原子論的物質観と授業(7)
▼33年前の「紅花を追って」の旅の中で手に入れた『山形の紅花』(黒木衛編著 山形市観光協会P15より)のなかに次の文章をみつけていたく感動したのをおぼえている!!
花びらの固まりになった花餅500匁を水1斗に一晩漬け,黄色味がでなくなるまで,5回ほど搾ってから・藁灰汁5升に戻して、また搾ると,赤黒い汁が出る。
これに染め糸を入れて梅酢を加えると,鮮やかに発色する。紅を採って,保存したり口紅にしたりもしたが・灰汁のアルカリ度と梅酢の酸度の加減が極めて微妙で,いい色は冬の真夜中に出たという。
これぞまさに「中和滴定」ではないか!!
モノとのつき合いの中から「科学」が生まれ、暮らしの中で生きて働くものこそ「科学」の名に値する!!
▼学習指導要領のなかに、「物質観」=モノの見方・モノとのつき合い方 をさぐることを続けよう。
◆【理科編】中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 (文部科学省)
次は「化学変化とイオン」だった。
(6)化学変化とイオン化学変化についての観察,実験などを通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 化学変化をイオンのモデルと関連付けながら,次のことを理解するとともに,それらの観察,実験などに関する技能を身に付けること。
イ 化学変化について,見通しをもって観察,実験などを行い,イオンと関連付けてその結果を分析して解釈し,化学変化における規則性や関係性を見いだして表現すること。また,探究の過程を振り返ること。
▼さらに具体的には「ア 水溶液とイオン」「イ 化学変化と電池」と続いた。
(ア)水溶液とイオンア◯ 原子の成り立ちとイオン
水溶液に電圧をかけ電流を流す実験を行い,水溶液には電流が流れるものと流れないものとがあることを見いだして理解すること。また,電
解質水溶液に電圧をかけ電流を流す実験を行い,電極に物質が生成することからイオンの存在を知るとともに,イオンの生成が原子の成り立ち
に関係することを知ること。
イ◯ 酸・アルカリ
酸とアルカリの性質を調べる実験を行い,酸とアルカリのそれぞれの特性が水素イオンと水酸化物イオンによることを知ること。
ウ◯ 中和と塩
中和反応の実験を行い,酸とアルカリを混ぜると水と塩が生成することを理解すること。
(イ)化学変化と電池ア◯ 金属イオン
金属を電解質水溶液に入れる実験を行い,金属によってイオンへのなりやすさが異なることを見いだして理解すること。
イ◯ 化学変化と電池
電解質水溶液と2種類の金属などを用いた実験を行い,電池の基本的な仕組みを理解するとともに,化学エネルギーが電気エネルギーに変換
されていることを知ること。
▼それでは、私は「これまで」にどんな授業をやって来たのだろ。
授業のサブタイトルはこうだった。
「はじめにイオンありき」これが私のスタンスだった。
さらに発展しての授業づくりについては、また別途検討してみたい。
(つづく)
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