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本日(2018/12/12)、第209回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦

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朝焼けは雨!!

 今から思えばそれを教えてくれていたような空であった。
 それにしてもよく冷え込んでいた。
 大賀ハス観察池の古蓮の葉には霜が降り、水面には氷が張っていた!!

 確かに竹藪からはみ出た山藤にはいくつもの実がぶら下がっていた。
 残念ながら、私は寅彦の観たという現象をまだ目撃したことがなかった。

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▼本日(2018/12/12)は、第209回オンライン「寅の日」である。
 12月のテーマは次のようにしていた。

 【12月のテーマ】 「寅彦と「科学の方法」」

 寅彦の観察眼はするどかった。
 するどい観察眼での自然観察からはじめて、それを「科学」に高めていく手法は感心するばかりだ。
 そのお手並みを拝見させてもらおう。
 第一弾はその「藤の実」だ。

◆本日(2018/12/12)、第209回オンライン「寅の日」!!

●「藤の実」(青空文庫より)

▼出だしの文章からわかる、季節はちょうど今頃のことである。

昭和七年十二月十三日の夕方帰宅して、居間の机の前へすわると同時に、ぴしりという音がして何か座右の障子にぶつかったものがある。

 なんと音の正体は「藤の実」であるというのだ。そしてこう考察する。

 それにしても、これほど猛烈な勢いで豆を飛ばせるというのは驚くべきことである。書斎の軒の藤棚から居室の障子までは最短距離にしても五間(けん)はある。それで、地上三メートルの高さから水平に発射されたとして十メートルの距離において地上一メートルの点で障子に衝突したとすれば、空気の抵抗を除外しても、少なくも毎秒十メートル以上の初速をもって発射されたとしなければ勘定が合わない。

さらに

あの一見枯死しているような豆のさやの中に、それほどの大きな原動力が潜んでいようとはちょっと予想しないことであった。

と言われると、こちらまで
「ねえ君、不思議だと思いませんか?」
という気分になる。また、ここまでで終わらないのが寅彦だった!!

この一夕の偶然の観察が動機となってだんだんこの藤豆(ふじまめ)のはじける機巧を研究してみると、実に驚くべき事実が続々と発見されるのである。しかしこれらの事実については他日適当な機会に適当な場所で報告したいと思う。

それは予告だけでなかった。この翌年

◆論文「藤の種子の自然放散機構について」(1933年昭和8)

と発表されるのだ!!スバラシイ\(^O^)/

▼これまだこの随筆の入口だった。本意はまだまだ先にあるようだった。

それはとにかく、このように植物界の現象にもやはり一種の「潮時」とでもいったようなもののあることはこれまでにもたびたび気づいたことであった。

さらに銀杏の葉がいっときに落葉するのを観察して

なんだか少し物すごいような気持ちがした。何かしら目に見えぬ怪物が木々を揺さぶりでもしているか、あるいはどこかでスウィッチを切って電磁石から鉄製の黄葉をいっせいに落下させたとでもいったような感じがするのであった。

と書いていた。寅彦がこう書いて85年!!
 現代の科学者なら、この現象をどう読み解くのだろう。
 「アポトーシス」なんていう言葉使うのかな!?

 たいへん興味深い提案もしていた。

 この現象の生物学的機巧についてはわれわれ物理学の学徒には想像もつかない。しかし葉という物質が枝という物質から脱落する際にはともかくも一種の物理学的の現象が発現している事も確実である。このことはわれわれにいろいろな問題を暗示し、またいろいろの実験的研究を示唆する。もしも植物学者と物理学者と共同して研究することができたら案外おもしろいことにならないとも限らないと思うのである。

 このような世界に不案内な私には、85年経った今、この提案が実現しているのかよく知らない。
 くわしい方にぜひ教えてもらいたいものだ。

 しばらくは藤の実の観察を続けてみようと思う。

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