本日(2019/02/10)、第215回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦
▼「生野峠越えるときは弁当忘れても傘忘れるな!!」
親から伝え聞いた数少ない天気コトワザのひとつである。
生野峠からはき出してくる冷たい風と雲をみていると、今こそ使えるのでは!?と思った。
それを確かめてみたかった。
3年前の夏に訪れた生野のアメダス測候所のことを想い出した。
さっそく、今、「アメダス生野」の記録を見た。
どうやら昨日夜遅くから少し降っているようだ。
▼本日(2019/02/10)は、第215回オンライン「寅の日」である!!
2月のテーマは
【2019年2月のテーマ】 「寅彦と気象(冬)」
である。これまでも気象関係の随筆をとりあげることかがしばしばであったが、今回は冬場の気象をテーマとしてあげてみる。その一回目の今日は「伊吹山の句について」を読む。
◆本日(2019/02/10)、第215回オンライン「寅の日」!!
▼結論から先に言う。
この随筆はスバラシイ!!あらためて読んでたいへん気に入ってしまった。
1924(大正13)年、寅彦数え47歳のときの作品である。
関東大震災に遭遇した翌年であり、寅彦が理化学研究所の研究員になった年でもある。
この後亡くなるまでの10年の寅彦のスタンスを象徴するような作品である。
おりおりに伊吹(いぶき)を見てや冬ごもり
という芭蕉の一句からはじまった。
私がこの句に対して特別な興味を感じたのにはもう一つの理由がある。学生時代の冬休みに、東海道を往復するのに、ほとんどいつでも伊吹山付近で雪を見ない事はなかった。神戸(こうべ)東京間でこのへんに限って雪が深いのが私には不思議であった。
私にも大いに共感するところがあった。
新幹線の車窓からながめる伊吹山を思い出した。(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン
さあ、ここから寅彦の謎解きがはじまる。
冬季における伊吹山(いぶきやま)地方の気象状態を考える前には、まずこの地方の地勢を明らかにしておく必要がある。琵琶湖(びわこ)の東北の縁にほぼ平行して、南北に連なり、近江(おうみ)と美濃(みの)との国境となっている分水嶺(ぶんすいれい)が、伊吹山の南で、突然中断されて、そこに両側の平野の間の関門を形成している。伊吹山はあたかもこの関所の番兵のようにそびえているわけである。大垣(おおがき)米原(まいばら)間の鉄道線路は、この顕著な「地殻(ちかく)の割れ目」を縫うて敷かれてある。
問題の句を味わうために、私の知りたいと思った事は、冬季伊吹山で雨や雪の降る日がどれくらい多いかという事であった。それを知るに必要な材料として伊吹山および付近の各地測候所における冬季の降水日数を調べて送ってもらった。
なんとアクティブな!!
▼少し結論を急ぐ。
以上の事実を予備知識として、この芭蕉の句を味わってみるとなると「おりおりに」という初五文字がひどく強く頭に響いて来るような気がする。そして伊吹の見える特別な日が、事によると北西風の吹かないわりにあたたかく穏やかな日にでも相当するので、そういう日に久々で戸外にでも出て伊吹山を遠望し、きょうは伊吹が見える、と思うのではないかとまで想像される。そうするとまたこの「冬ごもり」の五字がひどくきいて来るような気がするのである。
ここにこそ、寅彦の本意がある。
少し謙虚に
これはむしろ学究的の詮索(せんさく)に過ぎて、この句の真意には当たらないかもしれないが、こういう種類の考証も何かの参考ぐらいにはなるかもしれないと思って、
とは言ってはいるが、ここにこそ寅彦の主張がある。
その主張は最晩年まで続くのだった。
昨日(2019/02/09)、蓮根の植え替えから46週目の大賀ハス観察池の水面には氷も雪もなかった。
今朝先ほどから、生野峠からの雪がチラチラとこぼれ落ちてきた。
明るくなったらどうなっているだろう。
| 固定リンク
コメント