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牧野富太郎の『赭鞭一撻』を読む。(2)

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▼昨日(2019/06/13)、朝から日射しがきびしかった。
 でもやっぱり、やつらはその場所に居てくれた!!
 だから「クモ学」は大好きだ!!なんでもゆっくりな私にはこれがアリガタイ!!
 それにしても、紫外線対策どうしているのかな!?
 今年も出会ったコガネグモ!!出会った順番に号数をつけていた。
 昨日の段階で、9号にまでなっていた。そのうち3号だけ行方不明になったが、あと8匹は継続観察中だ!!
 8号はより家に近づいてきた。どうやら狩りを追え、獲物を捕獲しているようだ。
 2号は、少し場所を移動してネットを張り替えたようだ。
 家の庭とよんでもいいような場所に9号が出現していた。
 どのコガネグモも「X」字の隠れ帯がはっきりしてきたように思えた。
 どうして  ?(゜_。)?(。_゜)?
 そうだ隠れ帯の「ふしぎ!?」も完全には解決していなかった。
 
 シロウト「クモ学」研究はまだまだ続くのだった。
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▼このようにシロウト研究をすすめるときにも「赭鞭一撻」は、けっこう役に立ちそうだ。
 引用をつづけよう。

○書籍ノ博覧ヲ要ス
書籍ハ植物記載〔所載ノ意ナリ〕ノ書ニシテ仮令(たと)ヒ鶏肋ノ観ヲ為スモノト雖ドモ悉ク之ヲ渉猟閲読スルヲ要ス故ニ植学ヲ以テ鳴ラント欲スルモノハ財ヲ吝(おし)ム者ノ能ク為ス所ニアラザルナリ

○植学ニ関係スル学科ハ皆学ブヲ要ス
曰ク物理学曰ク化学曰ク動物学曰ク地理学曰ク天文学曰ク解剖学曰ク農学曰ク画学是皆関係ヲ植物学ニ有ス数学文章学ハ更ニ論ヲ俟(また)ザルナリ

○洋書ヲ講ズルヲ要ス
其堂ニ造ラント欲シ其※ししむらヲ啖(くら)ハント欲スル者ハ当(まさ)ニ洋籍ヲ不講ニ置ク可カラザルナリ是レ洋籍ノ結構所説ハ精詳微密ニシテ遠ク和漢ノ書ニ絶聳スレバナリ雖然(しかりといえども)是レ今時ニ在テ之ヲ称スルノミ永久百世ノ論トスルニ足ラザルナリ

○当ニ画図ヲ引クヲ学ブベシ
文ノミニテハ未ダ以テ其状ヲ模シ尽スコト能ハズ此ニ於テカ図画ナル者アリテ一目能ク其微妙精好ノ処ヲ悉(つく)ス故ニ画図ノ此学ニ必要ヤ尤(もっとも)大ナリ然而(しかりしこうして)植物学者自ラ図ヲ製スル能ハザル者ハ毎(つね)ニ他人ヲ倩(やとう)テ之ヲ図セシメザルヲ得ズ是レ大ニ易シトスル所ニ非ザルナリ既ニ自ラ製図スルコト能ハズ且加フルニ不文ヲ以テスレバ如何シテ其蘊(うん)ヲ発スルコトヲ得ルヤ決シテ能クセザルナリ自ラ之ヲ製スルモノニ在テハ一木ヲ得ル此ニ※もシ一草ヲ得ル此ニ写シ更ニ他人ノ労ヲ仮ラズ且加ルニ舞文ヲ以テセバ恰(あたか)モ晶盤ニ水ヲ加フルガ如ク彰々瞭々其微ヲ闡ひらキ其蘊ヲ発スルハ是レ易シトスル所ナリ之ヲ自ラ製スル能ハザルモノニ比スレバ難易ノ懸絶スルヤ一目其大ナルコトヲ知ルナリ

○宜ク師ヲ要スベシ
書籍ノミニテハ未ダ以テ我疑ヲ解クニ足ラズ解疑スルニ足ラザレバ師ニ就テ之ヲ問フノ外ニ道ナキナリ其師トスル処ハ必ズ一人ヲ指サズ我ヨリ先ニ之ヲ聴クモノバ生ルヽノ我ヨリ先後ニ論ナク皆悉ク之ヲ師トシテ可ナリ若シ年ノ我ヨリ幼ナルヲ見テ曰ク我ニシテ彼幼者ニ問フ羞ヅ可キノ至リナリト如此(かくのごとく)ニ至テハ如何シテ其疑ヲ解クヲ得ルカ其疑タル死ニ至テ尚未ダ解ケザルナリ

○吝財者ハ植学者タルヲ得ズ
書籍ヲ購(あがな)フ財ヲ要スルナリ器械ヲ求ムル財ヲ要スルナリ苟(いやしく)モ此学ノ考証ニ備ヘ此学ヲシテ益(ますます)明ナラシムル所以ノモノハ皆一トシテ財ヲ要セザルナシ財ヲ投ゼザレバ書籍器械等一切求ムル所ナシ故ニ曰ク財ヲ吝(おし)ム者ハ植学者タルヲ得ズト

▼続けて『赭鞭一撻ノート』より現代語訳の一部を引用させてもらおう。

四. 書籍の博覧を要す
ーたくさんの本を読むことが必要である

五. 植学に関係ある学科は皆学ぶを要す
ー植物に関係ある学科は全て学ぶことが必要である

六. 洋書を講ずるを要す
ー洋書を理解する必要がある

七. 当に画図を引くを学ぶべし
ー理屈にあった画図を引くを学ぶべし

八. 宜(よろ)しく師を要すべし
ー状況に適した先生が必要である

九. りん財者は植物学たるを得ず
ー植物学者はケチではいけない

▼このなかでは特に2つが強く納得する。(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン

五. 植学に関係ある学科は皆学ぶを要す
ー植物に関係ある学科は全て学ぶことが必要である

シロウト「クモ学」でもまったくそのとおりである。
ひとつの「ふしぎ!?」は、次々と別の「ふしぎ!?」とツナガッテイタ!!
それはあらゆる学問に言えることかも知れない。

八. 宜(よろ)しく師を要すべし
ー状況に適した先生が必要である

ほんとうにアリガタイことに私のシロウト研究には必ずすばらしい師がついていてくださった。
シロウト「クモ学」については、最初から鈴木勝浩先生がついていてくださった。
ヒガンバナ研究では、日本のヒガンバナ研究の第一人者・栗田子郎先生にいろいろ教えてもらっていた。
ほんとアリガタイかぎりだ!! 深謝<(_ _)>


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