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本日(2018/11/30)、第208回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦

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▼11月が終わる。
 今年も私のヒガンバナ研究はまだまだ続いていた。
 「自然結実」ヒガンバナから、現段階で完熟種子を11個を回収していた。
 すっかり枯れてしまった花茎の先にはまだ「目玉オヤジ」状況の完熟種子がいくつかあった。

 回収した袋のなかで、すでにカビだらけの種子もある。
 種子の保存方法として、ベストな方法は!?
 まだまだ未知なる「研究」は続く!!

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▼本日(2018/11/30)、第208回オンライン「寅の日」である。
 11月のテーマは、【理科の部屋】誕生にちなみ

 【11月テーマ】 「寅彦と理科教育」 

である。本日はその第三弾として「研究的態度の養成」を読む。

◆本日(2018/11/30)、第208回オンライン「寅の日」!!

「研究的態度の養成」(青空文庫より)

▼最初から意図したことではなかったが、偶然と言えばできすぎた話だ。
 この随筆が書かれた年についてである。随筆の最後には次のように記してあった。

(大正七年十月『理科教育』)

 なんということだ。これは第206回で読んだ「物理学実験の教授について」が書かれた年と同じ年なのである。

 大正七年、1918年 つまりちょうど100年前!!

 再び、『増補 日本理科教育史(付・年表)』(板倉聖宣著 仮説社 2009.4.10)の年表で確かめてみる。

 ●1918年(大正7)
・1.19 理科教育研究会、東京帝国大学で発会式(会長 林博太郎)。
・2.05  文部省、師範学校・中学校の物理・化学に生徒実験を課すことを定め、「物理及化学生徒実験要目」を訓令、生徒実験設備費として臨時補助金20万円余を国庫支出。
・4.△ 理科教育研究会『理科教育』創刊

 なんと4月に創刊されたばかりの『理科教育』十月号に寄稿した随筆なのである!!
 そんなつもりで読んでみると、ちょっと深く読み解けそうな気がしてきた。
 いきなりこうはじまる。

理科教授につき教師の最も注意してほしいと思うことは児童の研究的態度を養成することである。与えられた知識を覚えるだけではその効は極めて少ない。
 

 なんと今日的な!! ちがう100年前の話なのである。
 100年後の今日考えてみても示唆的文章がつづく!!

とにかく児童には、知らないことが恥でない、疑いを起さないこと、またこれを起しても考えなかったり調べなかったりすることが大なる恥である、わるいことであるといった精神を充分鼓吹(こすい)してほしいと思う。教師がこの態度になることの必要は申すまでもなかろう。

▼『理科教育』への寄稿ということで、やはり教師への注文が多い。
 しかし、その注文にもさすが寅彦、説得力があった。

そこでこういう場合は、いろいろ六ヶしいことがあるが、簡単に説明すればこうだ、皆さんこの外どういうことがあるか考えて御覧なさいといった風にして、彼等の求知心を強からしめ、研究的態度に出でしむるようにありたい。科学的の知識はそうそうたやすく終局に達せらるるものではない事を呑み込ませて欲しいものである。
かようにしていって、科学は絶対のものでない、なおいくらも研究の余地はある、諸子の研究を待っているという風にしたいと思うのである。

 そして、最後の一文はなお示唆的で今日も有効である!!

とにかく簡単なことについて歴史的に教えることも幾分加味した方が有益だと確信するのである。

 最後にもう一度100年前ということで思い出したのが、先日お聞きしたばかりの「ナリカ 100年の歩み」
の話だった!!私のなかではどこかツナガルものがある!!

●1918年(大正7)
・中村久助「中村理化器械店」創業

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