

▼そんなときとっても興味深い本に出会った。
 それが今回の【お薦め本】である。

◆【お薦め本】『日曜俳句入門』(吉竹 純著 岩波新書 2019.10.30)

 新書版でとてもわかりやすく書いてあった。
 読み進めると、自分には遠くの世界であると思っていた「俳句の世界」が、身近に感じられてくるから不思議だった。
 いつものように3つのお薦めポイントをさきにあげておく。

(1)最も身近な「シロウト俳句のすすめ」がここにある!!

(2)「投句」の楽しさ、面白さ、心得を体験的に語ってくれている!!

(3)未知なる「俳句の世界」を身近に俯瞰できる!!

▼3つのお薦めポイント少しだけ詳細に語ってみる。

(1)最も身近な「シロウト俳句のすすめ」がここにある!!
 そもそもタイトルの耳慣れない「日曜俳句」って何?
 説明があった。

日曜俳句とは、まずもって、新聞や雑誌、テレビなどのメディアに投句し、選を受ける一連の流れ、および公表された作品のことをいいます。(中略)趣味として俳句をつくるのが、日曜俳人。休日に絵筆をとる日曜画家、大工仕事をする日曜大工となんら変わりません。誰に習うわけでもなく、好きというだけで道を究める。人生百年時代の生き方のひとつとして、私は「日曜俳句」を提唱します。(同書「はじめに」 より)
   TVで「俳句」の扱う人気番組があったり、新聞には毎週多く人が投句した俳句がみられたりする。私自身も日曜日の朝は、毎週Eテレ「NHK俳句」を楽しみにして視ている。  世間ではちょっとした「俳句」ブームなのかも知れない。 自分でもその「俳句の世界」に一歩踏み入ってみたい気分にもなる。しかし、その一歩には、なかなか勇気が入るのだ。  そこで、こうだ!!  
結社でもない。同人誌でもない。句会でもない。俳句教室でもない。ひらかれた第五のルートとして、日曜俳句はある。(同書 P19より)
日曜俳句なら、初心者の拙い俳句でも、独学の無手勝流でも、俳壇の大御所が、手にとって見てくれる。選ばれると、反響がある。(同書P26より)

うまい!!
と思うことがあった。実は引用させてもらった上記の二文はいずれも本文からの引用でなく「小見出し」なんである!!
 なんと長い「小見出し」だと最初は驚いたが、やがてみごとな作戦だと感心してしまった。
 この長い「小見出し」がならんだ「目次」を見るだけでも、読んでみたい気になってくるのだった。

 奥付の著者紹介「コピーライター 俳句・短歌愛好家」を見て妙に納得するのだった!!


(2)「投句」の楽しさ、面白さ、心得を体験的に語ってくれている!!
ここもまた、「小見出し」を引用させてもらう。

右も左もわからなくても、五・七・五なら、かんたん。とにかく、つくる。おっと、歳時記だけは忘れずに。(同書 P52より)

デビューは、新聞俳壇に限らない。近くでも遠くでも、小さくても大きくても、投句できる機会は逃さない。(同書 P58より)
投句は、はがきか、ネットか。最初は、はがきがおすすめ。しかし、無理に自筆で書くこともない。パソコン使えば、自分の句帳にもなる。(P93より)
パソコンを使っても、俳句は縦書き、一行におさめることが基本。ネット投句も、まずは紙に縦書きに書いてから。(同書P97より)
継続は力なり。解説を書き加えたりせず、俳句だけで勝負していれば、いつか結果につながってくる。(同書P110 より)
季節の移り変わり。日々の暮らしの喜怒哀楽。俳句の対象は無限だが、つづけるうちに自分のテーマがみつかるといい。(同書P115より)
ときには、どこかに出かける「ひとり吟行」。日曜俳句なら、旅先で投稿した俳句に出会うとも。ほかでは絶対に味わえない気分だ。(同書P139より)
入選すると、ご褒美がもらえることも。でも、日曜俳人には、掲載されることが無上の喜び。選評もいただければ、それが最高のご褒美。(同書P156より)

「日曜俳句」を自ら提唱し、その第一人者が、自らの体験をもとに、その醍醐味、面白さ、さらには投句に際して、ぜひ心得ておくべきことを具体例をあげながら楽しく語る。
 きわめて説得力をもつコトバがつづく!!

 実例として著者自身の入選句があがっているがさらに説得力を増している!! 

▼最後のポイントにいく。
 
(3)未知なる「俳句の世界」を身近に俯瞰できる!!
 いかに話題になることが増えたとは言え、ふつうに暮らしをしている人間から見ると、やっぱり「俳句の世界」は、未知なことの多い遠い別世界に思える。
 そこをまた自らの体験から知り得た情報をくわしく教えてくれている。
 例えばこんな調子だ。

主な俳句団体は、四つ。それぞれ特徴があるので、俳句教室を選ぶときや、日曜俳句を送る選者に迷ったときなど、役に立つ。(同書P39より)
 
投句から掲載まで、新聞俳壇は二週間から一ヶ月。このスピード感は、俳誌ではまねできない。ニュースに取材した句も鮮度が落ちない(同書p135より)

 また最後にあがっている

「主なメディア、公募俳句大会の投句規定」(同書P209より)

は、今から「日曜俳人」をめざす人にとってはきわめて有用な情報だろう。

・田螺鳴くー東日本大震災と日曜俳句 
・第4章 明日へ動く日曜俳句
では、「日曜俳句」のこれからの可能性が熱く語られていた。

 最後に著者からのあたたかいメッセージを引用させてもらおう。

 ことばの過剰な時代だからこそ、五・七・五の十七音という節度、季語という共通理解の手がかりも含まれる俳句が、やさしく感じられます。たのしく、前向きに、みんなで投句しようよ。ひとりじゃないよ。そんな気持ちから『日曜俳句入門』を世におくることにしました。(同書P216より)

出さずに残っていた「はがき」がなかったかな? とさがす自分がいた!!  

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