俳句結社「寅の日」への道(6) #traday #寺田寅彦
▼「さまざまのこと思い出す桜かな 芭蕉」
地域で毎年「花見」する公園にでかけた。
今年最後の「花見」を楽しむために。雲ひとつない青空が応援してくれた。「満開」は確かに少し過ぎていた。
散りゆく花吹雪がこれまたみごとなものだった!!
そんなときいつも思い出すのか、この芭蕉の名句だった。
▼私の手持ちの歳時記は、『第4版 俳句歳時記』(角川学芸出版編 角川文庫)である。第3版も一冊だけもっていた。
その第3版の「序」がとても興味深かった。
「歳時記は日本人の感覚のインデックス(索引)である」と詩人寺田寅彦は言った。季語には日本の風土に生きてきた日本人の生活の知恵が凝縮されている。季節感はもちろんのこと、倫理観・美意識、ありとあらゆる日本人の感情が短い文言に収約されて季語になった。
とはじまっていた。ところが第4版では、この寅彦のコトバは消えていた。
▼オンライン「寅の日」7年の歩みなかで、95編の随筆を読んできた。
私はずっと、この寅彦のコトバを探していた。しかし、今のところこのコトバ、そのものズバリは見つけることができないでいる。
しかし、きわめて近いコトバはみつけていた。それは毎年大晦日(寅彦の命日)に読む「日本人の自然観」(青空文庫より)のなかにあった。
短歌俳諧(はいかい)に現われる自然の風物とそれに付随する日本人の感覚との最も手近な目録索引としては俳諧歳時記(はいかいさいじき)がある。
さらに補足説明してこう言っていた。
私のいわゆる全機的世界の諸断面の具象性を決定するに必要な座標としての時の指定と同時にまた空間の標示として役立つものがこのいわゆる季題であると思われる。
と。
▼俳句結社「寅の日」の話、少し前にすすめよう。
寅彦がこう教えてくれた歳時記(もちろん手持ちのもので可)を持って集まり、
◆寺田寅彦「俳句入門」十選 !!
(1) 俳句の精神 6
(2) 天文と俳句 6
を一緒に読むぐらいのところからはじめませんか?
いきなり句会、吟行ではなく、言わば 俳句結社「寅の日」準備会 のようなものを。
時は刻々と過ぎていく。蓮根の植え替えから3週目の大賀ハス観察池の水はやっと澄み、水面から葉芽がひとつふたつと顔を出しはじめた!!
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