36号コウガイビルはエサなしで一年(12ヶ月)生きのびた!! #コウガイビル
▼36号コウガイビルに出会ったのは、まちがいなく一年前だった。
blogの「記録」に残っていた。
それ以来ときどき水は入れるが、それ以外のエサは与えていない。
梅雨空のもと、冷蔵庫からおそるおそるそのナイロン袋をとり出してみた。
動かない!!
そっと定規を添えてみる。このままでは1㎝そこそこの体長である。
一年前にくらべるとずいぶん小さくなってしまったものである。
▼もう死んでしまったのだろうか(・_・)......ン?
いやそうではない!! それは10年近くのシロウト観察からでも確信をもって言える!!
しばらくすると動き始めた。
何かが変だ ?(゜_。)?(。_゜)?
そうコウガイビルがコウガイビルたる由縁のあのイチョウの葉のような逆三角形の頭がみあたらないのだった。
たまたま目立たないだけなんだろうか?
それとも …?
私にはわからない。しかし、生きていることは確かだ!!
36号コウガイビルはエサなしで一年(12ヶ月)生きのびた\(^O^)/
▼どういうことだろう?
この私の「ふしぎ!?」に答えてくれいる唯一の文献があった。
もう何度も何度も引用させてもらってきたが、36号コウガイビルがエサなしで一年生きのびた記念に今一度引用させてもらう。
◆『プラナリアの形態分化~基礎から遺伝子まで~』(手代木渉、渡辺憲二著、共立出版 1998.3.25)
私の不思議に答えてくれる部分は 「14.9 飢餓と再生」(P275)にあった。この章は牧野尚哉・白澤康子先生が書いておられる。
コウガイビルの飼育では給餌が大切な要素となるが、餌に対しての反応は同一種内でも異なり積極的に摂取するグループとそうでもないものとがある。また長期間の飢餓に耐え、もとの体重の1/100に減少しても生存し続けることができる。このような生理的変化が、顕著な再生能をもつ本動物の器官形成にどのような影響を及ぼすのか、頭部再生の有無、形成所要時間、極性との関連について、採集直後の体重を100として、もとの30~40%に減少したグループを飢餓個体として実験を行った。 なお、飢餓個体の設定は、採集された個体のうち、何としても餌を食べないものがあり、かなりの期間絶食にも耐えられるが、やがて死に至る。体重減少と生存期間の長短は一定ではないが、採取後減少の一途をたどる体重は、ある時点で平衡状態となり、これ以降急激に減少して死ぬものが多い。体重が安定をみせる状態を越えると個体は死を迎えることから、この安定期(もとの体重の30~40%)を飢餓状態と考えた。これらの飢餓グループと採集まもないものとを次の実験により比較した。(同書P276より)
▼ではこの36号くんはどこまで生きのびるのだろう。
・生と死の境界線はどこに?
・不可逆的現象はどのようにはじまるのか?いやもうはじまっているのか?
・生命とは?
・生きるとは?
・「食べる」とは?
繰り返し繰り返し言うが、
これは「事実」の記録デアル!!
しかし、これは一事例にスギナイ!!
一事例だけでは、「科学」にナレナイ!!
いっぱいいっぱい事例が出てくることを切に願う!!
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