私の「科学」雑話(9)
▼いい塩梅に燃え尽きるマッチの炎を見ていると
・より「簡単」に!!
・より「便利」に!!
・より「安全」に!!
を願ってのマッチの「歴史」に思いを馳せたくなってくる。
▼ひとくちに「マッチ」と言っても、いろんなタイプのものがあり、その進化の「歴史」があるようだ。
これをわかりやすく簡単にまとめたページがあった。
◆マッチの歴史『マッチの発明』(姫路のモノづくり・電子じばさん館)
(1)初期型「黄燐マッチ」
(2)改良型「黄燐マッチ」
(3)赤燐を用いた分離型「安全マッチ」
(4)どこで擦っても発火できる「硫化燐マッチ」
さて気になっているファラデーが『ロウソクの科学』(1860年)で用いたかも知れないマッチであるが、年代から判断すると(2)か(3)か? とても微妙なところにある。
5年前の1855年には「スエーデン式 安全マッチ」は発明され販売されていたとは言え、実際にイギリスで「安全マッチ」が製造・販売されるのは5年後の1865年なのである。
さて ?(゜_。)?(。_゜)?
▼「マッチの歴史」のなかでもうひとつ気になるマッチがあった。(マッチの歴史(マッチの世界 日本燐寸工業会)より)
●1848年 ★デンマークのH.C.アンデルセンの童話『マッチ売りの少女』が出版。
である。
マッチ売りの少女はどんなマッチを売ろうとしたのだろ!?
年表から明らかなのは、まだ「安全マッチ」はなかった!!
▼幸いなことに名作童話が青空文庫で読めるようになっていた。
◆マッチ売りの少女 THE LITTLE MATCH-SELLER ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 (青空文庫より)
少していねいにマッチに火をつける部分を読んでみると
マッチを箱から取り出して、カベでこすれば手があたたまるかもしれません。少女は一本マッチを取り出して――「シュッ!」と、こすると、マッチがメラメラもえだしました! あたたかくて、明るくて、小さなロウソクみたいに少女の手の中でもえるのです。
少女はべつのマッチをかべでこすりました。すると、火はいきおいよくもえだしました。
もう明らかです。
「安全マッチ」ではなく先の(2)改良型「黄燐マッチ」なのです。
後につくられたアニメなどでは「安全マッチ」にすり替えられていた。細かいことにこだわるつもりはないが、なぜかかなしい気分になる。
(つづく)
| 固定リンク
コメント