【お薦め本】『空の探検記』(武田康男著 岩崎書店)
▼朝からずっと雨のなかの「雲見」だった。
それでも、雨の日は雨の日なりの「雲見」があった。
それが面白いと思った。
こんな身近な定点からの「雲見」をはじめるきっかけになった一冊の本があった。
それが
『雲のかお』(武田康男著 小学館文庫 1998.10.1)
である。
この本には、各季節、各月の特徴的で魅力的な雲の写真が多数紹介されていた。
美しい!!
すごいと思った。なかでも印象的だったのは「雲の日記」のページだった。
新しい季節の予感を漂わせ、毎日、違う顔で
通り過ぎてゆく雲たち。
そんな空の下で、
わたしたちは暮らしています。
(同書P129)
のコトバから始まり、365日一年間(1997年4月~1998年3月)の定点からの「雲見」画像が記録されていたのである。
私はこれにいたく感動した!!
「自分でも少しでも真似がしたい!!」と思った。
それが毎日の「雲見」のきっかけだった。
その裏表紙には次のようにむすばれていた。
ときには忙しい毎日を忘れて、お気に入りの雲を探してみませんか。もう一度、雲を楽しみたくなった人へ。《空の展覧会》への招待状を贈ります。
▼その招待状からちょうど20年!!
先日の【理科の部屋】25周年記念オフでは超スペシャル企画として、「空の探検家」武田康男さんのミニ講座があった。
美しい4K画像を見せてもらいながらの奥の深くて、とてもわかりやすい話は最高に面白かった!!
感動することしきりであった!!
そこで紹介された本が今回の【お薦め本】である。
◆ 【お薦め本】『空の探検記』(武田康男著 岩崎書店 2018.11.30)
図書館用にと少し堅牢につくってある。少し高価かと思ったが、お話を聞いたあとだけにどうしてもそれを手元に置きたかった。Amazonで注文したらすぐ届いた。
▼開けてみて感動した!!
実にすばらしい。これは絶対に【お薦め本】にあげたいと思った。
少し興奮してしまっているので、うまくこの本のすばらしさを伝えることができないかも知れないが、書いてみたい。
最初にいつものようにお薦めポイントを3つあげる。(同じようなことで重なってしまうが、どうしても書いておきたいだ!!)
(1)「空の探検家」武田康男のすべてがここにある!!
(2)子どもたちが最初に出会う「空」の本として最高!!
(3)すべての人にとって、今、最も魅力的な「空の探検」への招待状!!
(1)「空の探検家」武田康男のすべてがここにある!!
「空の探検家」という文章は次のようにはじまった。
小学生のころ、家への帰り道に、大きな流れ星(流星)を見ました。 (中略) それらすべてを自分の目で見てみたいと思ったぼくは、百歳までの行動計画を立てました。 そうして毎日、星空を見上げるうちに、日がしずんでいくときや、夜があけていくときの空の雲にも、美しさや不思議さがあることを発見しました。 おとなになったぼくは、いつしか、空の探検家になっていました。(同書p4より)
「空の探検家」というのは、後にも先にも唯一武田康男さんだけが正式に名のれるらしい。
武田さんのフィールドは国の内外問わず地球規模だった。第50次日本南極地域観測越冬隊員として活躍したことでも有名である。
私が武田さんのいちばんすごいと思うところは、次に見えてくる「空」を「予想」して、動くことである。夜昼もない、遠く離れているか近くかも問題でない。
その「空」が見られるとなればどこにでも飛んでいく!!
そうして撮りためた画像は膨大である。そのなかから厳選し、お宝画像が大公開だ!!
各メディア(TV、新聞など)で取り上げられたとっておきの一枚も含まれている。
(2)子どもたちが最初に出会う「空」の本として最高!!
子どもたちが最初に出会うものだからホンモノでありたい。
超一級のホンモノに触れさせたい!!
これはどんな分野においても言えることだ。
武田さんの撮った画像は、それに応えるものばかりだ。
『雲のかお』で私が感動した365日一年間定点「雲見」の記録もあった。
・空の365日(2005年3月~2006年2月)(p30より)
また長年「空の探検」を続けるなかで体験したこと記した
・探検ノート 1~10
は、今から探検をはじめようとする子どもたちとっては最高の誘いのコトバとなるだろう。
▼最後の
(3)すべての人にとって、今、最も魅力的な「空の探検」への招待状!!
(2)と大いに重なってしまうのだが、子どもたちにとっていい本は、私たち大人にとってもいい本である。
それはここでも通用した。
「さいごに」(p173より)は次のように書いてあった。
空にはふしぎなこともまだたくさんあります。自分で観察したり、さらに調べたりして、
あなたなりの「空の探検」をしてみてください。
この本は20年前の『雲のかお』風に言うならば
すべての人にとって、最高の《空の探検》への招待状である。
学校の「図書室」、一般の「図書館」はもちろんのこと、
一家に一冊 ぜひぜひの お薦めだ!!
子どもから大人まで誰もが永く永く愉しめる一冊だ!!
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