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2020年・夏の「自由研究」は!?(10) #自由研究 #ストロー氷 #中谷宇吉郎 #霜柱の研究 #自由研究の心得

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▼2018/01/31の朝。
 私はとんでもないものを見てしまった!!
 「さかさ氷柱(つらら)」!!
 私は思わずそう呼んでしまった。氷柱が重力に逆らって、できた氷の表面から突出して突っ立ていたのである。
 (゜o゜)ゲッ!! ?(゜_。)?(。_゜)?
 私には「御神渡」以上に不思議に思えた。
 水をいっぱい入れた紙コップを、これまた水をいっぱい入れたガラスコップの中に入れて屋外に放置する。
 そして氷をつくる。(私はこれを「Wコップの実験」と呼んでいた。)
 紙コップにできた氷の表面から、「さかさ氷柱(つらら)」は突っ立ていたのである。

 後に神田健三先生(中谷宇吉郎 雪の科学館 元館長)からこれを「ストロー氷」と呼ぶと教えてもらった。

 幸いなことに2018/02/12の朝にも再び「ストロー氷」を見た!!
 それ以降、毎冬「Wコップの実験」を繰りかえしているが、それを見ることはなかった。

 夏場、冷凍庫で 同じ実験をすれば「ストロー氷」を見ることができるだろうか!?
 (ガラスコップを冷凍庫に入れるときは注意が必要!!)

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▼「自由研究」「氷の実験」で思い出した文章がある。

◆中谷宇吉郎「霜柱の研究」について(青空文庫より)  

 である。
 これは中谷氏の研究というより、若き人たちの「霜柱の研究」についてコメントしたものだった。
 今の私には、それがとても興味深かった。
 「自由研究」をすすめる上でとても示唆的なことがいっぱい語られていた。

▼今も、とても参考になることばかりだ。
 少し引用させてもらう。 

 いわば素人(しろうと)の研究であって、しかも私がはっという気がしたのは、その素人の研究が、純粋な興味と直観的な推理とで如何(いかに)も造作ないという風に一歩一歩と先へ進んで行っていることであった。私は前から物理的の研究方法というものは、物理学の既知の知識とはまた別のもので、沢山の本や論文の中に累積(るいせき)している今までの物理学上の知識というものを余り良く知らなくても、或ある場合には、立派な物理的の研究が出来得るものだろうという気持を持っていたのである。

 さすがである!!
 なんともあたたかいエールを送っていた。
 さらに、これから「自由研究」を進める上で大いにヒントになるようなことが語られていた。

 何でも予期せぬ不思議な現象に当ったら、それを逃さぬようにすることが研究の内容を豊富にする一つのこつであるということは、勿論いうまでもないことであるが、よく心得ているべきことである。なるたけ沢山にそのような奇妙な現象にぶっつかるには、この研究者たちのやられたように、何か思い付いたことがあったら、億劫(おっくう)がらずに「ちょっとやって見る」ということが大切である。思い付きというものは、一度手をつけて置けば忘れないが、そのままにして置くと、どんどん忘れてしまうものである。
 
すべてこのような自然現象は出来るならばそれを人工的に作って見るのが一番良い研究の方法であって、一度実験室内で作ることに成功しさえすれば、後(あと)は色々条件を変えてその影響を見て行けば、少しも無理をしなくても容易に事柄が分って行くものである。

 さすがである!!
 人工雪を世界ではじめてつくった宇吉郎のコトバは説得力をもつ!!

▼きわめつけが、「研究」をすすめる上での心得としてまとめてくれていた。

こういう研究が出来るというのは、第一にそして一番重要なことは純粋な興味を持つということである。第二には厳寒の二月、仙石原で徹夜するという程度の熱心さを持つことである。第三には思い付いたことを、億劫(おっくう)がらずに直すぐ試みて見る頭の勤勉さを持つことである。第四には偶然に遭遇した現象をよく捕え、それを見逃さぬこと、即ちいつも眼を開いて実験をすることである。第五には新しい領域の仕事を始める時に怖(こわ)がらぬことである。この研究者たちが土の分析に手を付けた時のように平気で始めることである。それには余りに多くの知識と打算とが一番邪魔になる。第六には妙にこだわらぬこと、これは何でもないようで、その実なかなか難しいことである。そして以上述べたそれらの色々の心得の外(ほか)に、研究の全体に通じて或る直観的な推理を働かすことである。

 アリガタイ!!
 これは、今も有効な 最高の「自由研究」の心得である!!
 「自由研究」の最高の手引き書がここにある!!

 今年の夏は、どんな「自由研究」に出会えるかな!?
 楽しみだ。 o(^o^)o ワクワク 

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