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本日(2018/11/06)、第206回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦

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西谷川の「川霧」がみごとだった!!
 これを見逃してはなるまいとあわてて近づいてみた。しかし、そのみごとな景は長くは続かなかった!!
 川霧が消えかけたとき、ススキの穂に水滴が輝いてた。

 私の暮らす「大気の物理学実験室」でまたひとつすばらしい物理実験を見た\(^O^)/

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▼本日(2018/11/06)は、第206回オンライン「寅の日」である。
 11月のテーマは、11月が【理科の部屋】誕生月であることにちなんで

【11月テーマ】 「寅彦と理科教育」

 アリガタイことに科学者・寺田寅彦は、その立場から理科教育、科学教育に関しての随筆を多く遺してくれていた。どれもが、今日読んでもまったく古くない!!
 今もいや今こそ有効なものばかりである。
 本日は、そのうちのひとつ「物理学実験の教授について」を読む。

◆本日(2018/11/06)、第206回オンライン「寅の日」!!

●「物理学実験の教授について」(青空文庫より)

▼はじめに次のように書いてあった。

それと同時に文部省でも特に中等教育における理化学教授に重きをおかれるようになって、単に教科書の講義を授くるのみならず、生徒自身に各種の実験を行わせる事になり、このために若干の補助費を支出する事になった。これは非常によい企てである。どうかこのせっかくの企てを出来るだけ有効に遂行したいものである。

あれ?(゜_。)?(。_゜)?
いつの時代のことを言っているのだろう!?
随筆の最後には

(大正七年六月『理学界』)

と書いてあった。
 大正七年、1918年 つまりちょうど100年前だ!!

 『増補 日本理科教育史(付・年表)』(板倉聖宣著 仮説社 2009.4.10)の年表で確かめてみた。

 ●1918年(大正7)
・1.19 理科教育研究会、東京帝国大学で発会式(会長 林博太郎)。
・2.05  文部省、師範学校・中学校の物理・化学に生徒実験を課すことを定め、「物理及化学生徒実験要目」を訓令、生徒実験設備費として臨時補助金20万円余を国庫支出。
・4.△ 理科教育研究会『理科教育』創刊

コレダ!!100年前ということですぐさま思い出したもうひとつのことがある。先日の「ナリカ」創立100周年記念式典のことだ。「ナリカ」の創業もやはりこの年だったのである。

 ●1918年(大正7)
・中村久助「中村理化器械店」創業

 こんな時代背景を頭に描きながら、この随筆を読むとより寅彦の先駆性が見えてくる気がするのである。

▼引用はひかえめにと決意しながらも、ナルホド(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウンと合点すること多くついつい…

 云うまでもなく、物理学で出逢う種々の方則等はある意味で非常に抽象的なものであって、吾人の眼前にある具体的な、ありのままの自然そのものに直接そっくり当て嵌(は)められるようなものはほとんどないとも云われる。「AがあればBが生ずる」というような簡単な言葉で云い表わしてある方則には、通例「ただAだけがあってその他の因子A'の図A''の図……等がないならば」という意味を含めてある。
眼前の自然は教科書の自然のように注文通りになっていてくれぬから難儀である。
ビーカーに水を汲むのでも、マッチ一本するのでも、一見つまらぬようなことも自分でやって、そしてそういうことにまでも観察力判断力を働かすのでなければ効能は少ない。
先生の方で全部装置をしてやって、生徒はただ先生の注意する結果だけに注意しそれ以外にどんな現象があっても黙っているようなやり方では、効力が少ないのみならず、むしろ有害になる虞(おそれ)がある。御膳を出してやって、その上に箸で口へ持ち込んでやって丸呑みにさせるという風な育て方よりも、生徒自身に箸をとってよく選り分け、よく味わい、よく咀嚼(そしゃく)させる方がよい。

 寅彦の主張は徐々にヒートアップしていく!!
 そして、本随筆の主旨へと近づいていく。

 数十種の実験を皮相的申訳的にやってしまうよりも、少数の実験でも出来るだけ徹底的に練習し、出来るだけあらゆる可能な困難に当ってみて、必成の途を明らかにするように勉(つと)める方が遥かに永久的の効果があり、本当の科学的の研究方法を覚える助けになるかと思う。実験を授ける効果はただ若干の事実をよく理解し記憶させるというだけではなく、これによって生徒の自発的研究心を喚起し、観察力を練り、また困難に遭遇してもひるまずこれに打勝つ忍耐の習慣も養い、困難に打勝った時の愉快をも味わわしめる事が出来る。その外観察の結果を整理する技倆も養い、正直に事実を記録する癖をつける事やこのような一般的の効果がなかなか重要なものであろう。
 物理実験を生徒に示すのは手品を見せるのではない。手際(てぎわ)よくやって驚かす性質のものではなく、むしろ如何にすれば成功し如何にすれば失敗するかを明らかにする方に効果がある。それがためには教師はむしろ出来るだけ多く失敗して、最後に成効して見せる方が教授法として適当であるかと思う。
もともと実験の教授というものは、軍隊の教練や昔の漢学者の経書の講義などのように高圧的にするべきものではなく、教員はただ生徒の主動的経験を適当に指導し、あるいは生徒と共同して新しい経験をするような心算つもりですべきものと思う。


しかしそれはほんの一時の困難であろうと思われる。一通りの知識と熱心と忍耐と誠実があらば、そうそう解決のつかぬような困難の起る事は普通の場合には稀である。そのうちに生徒の方でも実験というものの性質がだんだん分って来ようし、教員の真価も自ずから明らかになろうと思う。そういう事を理解するだけでもその効能はなかなか大きいものであろう。これに反して誤った傾向に生徒を導くような事があっては生徒の科学的の研究心は蕾(つぼみ)のままで無惨にもぎ取られるような事になりはしないかと恐れるのである。

思わず膝をうつことばかりである。

これらのコトバは、現在の理科教師に向けた100年の時空を超えた寅彦からの熱きエールである!!

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