48号コウガイビルの半分が「消える」!?(2019/10/29) #コウガイビル
▼48号コウガイビルとの出会いから、10/25までの様子を報告したのは、わずか4日前の朝だった。
頭部と尾部に二分してしまったその後が興味津々だった。
どちらかと言うと尾部の方が、別個の一個体として活発に動いているように見えた。
▼ところが、昨日(2019/10/29)の朝、観察すると事態は一変していた!!
頭部は蜷局を巻くように袋の上部にいたが、尾部は水に浸かってしまっていた!!
ヤバイ!!
これまで何度も見てきた光景だった。
こうなるとまたたく間に「消える」のダ!!
水は濁った液になり、コウガイビルの姿が見えなくなってしまうのだ!!
▼この「消える」をコトバで語ることはなかなかむつかしい。
そこでいつも引用させてもらうのが、あのダーウィンの「記録」だ。
私は、南半球の各地で、陸生のプラナリアを十二種以上見た。ブァン ディーメンス ランド Van Dimen's Land で得た若干の標本には、朽木を食わせて、約二ヶ月も生存をつづけさせた。一匹のプラナリアをだいたい相等しい大きさに横断すると、二週間のうちに双方とも完全な体となった。更に、片方が下面に開口を二つとも持ち、従って他の方は開口を一つも持たぬように切ってみた。施術後25日を経て、比較的完全に近かった方は、普通の標本と区別できぬまでになった。片方もその形がいちじるしく大きくなり、そして後端に近く柔らかい細胞集団のうちに透明な空間を生じ、その中には椀のような形の口の原基が明らかに認められた。しかし下面に裂口が開くには到らなかった。赤道に近づいたために、気温の上昇によって、すべての個体を殺すようなことがなかったならば、この最後の段階も構造を完成したに違いない。この実験はすでによく知られているところであるが、一方の個体の簡単な体の一端から、必須の器官がことごとく次ぎ次ぎに生ずるのを見るのは面白かった。プラナリア類を飼うのは極めてむずかしい。生活現象が終われば、一般に見る天然の変化の法則がここにも働いて、体は全体に柔らかくなり、液化する。そのはやさは、他に比べるものもないほどである。(「ピーグル号航海記 上」(岩波文庫)P54より)
ダーウィンも言っているように「消える」のはほんとうに早い!!
▼偶然にも、となりの袋の46号コウガイビルも、まさに「消える」瞬間だった。
これを観察していると、究極の「ふしぎ!?」を自問してみたくなるのだった。
●「生命」とは何か!?
●生物と無生物の「さかい」はどこにあるのだろう!?
思わず名著二冊をひっぱり出しきたが、さて答えが書いてあるだろうか?
『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著 講談社現代新書 2007.5.20)
『生命とは何か』(シュレーディンガー著 岩波文庫 2008.5.16)
しばし、悪戦苦闘してみるかな。
| 固定リンク
コメント