« 【理科の部屋】25年の歩みとは!?(7) #【理科の部屋】 #25thrika | トップページ | 私の「科学」雑話(23) #マッチ #川本幸民 #化学新書 »

本日(2018/05/10)、第191回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦

_dsc3458
東の畑のジャガイモの花が咲いた!!

 板倉聖宣先生が『ジャガイモの花と実』(板倉聖宣著 楠原義一画 福音館 1968.07.01)を書いてから今年でちょうど50年、半世紀だ!!

 先生は今年の花も実も見ないで逝ってしまわれた。合掌!!
 同じ畑の向日葵もトウモロコシも芽を出していた!!
 5月は進む!!

_dsc3473

_dsc3509

▼本日(2018/05/10)は、第191回オンライン「寅の日」である。
 5月テーマは独断でとっても奇妙なテーマにきめていた。

 【5月テーマ】 「寅彦の哲学」  

である。「哲学」なんて言うと少し大げさに聞こえるが、寅彦の「考え方」「生き方」(これもやっぱりオオバーか)程度の意味でアル。
 なんとなく「そんなにおいのする」随筆を読むことにした。
 第一弾の今日は「五月の唯物観」である。

◆本日(2018/05/10)、第191回オンライン「寅の日」!!

●「五月の唯物観」(青空文庫より)

▼寅彦の最晩年(1935年・昭和10)の五月に書かれた随筆である。
 なにかそこに意味があるように思えてならない。勝手な深読みだろうか?

 五月の風をいっぱい吸い込みながら読んでみた。
 妙に納得しながら読み進めた。

若かった時分には四月から五月にかけての若葉時が年中でいちばんいやな時候であった。理由のない不安と憂鬱の雰囲気のようなものが菖蒲や牡丹の花弁から醸(かも)され、鯉幟(こいのぼり)の翻る青葉の空に流れたなびくような気がしたものである。
それが年を取るうちにいつの間にか自分の季節的情感がまるで反対になって、このごろでは初夏の若葉時が年中でいちばん気持のいい、勉強にも遊楽にも快適な季節になって来たようである。

(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン
 次からがいよいよ寅彦の独壇場であった。

この著しい「転向」の原因は主に生理的なものらしい。試みに自分のあやしげな素人生理学の知識を基礎にして臆説を立ててみるとおおよそ次のようなことではないかと思う。  われわれが格別の具体的事由なしに憂鬱になったり快活になったりする心情(ムード)の変化はある特殊の内分泌ホルモンの分泌量に支配されるものではないかと思われる。

そして

数式で書き現わすと、この問題の分泌量Hがざっと H = H0 + A sin nt のような形で書き現わされその平均水準のH0[#「H0」は縦中横]と振幅Aとが各個人の各年齢で色々になる量だとする。そこで今いちばん適当なHの量を仮にKだとすると、上式をKに等しいと置いたときにその式を満足するような時間tに相当する時季がその人のいちばん気持のいいときになる勘定である。

ここにいたりて、これはまったく寅彦の世界であった!!

▼ポンコツ頭をフル回転してなんとか話についていこうとすると、あっけない「オチ」が待っていた。
 それがこの随筆の「本意」でもあるのだろうが…

しかし自分がここでこんなことを書きならべたのは別にそうした学説を唱えるためでも何でもないので、ただここでいったような季節的気候的環境の変化に伴う生理的変化の効果が人間の精神的作用にかなり重大な影響を及ぼすことがあると思われるのに、そういう可能性を自覚しないばかりに、客観的には同じ環境が主観的にある時は限りなく悲観されたり、またある時は他愛もなく楽観されたりするのを、うっかり思い違えて、本当に世界が暗くなったり明るくなったりするかのように思い詰めてしまって、つい三原山へ行きたくなりまた反対に有頂天(うちょうてん)になったりする、そういう場合に、前述のごとき馬鹿げた数式でもひねくってみることが少なくも一つの有効な鎮静剤の役目をつとめることになりはしないかと思うので、そういう鎮静剤を一部の読者に紹介したいと思ったまでのことである

 しかし、これで終りではない。本意中の本意は最後に待ち受けていた!!
 これがいつもの寅彦流である。

しかしたとえこれに関して科学者がどんな研究をしようとも、いかなる学説を立てようとも、青葉の美しさ、鰹のうまさには変りはなく、時鳥の声の喚び起す詩趣にもなんら別状はないはずであるが、それにかかわらずもしや現代が一世紀昔のように「学問」というものの意義の全然理解されない世の中であったとしたら、このような科学的五月観などはうっかり口にすることを憚(はばか)らなければならなかったかもしれないのである。そういう気兼ねのいらないのは誠に二十世紀の有難さであろうと思われる。

寅彦がこう書いてから83年!!
今だったら、寅彦はどんな「科学的五月観」を書くだろう!?
  
 

|

« 【理科の部屋】25年の歩みとは!?(7) #【理科の部屋】 #25thrika | トップページ | 私の「科学」雑話(23) #マッチ #川本幸民 #化学新書 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 本日(2018/05/10)、第191回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦:

« 【理科の部屋】25年の歩みとは!?(7) #【理科の部屋】 #25thrika | トップページ | 私の「科学」雑話(23) #マッチ #川本幸民 #化学新書 »