本日(2017/12/29)、第179回オンライン「寅の日」!!#traday #寺田寅彦
▼高層の強い風を想像させるような「雲見」だった。
アジア500hPa・300hPa高度・気温・風・等風速線天気図(AUPQ35)を開いてみたら確かにすごい風が吹いていた。
寅彦もこの高層気象観測には早い段階から関心を持っていたようだ。
▼本日(2017/12/29)は、第179回オンライン「寅の日」である。
12月は随筆集『自由画稿』を集中して読んでいる。
今回はその三回目、「十五 視角」を読む。
◆本日(2017/12/29)、第179回オンライン「寅の日」!!
▼今回、私が勝手につけたテーマは
「科学的に視る!!」
今回の随筆は昭和10年4月に発表されたものだそうだ。
昭和10年(1935年)は、寅彦の最晩年だ。
ふだん見聞きする何気ない日常のことからはじめて、「科学」を説く寅彦の作風は円熟味を増していた。
最初にナルホド!!と膝をたたいたのは次だ。
これは機上から見た列車の全長の「視角」がほぼ腕の長さに等しい距離において一尺の長さが有する視角に等しいという意味と思われる。それで列車の実際の長さがわかっていれば、その時の飛行機の高度が算出される勘定である。しかし、多くの人はこういう場合に単に汽車が一尺ぐらいに見えたとか橋がマッチぐらいだったとか言う。これは科学的にはほとんど無意味な言葉である。
言われてみればそのとおりだ。
私もふだんそう言ってしまっているナ。「飛行機の高度」を算出は思い浮かばないな(^^ゞポリポリ
▼何度読んでも今ひとつ理解できないところがある。
たとえばまた自分の専攻のテーマに関する瑣末(さまつ)な発見が学界を震駭(しんがい)させる大業績に思われたりする。しかし、人が見ればこれらの「須弥山(しゅみせん)」は一粒の芥子粒(けしつぶ)で隠蔽(いんぺい)される。これも言わば精神的視角の問題である。
どういうこと ?(゜_。)?(。_゜)?
しかし、次は納得である。
それは、太陽や月の直径の視角が約半度であること、それから腕をいっぱいに前方へ伸ばして指を直角に曲げ視線に垂直にすると、指一本の幅が視角にして約二度であるということであった。それでこの親譲りの簡易測角器械さえあれば、距離のわかったものの大きさ、大きさのわかった物の距離のおおよその見当だけは目の子勘定ですぐにつけられる。これも万人が知っていて損にならないことであるが、木を見ることを教えて森を見ることは教えない今の学校教育では、こんな「概略な見当」を正しくつけるようなことはどこでも教えないらしい。
最後に気になることがあるのでそれをあげておく。
月や太陽が三十メートルさきの隣家の屋根にのっかっている品物であったらそれはたしかに盆大である。しかし実際は二億二千八百万キロメートルの距離にある直径百四十万キロメートルの火の玉である。
これはどういうことだろう?
「宇宙見物」大好き人間の寅彦が間違うことがあるだろうか?
私がなにか勘違いしているのかな?
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コメント
楠田さん、こんばんは。
冬休みに入ったので、ゆっくりとした時間が流れています。今年もファラデーラボなどで、大変お世話になりました。
久しぶりに楠田さんのブログを読みました。寺田寅彦の「15.視角」面白く読ませてもらいました。
そこで、楠田さんが理解できないところと書いていたので、私の解釈をコメントしたくなりました。
…たとえばまた自分の専攻のテーマに関する瑣末(さまつ)な発見が学界を震駭(しんがい)させる大業績に思われたりする。しかし、人が見ればこれらの「須弥山(しゅみせん)」は一粒の芥子粒(けしつぶ)で隠蔽(いんぺい)される。これも言わば精神的視角の問題である。…
これは、「自分の発見は自分にとってはとても大きなものに思えるが、他の人から見れば、とても小さいことに見える」という意味ではないでしょうか。
須弥山が芥子粒に隠れてしまうほどの大きさに見えるというのもその例えで、立場(見る人と物体までの距離)で大きくも小さくも感じられるということでは。
次の太陽・月が30m先の盆の大きさに見えるという現象を科学的な「視角」で説明しているので、前段は「精神的視角」と言っているのではないでしょうか。
楠田さんが疑問に思われていることと全く的外れなコメントならごめんなさい。
それでは、良いお年を。
投稿: 西川 徹 | 2017/12/29 19:44
西川さん
おはようございます。
コメントとてもうれしいです。ありがとうございます。
> 須弥山が芥子粒に隠れてしまうほどの大きさに見えるというのもその例えで、立場(見る人と物体までの距離)で大きくも小さくも感じられるということでは。
ナルホド(゜゜)(。。)(゜゜)(。。)ウンウン
この説明で納得です。
・エサなしで生きるコウガイビル
・「自然結実」ヒガンバナ種子の発芽
なども私にとっては「大発見」だけど関心のない人にとって小さな「つまらない」ことですよね。
今年もいろいろほんとお世話になりました。
来年もまたよろしくお願いします。<(_ _)>
投稿: 楠田 純一 | 2017/12/30 10:06
楠田さん、こんにちは。
応答、ありがとうございます。
楠田さんのエサなしで生きるコウガイビルやヒガンバナの種子の自然結実も発芽などは、他の人にとっても驚きで、感動を呼ぶ発見だと思いますよ。
そして、毎日続けておられるこの日記がすごい。私から見れば、まねのできない大きな宝の山のような存在です。
本人が感動したことをHPに載せることで、同じ感動を「おすそ分け」できる。楠田さんの持論は、ご自分で実践中です。素晴らしいことだと思います。
私も少しはまねがしたいと思っているのですが、なかなか続きません。今年こそと思いつつ、とうとう今日に(31日)になりました。(^^;
では、お身体気を付けて、、、もう一度よいお年を。
投稿: 西川 徹 | 2017/12/31 18:35
西川さん
あけましておめでとうございます。
いつもあたたかいエールをありがとうございます。
西川さんにそのように言っていただきとても光栄です。
大いに励みになります。
今年もお目にかかっていろいろ学ばせてもらいたいと思っています。
オフ三昧の一年にしたいと思っています。
よろしくお願いします。<(_ _)>
投稿: 楠田 純一 | 2018/01/01 06:36