48号コウガイビルは「再生」するのか!? #コウガイビル
▼私がコウガイビルのことを知るのにもっとも頼りにしている文献が
◆『プラナリアの形態分化~基礎から遺伝子まで~』(手代木渉、渡辺憲二著、共立出版 1998.3.25)
である。一つの章「14.陸産プラナリア,コウガイビル種類・生態並びに形態分化」(P259~)があった。
そのはじまりはこうだった。
淡水産のプラナリアと同様高い再生能を持ち、陸のプラナリアといわれるコウガイビルは、イチョウの葉の形をした目立つ頭部を持ち、これが古くから使われていた笄(こうがい:髪にさす道具)とよく似ているところからその名が付けられている。(同書P259)
ここでもやはり最初にとりあげている特徴は「高い再生能」だった。
▼しかし、続けてよく読んでいくと一口に「コウガイビル」と言っても二つのタイプがあるようだ。
「無性生殖(分裂)型コウガイビル」と「有性生殖(非分裂)型コウガイビル」だ。
とりわけ「高い再生能」をもつのは前者だ。
私が48号まで出会ってきたコウガイビルは後者のようだ。今年の初夏に卵をみつけたことからもわかる。
名前は「クロイロコウガイビル」だろうと思っている。
では、我らがコウガイビルは「再生能」をもたないのだろう!?
今週の月曜日(2019/10/21)、48号コウガイビルに出会った。
そして意図せぬまま「切っても切ってもコウガイビル」(再生)実験を開始してしまった!!
4日たった昨日(2019/10/25)、冷蔵庫から出して観察してみた。
袋のなかでは二分された頭部と尾部は別々の個体のように動いていた。生きていた!!
はたしてそれはいつまで!?
尾部の方から「コウガイ」が再生するなどと言うことはあるのだろうか!?
▼そもそも「再生」ってどういうことだろう?
その疑問に答えるとてもわかりやすく、納得のいった一文があった。
名著『切っても切ってもプラナリア』のなかにあった。
このことは、何を意味しているかというと、プラナリアはエサがなくてちぢんでいくときも、エサを食べて大きくなっていくときも、いつも体の《つくり直し》をしているということだ。プラナリアにはこのような性質のあるために、再生のときもエサを食べずに、のこった体の《つくり直し》をしながら新しい体を再生できるのではないだろうか。(同書P38)
(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウンこれだと納得がいく!!
36号コウガイビルがエサなしで385日も生き延びたのも、「再生」し続けたと言っていいのだろう。
▼では、二つに分かれた48号コウガイビルではどうだろう。
「再生」し続けていると言っていいのだろうか?
生きていること自体が、「再生」し続けていることの証し!?
今後どうなっていくのだろう!?
ともかくもう少し継続観察をしてみよう。
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