【お薦め本】『青の物理学』(ピーター・ペジック 著 , 青木 薫 訳 岩波書店)
▼まだまだ牧野富太郎の『赭鞭一撻ノート』の余韻が残っていた。
十四. 書を家とせずして、友とすべし
ー本に書かれていると安心せずに、本を対等の立場の友と思いなさい
二十歳に満たない少年(青年)がこんな域に達するなんて、さすがというしかない!!
ポンコツ頭では、「そうだな~あ」と同感はするが、現実はなかなかついていかない。
今さら言ってもしかたないが、もう少しちゃんと勉強しておくべきだったなあ。\(__ ) ハンセィ
▼特に強くそう思ったことがある。
それは、この本に出会ったからである。
◆【お薦め本】『青の物理学 空色の謎をめぐる思索』(ピーター・ペジック 著 , 青木 薫 訳 岩波書店 2011/02/15 )
「この本が面白いよ」と教えてもらったのはちょうど一ヶ月前だ!!
さっそく手に入れて読もうとした。
たしかに面白いとは思うのだが、なかなか前に進まない。私の理解力・学力ではついていけないのだ。
それでも、ちびりちびりと読み進めた。やっと終わった!!
私にとってはとても難解なところが多かったが、
やっぱり 面白い!!
今回は、【お薦め本】と言うより、「なんとか読み終えたよ」と言う報告文だ!!
▼こんな私が最後まで読んでしまったのはやっぱりこの本がとても面白いからだろう。どこまで理解したかは別にして、いつものようにお薦めポイントを3つあげる。
(1)「空はなぜ青い!?」の謎解き長編探偵物語を楽しめる!!
(2) 「原子論」のほんとうの有効性(意味)がわかって来る!!
(3)かつて科学者たちが挑戦してきた実験レシピがオマケについている!!
ではひとつずつボロが出ない範囲で少々書いてみる。
(1)「空はなぜ青い!?」の謎解き長編探偵物語を楽しめる!!
「空はなぜ青い!?」誰もが一度は抱く「ふしぎ!?」だ。
みんなはその「ふしぎ!?」にどう答えて、納得してきたのだろう?
いや、その「ふしぎ!?」は置き去りにされたままだろうか。
私の場合はどうだろう?
青空、夕空は「レイリー散乱」で…、雲が白いのは「ミー散乱」で… !!
えっ、ほんとうにわかっていたのだろうか。?(゜_。)?(。_゜)?
この本を読みながら、自分を疑ってみた。
「空はなぜ青い!?」というアタリマエの「ふしぎ!?」が、こんなにも面白く、奥の深い不思議だとは思っていなかった。
プラトンやアリストテレスからはじまり数え切れないほどの科学者・哲学者・芸術家がこの謎解き長編探偵物語に参加していた。
私が知る範囲の科学者はすべてが…と言っても過言ではなかった。
この謎解きの面白さを、こう語っていた。
空はなぜあのように見えるのだろうか?その疑問に答えるという目標に向かって、わたしたちはまだほんの数歩ほど踏み出したにすぎない。しかし、どれほど小さな一歩でも、その一つひとつには大きな意味がある。なぜならその一歩をきっかけに、より深く、より広く理解したいという思いがふくらむからだ。新しい知識がひとつ増えるたびに、はじめの疑問を見直すことにもなる。そうして知識が進展してきた歴史をひもとけば、すでに解明されたこと、そしてまだ解明されていないことが明らかになる。(同書 p169より)
▼この本でもっとも衝撃だったのは次だ。
(2) 「原子論」のほんとうの有効性(意味)がわかって来る!!
実は正直言ってショックであった。
「原子論的物質観を…」と力説してきていた。「原子論」の有効性・意味がわかっているつもりでいた。
でもわかっていなかった!!
「レイリー散乱」と言いながら、窒素分子は見えていなかった!!ツナガッテ考えることができていなかった。
「アボガドロ数」の意味もここであらためて認識した。(^^ゞポリポリ
青空の謎を解くための道のりは、小さな世界へと向かう旅である。なぜなら、もしも原子が実存しなかったなら、空は青色になりえなかったのだから。空に目を向けるとき、わたしたちは原子論の正しさを証明する証拠のうち、もっとも美しいものを見ているといえよう。そしてまた、青空を探求する旅は、大きな銀河の世界へと向かう旅でもある。なぜなら、夜の明るさを決定しているのは、宇宙にちらばる銀河たちなのだから。光について深く考えるとき、私たちはこの宇宙が、時間においても空間においても、いかに広大かを示す無言の証拠を受け取っているのだ。そして、昼と夜のあいだには黄昏がある。黄昏どきの天頂の色は、大宇宙と小宇宙のあいだで、壊れやすい地球が置かれている状況を告げているのだ。(同書p184より)
最後のもうひとつ。
(3)かつて科学者たちが挑戦してきた実験レシピがオマケについている!!
できるだけ今からでも復元できるように、手に入れやすいものを紹介してくれたりしている。
なかなかアリガタイ!!
自分でもこの長編探偵物語に参加してみたいものだ。
もうあまりボロが出ないうちにこれぐらいにしておく。
ここまで書いて思った。やっぱりこれは【お薦め本】だ!!
大賀ハス観察池は蓮根の植え替えから12週目だった。最大のピンチでSOS発信をして、アドバイスをもらいながら、まだそのアドバイスに従うことができないでいた。スミマセン<(_ _)>
雨が降るたびに元気さを回復してきているようで、どこの部分を一時退避しようかと迷ってしまうのだった。
さあ、青空が見えてきた。!!
今朝は、今から屋外作業だ!! ときどき青空ながめて…「なぜ!?」を反芻してみよう。
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