寺田寅彦邸の庭の植物たち(秋編)(2) #traday #寺田寅彦
▼「大杯」という種類のゆかりの楓があった。
寺田寅彦記念館友の会の呼びかけ応えて寺田寅彦二女の関弥生さんが寄贈されたものであるという。
確かに随筆「庭の追憶」には登場していた。それによれば「ついぞ一度もその霜に飽きた盛りの色を見る機会はなかった」のだそうだ。
「大杯」という名のいわれも、説明を聞いてみてこそ納得である。
▼「ヤブコウジ(藪柑子)」は寅彦の俳名。随筆集『藪柑子集』もあった。
寅彦はずいぶん藪柑子がお気に入りだったようだ。なんとなくわかるような気がする。
庭を長年管理しておられる伊東さんは、この藪柑子を庭のいろんな場所にたくさん育てておられる。
そんなところにも伊東さんが、どれだけ「寅彦先生」を敬愛しておられるのかわかる。
▼庭のなかで、他の草花・樹木とちがう印象を受ける植物があった。
「リュウゼツラン(龍舌蘭)」である。二株あった。
そのものズバリの随筆「竜舌蘭」もある!!
降っていた雨がやんだ後のイチョウの黄葉はとびっきりきれいだった。
その黄葉の落下について、「どこかでスイッチを切って電磁石から鉄製の黄葉をいっせいに落下させるとでもいったような感じがするのであった。」と書いた随筆「藤の実」もあった。
庭にはぎっしりと「どんぐり」が落ちていた。先日、オンライン「寅の日」でよんだ「どんぐり」を思い出すのだった。
▼こと左様に寺田寅彦邸のほとんどの植物たちは、寅彦の随筆と深くリンクしていた。
研究会でいただいた伊東さんの「資料」に登場する随筆をリストアップしてみた。
1.「庭の追憶」
2.「芝刈り」
3.「花物語」
4.「嵐」
5.「竜舌蘭」
6.「短章 その一」(「柿の種」)
7.「路傍の草」
8.「沓掛より」
9.「藤の実」
10.「森の絵」
11.「郷土的味覚」
12.「東上記」
13.「重兵衛きんの一家」
14.「物売りの声」
15.「祭り」
16.「自由画稿」
17.「雑記帳より」
なんと17編にも及んだ!!(もれていたらスミマセン。)
アリガタイことにこれらすべてが、青空文庫で今すぐにも読める!!
さあ、じっくりじっくり復習しておいて、12回目の「土佐の寅彦」詣に備えよう。
今度は春編がかけるかな。
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