中谷宇吉郎を訪ねて(2) #中谷宇吉郎
▼「雪は天から送られた手紙である」
なんと美しく含蓄のある言葉であることか!!
私はこの旅のなかで何度も何度もこの言葉に出会うのだった。
このように見れば雪の結晶は、天から送られた手紙であるということが出来る。そしてその中の文句は結晶の形及び模様という暗号で書かれているのである。その暗号を読みとく仕事が即ち人工雪の研究であるということも出来るのである。(「雪」青空文庫より)
▼旅の二日目(2019/12/18)は小松からの出発だった。
せっかく小松にいるんだから、宇吉郎の「ゆかりの地」は!?と考えたとき格好の場所があった。
小松中学校(現石川県立小松高等学校)である。
ここで宇吉郎は5年間寄宿舎生活をしていた。
どうも小松駅からそう遠くないようだ。しかし、タイミングが悪かった、どしゃ降りの雨だ!!
限られた時間なかで、この雨の中、簡単に目的地にたどり着く自信がなかった。
そこでタクシーを利用することにした。
校門に着くなり、すぐわかった。小松高等学校記念館(旧小松中学校校舎)が!!
化粧直しもされて、とってもきれいな記念館である。
このころの思い出を宇吉郎は書き残してくれていた。
●「若き日の思い出」(青空文庫より)
そこに登場する中村先生の像があったりしてびっくりする。
また、近くには北大で宇吉郎の助手として人工雪の研究に携わった関戸弥太郎氏の記念碑もあった。
いちばん見たいと思っているものがなかなか見つからない。雨の中右往左往!!
みつけた!!
「雪は天から送られた手紙である」と記された六角柱の記念碑!!
ここでもとんでもない信じられないアクシデントだ。
もっていたデジカメの電池ぎれだ。もちろん予備の電池は持っていた。しかし、どしゃ降りのなかの行動、できるだけ軽装でとすべての荷物は駅のロッカーのなかだ!!
あきらめきれなかった!!ここまできてこれでは笑い話にもならない。
雨も幸い小降りなってきた。私は急ぎ足で駅まで引き返し、再び小松高校までやって来た!!
思い存分「下手な鉄砲も」方式でシャッターをきった。
▼再び列車に乗り、加賀温泉駅へ。
そして、バスで片山津温泉まで行った。
次なる「ゆかりの地」は、宇吉郎生誕の地!!
ここについても宇吉郎は書き残してくれていた。
●「私の生まれた家」(青空文庫より)
ここにもあの言葉の記された記念碑が立っていた。
夏の終りに訪れたときとまた趣がちがっていた。
そのとき意識してみていなかった記念碑前のテーブルも六角形だった!!
「宇吉郎小径」をつきぬけるとそこは柴山潟!!
当時の景を残しているのだろうか。
▼さあ次なる「ゆかりの地」は、念願の宇吉郎の墓所だ。
「雪の科学館」でくわしい場所を教えてもらっていた。(地図もいただいていた。)
それでもすんなりと行けないのが私だった。(^^ゞポリポリ
またしてもポリボックスでお世話になった。ほんとうに親切だ!!くわしくくわしく地図まで書いていただいた。
なのにである。またしても道に迷ってしまった。
しかし、最後は書いてもらった「地図」が決め手になってやっとたどり着くことができた\(^O^)/
宇吉郎の墓は 写真で見たとおり六角形の台座のうえに載っていた!!
なんと花筒のかたちも六角形!!
となりに茅誠司氏に墓碑銘があった!!
さすがだと思った。
墓前でオンライン「寅の日」の報告をし、「これから」をお願いしていたら時間がずいぶんたってしまった。
アリガタイことに「生誕の地」「墓所」と巡っているあいだは雨はまったく降らなかった。
墓所を出るととたんに雨が降ってきた。
しかし…
(つづく)
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