【お薦め本】『今の空から天気を予想できる本』(武田康男著 緑書房)
▼ 台風一過の「雲見」もなかなか楽しいものだった!!
「雲見」の究極のねらいのひとつとして
防災・減災にツナガル「観天望気」のスキルを身につける!!
というのがあった。
昔の人の「観天望気」に技に大いに学びつつ、「雲見」から明日の天気を予想する技術を身につけたかった。
それが理想であった!!
▼そのねらいにピッタリの本が出た!!
著者は、このテーマに最もふさわしい空の探検家・武田康男さんだ。
◆【お薦め本】『今の空から天気を予想できる本』(武田康男著 緑書房 2019.08.10)
さっそく手に入れ読んでみた!!
これまでにないダイナミックな展開だ!! たいへん興味深い!!
いつものようにお薦めポイント3つ先にあげておく。
(1) 空を見ながら、その場でレクチャーを受けている気分になる!!
(2) 実体験に基づく解説はわかりやすく説得力をもつ!!
(3) 必ず自分でも空を見ながら明日の天気を予想したくなる!!
▼ひとつずつ少しだけ詳細に。
(1) 空を見ながら、その場でレクチャーを受けている気分になる!!
少し前になるが私は、富士山5合目で「雲見」のレクチャーを直接受けたことがある。
なんとわかりやすいのだろう!!
なんと説得力ある説明だろう!!
それにいたく感動してしまった。
そのときのレクチャーを「本」というかたちで具現化したのが、これだと思った。
こんな本ははじめてであった!!
大胆にも「文字」「矢印」等が写真にダイレクトに書いてあった。
そのダイナミックな展開が、妙に説得力を持っていた!!
ここは著者自身の言葉を借りよう。
本書には、そんな天気を予想するための観察アドバイスをたくさん詰め込みました。あたかもその場で指を指して解説しているかのように、大きな写真に文字や矢印を直接書き入れ、見て欲しい場所を示し、そこにふさわしい説明を加えました。
また、風で雲が絶えず変化していますから、風の流れもわかるように工夫しました。
これは本書の大きな特色です。(同書p2「はじめに」より)
(2) 実体験に基づく解説はわかりやすく説得力をもつ!!
空の探検家・武田康男さんのアクティブさにはいつも驚かされる。
「えっ!?いつの間に…」と思うことしばしばである。
興味深い<空>の情報があれば、日本中(いや世界中)どこでもいつでも駆けつける!!
そんな武田さんが長年にわたって撮りためてきた写真を使用しての説明だけに自ずとすごい説得力をもつ。
単なる理屈だけではない、実際に武田さん自身が自分の目で確かめた「事実」があるのだ。
ここもまた著者の言葉を借りよう。
このような空の観察方法は、私が数十年間、空を見続けて知ったことです。私の撮った写真に、私がわかったことを具体的に記したもので、その後の天気も、実際に起こったことが基になっています。(同書p2「はじめに」より)
▼ 最後にもっとも肝心なことをひとつ。
(3) 必ず自分でも空を見ながら明日の天気を予想したくなる!!
この本は「読む」本というより、「見て使う」本だ!!
自分で「雲見」をしながら、明日の天気を予想するときに「見て使う」のである。
取り上げた<空>は89種
<雲から読む天気>44種の空
<光から読む天気>19種の空
<風から読む天気>13種の空
<季節から読む天気>13種の空
レアな<空>を取り上げるだけでなく、むしろアタリマエの見慣れた<空>を取り上げてくれているがうれしい!!
89種あれば似たような<空>は一応網羅していると言えよう。
しかし、あなたの暮らす地域独特の<空>もあるだろう。
この本の真似をして、自分で撮った写真に、説明文、矢印などを書き加えて新しいページを加えれば、著者もすすめる『あなただけの天気の本』ができあがるだろう。
ぜひ私も挑戦してみたいものだ!!
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